この地方では、フランス映画はなかなか見ることができません。 この映画も非常に小さな個人経営のような劇場で見ました。 しかしここで見たものは、小粋に登場人物も観る者をも突き放し、それでいて本当によく人生を理解している者だけに、表現可能な微妙な部分を、余すことなく映像化したものでした。 或はこれはフランス人にしかできない技かもしれません、他ではなかなか得難い雰囲気がフランス映画にはあるのです。
何とか多くの方に、フランス映画を見ていただき、もっともっと劇場公開されますようにと願って、及ばずながら粗筋なりとご覧に入れたいと思い、このようにお話しいたしましたが、いかがでしたでしょうか。 映像を文章で伝えることには無理があることは、初めからよく理解してはいるのですが、何とかがんばってみました。 お気に召せば宜しいのですが‥‥。 |
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この所うれしい事があります。 知人の女の子が、一月に赤ちゃんを産み、それを時々、連れて見せに来てくれることです。 偉いですねー、まだ成人式を迎えたばかりなのに、働き者のご主人に支えられて、立派に赤ちゃんを育てています。 生まれてから、四ヶ月もたつと、もうつやつやした頬の可愛い赤ちゃんに育つのですね。 わたしの顔を見たとたんに泣き出しましたが、ほっぺたを指で撫でてやりますと、すぐに泣きやみ、こちらを見てにこにこしています。 たしかに智慧も付いてきてますよ。 心から、すくすく育って、無事であることを願ってやみません。
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これに関連して、思いだしました。
熊本で『赤ちゃんポスト』が設置されたということです。
慈恵病院というキリスト教系の病院が設置しましたが、賛否両論あるということです。
反対する人の意見は、
(1)両親が子供の面倒を見るという基本がないがしろにされる。
(2)性的道徳が廃れる。
どうやら、この二点に集約されそうです。
では伺いますが、
既に捨てられてしまった赤ちゃんは何うなるのでしょうか?
野良犬や野良猫が面倒を見てくれるのでしょうか?
現実に捨て子はあり、現実に両親にその能力が無い場合も有るのです。
その場合には、本来誰が面倒を見るべきでしょうか?
まさか、何もしなくても良いいうご意見をお持ちなのですか?
『赤ちゃんポスト』、まさかこんな良いものに反対する人がおろうとは、思ってもみませんでした。
名前が手軽すぎるという方もおられました。
では何のような名前でも結構です、あなたが開設してください。
インドのカルカッタで『死を待つ人の家』を開設したマザーテレサをご存知ない方は、恐らく何所にもいらっしゃらないでしょう。
このマザーテレサは、常に托鉢、そう要するに托鉢です、家々を順に回って布施を乞うのです、この托鉢をして、それによって得た物を貧しい人に、更に施していました。
これに文句を付けた人がいます。 つまり、貧しい人に物を与えていたのではきりがない。 ここは是非、釣った魚を与えるのではなく、魚を釣る方法、つまり釣り竿などを与えてはどうか、とこういうことです。
これに対して、マザーテレサは答えます、『中には釣り竿さえ持てないほどに体力の弱った人もいるのです。 その人たちが、釣り竿を持てるほどに力を付けたならば、あなたの方に送りますので、その時には釣り竿を差し上げてください。』と。
仏教にも、『箭喩(せんゆ)経』というお経の中に、似たようなことが有りますのでご覧にいれましょう。
お釈迦様の弟子に、摩羅鳩摩羅(まらくまら)という人がいました。
この摩羅鳩摩羅は、坐禅をしていながら、こんなことを考えていました。
『一体、世界に終わりは有るのだろうか?無いのだろうか?
一体、世界の果ては有るのだろうか?無いのだろうか?
一体、命と身体とは同じものだろうか?違うのだろうか?
一体、命に終りが有るのだろうか?無いのだろうか?
一体、物とは有るのだろうか?無いのだろうか?』と。
これを考え出すと、どうにも我慢ができません。
『世尊(せそん、お釈迦様に対する尊称)は、
一体、何うお考えだろうか。
前に、お訊ねしたときには、何もお答えにならなかった。
もし、もう一度訊ねて、お答えにならなければ、
もう諦めて、ここから帰ってしまおう。』と、
このように心を決めて、坐禅から起ち上がると、
世尊に礼をして、先ほどの問いを訊ねました。
『世尊が、この問いにたいする答えを、
もし、ご存知ならば、はっきりとお答えください。
もし、ご存知でなければ、はっきり分らないと仰ってください。』と。
世尊は、摩羅鳩摩羅にお問いになります、
『これ摩羅鳩摩羅、
お前は、それを知ったならば、
ちゃんと、修行ができるのか?』
『いいえ、それはありません。』
『何という馬鹿者だ、お前というやつは。』
世尊は、皆を集めて、たとえ話をされました、――
ある愚か者が、このように思った、
『わたしは、世尊に従って修行する前に、
世尊に、はっきりと、
世界には終りが有るかどうか、
世界には果てが有るかどうか、
命と身体とは同じかどうか、
命には終りが有るかどうか、
物は有るのかどうか、
このことについて、答えさせよう。』と。
この愚か者は、このような事を考えている間にも、
自らの命が終ってしまうことを知らないのだ。
それはちょうど、
ある人が、毒箭(どくや)にあたった時のようである、
親戚の者たちが、医者を探して治療させようとしたが、
その時、
この人はこう考えたのだ、
『わたしは、この毒箭を抜かせないぞ、
まず先に、
箭を射た人のことをすっかり知らなければならない、
その人は、
姓は何で、名は何で、容姿は何うなのだ?
背は高いのか、低いのか、中ぐらいか?
肌の色は、黒いのか、白いのか?
刹利種(せつりしゅ、王族)か?
婆羅門種(ばらもんしゅ、祭司種)か?
居士(こじ、仏教信者)か?
工師か?
東から来たのか、南からか、西からか、北からか?
一体、誰がわたしを射たのだ?』
『わたしは、この毒箭を抜かせないぞ、
まず先に、
わたしを射た弓について、
すっかり知らなければならない、
その弓は、
薩羅(さら、樹木名)の木でできているのか?
多羅(たら、樹木名)の木でか?
支羅鴦掘梨(しらおうくつり、樹木名)の木でか?』
『わたしは、この箭(や)を抜かせないぞ、
まず先に、
その弓に巻いた筋について、知らなければならない、
それは、
牛の筋か?
羊の筋か?
ヤクの筋か?
何が、その弓に巻いてあったのだ?』
『わたしは、この毒箭を抜かせないぞ、
まず先に、
その弓の弓束(ゆづか、弓を持つ所)について
知らなければならない。
それは、
白い骨でできているのか?
黒い漆でできているのか?
赤い漆でできているのか?』
『わたしは、この毒箭を抜かせないぞ、
まず先に、
その弓の弦について、知らなければならない、
それは、
牛の筋でできているか?
羊の筋でできているか?
ヤクの筋でできているか?』
『わたしは、この毒箭を抜かせないぞ、
まず先に、
その箭について、知らなければならない、
それは、
舎羅(しゃら、樹木名)の木でできているのか?
竹でできているのか?
羅蛾梨(らがり、樹木名)の木でできているのか?』
『わたしは、この毒箭を抜かせないぞ、
まず先に、
その箭に付いた羽について、知らなければならない、
それは、
孔雀の羽でできているのか?
鶴の羽でできているのか?
鷲の羽でできているのか?
何の翼で、その羽はできているのだ?』
『わたしは、この毒箭を抜かせないぞ、
まず先に、
その箭の鏃(やじり)について、知らなければならない、
それは、
先が尖った鏃なのか?
先が丸い鏃なのか?
先に刃の付いた鏃なのか?
何の鏃で、わたしは射られたのだ?』
『わたしは、この毒箭を抜かせないぞ、
まず先に、
その鏃の刀鍛冶について、知らなければならない、
それは、
姓は何で、名は何で、容姿はどうなのだ?
背は高いのか、低いのか、中ぐらいなのか?
肌の色は黒いのか、白いのか?
東の人か、南か、西か、北か?』と。
この人は、このような事をしている間に、
命が終ってしまうことに気が付いていないのだ。
世界に終りが有ろうが無かろうが、
修行しなければならない、
世界に果てが有ろうが無かろうが、
命と身体とは同じであろうが同じでなかろうが、
命に終りが有ろうが無かろうが、
物が有ろうが無かろうが、
修行しなければならない。
何故ならば、
このようなことは、
義(ぎ、正しい意味)でもなく、
法(ほう、正しい教え)でもなく、
梵行(ぼんぎょう、正しい修行)でもなく、
神通(じんつう、不思議な力)を成すでもなく、
仏と同じ道を行くでもなく、
涅槃(ねはん、理想の境地)に相応することもない。
この故に、
これを言うべきではないのだ。
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本になる経は、非常に有名なものですが、省略が多く、かつ繰り返しが多いという大変にやっかいな性格を持っています。 そのために、ここではおよその大意を示すに止めました。 詳しくお知りになりたい方は、『その他の仏典』の中に『箭喩経』として現代語訳してありますので、そちらをご覧になってください。 ただし大変難しいものです。
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お皿の中の黒いものは、自家製の”ゆべし”です。
材料:柚子・八丁味噌・砂糖・味醂・ごま・くるみ
乾いちじく・松の実・レーズン
作り方:@ほぼ同量の味噌・砂糖と味醂少々を
火にかけて暖めながら練り合わす。
A他の材料を適宜刻んで混ぜ合わす。
B柚子はへたの部分を適当に切り取って、
中身をくりぬき、混ぜ合わせた味噌を
七割ほど詰め、へたの部分でふたをする。
C蒸器に並べ、40分ほど蒸す。
D軒下などの風通しの良い日陰に吊す。
10日程で出来上り!
・・・柚子の大きさで日数は決まる。
食べ方:薄く切って食べる。
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