この万年筆は総体が純銀製であり、ボディも、キャップもネジの部分まで一枚板の加工品で極めて精緻な模様が彫り出されています。 もちろんグリップセクションも全て純銀製ですので、指が脂ぎっていたとしても、決してヌラつくようなことはありません。
ネジは締め込んでゆくと最後の所でコトンと嵌合するタイプで、その精緻な手触りから、極めて高い技術力が感じられます。 またキャップを尾部に嵌めるのも同様にネジが切られており、手抜きのない所は素晴らしいと思います。ホテルだとか、レストランだとか欧米人にはサインする機会が多々ありますが、尾部にキャップを嵌めれば、外したキャップの置き所に困ることもなく、非常にスマートにサインすることができたのではないでしょうか。
キャップを尾部に嵌めても嵌めなくてもバランスがよく、総銀製で重量も相当なものになりますが、決して書きにくいということはありません。 ただ慣性質量の関係で速い転接を要求してもそれに対応しきれませんので、その分ある程度の経験は必要でしょう。
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