明治村のすぐ近くに、「あんにゃもんにゃ」の自生地がありますが、公式的には、どうやら「ヒトツバタゴの自生地」となっているようで、立て札には、こんな事が書かれています、
ヒトツバタゴ自生地 |
国指定天然記念物
1923年3月7日指定 |
ヒトツバタゴは、もくせい科の落葉高木で、東アジアに分布します。木曽川流域の東濃地方と長崎県対馬に自生し、極めて特異な分布を示します。ヒトツバタゴの名は、木の形状がタゴの木に似ていることに由来します。タゴが一般に羽状複葉であるのに対し、本種は単葉(一つ葉)であるため、尾張の本草家水谷豊文(1779ー1833)により、文政年間にこの地で発見され命名されました。云々 |
何ともはや、悪貨は良貨を駆逐する‥‥ですかね‥‥。
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ちなみに、わたしの認める唯一の国語辞書である「大言海」には、こう出ています、
あんにャもんにャ (名)
樹の名。なんぢャもんぢャヲ見ヨ。 |
なんぢャもんぢャ (名)[何(ナン)でふ物ぢャノ意]
樹の名。又、あんにャもんにャ。俳諧葛藤(享保、雲竹軒形流)下「下総カウ崎ノ岸二舟ヲ寄セ、なんぢャもんぢャノ木を尋ネテ「何若葉、自問自答ノ、郭公」 秀億樟木ナリ」 ヒトツバタゴ。古キ外来樹ニテ、関東ニ唯一株ノミト云フ。モトノ青山練兵場(明治神宮外苑)ニアリ、明治天皇、此樹蔭ニテ、観兵式ノ際、閲兵ヲナシ給ヒキ。我邦ニハ珍シケレド、支那ノ北部ニハ多シト。俚言集覧「鴻崎、下総国、木オロシノ先、神さきとも云フ、なんじャもんじャト云フ古木アリ、移山桜、舟行シテ夜ナレバ上陸シテ見ズ、松屋ガ鹿島記行ニハ、かつら木ナリト書ケリ」 下総の神崎(カワサキ)神社にアリテ、今モアリ、「ソレハなんぢャ、コンナもんぢャ」ト云フ意ニテ、コノ神社ナルハ、水戸黄門ノ命名ナリト伝フ。 |
ひとつばたご (名)
樹の名。なんぢャもんぢャノ本名。其條ヲ見ヨ。 |
どうも大槻文彦(大言海の著者)は、「なんじゃもんじゃ派」のようですが、「ヒトツバタゴ」を本名と称するのを見ると、多勢の軍門に降ったのかも知れませんな、‥‥。たとえ大学者といえども、厚顔無恥の田舎学者にかかっちゃあ、太刀打ちできないっていうことですかね、‥‥。
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