百日草


老人は、パソコン入れ替えの後遺症が残っており、まだ気力が充実しませんので、今月も、先月同様、大智度論は初訳のみに限り、その他の月例2本の改訳作業を休んでおりました。勿論、その2ヶ月の間、何もしていなかったわけではなく、訳あってパソコン言語の『ジャバスクリプト(JavaScript)』などを勉強しておりましたのですが、目的の物がなんとか完成しましたので、来月からはまた月例1本の初訳、2本の改訳体制に戻そうと思っております。勉強の成果は、来年のお正月ぐらいには御覧いただけるようにしたいと考えております。

「人は、各各子供の時分に、それを食って育った物を好物とするのみで、別に美味な食物というものが存在するわけではない」、というような事を聞いたことがございますが、老人の好きな花はといえば、やはり子供の時分に、それを見て育ったような物が多いようにも思っておりますので、学齢前、家の花壇に植わっていたアネモネや、百日草には特別な愛著があるように覚えます。



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今月は、老人の所有する秋冬用煎茶道具を御笑覧に掛けましょう。
九谷焼の赤絵茶碗は、5客中の1客が口付きであり、急須を兼ねておりますので、後始末が容易であり、最近は煎茶だろうが、玉露だろうが、こればかりを使用しております。

中央から、観音座像を筋彫りした竹の茶量、凡そ10gの茶葉を量り取ることができます。次いで右回りに茶碗2個、口付き茶碗1個、湯冷まし1個、銀の中次(なかつぎ)1個、本来は抹茶用の道具とされているようですが、ちょうど煎茶50gが入るだけの容量がございますので、老人はもっぱら煎茶用として愛用しております。



九谷焼は分業体制が確立しているので、様式から製造元の名ぐらいは知れますが、製造した職人を特定できることは滅多にありませんので、職人の名で箔をつけることはできませんが、雇われ者にすぎない職人の技術は、それ故にこそ、自ら切磋琢磨せざるをえません。

この茶碗も、手に取って仔細に観察すれば、恐らく、その技術の確かさに驚かされることでしょう。皆様も是非、大写しにして御覧になってください。



銀の中次というのは、抹茶を容れる道具で、円筒形の中間ぐらいまで、蓋がかぶさるので、「中次」と言うのだと聞いておりますが、抹茶を容れるには、「棗(なつめ)」を沢山所有しておりますので、もっぱら煎茶・玉露容れに使用しております。

湯冷ましは、湯を玉露の適温である40℃まで冷ます道具ですが、この時、70℃ぐらいの湯を注ぎますと、磁器の器では熱くて持てませんので、もっぱら陶器の器を使用します。前の赤絵の茶碗とは手が違いますが、完璧を求めれば切りがつきませんので、適当なところで手を打つのが良策と言えるのではないでしょうか。

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≪琥珀糖の作り方≫
≪材料≫
  1. 糸寒天:5g
  2. グラニュー糖:300g
  3. 水:200cc
  4. 食料色素(赤、青、緑、黄色等):少々
≪作り方≫
  1. 寒天を水に漬け、柔らかくなるまで戻す(約30分)
  2. 柔らかくなった寒天を固く絞り、鍋に入れて200ccの水を加え、強火で煮、沸騰したら火を弱め、寒天が完全に液体化するまで、煮る(約5分)
  3. 茶漉しで漉しながら、別の鍋に取り、グラニュー糖300gを加えて弱火に掛け、杓文字でたえずかき混ぜながら、杓文字を持ち上げた時、トロリとして糸を引くまで煮続ける(約30分)
  4. 流し箱に流し入れ、別に濃く溶いた食紅を少量流し入れ、菜箸等で食紅にマーブル模様をつける
  5. 粗熱を取ってから、1時間ぐらい冷蔵庫で冷やし固める
  6. オーブンシートの上に取り出し、約2.5cm角に切り分け、くっつかないように並べて、上下を反しながら3~4日乾燥させる
それでは、今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまでご機嫌よう
  (百日草  おわり)

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