皆様は、御覧になっただろうか、ポーランドでは小さな短刀でチクチク刺していただけなのに、ニューヨークの本舞台では、突如、被っていた貓をかなぐり捨てて、虎の本性を現したのを。 大鉈を振りかざして敵の退路をことごとく断ちながら、有無を言わせぬロジックで、反論があるならば、今こそ言うべき時だ、さあ言ってみよとばかり、であったのを。 まあ言ってみれば、大業物を振りかざしながらも、その抜群の切れ味を見せつけたのですが、老人は、この短いビデオに、まさに胸のすくような思いを味わったのであります。
冒頭、極めて小声で、こう言いました、『わたしのメッセージは、こうだ、わたし達は、あなた方を見張っているぞ!』、と。 勿論メッセージの宛先は言わずと知れた、名にし負うさる大国の大統領その人にほぼ間違いありませんが、また真の活動家にとってみれば、聴衆のことごとくが、皆非難の対象なのであり、口先だけの活動家などに、何の意味があろうか、ということでもあるのです。 聴衆は、一瞬ざわめきましたが、彼女が演説をし始めると、水を打ったように静まりかえり、その一言一句を聞き逃すまいとします。 最初の一言で、聞く者のそっ首を押さえ込むと、以後は、短いセンテンスのことごとくが、皆相手の急所を打ち、適切な数字をまじえることで、わがロジックには、確かな統計的裏付けがあるぞ、文句があれば言うがよい、皆ことごとく返り討ちにしてくれようぞ、とばかり。 そして最後には、さあ今こそ起ちあがれ、この期をのがすな、卑怯者の烙印を押されてもよいのか、と来るわけですな。 なんとまあ、見事なものではありますまいか。 勿論、凡百がいくら頑張っても、国連に招致されるはずもありませんがね、‥‥
以前、ノーベル平和賞のマララ・ユサフザイの演説で、最近の若者の実力に関して、老人は眼を開かされた思いがしたものですが、またここに来て同じ思いを懐くことになるとは、‥‥。
しかし、残念ながら老人には、この国の若者からも、このような優れた才能が現れることがあるのだろうか、とやや悲観的にならざるをえません。 YouTube
上のコメントなどを読んでみますと、日本語のコメントは、揚げ足取りとか、視野の狭さとか、身勝手さとか、悪い点ばかりが目につきますが、これは但だ、老人の目につくのが、たまたまそうだったに過ぎないのだろうか。
北欧、ドイツ神話には、ブリュンヒルトという女王様がでてきますが、それが抜群の美貌を誇るとともに、武勇にも秀でており、馬鹿な求婚者には、投石、投槍、幅跳びの三種目をもって、自分と競わせ、競技に負けた求婚者には、死をもって償わせたということですが、はたして、この女王の姿を、まざまざと彷彿させる、このスエーデンの女性闘士には、今後益々注目せねばなりません。 老人には、非常に胸がわくわくして来るようなできごとなのですが、‥‥。
|