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パパ、ガオーってやって、‥‥
坊や、賢くなったなぁ、パパのガオーが聞きたいのか?
じゃあ、やるぞ、よく聞いていろよ、‥‥ |
ガオー、‥‥
ガオー、‥‥
ガオー、‥‥、‥‥ |
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あらたまの年を迎えしわがいほに
寂(しず)かにかほる蠟梅の花 つばめ
あらたまの年を迎えてわがいほの
門(かど)にかかぐる日の丸の旗 つばめ |
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皆様、
明けましておめでとうございます。
昨年中は、
一方ならぬお世話に相なり、
誠にありがとうございました。
本年も、
相変わりませず、
どうぞ宜しくお願いもうしあげます。 |
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元旦は、一年に一回必ず廻ってまいりますので、それほど珍しいものでもなく、言ってみれば、わたくしの誕生日ぐらいの珍しさだろうというように漏れ伺っている次第ですが、やはりこの清々しさだけは別物で、とてもとてもわたくしごときの誕生日の比ではございません。
ということで、わが家では毎年正月のお節料理にはことのほか力を入れ、年間の食費を軽く凌駕するほどの豪華さを誇っておりますので、誕生日のご馳走はといいますと、歩いて近くのイタリア料理店へ行き、手長海老のスパゲッティ、モッツァレラチーズとトマトのピッツァ、地鶏の小悪魔風といった定番料理を家内と半分づつ分け合い、他には乾杯のためにソルティドッグのようなアルコールを少しだけと、極めて手軽にすませなくてはなりません。あちらを手厚くすれば、こちらを薄くするというのが道理で、この国の所得配分のようないびつさも、清々しいこの国の正月を心から愛する者にとっては、一向気にするところではありません。
今頃皆様方は、お節料理を前に御酒などを召上がられているものと思いますが、その他にはテレビなどで、何か面白い番組でもやっているのでございましょうか?わたくしも、特に歌舞伎が好きというわけでもないのに、団十郎とか、玉三郎、仁左衛門、染五郎のように、すごくきれいな役者さんは好みですから、もしテレビに出られていれば、それを見たいところですが、先にもご報告したとおり、テレビが七月から映らなくなっております、それに代る何かを考えなくてはなりません、そこで新しくテレビを買ったつもりになって、大分値段がこなれてきたところでもあり、デヴィッド・スーシェ主演の「名探偵ポワロ」全巻、DVDにして32枚をアマゾンで買いました。正月に見るのを大変楽しみにしておりますが、何事にも我慢強い方ではないので、待ちきれずにその中の8枚ほどをすでに見てしまいました。何と言いますか、これはご家庭でご覧になるDVDとしては第一級の出色のできで、プロデゥーサーが余程良いのでしょうか、どの一枚を取ってもはずれるということがなく、皆非常に楽しめますので、或はお勧めしても宜しいのではないかと思います。
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さてテレビが無いということは、他に時間を有効に使えるということで、誰しも限られた中での時間ですから、反って有り難いことですから、ここは一つ是非とも有効に使いたいところですが、体力のめっきり弱ってきた老人にとっては、これがなかなか頭の痛いところではあります。パソコンの前にはすでに限度一杯坐っておりますし、面白くもない小説などを読んで、大切な眼を酷使するのもつまらないので、耳ならまだ善かろうとCDの音楽などを聴きながら居眠りなどをしておりますと、この頃の世相を常に心配しているからでございましょう、突如頭の中に、「進むを知って退くを知らず」という声が響きわたるではありませんか、なるほど、正しくこれはこの国の病理に言及しているに違いない。それにしても、この「進むを知って退くを知らず」とは善くも言ったものだ、出典は何だろう?と、思わず寝転んでいたソファから跳ね起きると、本棚から名言辞典を取りだして調べてみました。有名な言葉ですからね、出ていないはずはありません。「易経」の中に「進むを知って退くを知らず、存するを知って亡(ほろ)ぶるを知らず、得るを知って喪(うしな)うを知らず。」とあります。これはこれは、なかなかの名言ではないかと、にわかに「易経」に興味が湧いてきましたので、アマゾンで岩波文庫の「易経(上、下)」を取り寄せましたのですが、これがまあおもしろいのなんの、それ以後は日々勉強につぐ勉強で時間は一挙に足りなくなり、大変忙しい目をしておりましたところ、何とか理解するに至りましたので、今年のお正月の余興に、皆様のカルタ遊びの代わりにでもなれば幸いと、それを一気に形にしあげて、ご覧に供することにいたしました。
どうか皆様、これで今年一年の運勢を占われてみてはいかがでしょうか。
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何か、お困りかな?どれどれ、‥‥
では、占って進ぜよう、‥‥ |
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易では陰陽を知ることが何よりも重要です。
陰陽とは男女のもつ性格の違いを、天地間のあらゆる事物にまで拡張したものですから、父は強い、母は優しい、男は威張る、女は柔順というように、相対する性質は皆陰陽に組み入れられています。その代表的なものを挙げて、下の表に示しておきましょう。
ただ注意しなくてはなりませんが、陰陽は決定的なものではありません。例えばこの表では天は陽、地は陰であるといっていますが、実に天地の間にはさまざまな段階がありますので、陰にも、またさまざまな段階があり、陽にも、またさまざまな段階があるのです。つまり一つの事物の有するある性格は、その両極端の間を常に時間と共に変化していますので、それが極まれば陰陽はその名を転じて陰は陽に変じ、陽は陰に変ずる、これが陰陽なのです。
易でいう陰陽とは、例えば地球が自転によって昼夜を転ずるように、昼が極まれば変じて夜となり、夜が極まれば変じて昼となる、これが天地間の自然の道理というものであり、これが易の陰陽なのです。また陽の性質は上るものですが、上り詰めれば下りるのが道理ですので、陰陽を転じなくてはなりません。
易で占うとは、人の行動が、この天地間の自然の道理に即しているかどうか、乖(そむ)いているのではないか、それを陰陽の道理に当てはめて熟慮し熟考して、その間違いに気付き、それを正すことなのです。 |
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陰陽の基本的性質 |
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陽 |
天
上 |
日
昼
明 |
父
男 |
尊
貴 |
仁 |
大
剛
強 |
前
往
逆 |
福 |
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陰 |
地
下 |
月
夜
暗 |
母
女 |
卑
賎
|
義 |
小
柔
弱 |
後
来
順 |
禍 |
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陰陽を三段積み重ねると、八卦ができます。
俗に当たるも八卦、当たらぬも八卦などと言いますが、専門的な易の用語は漢音読みをしますので、八卦(はっか)と言って、八卦(はっけ)とは言いません。
八卦は陰陽を拡張したもので、乾(けん)を陽の中の陽、坤(こん)を陰の中の陰として、その他の兌(だ)、離(り)、震(しん)、巽(そん)、坎(かん)、艮(ごん)をその中間に配しますが、必ずしも陽から陰の順に並んでいるわけではありません。この並び順について下表に示した六子の配列を例にとると、長男は父の後を継ぐべき者であるので父に属する側の最も遠い端に置き、長女は家政を助けるべき者であるので母に属する側の最も遠い端に置き、少女は最も父に近づき親しみ、少男は最も母に近づき親しむなどと、実際の家庭生活に照らして決められたものであると言われています。
また当たるも八卦、当たらぬも八卦と言いながら、占いはこの八卦によってではなく、これを二段に重ねた8×8=64の六十四卦によってなされます。 |
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八卦 |
名称 |
自然 |
属性 |
家族 |
身体 |
動物 |
方位 |
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乾
(けん) |
天 |
健
健やか
剛健 |
父 |
首 |
馬 |
北西 |
|
兌
(だ) |
沢 |
説
(えつ)
悦ぶ |
少女
末娘 |
口 |
羊 |
西 |
|
離
(り) |
火
日
電 |
麗(り)
付く
付着 |
中女
次女 |
目 |
雉 |
南 |
|
震
(しん) |
雷 |
動
動かす |
長男 |
足 |
龍 |
東 |
|
巽
(そん) |
木
風 |
入
入る
順がう |
長女 |
股 |
鶏 |
東南 |
|
坎
(かん) |
水
溝
月 |
陥
陥いる |
中男
次男 |
耳 |
豚 |
北 |
|
艮
(ごん) |
山
径路
小石 |
止
止まる
静止 |
少男
末子 |
手 |
狗
犬 |
東北 |
|
坤
(こん) |
地 |
順
順う
柔順 |
母 |
腹 |
牛 |
西南 |
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八卦をまた二段に積み重ねると、8×8=64で六十四卦(ろくじゅうしか)ができます。易で占うとは、何か問題を抱えているということですが、その実践は、「易経」という書物に六十四卦中の一一の卦について説明されていますので、筮竹等を用いて占い、六十四卦中の一卦を得たならば、その卦に関する説明を読んで熟考し、熟慮して実際の人の行動に照らし合わせ、どこか天地の道理に乖(そむ)くところは無いか、このままで善いのか、悪いのかを推理して、実際に問題の有る点を抉り出して反省することにより、何を行えばよいかが明白になるので、それを行うことによりなされます。
また易で占うには豊富な智慧と経験とが必要となりますが、六十四卦の間は相互に関連していますので、実際に占う前にあらかじめ六十四卦すべてを読んで全体を捉えておく必要があります。下の表に六十四卦に通ずる門が開いていますので、最初に左上の「乾」をクリックして乾に入り、それ以下に連なる全てに目を通しておいてください。
説明は一見難しそうですが、豊富にふりがなを振ってありますので、どんどん読み進めば、やがて理解できるようになります。
最初に「乾(けん)」の卦を見てみましょう。「乾は元(おお)いに亨(とお)る。貞(ただ)しきに利(よろ)し。」とあります。この部分を「卦辞(かじ)」といい、この卦の説明です。意味は、「この「乾」の卦が出た時は、大いに願いが通るだろうが、あくまでも正道を踏み外さないようにするのがよろしい。」ということです。その次に「彖(たん)に曰(いわ)く」とか、「象(しょう)に曰く」とありますが、この部分は上の卦辞についての孔子の説明です。易経には孔子の付けた解説書が十種付属しており、それを「彖伝(たんでん)上、下」、「象伝(しょうでん)上、下」、「繋辞伝(けいじでん)上、下」、「文言伝(ぶんげんでん)」、「説卦伝(せつかでん)」、「序卦伝(じょかでん)」、「雑卦伝(ざつかでん)」といいますが、その中で易の中の文句を直接解説する「彖伝」、「象伝」、「文言伝」の三種をこの中には取り上げました。この中の「彖伝」は主に卦辞中の言葉の意味を解説し、「象伝」は卦辞、爻辞(こうじ)について、その示唆するところを説明し、「文言伝」は「乾」「坤」二卦について易の卦辞、爻辞の模範的な解釈の方法を述べて、以下の六十二卦についてもこのようにして解釈すべしと説くものです。次に第一爻(こう)より第六爻に至る「爻辞(こうじ)」があり、これにも「象に曰く」として孔子の説明が付加されています。
試しに「乾」の爻辞を見てみましょう、初爻には、「潜龍(せんりゅう)なり。用うること勿(な)かれ。」とあります。「乾」の卦では、「龍」に譬えて人生の教訓を与えているのです。最初はまだ幼い龍で、深い淵の中に潜んでいます。龍のような大物は大器晩成型で、未だ才能が開花していません。これを慌てて用いても役に立たず、あたら才能を見限ることにもなるので、用いてはならないと言うのです。第二爻には、「見龍(けんりゅう)田に在り。大人(たいじん)を見るに利(よろ)し。」とあります。見龍とは現われた龍の意味です。田は狩り場です。龍がやっと世間に現われましたが、未だ大勢の人に取り囲まれているわけではなく、知人の少い修行中の身です。大人(たいじん)即ち賢人に会って教を聞くのがよろしい。第三爻は、「君子は終日乾乾(けんけん)たり。夕べに惕若(てきじゃく)たりて、厲(あやう)けれども咎(とが)無し」とあります。ここでは龍を離れて君子、即ち立派な人を引き合いに出しています。乾の意味は剛健、健康、健やかなことです。惕若は恐れて慎むことをいいます。君子たるものは終日進んで努力し、夕べには反省して身を慎むものである。危ういが咎(とが)は無い。咎とは天が人を懲らしめることです。元気旺盛は青年はとかく突っ走りがちであるが、夕べに結果を恐れて身を慎めば、危ういところではあるが、咎めを受けることは無いであろう。第四爻は、「或は躍りて淵に在り。咎無し」とあります。龍は未だ天に昇るほどではないが、深い淵にあって誰に遠慮することもないと言っているのです。人に才能を認められて上り調子なら、咎められるはずがありません。第五爻は、「飛龍(ひりゅう)天に在り。大人を見るに利し」とあります。得意の絶頂ということです。なお賢人に会って教を聞くのがよろしい。第六爻は、「亢龍(こうりゅう)に悔あり。」とあります。亢龍とは昇り詰めた龍の意味です。易では第五爻が頂上で、第六爻は少し下り坂に入ったところです。客観的に見ればすでに絶頂期を過ぎているのに、本人だけはそれを認めようとしません。何等かの咎めを受けてしかるべきです。「乾」「坤」の二卦だけは、この他に「用九(六)」という卦辞が有り、これには「群龍(ぐんりゅう)を見る。首たること無くして吉。」とあります。これは「九(陽)」全体に言えることですが、「多くの龍を見たならば、その中の首領となることを望んではならない。望まなければ吉である。」ということです。男性的気質の強い人は、つい首領となろうと望みますが、望まなくても本人にその器量があれば、いやでもその地位に押し上げられることを説いて「乾」の卦の説明を終ります。卦辞、爻辞の最後の●印は、わたくしの付けた説明です。後は想像力を十分に働かせて、自分で解読してください。
易の術語に関しては下の表にまとめてありますので、活用してください。 |
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易には独特の術語がありますので、これを理解することにより、易経の理解は格段に容易になります。 |
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易の術語 |
卦(か) |
易の占いで吉凶を判断する資料となる形 |
爻(こう) |
卦の本となる一個の陰、陽 |
八卦(はっか) |
三個の陰爻、陽爻からなる八種の形 |
六十四卦
(りくじゅうしか) |
八卦を二個積み重ねた形で、六爻からなる
易ではこの形を本に種種に思考を重ねて占う |
成卦
(せいか) |
占って得た卦、
八卦を小成卦、六十四卦を大成卦という |
上卦(しょうか) |
二個積み重ねた中の上の卦、第四~六爻 |
下卦(かか) |
二個積み重ねた中の下の卦、第一~三爻 |
六爻(りくこう) |
六個積み重ねた陰陽、下から第一、第二と数える |
初六(しょりく) |
第一爻が陰であること、陰を六で表わす |
初九(しょきゅう) |
第一爻が陽であること、陽を九で表わす |
六二(りくじ) |
第二爻が陰であること、以下六五まで同じ |
九二(きゅうじ) |
第二爻が陽であること、以下九五まで同じ |
上六(しょうりく) |
第六爻が陰であること |
上九(しょうきゅう) |
第六爻が陽であること |
貴賎の位 |
六爻を地位に配すること、例えば初から上に向かって庶人、士、大夫、公卿、君、無位の尊者、或は平社員、課長、部長、専務、社長、会長等に配する |
陰位(いんい) |
六爻の中の偶数番目、第二、第四、第六爻 |
陽位(ようい) |
六爻の中の奇数番目、第一、第三、第五爻 |
正(せい) |
陰位に陰爻、陽位に陽爻が在ること |
不正(ふせい) |
陰位に陽爻、陽位に陰爻が在ること |
中位(ちゅうい) |
下卦、上卦、それぞれの中央の卦、第二、第五爻 |
不中(ふちゅう) |
中位以外の爻、第一、三、四、六爻 |
互卦(ごか) |
六爻中の第一、第六以外の連なった三爻のこと
第二、第三、第四爻を内互卦、
第三、第四、第五爻を外互卦という |
応(おう) |
上下の小成卦につき、同位の爻をいう
第一と第四爻、第二と第五爻、第三と第六爻 |
正応(せいおう) |
陰、陽が応じて好ましく、中位ならなお好ましい |
不応(ふおう) |
陰、陰又は陽、陽が応の関係にある、好ましくない |
敵応(てきおう) |
不応に同じ、二爻が敵対関係にあるの意 |
比(ひ) |
陰、陽が上下に鄰りあうことで、好ましい |
親比(しんぴ) |
陰、陽が鄰り合って親しむこと、比に同じ |
承(しょう) |
陰爻が下から上の陽爻を承けること |
乗(しょう) |
陰爻が上から下の陽爻に乗ること |
拠(きょ) |
陽爻が上から下の陰爻に乗ること |
卦主(かしゅ) |
卦の中心となる爻、成卦の主と、主卦の主が有る |
成卦(せいか)の主 |
卦の由って成るところの爻で、卦の義はこれに因って起るものとする |
主卦(しゅか)の主 |
善の徳が位を得た者、多くは第五爻
成卦の主と、主卦の主は同一爻のことも、異なることも有り、例えば、乾の九五、坤の六二などは、成卦の主であると同時に主卦の主であるが、小畜の成卦の主は六四であり、九五が主卦の主である |
吉(きつ) |
易で占われた善い結果、このままで善いの意 |
凶(きょう) |
易で占われた悪い結果、このままでは悪いの意 |
吝(りん) |
易で占われたうまく行かない結果、けちくさいの意 |
悔(くや)む |
易で占われた後悔する結果、悔い改めよの意 |
咎(とが) |
易で占われた罰を受ける結果、天罰、懲罰 |
孚(まこと) |
孚の字義は鳥が卵を抱く、心に誠意を抱くの意、信 |
利(よろ)し |
易で占われた善い指針、こうすれば善くなるの意 |
貞(ただ)し |
行いが正しい、正道を行くの意 |
亨(とお)る |
通る、供物を奉げ神に祈って願いが通るの意 |
享(まつ)る |
祀る、供物を奉げて先祖を祭るの意 |
卦辞(かじ) |
一卦全体に関する占いのことば |
爻辞(こうじ) |
一爻のみに関する占いのことば |
彖(たん) |
彖伝(孔子による註釈書) |
象(しょう) |
象(像)伝(孔子による註釈書) |
文言(ぶんげん) |
文言伝(孔子による註釈書) |
太極(たいきょく) |
陰陽未分の状態 |
老陽(ろうよう) |
一爻の取るべき四種の直の中、四の九倍(陽爻) |
少陰(しょういん) |
一爻の取るべき四種の直の中、四の八倍(陰爻) |
少陽(しょうよう) |
一爻の取るべき四種の直の中、四の七倍(陽爻) |
老陰(ろういん) |
一爻の取るべき四種の直の中、四の六倍(陰爻) |
遇卦(ぐうか) |
易で占って最初に得た卦 |
本卦(ほんか) |
遇卦に同じ |
之卦(しか) |
遇卦六爻中の老陽を陰爻、老陰を陽爻に置き換えて得た卦、老陽、老陰が無ければ之卦も無い
之卦を用いるのは陽極まれば陰となり、陰極まれば陽となる易の道理に従うものであるので、その意味を理解して初めて有効に用いると言える。又之卦は遇卦の補助として用いるものであるが、遇卦が見当外れで、どうにも意味をなさない場合には特に有用となる |
蓍(めどぎ) |
易に用いる五十本の草の茎、筮竹 |
筮竹(ぜいちく) |
筮は竹製の蓍の意、筮竹は筮、蓍に同じ |
策(さく) |
筮竹の分を指す、天策、地策、人策、残策等 |
算木(さんぎ) |
大成卦の六爻を示す六本の木片、この木片は凡そ2cm×2cm×12cm、又は1.5cm×1.5cm×9cmの四角柱で、六本を机上に並べると丁度正方形になる。机上に並べた時、上面に当たる4面には、中央に溝のある陰の面と、溝のない陽の面とが各2面づつあり、それを上に向けることにより、陰陽を記録する。この4面の中、陽と陽、陰と陰とは互いに対抗せず隣り合うように配置されているので、置き方により老陽と少陽、老陰と少陰を区別できる。例えば机上に並べて、算木の手前側の側面が上面と異なれば、老陰、老陽とすると決めておけば、向こう側へ一面分回転することにより、陰陽が逆になるので、これで之卦を得ることができる。なお机上に並べる時は、手前から初爻、第二爻~上爻となる。 |
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以上で、易についてあらかじめ知るべきことはすべて知りました。以下、その実践に入ります。 |
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それでは算木と筮竹を使った占いの実践に入ります。算木はノートで代用でき、筮竹は三枚のコインで代用できますが、筮竹を用いて占う方法を知ることはとても重要です。 |
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筮竹による易占法 |
1 |
筮竹五十本を左手に執り、その中の一本を抜いて机上に置き、太極に象(かたど)る。これ以後、易は殘りの四十九本で占われる。太極(たいきょく)とは陰陽未分の混沌たる天地のことです。 |
2 |
初に初爻を占い、以下第二爻より第六爻に至る。 |
3 |
左手の四十九本を二分して両手に持ち、右手の分を机上に置く。左手の分を天策(てんさく)、右手の分を地策(ちさく)という。 |
4 |
机上に置いた分より、一本を抜き出し、左手の小指と薬指の間に差し挟む。この一本を人策(じんさく)という。 |
5 |
左手の天策を、殘りが四、三、二、一本になるまで、右手にて四本づつ数え取り、右手に移った分を机上に置くが、地策とは別にしておく。 |
6 |
左手に残った天策を同じく左手の薬指と中指の間に差し挟み、机上の地策を左手の他の指に執る。 |
7 |
左手の地策を、殘りが四、三、二、一本になるまで、右手にて四本づつ数え取り、右手に移った地策の分を机上の天策に合せる。 |
8 |
左手に残った地策を同じく左手の指に挟んだ天策分、及び人策一本に合せて数えると、それは必ず五本、又は九本である。 |
9 |
以上3~8の手順を第一変といい、これ以後を第二変という。 |
10 |
残策の五本、又は九本を四十九本より除いた四十四本、又は四十本を左手に執り、二分して天策、地策に分け、地策を机上に置いて、その中より一本抜き出して小指と薬指との間に差し挟む。 |
11 |
左手の天策より、殘りが四、三、二、一本になるまで、右手にて四本づつ数え取り、残策を薬指と中指の間に差し挟み、右手の策を机上に置いて、左手の他の指に地策を執り、殘りが四、三、二、一本になるまで、右手にて四本づつ数え取り、それを机上に置いて、殘りを小指に挟んだ人策、薬指に挟んだ天策と合して数えると、必ず四本、又は八本である。 |
13 |
以上10~11の手順を第二変といい、これ以後を第三変という。 |
14 |
残策の四本、又は八本をまた四十本、又は四十四本より除いた、三十六本、又は三十二本、又は四十本を左手に執り、二分して右手の地策を机上に置き、中より一本を抜き出して左手の小指と薬指との間に差し挟んで人策となし、天策より、殘りが四、三、二、一本になるまで、右手にて四本づつ数え取って机上に置き、残策を薬指と中指の間に差し挟んで、他の指に机上の地策を執り、殘りが四、三、二、一本になるまで、右手にて四本づつ数え取って、机上に置き、残策を薬指に挟んだ天策の分、小指に挟んだ人策と合して数えると、必ず四本、又は八本である。 |
15 |
以上14の手順を第三変という。 |
16 |
以上第一変、第二変、第三変で得た残策の合計は、9+8+8=25、9+8+4=21、9+4+8=21、9+4+4=17、5+8+8=21、5+8+4=17、5+4+8=17、5+4+4=13で二十五、二十一、十七、十三のいづれかとなり、この残策を四十九本より除くと、その殘りは二十四、二十八、三十二、三十六となり、四の六、七、八、九倍となり、この中の六を老陰、七を少陽、八を少陰、九を老陽に当てる。その確率は老陰1/16、少陽5/16、少陰7/16、老陽3/16である。その論拠は残策が9の確率は1/4、5の確率は3/4、8と4との確率はそれぞれ1/2だからである。なお老陰+少陰、老陽+少陽の確率はそれぞれ1/2で同じである。 |
17 |
以上で第一爻の直を得たので、以後同様に3~16の手順を踏んで、第二爻以下を得る。 |
18 |
以上1~17の手順で六爻、大成卦を得たので、この中の各爻の中、老陰、老陽を転じて、老陽を少陰に変じ、老陰を少陽に変ずれば、之卦を得ることができる。 |
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筮竹が無くても、占いはできます。コインを三枚用意してください。ついでに算木の代わりに紙と鉛筆も用意しましょう。 |
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コインによる易占法 |
1 |
コイン三枚を両手に包んでよく振り、ぱっと手を開いて下に落とし、落ちたコインの中の裏の枚数を数える。 |
2 |
裏の枚数、0枚、1枚、2枚、3枚を、それぞれ老陰、少陽、少陰、老陽に配する。 |
3 |
この場合、確率は老陰、老陽がそれぞれ1/8、少陽、少陰がそれぞれ3/8で、筮竹による確率の老陰1/16、少陽5/16、少陰7/16、老陽3/16と異なるが、老陰+少陰、老陽+少陽の確率は、それぞれ1/2となるので少々の異なりは無視することになる。 |
4 |
1~3の手順を踏んで、第一爻より第六爻を得る。 |
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易を職業とすれば、客のこともそれなりに考えなくてはなりません。筮竹を用いる上の方法では、或は時間がかかり過ぎるので考えられたのが、「中筮法(ちゅうぜいほう)」と「略筮法(りゃくぜいほう)」と呼ばれる二種の筮法です。この場合、上の筮法は「本筮法(ほんぜいほう)」と呼ぶことになります。 |
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中筮法による易占 |
1 |
五十本の筮竹の中より、一本を抜き出して机上に置き太極に象(かたど)る。以後易は四十九本を用いて占われる。 |
2 |
左手の四十九本を二分して両手に持つ。左手の分を天策、右手の分を地策という。地策を机上に置き、その中から一本を抜き出して左手の小指と薬指との間に差し挟み、これを人策と呼ぶ。 |
3 |
左手の天策を右手で八本づつ数え取り、殘りの七、六、五、四、三、二、一本に人策の一本を加えた、八、七、六、五、四、三、二、一本を八卦に配して、第一爻を得る。
一本ならば、乾(老陽)、
二本ならば、兌(少陰)、
三本ならば、離(少陰)、
四本ならば、震(少陽)、
五本ならば、巽(少陰)、
六本ならば、坎(少陽)、
七本ならば、艮(少陽)、
八本ならば、坤(老陰) |
4 |
2、3の手順を繰り返し、以下第二爻~第六爻を得る。 |
5 |
このようにして遇卦(ぐうか)を得たならば、老陽を少陰、老陰を少陽に変じて之卦(しか)を得る。 |
6 |
中筮法の確率は、老陽、老陰がそれぞれ1/8、少陽、少陰がそれぞれ3/8であり、老陽+少陽と老陰+少陰とはそれぞれ1/2ということになり、コインによる方法と同じである。 |
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現在この国では本筮法、中筮法共に用いられず、もっぱら略筮法を用いて占っています。 |
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略筮法による易占 |
1 |
五十本の筮竹の中より、一本を抜き出して机上に置き太極に象(かたど)る。以後易は四十九本を用いて占われる。 |
2 |
左手の四十九本を二分して両手に持つ。左手の分を天策、右手の分を地策という。地策を机上に置き、その中から一本を抜き出して左手の小指と薬指との間に差し挟み、これを人策と呼ぶ。 |
3 |
左手の天策を右手で八本づつ数え取り、殘りの七、六、五、四、三、二、一本に人策の一本を加えた、八、七、六、五、四、三、二、一本を八卦に配して、第一爻より第三爻の下卦を得る。
一本ならば、乾、
二本ならば、兌、
三本ならば、離、
四本ならば、震、
五本ならば、巽、
六本ならば、坎、
七本ならば、艮、
八本ならば、坤。 |
4 |
2、3の手順を踏んで、第四爻より第六爻の上卦を得る。 |
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2の手順に従って天策、地策、人策を得る。 |
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左手の天策を右手で六本づつ数え取り、殘りの五、四、三、二、一本に人策の一本を加えて得た六、五、四、三、二、一本を、第六爻より第一爻に配して目指す爻位を得る。 |
7 |
占いには、2~4の手順で得た卦辞、及び5~6の手順で得た爻辞を用いる。 |
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さて以上をもって、易については、そのほとんどすべてを知ったことになります。もっと詳しく知りたい方は、岩波文庫の「易経」をお近くの書店でお求めになりお読みください。その他に、明治書院の「新釈漢文大系 易経(上、中、下)」もありますが、専門的になりすぎますので若干推薦しかねるところです。
筮竹と算木はそれぞれ数千円から上は数十万円までありますので、将来易者として身を立てようと思う方は是非お買い求めください。コインも宜しいとは思いますが、易者らしさはあくまでも筮竹をじゃらじゃら鳴らすところにありますので、コインでは恐らく客が付かないのではないかと案ずる次第です。しかし、くれぐれも身体だけは大切になさってくださいましよ、‥‥ |
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羊羹(両口屋) 銘:老松 |
では今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまでご機嫌よう |