栗鼠(りす)


この頃、テスラの事が気になってしかたがない。テスラ( Tesla, Inc. )とは今さら説明するまでもないが、念の為に言えば、謂わゆる電気自動車製造会社( Electric Vehicle Manufacturer )の名であり、イーロン・マスク( Elon Reeve Musk )という天才的プランナー兼プロデゥーサーを得て、飛躍的発展を遂げた会社である。

電気自動車( EV )についても、また説明するまでもないと思うが、あえて言えば、他の如何なる内燃機関を有する自動車よりも、圧倒的な動力/操縦性能を備え、かつ部品点数の少なさ、開発および製造/メンテナンスの容易さ、自動運転の適性等、数々の優れた特質を、本質的に持つものである。

そのような中で、次のような記事を見かけた、――
誰もが見誤ったテスラの実力 
最新決算でついに明らかに

Forbes JAPAN 10/31(水) 6:30配信

  誰もが見誤ったテスラの実力 最新決算でついに明らかに (Photo by Chesnot/Getty Images) テスラについては、「車を投げ売りしており、適正な環境下での製造や迅速な生産の達成は絶対に無理」「創業者は気が触れていて、会社を破滅させようとしている」など、これまでにほぼあらゆることが言われてきた。また自動車業界の重鎮ボブ・ラッツは、テスラのモデルSを絶賛した上で、自動車コレクターに対し「テスラがダメになる前に」1台購入しておくよう呼び掛けた。 しかし今年の第3四半期、テスラは膨大な収益を上げた。同社株は急上昇し、ナスダック総合株価指数を数カ月ぶりの高値を記録。同社はさらに生産・供給の目標も達成しており、あらゆる観点から黒字経営持続の見通しを示している。(ただし、少なくとも借入金の利息支払い期限である2019年第1四半期までの見通しだが) 今回の第3四半期は、単なる例外ではなさそうだ。テスラが安定して利益を生み出す方法を見出したことは、あらゆる面から示されている。 さらに、テスラはもはや業界の異端児ではない。これまでは誰もが同社製品の生産の難しさをばかにし、会社の立ち上げから四半期毎に8万台の大量生産ができるまでに成長した同社の功績もかなり過小評価していた。 ところが今やテスラの販売台数は、ポルシェ、メルセデス・ベンツ、BMWを上回り、米国内で生産・販売される自動車で首位にのぼりつめた。テスラ車は高価ながらも、競合のエンジン車よりも高度な技術を搭載し、ランニングコストと安全性の面でも優れている。

  テスラはこの第3四半期、アナリストたちの予想を裏切る素晴らしい決算を達成した。一部の人々は、リスクを負いながら世界を変えようとしている同社の戦略的なビジョンを理解する業界人や専門家はほとんどいないと指摘してきたが、それが正しかったことが証明された形だ。ほぼ全ての人が、テスラの財務状況や将来構想を見誤っていたことになる。

  アナリストたちの多くは今、一体何が起きたのかを理解しようと懸命になっている一方で、信用性に疑いのあるアドバイスをいまだに続けている。一例を挙げると、アナリストの大半は、同社の顧客が自発的にテスラ車の普及に貢献しようとすることなど、想像もできなかった。 イーロン・マスクはきっと、「ほら見たことか」と満足感に浸ることだろう。彼は人々が、車を売るためだけではなく、世界を変えるためのプロジェクトに参画したがっていることを理解しているのだ。 テスラが採用しているようなビジネスモデルを理解することは即ち、最大の難関が必ずしも人が想像するようなものだとは限らないことを理解することだ。テスラは、これまでに多くの企業がそうしてきたように、困難な課題は克服可能だということを示した。 一夜の成功の裏にあった長年の努力 テスラは、自分たちのやろうとしていることが理解できない人々からのいわれなき中傷を受けながらも、長期的な戦略を立てて成功裏に履行できることを示した。例えば、「中国に拠点を置かないのは間違っている」「テスラの生産コストは持続不可能で、そのうち事業は破綻するだろう」といったことが言われてきた。 しかし現在、生産台数の増加に伴いテスラの製造ラインは省力化が進んでおり、世界各国の需要の程度によっては、来年に生産機能の一部を中国へ移すことも検討する可能性がある。

  モデル3の1台あたりの利幅は約20%で、同一車格の標準を大きく上回っている。 マスクは頭がおかしいとする一部の見方をよそに、同社の成長や収益性に関する見通しは一夜にして説得力が高まっただけでなく、実現可能にも思えるようになった。彼のようにクレイジーなリーダーがもっと存在した方が、世界はより良くなるのかもしれない。 この最高なのは、これが自動車企業1社の話に留まらないことにある。もちろん、テスラの業績が悪くないことをしぶしぶ認めつつも、同社をひとつの自動車メーカーとしてしか見ない姿勢を固持する人々は今も一定数存在する。 だが実際には、バッテリーの価格は下落を続け、ソーラー発電設備の需要は高まり、自動車向けだけでなく住宅や蓄電施設向けのバッテリーの生産・販売量は増え続け、長年語られてきた環境問題の懸念を完全に正当化する証拠が明るみに出ている。 そしてあら不思議、テスラが事業を展開する業界は奇跡的にも、現在最も急成長する業界のひとつとなったというわけだ。テスラの一夜の成功の裏には長年の努力があったことが、突如として理解されたのだ。 言い換えれば、何かを「できるはずがない」と言う人は、それを実行している人の邪魔をすることをやめるべきなのだ。

Enrique Dans

この記事の最後に邪魔について述べられているが、妨害の主は既存のディーラーである。テスラは、圧倒的な部品点数の少なさによって、故障するということがほとんどないので、謂わゆるフランチャイズ・ディーラーが成り立ちにくい。要するにディーラーは、文字通り工場より届いた製品を購買者に届けるだけでよく、会社として成り立たせるためには、広いエリアをカバーしなければならないからである。

又、テスラとしても販売店を兼ねた方が、顧客管理の面で都合がよいので、テスラの販売店は皆直営であるが、現実に既存ディーラーに雇われたロビイストによって、アメリカのいくつかの州では、テスラが直営店を出せないような法律が作られており、又通信販売すら禁止されようとしているのである。

このように電気自動車化への動きはアメリカではすでに始まっており、激しい攻防戦が行われているが、中国でも自動車の後発国として、今すでに国を挙げて開発に取り組んでおり、二輪車ではもはやメーカーが林立状態にある。テスラはヨーロッパにも多く輸出されていることから、独仏伊三国のメーカーが乗り出すのも、恐らくは時間の問題であろう。

翻って、我国の現状はどうであろうか、トヨタも、日産も電気自動車化せざるをえず、いづれは販売会社が重荷となるに決まっている。またエンジン関係の子会社も今のままでは成り立たないだろう。

このように見てくると、もはや内燃機関の自動車を輸出するということが、時代遅れであると気づかざるをえないのであり、自動車会社擁護のために、他の輸出品を質に取られてはならないと思えてくるのである。





この香炉は栗鼠の表情が気に入ったので、オークションで落としたものですが、他に誰も入札しなかったので、大変安い買物だったように憶えています。





横の面にも、栗鼠が描かれていますが、前のが雄で、此れは雌のように思えます。拡大して見ると、雄の栗鼠は瞳が三角/三筆で描かれており、雌は四角/四筆で描かれておりますので、雄の眼は鋭く、雌の眼は優しく見えます。たった1mmにも満たない瞳を描くだけでも、表情に違いが出るものだと、初めて知りましたが、又それを的確に描き分ける作家の力量にも感銘を受けたのであります



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(栗鼠の好物 栗と柿)

では、今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまで御機嫌よう。
  (栗鼠 (りす)  おわり)

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