三井寺


テロの懸念も杞憂に終り、主要国首脳会議も無事終了致しましたので、関係者一同ほっと胸を撫でおろしたことと思います。及ばずながら老人も世界主要国の首長を、日本の国花たる桜の花をもって、お迎えしようというところでございますが、いささか季節外れの憾み無きにしも非ず、貧乏故に、他に手持ちも御座いませんところから、どうかご容赦くださいませ。

それにしても、安倍首相の議長演説は、外国の人にはどうも評判がよろしくないようですな、
そもそも、議長には役割があり、各国が公平に意見を述べられ、なおかつ適当な落し所に導かねばならぬわけですが、その場合、何より重要なことは、自国の都合を持ち出さぬことで、それによって各首脳の信用を得ないことには始まらないという、言わば奥ゆかしさを必要とする役目ですので、このように自国の都合ばかりをぶちまけていては、高い教養の人達の間に、一人だけ教養の低い人が交じったような、なにか鼻白む思いを致さざるをえません。

老人はYouTube でヴォーカロイドというものを初めて知って以来、初音ミクという Virtual 女子高生が、上手に歌を歌ったり、踊りを踊ったりするのを見ることが楽しみの一つとなっており、「少年探偵団の歌」などは、声を併せて歌うようなことまでしておりますが、ロイツマ Loituma というフィンランドのグループの歌う、イェヴァン・ポルカ Ievan Polkka という歌に、ダンスの振り付けをしたものに関しては、それを見た時、思わず非常なる困惑を覚えた記憶があります。 今、覚える感覚も、その時の感覚に似ていなくはありません。

その理由を考えてみますと、恐らく日本人の製作になるものだからでしょう、初音ミクの踊るダンスは、盆踊りに極めて近似したもので、ヨーロッパのフォークダンスとは、かなり趣向の違うものでした。彼等のは、言わばステップも軽やかに、足で踊るダンスであり、手はほとんど腰に当てたままで動かしませんが、我等が盆踊りダンスは、ステップと言われるような複雑な足捌きは、まったく見られず、その代わり、両手を交互に動かしては、しばしば肩より上に挙げるものですから、ダンスと呼ぶには少しばかり抵抗のある、謂わゆる手踊りであり、軽やかなステップに乗って踊らるべきイエヴァン・ポルカに、ゆったりした手踊りの適合するはずもなく、その故に、日本人としては、穴があったら入りたいような、気恥ずかしさを覚えざるを得なかったという訳なのです。

此の国の首相の、国際感覚にも、初音ミクのダンスと同様な違和感を覚えざるをえません。
残念ですね、‥‥

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合衆国大統領として、オバマ大統領が初めて原爆慰霊碑に献花されたのは、非常に良いことでした。オバマ大統領は、教養豊かな人ですから、どうしてもそうせざるを得ないような、心持が起こったのも、極めて当然のことだと言ってもよろしいでしょう、
See, what a scourge is laid upon your hate,
ロミオとジュリエットの最後の場面の一節です。品性下劣にして教養を云々するには憚られるような、この老人すら知っている有名な言葉ですので、オバマ大統領の胸にもきっと響いていたことと思われます、‥‥「見よ!何という天罰か、お前たちの憎しみの上に降し置かれたものは、‥‥」。
はたして、我等の首相にはいかがなものだったのでしょうか、‥‥



ご紹介が、すっかり遅れてしまいましたが、この寺は滋賀県大津市に在る園城寺(おんじょうじ)、通称を三井寺(みいでら)と申し、天台寺門宗の総本山ですが、その創建は天台宗より遙かに古く、パンフレットに依れば天智、弘文、天武の三天皇の勅願寺とありますように、千三百有余年の歴史を誇り、奈良の古寺に次ぐものと言わねばなりませんが、何しろ‥‥

比叡山の延暦寺を山門と呼び、自らを寺門と呼んで対立しておりますように、この寺門と山門とは昔から非常に仲が悪く、言わば犬猿の仲なのでございますな、‥‥しかし延暦寺が但だ自ら天台宗と称するに対し、園城寺側は自ら天台寺門宗と呼ばねばなりませんのでね、やや旗色が悪いと申しますか、‥‥。

まあ、そのような下世話な話はさて置きまして、この宗派は智証大師円珍を開祖と仰いで、真言、止観(禅)、修験の三道を振興することを目的とし、特に大峰山系の奥駈け修行や、葛城二十八宿巡峰修行というような修験道の方では今なお相当な勢力を有するやに聞いております。

仁王門を通り過ぎ、満開の桜の下、木立の中の短い参道を、真直ぐ行きますと、やがて石段に突き当たり、三井寺の金堂が見えて参ります。
桜と紅葉の名所ですので、この季節は、朝も早いというのに、カメラを持った参詣人が、巧まざる点景として、写真に花を添えてくれます。



桜の花越しに、朝日の当る切り妻屋根の破風、葺き替えたのはどれぐらい前のことだったのでしょう、桧皮葺の切り口が、新しい色に輝き、力強ささえ感じさせています。



この方向は境内が狭く、後に引くことができませんので、建物が随分デフォルメされていますが、建物全体の様子を知るため、敢てこの角度から摂りました。



桁行、梁行共に七間の和様、正面に三間の向拝を設けた豪壮な建物で、自らなる大寺の風格を備えており、何に起因するものかは知れませんが、堂々たるという形容詞がぴったり来るような感じを受けます。
此の金堂は、一旦秀吉によって破却されたそうですが、その死後正妻の北の政所によって再建されたということです。



金堂の正面の庭は、ほぼ正方形で、その庭の金堂に向って左側に、階段を少し上ると、一切経蔵があり、高麗版の一切経が収められています。



経蔵の中には、輪蔵と呼ばれる回転式の経棚があり、中が縦横に仕切られており、その中に一切経が品類別に篋に入れて、収められています。



経蔵の南側、すぐ近くに三重塔が見えますが、空が曇ってきましたので、軒が非常に暗くなり、組み物が分るような写真は撮れませんでした。やむを得ないことではあります。

これから更に、広い寺域を歩きながら、二時間ばかり写真を撮ってきましたが、小さな建物をあれこれご紹介するのが趣旨ではございませんので、すべて割愛することに致しましょう。



還りも、朝入ったのと同じ仁王門を通って帰りました。不思議なことに、正面よりも裏面の方が美しいのは、どうしたことでしょう。

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≪ドーナッツの作り方≫
≪材料:8個分≫
  1. 薄力粉:100g
  2. 強力粉:30g
  3. グラニュー糖:30g
  4. バター:10g
  5. ベーキングパウダー:小さじ1杯
  6. 卵:1個
  7. 牛乳:20cc
  8. 揚げ油:300cc(フライパンに約1.5cm)
  9. グラニュー糖(振りかけ用):大さじ1杯
  10. 強力粉(打ち粉用):少々
≪作り方≫
  1. 冷蔵庫よりバターを取り出し、ボールに入れて上からグラニュー糖を振りかけ、泡立て器を上から叩きつけるようにして、バターを砂粒状にする。
  2. 別のボールに薄力粉、強力粉、ベーキングパウダーをざっくり混ぜ、振るいながら1.のボールに加え、泡立て器で1~2分混ぜて均質にする。
  3. 別の器に卵を割り入れ、泡立て器か箸等でよく溶き混ぜ、牛乳を加えて、2.のボールに加え、杓文字で返すようにしながら、粉の白い部分が無くなるまで混ぜる。
  4. ラップ上にボールの中味を移し、風呂敷包みのように包んで、冷蔵庫で30分休ませる。
  5. ステンレスシンクの調理台部分でも、まな板でも、適当な台上に打ち粉を振り、手にも打ち粉を付け、休ませた生地を棒状にまとめて8等分し、1個づつ掌で押えて平らにし、真ん中に指を突き入れて穴を開け、指を回しながら徐々に穴を広げる。
  6. フライパンに約1.5cm油を入れて、火に掛け、底に湧いて附着する泡を菜箸でかき取りながら、約150℃ぐらいになるまで熱する。温度の目安は、菜箸を鍋の底に着け、箸先から細かい泡が出るのが150℃、箸全体から細かい泡が出れば170℃である。
  7. 生地をターナーにのせ、ドーナッツの形が崩れないよう、ターナーごと油の中に沈めて、浮いてくれば、次の生地を沈め、1分足らずで、焦げ色が付いてくるので、菜箸で上下を返し、裏も同じ色になるまで揚げ、キッチンペーパーを敷いた新聞紙の上に取り出す。
  8. すべて揚げ上ってから、ビニール袋の中にグラニュー糖といっしょに入れ、袋ごと上下に揺すって砂糖をまぶす。
≪注意≫
  1. 油は風味に影響するので、天ぷら油、サラダオイル等でなく、純粋なゴマ油、菜種油等を好みによって使用すること。
  2. 使用済みの油は冷めないうちに、ステンレスの油漉し器で汚れを取り、冷めてから蓋付きの容器に入れて、次は天ぷらか、コロッケ等の揚げ物に使うか、野菜炒め等に使って、なるべく使い回して、使い切るようにする。
では今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまでご機嫌よう。
  (三井寺  おわり)

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