ということで、いよいよお待ち兼ね、今月の万年筆でございますが、
シェーファーのインペリアル( Sheaffer's Imperial )でございます。
シェーファーという会社は、そもそも初から美的感覚に狂いがあるともうしますか、黄金比率を無視した製品は、まあ簡単に言ってしまえば、”ブサイク”でございまして、顔を見るたびに、つい”ブス”と口走ってしまいそうになるくらい、それはまあひどい物なのでございますが、それが一たびその書き味のとりこになってしまいますと、かえってそれが、”アバタもエクボ”とでももうしましょうか、その奇妙な色やデザインを探し求めて日に夜に”ヤフオク”とか、”Ebay”とかを彷徨して憚らないのでございますが、その上困ったことに、シェーファーという会社の方針は、他社がもっぱら少量品種多量生産を社是としているのに反しまして、多量品種の少量生産を頑なに守っておりますので、老人のような貧乏人にはとても全品種をコレクションするなど”夢のまた夢”でございまして、またその口惜しさが生きる原動力となっているような次第でございます。
と、このように”シェーファー”という会社をご紹介したところで、この”インペリアル”でございますが、――
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