カヌレ( Cannelés Bordelais )、ワインで有名なボルドー( Bordeaux )のお菓子です。
ボルドーの女子修道院で、古くから作られていたものだそうですが、それらしく、質素と美味とを兼ね備えたお菓子ですね。そこでレシピを見てみますと、謂わゆる、ゆるめのカスタード・クリームを型に流し込んで1時間ぐらい焼き、焦げ目をつけたもののようで、材料も作るのも簡単極まりなく、失敗しようがないように思えましたのでね、作ってみたという訳なのです。
初めてカヌレを作ろうと思えば、まづ最初にカヌレ型を手に入れなくてはなりません。カスタード・プリンなどの他の型で代用しても、特別出来上がりに差があるものとも思われませんがね、何しろカヌレ(
Cannelés )という言葉が、柱に縦溝を彫るという意味の動詞カヌレ( canneler )より派生した、「溝の彫られた/溝のある」という意味の形容詞/名詞である以上、溝のないカヌレはカヌレではないことになりますので、カヌレを作ろうと思えば、どうしても溝のあるカヌレ型を使わなくてはならないということになるのです。
味は、そうですね、よくできた焼き芋、甘い蜜の入った上等の焼き芋に焦げ目がついて、ほろ苦いチョコレートの風味も、そこはかとなく感じられなくもないというところでしょうか、‥‥。
それでは、作り方を見てみましょう、――
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