皆様、ご機嫌いかがですか？

老人の方はどうかともうしますと、もちろんコロナ禍は当地方にも及んでいますが、詳しい事情がまったく報道されませんので、どこが危険で、どこが安全なのかさっぱり分かりません。　そのような訳で、気軽に出歩くことにすら心理的障壁ができまして、やっと週一ぐらいの危険を冒して買い物などをしながら、なんとか災難をやり過ごそうと企んでおるような次第ですが、なにしろ根がヘタレでございますのでね、いったいこの先どうなりますことやら、‥‥

ただ戦々兢々として、その恐ろしさにぶるぶる震えているのも、なにか老人らしくて好さそうにも思えますが、そのような心細さを吹き飛ばすのに、仏教には好い方法がございまして、それを禅とか褝那（梵 dhyāna ：ヂヤーナ）とかともうすのでございますな。　その禅を、梵英辞典では、「瞑想”meditation”とか、抽象的黙想”abstract contemplation”とか、真剣にして静寂なる思考”serious and quiet thought”とか」等と訳しているようでございますが、それは単に辞書の上でのことで、わが仏教上に於いては但だ瞑想することを指すに停まらず、現前の一事に没頭する（ giving a lot of attention directed to a subject ）ことを指すとということなっているのでございます。

さすれば、老人が毎朝精神を統一して頭を剃るという行為も、まさしく禅に他なりません。

というわけで、老人は日々益々剃頭禅に没入しているのでございますが、それに係るコレクションが自然に充実してくるというのも、病膏肓に入り易き老人としては、また当然のことでございますので、今回はその老人愛用の数々を一挙に御披露つかまつろうと思うのであります。

さて、これに取り出だしまするは、インドの篋、はたして此の中には何が入っているのでしょうか？‥‥いよいよツアーの始まりでございますよ。

まあ、見れば一目瞭然、謂わゆる両刃式安全カミソリでございます。

上の厳選された６種は、どれも皆人に勧められるものばかりであり、皆申し分のないものばかりですが、微妙に持ち味が異なります。　その日の気分によって、使用する１本を択びだすのも楽しみ、このように篋に納れて眺めるのもまた楽しみ、‥‥いやあ、奥深いものがありますな。

ヒゲ剃り用ブラシもまた重要なアイテムです。石鹸の泡を立てるものですが、泡を立てる目的は、石鹸が流れ落ちるのを防ぐ為めです。

ヒゲ剃り用ブラシは、毛の材質が重要であり、主に豚毛（ boar ）、アナグマ（ badger ）、ナイロン（ synthetic ）があります。　一般に泡の立ちやすいのはアナグマ、肌触りのよいのは豚毛、兼ね備えたものがナイロンと言われていますが、詮じ詰めれば大差なく、使い慣れればそれが一番ということになりますので、特に何れを勧めるということもございませんが、直接肌に触れるものでもあり、持ち味もだいぶん異なりますので、やはり使う人の性格によっては、いろいろ買って試すということにならざるをえません。

上の５本の価格は、およそ2500円～9000円ぐらいですが、こちらは1500円～2500円ぐらいです。しかし性能が落ちるというわけではもなく、見た目が少しばかり安っぽいということが、異なるだけです。しかし上の５本があれば、この５本は必要ないかと言われれば、あながちそうとばかりでもなく、やはり微妙は持ち味の異なりがありますので、これもまた必要なものなのです。

此の中の一番安価な ANBBAS のアナグマ毛も、その性能に於いては、上の最も高価な Semogue のアナグマ毛に劣るということがございません。Semogue の方が毛の本数が多く、密度が高いのですが、それが使いやすさに通じるかと言えば、そうとばかりは言えないというのが本当の所です。しかし、カミソリが6本必要なのと同じ理由で、その楽しみに於いて、ブラシもやはり10本必要なのであります。

ヒゲ剃り石鹸もまたカミソリ、ブラシに劣らず重要です。　

此の中で、手に入り易さでは、 Amazon からMÜHLE が1400円ぐらい 、 ARKO も750円ぐらいで購入できますが、寧ろ Ebay から ARKO を431円/1個～2593円/12個（送料無料）で購入するか、イギリスの Connaught Shaving から CELLA をお購めになることをお勧めします。

ヒゲ剃り石鹸の性能は滑り易さ（ slickness ）と、ねばつき（ stickiness ）とに尽きますが、滑り易さだけならば、普通の化粧石鹸でも十分です。　ねばつきはバターとか、牛脂とかを加えることで発揮されます。　カミソリの刃が何度も肌の上を往復しながら、石鹸の効力が肌に残るのは、このねばつきの働きです。地中海人や、東洋人の髪/髭は黒く、太く、堅いことで知られていますが、このような髪/髭には、何度もカミソリを往復させることが必要です。要するにイタリア製の CELLA や、トルコ製の ARKO が最適ということになり、老人の実感でも、同じ結果だからです。

旅行用のグルーミングセットです。

牛革でできており、中には Gillette TECH のカミソリと、 Gillette 制のカミソリの刃1枚、真鍮製クロムメッキの石鹸スティックと、ヒゲ剃りブラシのコンテナ、豚毛のヘヤーブラシ、乳液用の蓋付きビン、 Sheffield 制の爪ヤスリが入っていました。これに毛拔き、小型のヒゲ剃りブラシ、石鹸スティックを追加して、旅行の用意万端が整いました。さて何所へ行こうかな、‥‥

カミソリの刃は、カミソリや、ヒゲ剃りブラシや、石鹸に劣らず、やはり非常に重要です。ただしカミソリの刃の性能は千差万別であり、髭の濃さ、太さ、堅さ、肌の状態等により、適不適の差が激しいものですから、最初に詰め合わせセットを購入されるようお勧めします。

老人は、詰め合わせセットにより、最も適するのはイスラエル製の PERSONNA Platinum であり、次はロシア製の VOSKHOD Teflon coated であると知りましたので、迷わず PERSONNA Platinum を Amazon より200枚買い求め、更に400枚購入して今に至ります。

三月に入ってから、大学の卒業旅行とかで、フランスや、スペインに行かれた方がいらっしゃったそうですな、‥‥。それほどの物知らずは、当然海外に出かけて、見聞を広めるべきだとは思いますが、まわりには誰も止めるだけの智慧をもった方がいらっしゃらなかったのでしょうか？‥‥

少なくとも、今後1年間は、十分ご注意なさって、無駄な外出を控え、無駄な会合を開かないようになされねばなりませんな、‥‥しかしその１年が長いのですわな、‥‥堪えきれるかどうか、‥‥