老人は生来、運動がというよりは、むしろ体を動かすことが嫌で、多くは書斎に籠り切っておりますので、世事には疎く、ほとんどの情報は新聞か、ネットだけが頼りなのでございますが、3月28日の朝刊には、例年よりも10日も早いのに、すでに桜が満開だというようなことが書かれております。

花見の季節に、今年の桜の咲き具合などを心配して、心の波立つことも、かつてはございましたが、近頃は感受性が鈍っておりますので、桜が何時咲いて、何時散ろうと、とんと知ったことではなくなりまして、まったくの関心事の外となりさがっておりますので、新聞を読んだすぐには、別に何とも思わなかったのでございますが、朝食を兼ねた昼食を済ませますと、つれづれなるままに、やおらむっくりと興味が湧いてでたのでございますな、‥‥

例によって例の場所に来てみますと、相変らずの無人の名勝、ほとんど知る人ぞ知る状態でございます、‥‥かくて満開の桜を独り占めということに相成りましたのでございますな、‥‥



いや独り占めというのは、早合点でございましたな、‥‥ピンクのシャツの青年が、満開の桜をいかに楽しんでいるものやら、老人よりもなお徐ろに歩を運んでいるところなんど、なにやら詩的でいて幻想的な雰囲気を醸し出しております。‥‥そぞろに愛す、桜花のこみち、‥‥老人にも詩心が湧いて来るようで、なかなか結構でございますな、‥‥



桜の並木道は、昔の堤防だと思いますが、河川敷と思しき所には、竹藪や原っぱがあり、数軒の人家も見られますが、時折風が吹いて竹藪を波だたせ、葉の光が波の滴のように輝いております。



堤防から、幅100mぐらいの原っぱを挟んで、人家が見えますが、原っぱには桜の花に呼応して、菜の花が咲き乱れています。

弁当を持参して、赤い毛氈の上で、小半日ばかり過せば、どんな気分なんでしょうな、‥‥老人は酔わずして、心を羽化登仙、悠々自適の境地に遊ばしております。花見には、実に様々な徳を見て取ることができますが、これも一つの徳なのでございますかな。



土手のやや平らな所を探して、疲れた腰を休ませましたが、桜も咲くわけで、柔らかい草の芽が、すっかり春たけなわであることを示しております。



時刻は午後4時ぐらいでしょうか、散歩する人や、自転車に乗った子供、車で来た花見客なども、ちらほら見受けられるようになってきました。もう今日はここまででございますかな、‥‥



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庭に椿の木があり、崑崙黒(こんろんこく)という種類ですが、毎年沢山の花を着けます。その花びらは、極めて薄くして、宝珠状に堅く巻いて蕾を為していますが、蕾のまま堕ちるのが常で、開いて蕊まで見せるのは、10個中に1あるかどうかというようなものです。

今年は、この椿でジャムを作って見ました。





<椿ジャムの作り方>
≪材料≫
  1. 花びら:100g
  2. 砂糖:150g
  3. 水:3カップ(600cc)
  4. クエン酸:小さじ1杯
≪作り方≫
  1. 水とクエン酸を鍋に入れて沸騰させる
  2. 花びらを入れて、弱火で約15分、柔らかくなるまで煮る
  3. 花びらが柔らかく煮えたら、弱火のまま、砂糖の1/3を加え、殘りを2回に分けて、約10分間ごとに加える。
  4. 好みの固さになるまで煮てできあがり。
≪注意≫
冷めると固くなるので、少し柔らかめで火を止めるのがよい。
では今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまでご機嫌よう
  (桜  おわり)

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