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毎日8時間もパソコンに向うような生活では、一日一回の散歩はかかせません。
涼風の立つこの季節には特に夕方がよろしいようで、近所の犬たちにまじって歩いておりますと、エアコンの風に凝り固まった身体がゆっくり融けほぐれ、また気力も充実してまいります。
稲の実の熟す懐かしいにおいが辺一面にかおり、脳をさかんに刺激しますので、いつの間にやら思いは里子虐待事件の上に飛んでいました、――
里親制度では、里親手当7万2000円、4万7680円の生活費のほか、教育費、医療費が支給されるということだが、年額150万円は人の目をくらますには十分な額だろう、‥‥嫌な里子でも手元に置いておけば、黙っていてもこの150万が入ってくるのだ、‥‥もちろん十全の養育には必要経費としても不足かも知れない、しかしビジネスにもなりかねない金額なのだ、‥‥里親になりたい人とは、どんな人だろうか?‥‥子供はないが、お金があるので老後の面倒を見てほしい?‥‥善意?‥‥一度経験してみたい?‥‥資格審査が有るようだが、金持ちでも不足するのが金である、‥‥本来善意を期待すべき所に、どうしてこんな高額の費用が支給されるのだろう?‥‥逆に言えば、貧乏人には資格が無いのだろうか?大学へ入れるぐらいは当然?‥‥なんかいかにも役人的発想だな、‥‥親がない、あるいはないも同然、‥‥これは一つの優れた特徴である、‥‥生まれながらにして係累がないということは親類縁者がない、実に理想的ではないか?‥‥現在の学校制度によらない独自の高等教育+公平教育を施して役人にしてはどうだろう?‥‥なんか宝の山に見えてきた、‥‥汚職もうんと減るだろう、‥‥社会も大分善くなるだろう、‥‥役人はすべからく係累なかるべし、‥‥三十歳までは独身をつらぬかせ、結婚とともに年金を支給して以後実務には就かせない、‥‥
と、まあこんなことなどを考えながら歩いているのですが、田んぼの上には数羽のつばめが輪をかいて飛んでいました。その中の幾分小さいのが、今年生まれた子供です、飛び方がへたで、まだうまく風に乗れません、親つばめよりも羽ばたく回数が多いのが見てとれます。南の島へ旅立つまで後一ヶ月、その間に体力をつけるひつようがあります。時々速い車が通りますが、子つばめはその危険を知りません。親つばめはその危険を知っているので、一瞬も目をはなさず子つばめたちの動きを見張っています。
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田んぼの中に畑があります。その中に百日草が咲いていました、‥‥
好きな花は?夏で言えば百日草、鬼百合、葉鶏頭、‥‥百日草はともかく鬼百合も葉鶏頭もこの頃見ないが、どうしたんだろう?‥‥子供の時に見なれた物が好い?‥‥老人の一般的傾向ですね、これは、‥‥
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この季節は雲が美しい時でもあります、‥‥もう遅くなりました、この雲を見ながら家に還りましょう、‥‥。
そろそろ満月じゃなかったかな?真夜中頃にまた散歩してみようか、‥‥李白の「酒を把りて月に問う」でも吟じながら、‥‥
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註:●丹闕(たんけつ):王宮の朱塗りの門。●姮娥(こうが):月に棲む仙女。●曽経(そうきょう):かつてこのような事があった。
大意:酒を手にして月に問う。
青い空に月があるが、どれぐらい昔から出ているのだろう?
杯の手を停めて、ちょっと聞いてみたいものだ、‥‥
人が明月によじ登ろうとしてもできないが、
月はかえって人の後を逐ってくる。
飛ぶ鏡のように白く輝き、仙宮の朱塗りの門の前までくると、
緑のもやが晴れて、清らかな光が発する、‥‥
ただ夕方に、海より出て上るのを見るだけでは、
明け方、雲の間に身をかくすことまでは知らないだろう。
白兎が不老不死の仙薬を搗いて、秋から春へ年がら年中、
姮娥は年をとらずに独り棲む、隣には誰かいるのだろうか?
今の人は、昔の月を見ていないが、
今の月は、昔の人を照らしていたのだ。
昔の人も、今の人も流れる水のように過ぎ去るものだが、
共に明月を見ていたのだろうか?皆でこんなふうに、‥‥
ただお願いだから、歌を歌ったり酒を飲んだりする時は、
月の光が、常に金の樽の底を照らしていてほしいものだ。
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散歩の途中、風船かづら見かけました、‥‥親指と人差し指でそっとつまみ、ゆっくり力を加えると、「ぽっ」という優しい音がします。
この楽しみを人にも味わわせたい、‥‥それで、少しだけ残しておきました。
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≪枝豆ご飯≫
色よく茹でた枝豆の薄皮をむき、昆布だしの塩味ご飯に二割ほど混ぜ込み、瓢箪形の物相で抜きました。
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それでは今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまでご機嫌よう。 |