そのペン先はともうしますと、すべてビュラン( burin )による手彫りが施されており、菱形、太陽、14K の文字、隠れて見えませんが 585
と金の品位/金の含有量が彫刻されております。 ただブランドだけがないのです。 太陽は左側半分にだけ光芒があり、中には炎の模様がやはり左半分にのみ彫られています。 菱形に半日半夜(
half day and half night )、この模様には何か意味があるのでしょうか? 誰かご存知の方、教えていただけませんでしょうか。
ということで、少しばかり奇妙な万年筆を手に入れたものですから、このペンの筆跡を御披露したいと思いますが、はてどうすれば良いのか、なんとか下手な字をごまかす方法はないものか、しかしどんなに上手くごまかせたとしても、いづれはボロが出るに決まっています。やはり地のままでゆくよりよい方法はございますまい。そこで、‥‥
老人が無い智慧を絞ってやっと考えついたのが、”原稿用紙に書く”です。原稿用紙はバラバラにしか文字を書くことができず、文字間の統一を取るのが極めて難しいものですから、いったい誰が書いたとしても下手にしか書けようがございません。
凝り性の老人は、さっそく原稿用紙づくりに没頭いたしたのでございますが、デザインは中学の時、県だか郡だかの展覧会の版画部門で見事入賞の実績を有する家内が担当し、プログラムは老人が担当し、互いに相手の領分を侵すことなく、何事にも和をもって貴しとなす、をモットーにしながら、数種類のデザインと、数種の色とで、数組の原稿用紙ができあがりました。
これからしばらくの間は、毎月コレクションより厳選した万年筆と、原稿用紙をセットにして御披露することにいたしましょう。 皆様方にはどうぞ御贔屓のほどよろしくお願いもうしあげます。
また、原稿用紙は準備が整いしだい、皆様方にも御利用いただけるようにいたしますので、こちらの方もどうぞよろしくお願いいたします。
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