人の行く裏に道あり?
ドクダミは、漢字で蕺(しゅう)と書き、又蕺菜、蕺草、或は"魚腥草"、或は"十薬"と称し、辞書によれば、『多年生草本植物,莖上有節,葉互生,結蒴果。莖和葉有腥味,全草入藥。亦稱“魚腥草”。』( 多年草の植物、茎に節あり、葉は互生し、蒴果(さくか、capsule)を結び、茎と葉とに腥味あり、全草は薬に入る、また"魚腥草"とも称す)とありますが、また『其地下莖可食,全草可入藥,治水腫、淋病、子宮炎、月經不順等,亦可作利尿劑、解毒劑等。』(その地下茎は食うことができ、水腫、淋病、子宮炎、月経不順等を治し、また利尿剤や、解毒剤となすこともできる)というように、まことに"十薬"の名に恥じぬものであり、さらに腥味があるとはいうものの、ほぼ香草(シャンツァイ、パクチイ)と同様の香気があり、今時の若い方などには、さだめしサラダなどにすれば案外美味しく思われるのではないでしょうか。 ちなみにこの薬効は上記に限らず、夜尿症にも効きますので、その方面に心配のある方には、是非お試しいただければ幸いです。

美の基準は人それぞれでございますので、ドクダミの花を美しいと見るかどうかは人によりますが、こんど道端などでお目に留まりました折には、ひとつじっくりとご観察くださるようお願いもうしあげます。

「ドクダミ」の語源を、「大言海」は、「毒痛み」ではないかと言っておりますが、それは「毒が損傷する」ということですので、そのような意見もあろうかとは思いますが、老人がいろいろ調べた所によれば、「毒が回(た)む≒毒が迂回する( the poison circumvents the target )」ではないかと考えておりまして、案外、他の辞書には、すでにそのように出ているのではなかろうかとも思っております。

老人の庭には食用の実を付けるものとして、「ユスラの木」と、「桑の木」が植わっております。 今年は、ユスラは少ししか実を付けませんでしたが、一昨年買った桑の木に実がたくさん成りましたので、むしゃむしゃと存分に食べております。 老人は養蚕業の盛んな土地に生まれ育ちましたので、桑の実には馴染みが深く、数あるベリー類のなかでも、特別なものを常に感じております。 鉢植えとはいえ、これがいっぱい食べらるのは、まさに至福の味わいともいうべきでしょう。

*************************

老人の取っております新聞に、次のような記事が載っておりました、――
≪米 五輪努力支持変わらず 選手派遣渡航中止と別枠≫
  サキ米大統領報道官は二十五日の記者会見で、米国務省が日本での新型コロナウイルス感染拡大を受け渡航警戒レベルを引き上げ「渡航中止」(レベル4)を勧告したことに関連し、今夏の東京五輪開催について「われわれの立場は変わっていない」と説明し、「日本の努力」を引き続き指示しているとの考えを示した。開催自体の賛否については明言しなかった。サキ氏は記者会見で、米五輪選手団の日本への渡航は「主催者が決めた非常に特殊な入国、移動のルールと手順のもとでの非常に限定的な枠」だとして、国務省の勧告とは別枠で検討されるとの考えを示した。五輪開催については「日本政府と国際オリンピック委員会(IOC)が、準備を慎重に検討していると理解している。そして日本政府は公衆衛生が依然として最優先事項であると強調している」と「公衆衛生の重要性」を指摘するにとどめた。ただ「大統領は米国のアスリートを支援している」とも語った。
  米国オリンピック・パラリンピック委員会は、国務省の勧告でも選手団派遣は問題ないとの声明を発表しているが、米メディアからは選手の渡航に影響する可能性を指摘する報道が相次いでいる。
2021/05/26 中日新聞(夕刊)
また、別の日には、このような記事が載っていました、――
≪「五輪参加は自己責任」IOC同意書に選手団困惑≫
  新型コロナウイルスの影響が懸念される東京五輪を巡り、国際オリンピック委員会(IOC)が二十七日に開いたアスリートとの意見交換会で、五輪参加者が義務付けられた同意書に疑問の声が上がった。参加者向けのコロナ感染防止策をまとめた「プレーブック」(規則集)は「リスクや影響が完全に排除されるとは限らないため、自己責任の参加に同意するものとする」と明記している。IOCの担当者は「いかなる政府も保健当局も感染症について保証はできない 。われわれ全員が負うべきリスクだ」と回答し、同意書の提出は従前通りだと強調した。
  米国の選手委員がIOCのバッハ会長との質疑応答で「選手に求められる同意書を多くが疑問に思っている。(過去の五輪で)暑さやコロナに関して署名の必要があったことを覚えていない」と指摘。同会長は、自身が出場した五輪でも「署名しなければならなかった」と応じた。IOCのデュクレ五輪運営部長はプレーブック最終版を六月中旬に公表する見通しを示した。四月の第二版を改訂して検査体制や行動制限をより詳細に記す予定で、規則集に影響する観客数の上限判断が六月前半となる可能性も出てきた。
2021/05/28 中日新聞(夕刊)
日本人でありながら、まさか「京都のぶぶ漬け」について知らない人は一人もいないと思いますが、京都の人は、客が長居しても、「どうぞお帰りやす」というような直接的な断り方ができず、その代わりに「ぶぶ漬け用意しましたさかい、どうぞ一杯お上がりやす」というような断り方をすると聞いておりますが、サキ報道官の言葉は、これよりはもう少し直接的な示唆を含んでいるようで、「アメリカは、我が国の選手を、そのような危険に会わせることはできませんので、日本の政府と五輪関係者は、どうぞ宜しくお含み置きください」と言っているとしか思えません。

しかし、政府の方からは、「ごもっともでございます。当方と致しましても、五輪の方は諦めておりますので、どうぞお気になさらずに、ご心配かけて申し訳ございませんでした」、というような言葉が出てくるような気配もなく、どうも五輪強行の方に傾いているのではないかと思われます。

味方の不利を顧みず、猪突して戦端を開いてしまった、彼の「大東亜戦争」を鑑にしようというような気はないのでしょうか? それとも、「五輪辞退などは凡人の考え、日本人であるからには人の行く裏を行かなければ」、とでも?

「人の行く裏に道あり花の山」とは、株屋の言い草、決して民草の暮らしを守るべき方々の考えるべきことではございませんが、‥‥はたしてその真意は?



しかし、こんな記事まで出されたんでは、あんまり見透かされているようで引くに引けず、止めるに止められないってところなんでしょうか?‥‥まあ、欲得づくだけで進めてきたことなんですし、どうなったって仕方ありませんよね、――
≪「日本人『ガイアツ』に期待している」英BBC五輪反対世論を報道≫
  英BBC放送電子版は25日、米国による日本への渡航中止勧告が『ガイアツ(外圧)』となって、東京五輪の中止につながるよう多くの日本人が願っているとの見方を伝えた。
  日本特派員の記事は、渡航中止勧告が「米国代表団の東京五輪出場取りやめにつながることを多くの日本人が期待している」と指摘。日本人の多くが五輪の中止を望んでおり、米国代表団が辞退すれば日本政府は開催断念を強いられるとみられていると紹介した。さらに、日本では「外国からの圧力(ガイアツ)なくして五輪の中止はない」と見る向きが多いと指摘。このため、米国オリンピック・パラリンピック委員会が東京五輪の出場には影響しないとの見解を示したことに「落胆しているようだ」と伝えた。
2021/05/26 中日新聞(夕刊)
************************
庭で摘んできたユスラと桑の実
では今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまでご機嫌よう
  (人の行く裏に道あり?  おわり)

<Home>