紅牡丹

紅牡丹
(王維)
綠豔閒且靜   紅衣淺復深
花心愁欲斷   春色豈知心
緑は艶間として且つ静かなり
紅の衣は浅く復た深し
花心の愁断ぜんと欲す
春色、豈に心を知らんや
◯緑は牡丹の葉の緑なるをいう。◯艶間は色彩が鮮やかで、雅なこと。間は嫻に通じ熟達/文雅の意。◯紅衣は牡丹の色をいう。◯浅復深は牡丹の色が初めて綻んだ時には紫紅色、次第に桃花色を経て、深紅色に変化するをいう。◯花心は花を賞づる心、風流の心をいう。又花芯に通ず。◯愁欲断は愁腸鬱屈してまさに断ぜんとするをいう。傷心の極みの意。◯春色は春の光、心は牡丹を指す。
美しく鮮やかな緑の葉、
紅の牡丹の花は桃色から深紅までさまざまだ。
花を賞でながら、傷心は益々極まる、
春の光よ、お前には牡丹の心が分るのか。

先月は、大智度論が遅れに遅れ、やっとの思いでアップロードしましたので、4月は1日から脱力状態で、2日間ほど何もせずに休んでおりましたところ、悪いことには悪いことが重なるもので、引き続き風邪などを引くことになり、更に3日間ほど休まざるを得ず、今月も亦た遅れに遅れて、とうとう4月27日まで大智度論を手がけることと相成り、このコーナーの方は、恥ずかしながら手持ちの材料でやっつけ仕事を致さねばならず、心苦しくも、皆様方には誠に申訳なく思っているような次第でございますが、何事も自然の致す所は、亦た人為の能うべからざる所でもございますので、ご容赦されんこと、平にお願いもうしあげます。

4月20日に牡丹の鉢を植木市で購めた時には、まだ硬い蕾でしかございませんでしたが、26日には、はや6個中の4個が開き、更にもう1個が開こうとしていますので、無事に開くだろうかと期待して、わくわくするような暇もないほどでございましたが、牡丹の花ほど見ていて楽しいものを、老人は他に知りません。しかし牡丹は花の寿命が短うございまして、ようやく3日間ほどでしかございませんので、その散るを惜む心も、尚おいっそう劇しく、愛別離苦の愁いを深めることになるのでございますな、‥‥

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≪甘夏のパウンドケーキ≫:( * )は後述
≪材料:6cm×14cm×5.5cmの型2台分≫
  1. 無塩バター:130g
  2. グラニュー糖:130g
  3. 薄力粉:130g
  4. 卵:2個
  5. ベーキングパウダー:小さじ1/2杯
  6. 甘夏ピール*:5~7mm角を120g
  7. グランマニエ・リキュール:30g
  8. シロップ*:甘夏ピールを作った時の分を少々
  9. アイシング*:少々
≪道具≫
  1. ボール:6枚
  2. 泡立て器、ゴム篦、ハンドミキサー、刷毛:各1個
  3. オーブン:180℃に設定できるもの1台
  4. パウンド型:1~2個
≪作り方≫
  1. バターを室温にする
  2. パウンド型にオーブンペーパーを敷く
  3. オーブンを180℃に余熱する
  4. 卵2個を卵黄と卵白に分ける
  5. 薄力粉とベーキングパウダーを合わせて振るう
  6. 甘夏ピールにグランマニエ30gを振りかける
  7. バター130gとグラニュー糖100gとを泡立て器で混ぜ、全体を白くする
  8. 7.に卵黄を1個分づつ加え、滑らかになるまで混ぜ合わせる
  9. 別のボールに卵白を入れ、グラニュー糖30gを少しづつ加えながら、ハンドミキサーで角が立つまで泡立てて、メレンゲを作る
  10. バターとグラニュー糖の入ったボールに、メレンゲを全量加え、気泡を潰さないように、ゴム篦で混ぜる
  11. 薄力粉とベーキングパウダーの混合物を全量加え、上下を反すようにざっくり合わせながら、艶が出て粉っぽさがなくなるまで混ぜる。
  12. 更に、甘夏ピールを混ぜる
  13. パウンド型に生地を入れ、天板に霧を吹き、180℃のオーブンで30分焼く。
  14. 焼き上がったパウンド型を20cm位の高さより、机/台の上に落とし、衝撃を与えて、余分の水蒸気を吐き出させる
  15. 型から出したケーキを手で持てる位まで冷まし、温かいうちにオーブンペーパーを外して、上面と4側面にシロップを刷毛で塗る。
  16. アイシングを塗りやすい固さまで、湯煎して温め、ケーキの上面に塗る
≪甘夏ピールの作り方≫
≪材料:甘夏2個/ピール250g分≫
  1. 甘夏の皮:2個分
  2. グラニュー糖:200g
  3. 水:適宜
≪作り方≫
  1. 甘夏の皮を7mm幅に切り、沸騰した水で柔らかくなるまで、約15分煮たら、ザルに取って煮汁を捨てる
  2. 再度、水から茹でて、2分ぐらい沸騰させ、ザルに取って、煮汁を捨てる。
  3. 三度目に、2.と同様の行程を繰返し、苦みが劇しくなければ、次の工程に移る。若しまだ苦ければ、もう一度繰り返す。
  4. 鍋に甘夏の皮と、ひたひたの水を入れ、砂糖150gを加えて沸騰させ、火を弱めて、沸騰した状態を5分間保ち、火を止めて、1晩、或は5時間以上置く。
  5. 殘りの砂糖50gを加えて沸騰させ、吹出さないように火加減しながら5分煮る。
  6. ザルでピールとシロップに分け、シロップは瓶等に保管し、ピールは60~80℃のオーブンで、約1時間弱乾燥させる。
≪アイシングの作り方≫
≪材料:作り易い量≫
  1. 紛糖:30g
  2. 果汁:甘夏、或はレモンの果汁を10g
≪作り方≫
  1. ボールに粉糖と果汁を入れ、ゴム篦で粉っぽさがなくなるまで捏ねる。
  2. 使用する直前に湯煎して、塗りやすい固さにする。
では今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまで御機嫌よう
  (紅牡丹  おわり)

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