スターリンク計画


老人御用達の和菓子屋の近くに万葉公園という名の公園があり、河津桜が咲いたとの報せを受けて、今月の写真を撮りにやって来ました。 柵を取り囲むように数人のカメラマンが600mm の巨砲レンズをカメラに装着し、重そうな三脚を据えて絶好の場所を占領していましたが、ただひたすらカメラ談義に余念なく、一向に写真を撮る気配がありません。辺りに響くは老人夫婦のカメラから発する鈍いシャッター音のみ。 その中にチッチッと鳴く鳥の囀り、近くに寄って、桜の花を下から覗いてみますと、約10羽のメジロと、2、3羽のヒヨドリが飛び交いながら遊んでいます。 思わぬところで聞く春の訪れ、いいものですな、‥‥



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スターリンク計画とは、約12、000基の人工衛星を用いて、地球上の何処からでも安価に、高度なデータ通信を可能にしようという計画で、2019年から始まり、2020年代の中頃の完成を目指したものですが、総費用100億米ドルとも言われる、その出資、計画・実施・運営はすべてスペースX社(Space Exploration Technologies Corp.)がまかなうことになっていて、2020年の終り頃には、既に1500基程度の人工衛星が軌道上に設置され、アメリカの一部の地域では、既に運用が始まっています。 スターリンクの利用に要する個人的負担は優れたパラボラアンテナシステムを含む初期費用が499米ドル、以後毎月の費用が49米ドルでしかありませんので、携帯やスマホの基地局が遠いところとか、光通信が通じていないところなどには、非常な恩恵となるに相違ありません。 しかもそのサービスはアメリカ一国、あるいは北アメリカ等の数カ国に限られたものではなく、全世界にオーストラリアの砂漠の真ん中であろうと、アフリカのジャングルであろうと、シベリアの極地であろうと、何処であっても、そのサービスを受けることができるのです。

まったくもって、すごい事だと思いませんか?そのスペースXとはどんな会社でしょうか? 言うまでもなく、そんな事のできるのはあの男しかいませんね。 そうです、テスラ社のCEO イーロン・マスクの会社なのです。 テスラ社のホームページを見ると、"Tesla’s mission is to accelerate the world’s transition to sustainable energy."(テスラの使命とは、世界の持続可能なエネルギーへの移行を加速することである)というメッセージが目に飛び込んできますが、テスラ社は株式会社でありながらお金儲けが目的ではありません、配当金を0に抑えて、利益を次から次へと新しい工場の建設に注ぎ込んでいるのですが、テスラ社の株を買う人は、皆その使命に賛同して買っているのですね。



しかし、イーロン・マスクは敵の多い人です、というより囲りは敵だらけと言ってもよいほどです。 まず第一に旧来の自動車業界というよりは、むしろ自動車労組、莫大な利権が絡むとなれば危険も尚お一層ということです。そしてテスラ株を空売りしてあわよくばをあえなく返り討ちに遭ったハゲタカファンドの面々、莫大な金が動けば、また怪しげな金も動くのが道理で、まさに命がいくつあっても足りません。 テスラ株の時価総額(2021/02/28)を知っていますか?6483億ドル、なんと69兆円ですよ、トヨタの時価総額は26兆円、ねっハゲタカファンドがどれぐらい損をしたのか想像がつくでしょう?まさに殺してもあき足りない奴じゃないでしょうか?

とうぜん後ろ盾が必要ですわな、ねっトランプ、この後ろ姿はトランプじゃないですか?トランプの後ろ盾は米軍、スペースXがロケットを飛ばすのはケープカナベラル空軍基地(Cape Canaveral Air Force Station)、全部老人の妄想ですが、英雄は英雄を知るって言いますものね、まんざら根拠のない戯言というわけでもありません。 なんか面白いですな、‥‥。





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銘:水仙(川村屋賀峯総本店)

では今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまでご機嫌よう。
  (スターリンク計画  おわり)

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