Pelikan M30 Fountain Pen Set


世間では、アベノマスクが届いた届かないとかというような噂も、ちらほら聞こえてくるようになりましたが、老人には一向に届く気配がありません。 いや、それどころか、マスクはすでに潤沢に出回っているようで、スーパーには、一人あたり何個限りというような制限こそあるものの、品物が不足している様子は見られません。

アベノマスクの経費が、やれ90億円だの、いや466億円だのと言われているのを聞いたことがありますが、いくらであったにせよ、あえて必要ともしないものに、とんだ巨億を費やしたものと思わざるをえませんな、‥‥。 

マスクはともかく、一つ買うと、もう一つ欲しくなるのが老人の癖ですので、今回もやはりもう一つ購めてしまったのですが、‥‥それにしても例の10万円が心配です、ほんとうにいただけるのでしょうな、‥‥。



ペリカン(Pelikan)の万年筆セットです、胸の内ポケットに入れても目立たないくらいに薄く小さなハードケースに入っていました。 ペリカンの万年筆といえば、昔から軸やキャップの色に緑色を使用する例が多くありましたが、これも深緑のケースです、‥‥なかなかシックですな、‥‥。



ケースの内張は、クリームに深緑のサテン地、黒軸に金張りキャップのペン、ケースのサイズはペンの長さぴったりにまで抑えられており、実用性が考えられたものと言えます。常に携帯するもよし、旅行に鞄の底に忍ばせるのにもよし、このケースだけでも好もしさが感じられます。

老人は若いときペリカンのこのモデルと、モンブランの同価格帯のモデルと比較して、結局モンブランの方を択んだのですが、年を取って、多少は物を見る目もついてきた今ならば、あるいはこちらを択ぶかもしれません。 ただ今時のペリカンを欲しいとは思いませんね、あまりにゴシック趣味で控えめな優美さを失っているように思えるからです。



手元に届いた時、外国人の手で”Pelikan M30 Fountain Pen Set 1966”と書かれた紙片が付属していましたが、指折り数えれば、老人が丸善で見かけたのも、ちょうどその頃に当たります、1966年製は間違いのないところでしょう。

半ば隠れた( Semi-hooded )ペン先は、ペンを寝かせて書く時には硬くて、ほとんどたわみを感じられませんので英字を書くのにちょうど良く、ペンを立てて書く時には適度にしないますので、漢字や仮名を書くのに適します。 手にするまでは、どのような書き味か心配でしたが、硬軟両用に適するところから、永く楽しめるような気がします、またよい買い物をしたのではないでしょうか。


 (柚子の花)


(待宵草)

******************************

(唐衣 : 川村屋賀峯総本店)

では、今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまでご機嫌よう。
  (Pelikan M30 Fountain Pen Set  おわり)

<Home>