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平成23年元旦
えー、
    皆様、新年明けましておめでとうございます。
    本年も相変りませず、しばしばお会いできますよう、
    何卒宜しく、お願いもうしあげます。
  
  つばめ堂通信も、いよいよ七年目に入りまして、内容もだんだん充実してまいったようにも思えますので、当方といたしましてはそれもひとつの喜びでございまして、これもひとえに皆様方のお力添えのたまものと常々感謝いたしております。しかし、好事魔多しとでもいうのでございましょうか、少しばかり困ったことも起きてまいりまして、日頃、皆様方には足を向けて寝られないということで、毎晩の就寝時にはさて今夜はどちらに足を向けて寝ようか、いや向けずに寝ようかなどと苦慮しておりますうちに、いつの間にやら夜がしらじらと明けてくるような次第で、この頃はついぞ安眠などはしたことなく、ほとほと睡眠不足で困っておるのでごさいます、‥‥
  
  いやどうも年明け早々つまらない冗談口などたたいて、大変お見苦しゅうございました。お正月でございますからな、お酒などを少々ということで、ついサービス精神が旺盛になり、いらぬことをぺらぺらとしゃべりまくってしまったようで、まことに相済まないことでございます。まあお正月でございますからな、どうぞ大目に、‥‥
  
  そんなこんなで紆余曲折を経ながらもついに大智度論は第三十三巻を済ましましたので、あと一巻で摩訶般若波羅蜜経の初品の解釈を完了というところまでこぎ着けました。どうやらこれで山を一つ越せそうだということで、やっと一息つくことができたのでございますが、しかし第二次改訂はやっと第十巻が済んだところでございますので、まだまだ油断はできません。
  
  大智度論の改訂は、ほぼ全面書き直しに近い作業が必要ですので、それを二回もするのはなかなか大変ではありますが、これをしないと良い物はできないのでやむをえません。まあ経験的に言えば、何でも物を書いたりすれば、ちょっと長い物であれば、たいてい三回ぐらいの書き直しは必要となり、それもできれば全面書き直しが良く、その時に手を抜くと碌な事にはなりません。
  
  例えをプログラムの作成に取ってみますと、それをあらかた頭の中で組み立てて、それが自在に動くことを確かめてから、実際に紙の上なり、或はWordなりの画面上に書き始めるのですが、それでも書き進める中に何か不満に思えるような事が起き、それを何とか工夫して抑えながら、どんどん進むとやがてどうにもならないような気がしてきて、いよいよ進むか退くかの岐路に立つことになります。しかしその善悪は初からはっきり決まっており、この時には潔ぎよく退いて、また根本から考え直すのが良いのです。何故ならば、大体の事は、すでに十分熟知、熟考した所なので、その時までに生じた問題点をすべて解決するに余りあり、なおかつ余計にスマートな物ができるはずであり、当然の事ですが、それに要する労力も案外少いからです。
  
  趣味に手抜きすることほどつまらないことはないと思いますが、仕事でプログラムを作っていられる方にとっても、製品がスマートであるということは非常に重要な事で、無駄な要素がなく、必然的にコンパクトになり、誰にも解りやすい、他に流用できる、拡張が容易、潜在的なバグの要素が少くデバッグが容易である等が、容易に想像できる所であり、その他にも利点を数え上げればきりがありません。
  
  しかしこれも経験から申すのですが、昔のプログラミング業界にはプログラムの修正はバグの本という誤った常識が根強くありましたので、わたくしのように全面書き直しなどをすれば、それに付随する無用の作業が大量に発生して、それだけでもやる気をそがれたものですが、恐らく、世間の常識というものは案外変らないものですので、現今の事情も、或はそうではないかとはるかに危惧しておるような次第です。
  
  しかし実際にはどうでしょう、確かに貧乏たらしく、ちまちま修正するのは、まったくバグの本に相違ありませんが、しかし全面書き直しとなると、まったく事情が異なりますので、上に述べたとおり、バグは本質的に少くなっているはずなのです。
  
  また、そのような誤った常識が生まれた背景に、恐らく、この国の人の大部分がブラインドタッチができず、そのせいで入力時のミスが大量に発生していただろうことも、容易に想像できる所です。
  
  それに、ブラインドタッチができないと、全面書き直しなどは到底できることではありません。書きたいことが山ほどあるときには、このブラインドタッチができるとできないとでは、その能率と制作物の品質とに驚くほどの大差のでるものなのです。何故ならば、このタッチシステムは思考速度と入力速度とがほぼ等しく、入力が思考のさまたげになりませんので、作業量をあまり意識せず、仕事の量に対する恐怖感をほとんど感じずに済みますので、臆することなく勇気を持って大量の仕事をこなすことができ、また指が自然とキーの打順を記憶しますので、誤入力が極めて少くなるからです。
  
  ということでプログラムの作成を例に取ってブラインドタッチシステムの利点を述べましたが、一般の文章を書く上においてもまったく同様のことが申せますので、今月は皆様方に、この便利なブラインドタッチシステムをご紹介したいと思います。ただ、わたくしがこれを習ったのは四十数年も昔の事でございますので、その時使用した教則本などはとっくにどこかへ行ってしまい、すべてはつたない記憶の中の事でございます。どうか、うまくいかなくてもご容赦くださるようお願い申し上げます。
  
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  このタッチシステムは、凡そ一週間ほどでそこそこ打てるようになります。下に、わたくしがかつて教則本を見ながら練習した、その練習方法の骨子を記しておきますので、未経験の方は是非お試しください。
  
  さあ、始めましょう、‥‥何事も、先ず行動するのが面倒くささを感じずに済む秘訣です、さあ直ぐ始めましょう。
  
  
  左手の人差し指から小指をキーボードのF、D、S、Aの上に置き、右手を同じくJ、K、L、+の上に置きます。
  
  これが左右の指の常位置です。左右四本の指の中の少なくとも一本は常に、指定されたキーの上に置き、全体の位置を失わないようにします。
  
  指の位置が定まったならば、先ず最初に左手の人差し指から練習しますが、その前に下の図に示したとおりの物をプリントして、それをキーボードの左側に置いて、目で文字を追いながら、そのとおりにキーを打ちます。
  
  練習は左の人差し指、中指、薬指、小指、次ぎに右手の人差し指、中指、薬指、小指の順にします。
  
  これは脳を介さずに目(文字)と指(キー)とを直接結びつける練習ですので、ひたすら目では文字を追い、指ではキーを入力します。その一行の入力が済むまでは決して目を文字から放さず、画面や、キーボードを見ないようにします。
  
  三文字を一纏めに打ち、その間にスペースを一つ打ちますが、スペースキーを打つのは練習している指が左手ならば右手の、右手ならば左手の親指を使います。
  
  左右とも人差し指だけは六文字分のキーを、他の指は三文字分のキーを受け持ち、エンターキーは右手の小指を、シフトキーは文字と逆の手の小指を使用します。
  
  それでは、左手の人差し指から練習してください、frf frf とテンポよく打ち、一行の同じ文字列をすべて打ち終えたならば、それを五回乃至十回ほど繰り返して、次の練習fvf fvf に進んでください。
  
  八本の指が全部済めば、すでに脳にアルファベットとキーとの関連づけがされていますので、アルファベットが打てるはずです。何も見ずにアルファベットを練習します、abcdefghijklmnopqrstuvwxyz abcdefghijklmnopqrstuvwxyz 。一文字づつ文字を脳裏に呼び出して、それを打ってください。それができれば、次はインターネット上で英語の記事を探しだし、それをプリントして練習に用います。
  
  一日15分の練習で一週間、これが凡その目安ですが、一時に多くやっても功果はありません。脳を鍛えるには睡眠による熟成という行程が不可欠なのです。
  

 
frf frf frf frf frf frf frf frf frf frf frf frf frf frf
fvf fvf fvf fvf fvf fvf fvf fvf fvf fvf fvf fvf fvf
ftf ftf ftf ftf ftf ftf ftf ftf ftf ftf ftf ftf ftf ftf
fgf fgf fgf fgf fgf fgf fgf fgf fgf fgf fgf fgf fgf
fbf fbf fbf fbf fbf fbf fbf fbf fbf fbf fbf fbf fbf
  
ded ded ded ded ded ded ded ded ded ded
dcd dcd dcd dcd dcd dcd dcd dcd dcd dcd
  
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  禅宗は、不立文字、以心伝心等に見るが如く、文字に重きを置かない宗派かと思いきや、案外そうでもなく中には五山文学等と称して漢詩などを良くする人を多く輩出したりして、他の宗派には見られない一大特徴をなしています。
  
  しかしそれ等は概ね面白くないというのが大方の風評のようで、敢えて見てみたいとも思いませんが、ただ良寛さんの詩だけは、恐らくそれ等とは本質的な何かに一線を画したところがあるのでしょう、それとも、寧ろその潔ぎよく清々しいまでの生活態度が、その中に垣間見られ、そこが五山文学と一線を画しているからでしょうか?常に、人々の心を捉らえて放しません。
  
  その良寛さんの数多くの詩の中から適当に一つを選び、お正月らしく襟を正し、心を端して味わってみましょう、‥‥
  

●簡傲(かんごう):人を見下す。縦酒(しょうしゅ):酒に溺れる。歳時を消(しょう)す:歳月を消費する。門を窺(うかが)う:そっと非難する。而今(じこん):今に至って。老い去り:老いてしまった。臍(ほぞ)を噬(か)む:項垂れて臍に口が着く。通宵(つうしょう):夜通し。君が為に:お前を思って。
○人を見下し、酒に溺れて歳月を費しながら、多くの人が門を窺っても気付きもしない。今頃、老いてしまってから始めて項垂れ、後悔しても遅すぎる、そんな君を思い、夜通し泣いていたので衣がぐしょ濡れだ。
  
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  伊勢の名物、赤福餅には、和三盆が使われているようで、甘さにすーっとした独特の清涼感があります。
  
  
  それでは今月はここまで、また来月お会いしましょう、それまでご機嫌よう。
  
  
  
  
  
  
  
  (平成23年元旦 おわり)