中国の洪水被害は八月下旬に至るもなお終るを知らず、その中国という国家を指導すべき共産党は権力闘争のまっただ中、かの国の人民の悲惨は思い遣りて余りあるものがございますが、老人の興味はもっぱら、かの電気自動車会社のテスラ(
Tesla Inc. )に向っております。
アメリカの情報通信会社大手のブルームバーグ( Bloomberg L.P. )によれば、
'20/06/11 テスラ、時価総額で自動車会社世界トップを射程にートヨタ迫る
'20/07/02 テスラ、時価総額でトヨタ上回る-世界最大の自動車メーカーに
'20/08/27 テスラ、時価総額が4000億ドル超え-ジェフリーズが目標株価引き上げ
とあります。ちなみに夫々の時点でのテスラの時価総額をチャートから拾ってみますと、
6/11 1792.45億ドル(972.84ドル)
7/02 2226.95億ドル(1208.66ドル)
8/27 4124.93億ドル(2238.75ドル)
となります。()内は株式時価。たしか、2月に900ドル超を達成した後、3月に360ドル近辺まで揺り戻し、その後はほぼ上る一方の快進撃ですから、目が離せませんが、ただ老人にはたったの一株を購入するだけの資金すらありませんので、目が離せないとはいうものの、寂しく指をくわえて見ているだけですので、あるいは気楽な立場と言えるのかもしれません。
さて、株式に関心のある方々には、株価収益率( PER )のような数字が気になるかも知れませんが、これが227.80、世間では14~20ぐらいが標準と言われておりますので、ほとんど収益の見込みが皆無ということで、これをバブルと言うアナリストは非常に多くいます。
さて、一方のトヨタはといいますと、8/27の株価は7,073円、時価総額は22.86兆円、株価収益率は12.83であり、テスラの8/27の時価総額は、1ドルを105円に換算すると、43.31兆円となり、ほとんど2倍と言ってもよいようなものです。
ここまで見てきて皆様にご質問です、はたしてテスラはバブル・劣悪、トヨタは優良・堅実な投資先と言ってもよいのでしょうか?
老人の意見を端的に言えば、多くのアナリストは経験知によって、現状を分析し、未来を予測しますが、パラダイム・シフト( paradigm shift
)のような大きな変化に対応するだけの知見がありません。老人は自らを省みて、まざまざと思い浮かべることができますが、時代がアナログ・レコードからCDに変化したことに気づかず、ただ磁気テープのような新媒体が出現したに過ぎないと思っていたので、物珍しさからCD装置を買ってみるまで何も分からず、この時、初めて時代が替わり、数百枚のアナログ・レコードと、プレーヤーに投じた資金がまったく無駄になってしまったと悟ったのでありますが、このような事が、多くのアナリストに起ったとしても、それはまったく有りうることであり、不思議ではないのではないでしょうか、まさに一考を促がす理由です。
全世界でトヨタは1000万台を生産し、テスラは昨年の実績でいえば、たったの30万台に過ぎません。しかし、電気自動車は内燃機関自動車に比べれば、人的資源をほとんど必要とせず、コスト面で有利なのは言うまでもありません。しかも現在、メガファクトリーという生産能力
30~ 100 万台の工場を上海、ベルリン、テキサスに建設しつつあります。テスラのCEO イーロン・マスク( Elon Musk )の胸中には、すでにロードマップができあがっていると見なければなりません。はたして時代が替わった時、トヨタの有する1000万台を生産する機械資源、人的資源はすべて重荷とならないということが有りうるでしょうか?
ヴィニール・レコードからCDに切り替わったのは、ほんの数年の間でしかなく、今またCDからダウンロードに替わろうとしているのです、‥‥。
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