エバーシャープ社は主に高級万年筆を比較的少量生産することで業界に一定の地位を築いてきましたが、第二次大戦の後、万年筆が大衆にも普及し始めると次第に路線を外れることになって安価な製品を大量生産せざるをえなくなり、1957年にはパーカー社に買収されることになるのですが、エバーシャープ社独自の企画としては1952年発売の、この"Ventura"という製品が最後ということになります。
ではエバーシャープ社の普及品とはどのようなものかといいますと、およそ二点を挙げれば充分ではないかと思っておりますが、第一の点と致しましては高価な金張り(
rolled gold/gold filled )ではなく、金が安価な電気メッキだということであり、写真でも容易に判別することができるのであります。その第二の点はといいますと、ボディーがエボナイト/セルロイドの挽き物ではなく、安価な樹脂のモールド製品だということで、これもネジの部分などよく見れば容易に判別することができます。 いづれにしても、これ等の欠点は本質的なものではなく、書き味に影響を与えることもありませんので、かえって値段の割りに良い製品を手に入れられたことを喜びたいぐらいだと思います。
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