暑い季節ですからな、もう一点、鴨川の流れにちなんで、車輪の川流れを御覧いただき、涼しさを味わっていただきましょう。
牛車(ぎっしゃ)の車輪でございますので、平安時代のことでしょうか、木製の車輪が緩むのを防ぐために、索縄に繋いで鴨川の流れに沈めたというところですが、図中には緑と赤の車輪は右に流れようとし、青は左に流れようとしていますが、川の流れは一方に決まっていますので、繋がれた車輪が川の流れにもて遊ばれて、右往左往している様子を写しとったものと思われます。
この角度から、じっくり鑑賞しますと、気品までは感じられませんが、涼しさが味わえますので、まあ悪くはないと言ったところでしょうか、‥‥ひそひそ陰口も聞こえてきますが、まあ聞かなかったことにいたしましょう。
車輪をデフォルメして、流れの方向を示すのは、他にもよく見かけるところです。
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