薔薇


老人は、近ごろめっきり集中力が落ちてきて、「大智度論」の訳業が定められた通りに進みません。 気がつけば、いつの間にか「コンピューター・チェス」に夢中になり、あるいは「ヤフオク」で茶道具等の優品を、やはり夢中になって探しています。

今月も余す所三日、ここに来てやっと「大智度論」が終りましたので、困った時の花頼み、岐阜県の「各務原浄化センター」のバラ園にやってまいりました。 まあ大体上の写真のような所ですな、‥‥



赤いバラ、‥‥バラ戦争、‥‥プランタジネット家、ヨーク家、ランカスター家、‥‥やはりどうもいけないようですな、‥‥老人も、かなり完成形に近づいたってことじゃあないでしょうか?‥‥連想が袋小路に入っても、出る方法が見つかりません、‥‥。

では、今月はここまでってことで、お後は写真のみ御覧になってください。 それに言いたいことは、皆すでに言い尽くしたって気がしていますのでね、‥‥。



‥‥、‥‥。
言うべきことが、何も思い浮びません、‥‥。
以下同文、‥‥。













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光が当らないと、バラって花は、なんだかポスターカラーで描いたようにみえますな、‥‥

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古物の売買というのは、昔から油断禁物とされて来た所で、善良な売り主にまじって、善良ならざる者達も相当数、どうやら2~3割ぐらいはいるようで、老人もしばしば欺されては、臍を噬んでいるような次第ですが、たまには「結構な優品」を、極々安価に手に入れることができますのでね、‥‥この道ばかりは、一度嵌れば、容易に抜け出せるものではございません、‥‥

しかしながら、さりながら、どっしりと重い、この食籠なんぞは、かなり自慢できる品ではないかと思うのですが如何でしょう、‥‥織部焼ですね、‥‥丸みを帯びた蓋に、鉄の墨汁で若松が描かれおりますが、好く実体を彷彿させますし、‥‥粋な二枚重ねの摘みと、美しい青緑色の釉薬とで、美事に重量バランスが取られています。 やや武骨の気分なきにしもあらずでございますがな、‥‥なお気品が感じられるのがいかにも不思議です。

こうして見ると、上辺の窯疵すら欠点とはならず、この大きな割れ目が、何等かのアクセントを担っているのではないかとさえ思えて来ますな、‥‥

いやあ、良い買物でした、‥‥。



お披露目には、何が宜いだろう、‥‥さんざん頭を絞ったあげく、思いついたのが、「鰹のたたき」です、‥‥。わが家の「たたき」は至ってシンプル、敢て「作り方」を書くまでもございません。 要するに厚さ5㎜に切った鰹に、薬味の葱の微塵と、おろし生薑とを散らせばできあがりです。 後は醤油を付けながら食べてください。 色のアクセントにと思って、生薑の酢漬けをあしらいましたが、余分な事だったのかも知れません。
では、今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまでご機嫌よう
  (薔薇  おわり)

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