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もみじ狩り
  
  紅葉の季節ですが、皆様お変わりございませんか?
  野山の方もさぞ美しかろうと思いながらも、老人には、なかなかそれを見に行く時間を見出せません。やむなく去年の写真を載せることに相成りましたが、皆様方には、どうか悪しからずご了承ください、‥‥
  
  
  それにしてもドラゴンズは強かった!またしても落合監督の底知れぬ力を見せつけられました。あそこで10ゲーム差をひっくり返すなんて、誰にも予想がつくもんじゃございません。だいたい中日という球団は、毎年のように主力選手が抜けて、今年はもう駄目だろう、今年こそはもう駄目だろう、落合の強さも選手あってこそだ、とかなんとか言われておりましたので、今年は岩瀬が力を落とし、浅尾はまだ若いときていますから、はたして落合監督の目指す野球ができるものかどうかと、わたくしもさかんに危ぶんでおりましたところ、何のことはない、終ってみればこのとおり優勝でしょう?まあ驚嘆しない人はたった一人もいらっしゃらないのではないでしょうか?
  
  それにしてもその強さの秘密は何処にあるんでしょうかな、‥‥いつ見てもじーっと坐っているだけで、監督は試合中に何もしていないように見えるのですが、‥‥いや本当に何もしていないんでしょうな、ただ見ているだけで、‥‥江川なんかは将来の名監督を目指していますから、インタビュウーで何か探ろうとしていましたが、はたして何か得たものがあったかどうか、‥‥顔からは不審の色が消え去らないようにも見えたのですが、‥‥
  
  表面的なデータで言えば、孫子の言う、「善く戦う者は勝つ、勝ちやすきに勝てばなり」なんでしょうかな、‥‥今年のデータでは、対ヤクルト11勝/10敗(3分)、巨人10勝/12敗(2分)、阪神13勝/9敗(2分)、広島12勝/10敗(2分)、横浜15勝/8敗(1分)とありますが、最下位の横浜にほぼダブルスコアということ以外引き分けか、やや優勢というぐらいで、余り特徴がなく、ここに秘密が隠されているとも思えません。
  
  それとも、「善く兵を用うる者は、道を修めて法を保つ」でしょうかな、‥‥道理を極めて、その法則を曲げない、ということですが、これは確かにそうでしょうな、‥‥道理に合わなければ、勝てるはずがない、道理ですな、‥‥しかしその道理が知りたいのです、‥‥
  
  
  落合監督の八年を巨人と比較してみましょう、中日1位(4回)、2位(3回)、3位(1回)、‥‥巨人1位(3回)、3位(3回)、4位(1回)、5位(1回)‥‥これは際立っていますな、‥‥
  
  
  「彼れを知り己れを知れば、百戦殆(あやう)からず。彼れを知らずして己れを知れば、一勝一負す。彼れを知らず己れを知らざれば、戦うごとに必ず殆し。」とも言っていますな、‥‥やはり緻密な戦略かな?‥‥こんなデータがあります、日本シリーズは短期決戦ですので、戦略の立てようがなく、チームの底力が露呈しやすいと言えますが、過去7年間の成績は優勝1回、出場3回で勝率33%、対する巨人は優勝1回、出場2回で勝率50%、少すぎるデータで、これだけでは何とも言えませんが、現実に良く合っているようにも見えます。
  
  
  それとも孫子のこれですかな、「卒を視ること嬰児の如し、故に之(こ)れと与(とも)に深谿に赴くべし。卒を視ること愛子の如し、故に之れと倶(とも)に死すべし」‥‥、将は兵に対して、嬰児か愛子のように接しなくてはならぬ、そうすれば兵は深い谷底にも、死地にも将と一緒に赴くのだ!‥‥落合監督には以前岩瀬に対してそのような愛情を感じましたが、今やそれが全ての選手に行き渡ったのではないでしょうか?劣る戦力で相手に勝つ、‥‥誰にでもできることではありません、‥‥
  
  「俺を抜いたらほめてやる!」としか言わない監督が、「選手たちは素晴らしいの一言です!ほめてやります」と言ったのでしたな、‥‥真実をともなった良いことばです、誰にでも口にできることじゃあございませんよ、‥‥褒めてもらった選手たちは、さぞ誇らしい気分だったんでしょう、‥‥胴上げの時は全員に嬉しさが満ちあふれ、皆同じ顔で喜んでいました、‥‥老人も同じように涙を流して喜んだのは言うまでもありません。
  
  メデタシ、メデタシ、‥‥
  
 
 
 其の疾きこと風の如く、
 其の徐(しず)かなること林の如く、
 侵掠は火の如く、
 動かざること山の如し
 
  
  まあ、名監督を褒めるのはこれぐらいにしておきましょう。いくら褒められたからって、そんなに喜べるものじゃありませんからな、‥‥いやどうも、感激すると口が軽くなっていけません、こりゃ病気ですかな、‥‥
  
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  柿を食えば医者いらずだそうですが、‥‥経済の不安を払拭するためには、やはりここは力のかぎり食わずばなるまい。
  ♪柿を召しませ、召しませ柿を、‥‥♪どこか寂しい愁いをふくむ、‥‥
  
  
  
  では今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまでご機嫌よう。
 
 
 
 
 
 
 
  (もみじ狩り おわり)