【經】復次須菩提。若菩薩摩訶薩遠離般若波羅蜜。如恒河沙等劫。布施三寶佛寶法寶比丘僧寶。須菩提。於意云何。是菩薩摩訶薩以是因緣故得福多不。須菩提言。世尊甚多。無量無邊阿僧祇。 |
復た次ぎに、須菩提、若し菩薩摩訶薩、般若波羅蜜を遠離して、恒河沙に等しきが如き劫、三宝の仏宝、法宝、比丘僧宝に布施すれば、須菩提、意に於いて云何、是の菩薩摩訶薩の、是の因縁を以っての故に得る福は多しや不や。須菩提の言わく、『世尊、甚だ多く、無量、無辺、阿僧祇なり』、と。 |
復た次ぎに、
須菩提!
若し、
『菩薩摩訶薩』が、
『般若波羅蜜を遠離して!』、
『恒河沙に等しいほどの劫』、
『仏宝、法宝、比丘僧宝の三宝』に、
『布施したとすれば!』、
須菩提!
お前の、
『意』には、何う思うのか?――
是の、
『菩薩摩訶薩』が、
是の、
『因縁』の故に、
『得る福』は、
『多いだろうか?』。
『須菩提』は、こう言った、――
世尊!
『甚だ多く!』、
『無量、無辺、阿僧祇です!』。
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参考:『大般若経巻329』:『復次善現。若菩薩摩訶薩遠離般若波羅蜜多。設經殑伽沙數大劫。修行布施波羅蜜多。修行淨戒安忍精進靜慮般若波羅蜜多。善現。於意云何。是菩薩摩訶薩由此因緣得福多不。善現答言。甚多世尊。甚多善逝。其福無數無量無邊。佛言。善現。若菩薩摩訶薩依深般若波羅蜜多所說而住。經一晝夜修行布施波羅蜜多。修行淨戒安忍精進靜慮般若波羅蜜多。所獲功德甚多於彼。何以故。善現。若菩薩摩訶薩不離般若波羅蜜多。於佛無上正等菩提而有退轉。無有是處。若菩薩摩訶薩遠離般若波羅蜜多。於佛無上正等菩提而有退轉。斯有是處。是故善現。若菩薩摩訶薩欲證無上正等菩提。常應不離甚深般若波羅蜜多』 |
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佛告須菩提。不如菩薩摩訶薩深般若波羅蜜中一日如說修行得福多。何以故。般若波羅蜜是諸菩薩摩訶薩道。乘是道疾得阿耨多羅三藐三菩提。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『菩薩摩訶薩の深き般若波羅蜜中に、一日説の如く修行して得る福の多きには如かず。何を以っての故に、般若波羅蜜は、是れ諸の菩薩摩訶薩の道にして、是の道に乗れば、疾かに阿耨多羅三藐三菩提を得ればなり。 |
『仏』は、
『須菩提』に、こう告げられた、――
『菩薩摩訶薩』が、
『深い般若波羅蜜』中に、
『説かれたように!』、
『一日だけ!』、
『修行して!』、
『得られる!』、
『福の多さ!』には、
『及ばない!』。
何故ならば、
是の、
『道に乗れば!』、
疾かに、
『阿耨多羅三藐三菩提』を、
『得られるからである!』。
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須菩提。若菩薩遠離般若波羅蜜。如恒河沙劫供養須陀洹斯陀含阿那含阿羅漢辟支佛及諸佛。須菩提。於意云何。是菩薩摩訶薩以是因緣故得福多不。須菩提言。世尊甚多。 |
須菩提、若し菩薩、般若波羅蜜を遠離して、恒河沙の如き劫、須陀洹、斯陀含、阿那含、阿羅漢、辟支仏、及び諸仏を供養すれば、須菩提、意に於いて云何、是の菩薩摩訶薩は、是の因縁を以っての故に得る福は多しや不や。須菩提の言わく、『世尊、甚だ多し』、と。 |
須菩提!
若し、
『菩薩』が、
『般若波羅蜜を遠離して!』、
『恒河沙ほどの劫』、
『須陀洹、斯陀含、阿那含、阿羅漢、辟支仏や、諸の仏』を、
『供養すれば!』、
須菩提!
お前の、
『意』には、何う思うのか?――
是の、
『菩薩摩訶薩』が、
是の、
『因縁』の故に、
『得る福』は、
『多いだろうか?』。
『須菩提』は、こう言った、――
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佛言。不如是菩薩摩訶薩深般若波羅蜜如說修行一日得福多。何以故。菩薩摩訶薩行是般若波羅蜜。過一切聲聞辟支佛地入菩薩位。漸漸得阿耨多羅三藐三菩提。 |
仏の言わく、『是の菩薩摩訶薩の深き般若波羅蜜の説の如く修行して一日に得る福の多きには如かず。何を以っての故に、菩薩摩訶薩は、是の般若波羅蜜を行じて、一切の声聞、辟支仏地を過ぎ、菩薩位に入りて、漸漸に阿耨多羅三藐三菩提を得ればなり。 |
『仏』は、こう言われた、――
是の、
『菩薩摩訶薩』が、
『深い般若波羅蜜』に、
『説かれたように!』、
『修行して!』、
『一日に得られる!』、
『福徳の多さ!』には、
『及ばない!』。
何故ならば、
『菩薩摩訶薩』が、
是の、
『般若波羅蜜を行えば!』、
一切の、
『声聞、辟支仏の地を過ぎ!』、
『菩薩の位』に、
『入って!』、
次第に、
『阿耨多羅三藐三菩提』を、
『得られるからである!』。
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須菩提。菩薩摩訶薩遠離般若波羅蜜。如恒河沙劫行布施持戒忍辱精進禪定智慧。於意云何。是人以是因緣故得福多不。須菩提言。世尊甚多。 |
須菩提、菩薩摩訶薩、般若波羅蜜を遠離して、恒河沙の如き劫、布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧を行ずれば、意に於いて云何、是の人の、是の因縁を以っての故に得る福は多しや不や。須菩提の言わく、『世尊、甚だ多し』、と。 |
須菩提!
『菩薩摩訶薩』が、
『般若波羅蜜を遠離して!』、
『恒河沙ほどの劫』、
『布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧』を、
『行ったとすれば!』、
お前の、
『意』には、何う思うのか?――
是の、
『人』が、
是の、
『因縁』の故に、
『得る福』は、
『多いだろうか?』。
『須菩提』は、こう言った、――
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佛言。不如是菩薩摩訶薩行般若波羅蜜如說修行一日布施持戒忍辱精進禪定智慧得福多。何以故。須菩提。般若波羅蜜是菩薩摩訶薩母故。是般若波羅蜜能生諸菩薩摩訶薩。諸菩薩摩訶薩住般若波羅蜜中。能具足一切佛法。 |
仏の言わく、『是の菩薩摩訶薩の般若波羅蜜を行じて、説の如く、一日の布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧を修行して得る福の多きには如かず。何を以っての故に、須菩提、般若波羅蜜は、是れ菩薩摩訶薩の母なるが故に、是の般若波羅蜜は、能く諸の菩薩摩訶薩を生じ、諸の菩薩摩訶薩は、般若波羅蜜中に住して、能く一切の仏法を具足すればなり』。 |
『仏』は、こう言われた、――
是の、
『菩薩摩訶薩』が、
『般若波羅蜜を行い!』、
『説のように!』、
『布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧』を、
『修行して!』、
『一日に得る!』、
『福の多さ!』には、
『及ばない!』。
何故ならば、
須菩提!
『般若波羅蜜』は、
『菩薩摩訶薩』の、
『母である!』が故に、
是の、
『般若波羅蜜』は、
諸の、
『菩薩摩訶薩』を、
『生じさせることができ!』、
諸の、
『菩薩摩訶薩』は、
『般若波羅蜜中に住まって!』、
一切の、
『仏法』を、
『具足するからである!』。
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須菩提。若菩薩摩訶薩遠離般若波羅蜜。如恒河沙劫壽行法施。須菩提。於汝意云何。是人得福多不。須菩提言。甚多世尊。 |
須菩提、若し菩薩摩訶薩、般若波羅蜜を遠離して、恒河沙劫の如き寿、法施を行ずれば、須菩提、汝が意に於いて云何、是の人の得る福は多しや不や。須菩提の言わく、『甚だ多し、世尊』、と。 |
須菩提!
若し、
『菩薩摩訶薩』が、
『般若波羅蜜を遠離して!』、
『恒河沙劫ほどの』、
『寿を尽くして!』、
『法施を行ったとすれば!』、
須菩提!
お前の、
『意』には、何う思うのか?――
是の、
『人の得る!』、
『福』は、
『多いだろうか?』。
『須菩提』は、こう言った、
世尊!
『甚だ多いです!』、と。
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佛言。不如是善男子善女人深般若波羅蜜如說修行乃至一日法施得福多。何以故。須菩提。是菩薩摩訶薩不遠離般若波羅蜜。則不遠離一切種智。不遠離一切種智。則不遠離般若波羅蜜。以是故須菩提。菩薩摩訶薩欲得阿耨多羅三藐三菩提。不當遠離般若波羅蜜。 |
仏の言わく、『是の善男子、善女人の深き般若波羅蜜の説の如く修行して、乃至一日法施して得る福の多きに如かず。何を以っての故に、須菩提、是の菩薩摩訶薩は般若波羅蜜を遠離せざれば、則ち一切種智を遠離せず、一切種智を遠離せざれば、則ち般若波羅蜜を遠離せず。是を以っての故に須菩提、菩薩摩訶薩は、阿耨多羅三藐三菩提を得んと欲せば、当に般若波羅蜜を遠離すべからず。 |
『仏』は、こう言われた、――
是の、
『善男子、善女人』が、
深い、
『般若波羅蜜』の、
『説く通りに!』、
『修行して!』、
乃至、
『一日だけ法施して得る!』、
『福の多さ!』には、
『及ばない!』。
何故ならば、
須菩提!
是の、
『菩薩摩訶薩』が、
『般若波羅蜜を遠離しなければ!』、
則ち、
『一切種智』を、
『遠離しないことになり!』、
『一切種智を遠離しなければ!』、
則ち、
『般若波羅蜜』を、
『遠離しないことになるからである!』。
是の故に、
須菩提!
『菩薩摩訶薩』が、
『阿耨多羅三藐三菩提』を、
『得よう!』と、
『思うならば!』、
当然、
『般若波羅蜜』を、
『遠離してはならないのである!』。
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須菩提。若菩薩摩訶薩如恒河沙劫。遠離般若波羅蜜。修行四念處乃至八聖道分內空乃至一切種智。須菩提。於汝意云何。是善男子善女人得福多不。須菩提言。世尊甚多。 |
須菩提、若し菩薩摩訶薩、恒河沙の如き劫、般若波羅蜜を遠離して、四念処、乃至八聖道分、内空、乃至一切種智を修行すれば、須菩提、汝が意に於いて云何、是の善男子、善女人の得る福は多しや不や。須菩提の言わく、『世尊、甚だ多し』、と。 |
須菩提!
若し、
『菩薩摩訶薩』が、
『恒河沙ほどの劫』、
『般若波羅蜜を遠離して!』、
『四念処、乃至八聖道分や!』、
『内空、乃至一切種智を!』、
『修行すれば!』、
須菩提!
お前の、
『意』には、何う思うのか?――
是の、
『善男子善女人の得る!』、
『福』は、
『多いだろうか?』。
『須菩提』は、こう言った、――
世尊!
『甚だ多いです!』、と。
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佛言。不如是善男子善女人。深般若波羅蜜如說一日修行。四念處乃至一切種智得福多。何以故。須菩提。若菩薩摩訶薩不遠離般若波羅蜜。於薩婆若轉者無有是處。 |
仏の言わく、『是の善男子、善女人の深き般若波羅蜜の説の如く一日、四念処乃至一切種智を修行して得る福の多きには如かず。何を以っての故に、須菩提、若し菩薩摩訶薩、般若波羅蜜を遠離せずして、薩婆若に於いて転ずれば、是の処有ること無ければなり。 |
『仏』は、こう言われた、――
是の、
『善男子、善女人』が、
『深い般若波羅蜜の説く通りに!』、
『一日だけ!』、
『四念処、乃至一切種智』を、
『修行して!』、
『得られた!』、
『福の多さ!』には、
『及ばない!』。
何故ならば、
須菩提!
若し、
『菩薩摩訶薩』が、
『般若波羅蜜を遠離しない!』のに、
『薩婆若より!』、
『転じれば!』、
是の、
『処(道理)』は、
『無いからである!』。
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須菩提。若菩薩摩訶薩遠離般若波羅蜜。於薩婆若轉則有是處。須菩提。以是故。菩薩摩訶薩常不應遠離般若波羅蜜行。 |
須菩提、若し菩薩摩訶薩、般若波羅蜜を遠離して、薩婆若に於いて転ずれば、則ち是の処有り。須菩提、是を以っての故に、菩薩摩訶薩は常に応に般若波羅蜜の行を遠離すべからず。 |
須菩提!
若し、
『菩薩摩訶薩』が、
『般若波羅蜜を遠離して!』、
『薩婆若より!』、
『転じれば!』、
是の、
『処』は、
『有るだろう!』。
須菩提!
是の故に、
『菩薩摩訶薩』は、
常に、
『般若波羅蜜の行』を、
『遠離してはならない!』。
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須菩提。若菩薩摩訶薩遠離般若波羅蜜。如恒河沙劫壽財施法施及禪定福德。迴向阿耨多羅三藐三菩提。於汝意云何。是人得福多不。須菩提言。世尊。甚多甚多。 |
須菩提、若し菩薩摩訶薩、般若波羅蜜を遠離して、恒河沙劫の如き寿、財施、法施、及び禅定の福徳を阿耨多羅三藐三菩提に迴向すれば、汝が意に於いて云何、是の人の得る福は多しや不や。須菩提の言わく、『世尊、甚だ多し、甚だ多し』、と。 |
須菩提!
若し、
『菩薩摩訶薩』が、
『般若波羅蜜を遠離して!』、
『恒河沙劫ほど!』の、
『寿を尽くして行った!』、
『財施、法施、及び禅定の福徳』を、
『阿耨多羅三藐三菩提』に、
『迴向すれば!』、
お前の、
『意』には、何う思うのか?――
是の、
『人の得る!』、
『福』は、
『多いだろうか?』。
『須菩提』は、こう言った、――
世尊!
『甚だ多いです!』、
『甚だ多いです!』、と。
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佛言。不如是善男子善女人深般若波羅蜜。如說修行乃至一日財施法施禪定福德。迴向阿耨多羅三藐三菩提得福多。何以故。是第一迴向。所謂般若波羅蜜迴向若遠離般若波羅蜜迴向。是不名迴向。須菩提。以是故。菩薩摩訶薩欲得阿耨多羅三藐三菩提。應方便學般若波羅蜜迴向。 |
仏の言わく、『是の善男子、善女人の深き般若波羅蜜の説の如く、乃至一日修行する財施、法施、禅定の福徳を阿耨多羅三藐三菩提に迴向して得る福の多きに如かず。何を以っての故に、是れ第一の迴向なればなり。謂わゆる般若波羅蜜の迴向なり。若し般若波羅蜜を遠離して迴向すれば、是れを迴向と名づけず。須菩提、是を以っての故に、菩薩摩訶薩は、阿耨多羅三藐三菩提を得んと欲せば、応に方便して、般若波羅蜜を学びて、迴向すべし。 |
『仏』は、こう言われた、――
是の、
『善男子、善女人』が、
『深い般若波羅蜜』に、
『説かれたように!』、
乃至、
『一日修行した!』、
『財施、法施、禅定の福徳を!』、
『阿耨多羅三藐三菩提』に、
『迴向して!』、
『得られる!』、
『福の多さ!』には、
『及ばない!』。
何故ならば、
是の、
『迴向』は、
『第一の!』、
『迴向だからであり!』、
謂わゆる、
『般若波羅蜜に!』、
『迴向するからである!』。
若し、
『般若波羅蜜』を、
『遠離して!』、
『迴向しても!』、
是れは、
『迴向と!』、
『呼ばれない!』。
須菩提!
是の故に、
『菩薩摩訶薩』が、
『阿耨多羅三藐三菩提を得ようとすれば!』、
当然、
『方便に( with cleverness )!』、
『般若波羅蜜』を、
『学びながら!』、
『迴向せねばならない!』。
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須菩提。若善男子善女人遠離般若波羅蜜。如恒河沙劫壽過去未來現在諸佛及弟子善根和合隨喜。迴向阿耨多羅三藐三菩提。須菩提。於汝意云何。是人得福多不。須菩提言。世尊甚多。 |
須菩提、若し善男子、善女人、般若波羅蜜を遠離して、恒河沙劫の如き寿、過去、未来、現在の諸仏、及び弟子の善根の和合を随喜して、阿耨多羅三藐三菩提に迴向すれば、須菩提、汝が意に於いて云何、是の人の得る福は多しや不や。須菩提の言わく、『世尊、甚だ多し』、と。 |
須菩提!
若し、
『善男子、善女人』が、
『般若波羅蜜を遠離して!』、
『恒河沙劫ほど!』の、
『寿を尽くして!』、
『過去、未来、現在の諸仏、及び弟子』の、
『善根の和合』を、
『随喜して!』、
而も、
『阿耨多羅三藐三菩提』に、
『迴向すれば!』、
お前の、
『意』には、何う思うのか?――
是の、
『人の得る!』、
『福』は、
『多いだろうか?』。
『須菩提』は、こう言った、――
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佛言。不如是善男子善女人深般若波羅蜜如說修行乃至一日隨喜善根。迴向阿耨多羅三藐三菩提得福多。須菩提。以是故。菩薩摩訶薩欲得阿耨多羅三藐三菩提。應學般若波羅蜜中方便迴向阿耨多羅三藐三菩提。 |
仏の言わく、『是の善男子、善女人の深き般若波羅蜜の説の如く、乃至一日修行して、善根を随喜し、阿耨多羅三藐三菩提に迴向して得る福の多きに如かず。須菩提、是を以っての故に、菩薩摩訶薩は、阿耨多羅三藐三菩提を得んと欲せば、応に般若波羅蜜中の方便を学びて、阿耨多羅三藐三菩提に迴向すべし。 |
『仏』は、こう言われた、――
是の、
『善男子、善女人』が、
『深い般若波羅蜜で説かれたように!』、
乃至、
『一日修行して!』、
『善根を随喜しながら!』、
『阿耨多羅三藐三菩提に迴向する!』、
『福の多さ!』には、
『及ばない!』。
須菩提!
是の故に、
『菩薩摩訶薩』が、
『阿耨多羅三藐三菩提を得ようとすれば!』、
当然、
『般若波羅蜜』中の、
『方便( cleverness )』を、
『学んで!』、
而も、
『阿耨多羅三藐三菩提』に、
『迴向せねばならない!』。
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須菩提白佛言。世尊。如佛所說。因緣起法從妄想生非實。云何善男子善女人得大福德。世尊。用是因緣起法。不應得正見入法位。不應得須陀洹果。乃至不應得阿耨多羅三藐三菩提果。 |
須菩提の仏に白して言さく、『世尊、仏の所説の如く因縁の起す法は、妄想より生じて実に非ざれば、云何が善男子、善女人は大福徳を得ん。世尊、是の因縁の起す法を用うれば、応に正見を得て、法位に入るべからず、応に須陀洹果を得るべからず、乃至阿耨多羅三藐三菩提の果を得るべからず』、と。 |
『須菩提』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
『仏の説かれたように!』、
『因縁より起る法』は、
『妄想であり!』、
『実でない!』のに、
何故、
『善男子、善女人』が、
『大福徳』を、
『得られるのですか?』。
世尊、
是の、
『因縁の起す!』、
『法』を、
『用いれば!』、
当然、
『正見を得て!』、
『法位』に、
『入るはずがなく!』、
当然、
『須陀洹果』を、
『得られるはずがなく!』、
乃至、
『阿耨多羅三藐三菩提の果』を、
『得られるはずがないのです!』。
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参考:『大般若経巻329』:『爾時具壽善現白佛言。世尊。如佛所說。分別所作皆非實有。以何因緣是諸菩薩摩訶薩等。獲福無數無量無邊。世尊。分別所作不能發起真實正見。不能趣入正性離生。不能得預流果或一來果或不還果或阿羅漢果或獨覺菩提。亦不能得諸佛無上正等菩提。佛言。善現。如是如是。如汝所說。分別所作不能發起真實正見。不能趣入正性離生。不能得預流果或一來果或不還果或阿羅漢果或獨覺菩提。亦不能得諸佛無上正等菩提。善現。諸菩薩摩訶薩行深般若波羅蜜多。知一切種分別所作空無所有虛妄不實。所以者何。善現。諸菩薩摩訶薩。善學內空。善學外空。善學內外空。善學空空。善學大空。善學勝義空。善學有為空。善學無為空。善學畢竟空。善學無際空。善學散空。善學無變異空。善學本性空。善學自相空。善學共相空。善學一切法空。善學不可得空。善學無性空。善學自性空。善學無性自性空。善現。是菩薩摩訶薩安住空已如如觀察。分別所作空無所有虛妄不實。如是如是。即不遠離甚深般若波羅蜜多。善現。是菩薩摩訶薩如如不離甚深般若波羅蜜多。如是如是。獲福無數無量無邊。具壽善現復白佛言。世尊。無數無量無邊有何差別。佛言。善現。言無數者數不可得。不可數在有為界中。不可數在無為界中。言無量者量不可得。不可量在過去法中。不可量在未來法中。不可量在現在法中。言無邊者邊不可得。不可測度彼邊際故。具壽善現復白佛言。世尊。頗有因緣故。色亦無數無量無邊。受想行識亦無數無量無邊不。佛言。善現。有因緣故。色亦無數無量無邊。受想行識亦無數無量無邊。世尊。何因緣故。色亦無數無量無邊。受想行識亦無數無量無邊。佛言。善現。色空故亦無數無量無邊。受想行識空故亦無數無量無邊』 |
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佛告須菩提。如是如是。須菩提。用是因緣起法。不應得正見入法位。乃至不應得阿耨多羅三藐三菩提。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『是の如し、是の如し、須菩提。是の因縁の起す法を用うれば、応に正見を得て、法位に入るべからず、乃至応に阿耨多羅三藐三菩提を得るべからず。 |
『仏』は、
『須菩提』に、こう告げられた、――
その通りだ!
その通りだ!
須菩提!
是の、
『因縁の起す!』、
『法』を、
『用いれば!』、
当然、
『正見を得て!』、
『法位』に、
『入れるはずがなく!』、
乃至、
『阿耨多羅三藐三菩提』を、
『得られるはずがない!』。
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須菩提。行般若波羅蜜菩薩摩訶薩。知因緣起法亦空無堅固虛誑不實。何以故。須菩提。是菩薩摩訶薩善學內空。乃至善學無法有法空故。 |
須菩提、般若波羅蜜を行ずる菩薩摩訶薩は、因縁の起す法も亦た空にして、堅固なる無く、虚誑、不実なるを知る。何を以っての故に、是の菩薩摩訶薩は、善く内空を学び、乃至善く無法有法空を学ぶが故なり。 |
須菩提!
『般若波羅蜜を行う!』、
『菩薩摩訶薩』は、
『因縁の起す法』も、
亦た、
『空であり!』、
『堅固でなく!』、
『虚誑であり!』、
『実でない!』と、
『知っている!』。
何故ならば、
須菩提!
是の、
『菩薩摩訶薩』は、
『内空』を、
『善く学び!』、
乃至、
『無法有法空』を、
『善く学ぶからである!』。
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是菩薩摩訶薩住是十八空。種種觀作法空。即不遠離般若波羅蜜。若菩薩摩訶薩如是漸漸不離般若波羅蜜。漸漸得無數無量無邊福德。 |
是の菩薩摩訶薩は、是の十八空に住して、種種に作法の空なるを観れば、即ち般若波羅蜜を遠離せず。若し菩薩摩訶薩、是の如く漸漸に般若波羅蜜を離れざれば、漸漸に無数、無量、無辺の福徳を得ん。 |
是の、
『菩薩摩訶薩』は、
是の、
『十八空に住まり!』、
種種に、
『作法(有為法)は空である!』と、
『観察する!』ので、
即ち、
『般若波羅蜜』を、
『遠離することがない!』。
若し、
『菩薩摩訶薩』が、
是のように、
漸漸に( gradually )、
『般若波羅蜜』を、
『離れなければ!』、
漸漸に、
『無数、無量、無辺の福徳』を、
『得るだろう!』。
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須菩提白佛言。世尊。無數無量無邊有何等異。須菩提。無數者。名不墮數中。若有為性中若無為性中。無量者。量不可得。若過去若未來若現在。無邊者。諸法邊不可得。 |
須菩提の仏に白して言さく、『世尊、無数と、無量、無辺には、何等の異か有る』、と。須菩提、無数とは、数中の若しは有為性中、若しは無為性中に堕せざるを名づく。無量とは、量の若しは過去、若しは未来、若しは現在に得べからざるなり。無辺とは諸法の辺の得べからざるなり。 |
『須菩提』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
『無数』と、
『無量』と、
『無辺』とには、
何のような、
『異』が、
『有るのですか?』、と。
須菩提!
『無数』とは、
『有為性中』とか、
『無為性中』とかの、
『数』中に、
『堕ちないことである!』。
『無量』とは、
『量』は、
『過去にも、未来にも、現在にも!』、
『認められないからである!』。
『無辺』とは、
『諸の法』の、
『辺』は、
『認められないからである!』。
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須菩提言。世尊。頗有色。亦無數無量無邊。頗有受想行識。亦無數無量無邊。須菩提。有因緣色亦無數無量無邊。受想行識亦無數無量無邊。世尊。何等因緣故。色亦無數無量無邊。受想行識亦無數無量無邊。 |
須菩提の言わく、『世尊、頗る色有りて、亦た無数、無量、無辺なり。頗る受想行識有りて、亦た無数、無量、無辺なり』、と。須菩提、因縁有れば、色も亦た無数、無量、無辺にして、受想行識も亦た無数、無量、無辺なり。』、と。世尊、何等の因縁の故にか、色も亦た無数、無量、無辺にして、受想行識も亦た無数、無量、無辺なる。 |
『須菩提』は、こう言った、――
世尊!
頗る( lean one side )、
『色が有って!』、
亦た、
『無数、無量、無辺であり!』、
頗る、
『受想行識が有って!』、
亦た、
『無数、無量、無辺です!』、と。
須菩提!
『因縁が有れば!』、
『色』も、
『受想行識』も、
亦た、
『無数、無量、無辺なのである!』。
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佛告須菩提。色空故無數無量無邊。受想行識空故。無數無量無邊。世尊。但色空受想行識空非一切法空耶。須菩提。我不說一切法空耶。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『色は空なるが故に無数、無量、無辺にして、受想行識は空なるが故に無数、無量、無辺なり』、と。世尊、但だ色のみ空にして、受想行識のみ空なるや、一切の法は空に非ざるや。須菩提、我れは一切の法は空なりと説かざるや。 |
『仏』は、
『須菩提』に、こう告げられた、――
『色』は、
『空である!』が故に、
『無数、無量、無辺であり!』、
『受想行識』は、
『空である!』が故に、
『無数、無量、無辺なのである!』。
世尊!
但だ、
『色や、受想行識だけ!』が、
『空なのですか?』。
一切の、
『法』が、
『空なのではないのですか?』。
須菩提!
わたしは、
『一切の法は空である!』と、
『説かなかったのか?』。
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須菩提言。世尊。說一切法空。世尊。諸法空即是不可盡無有數無量無邊。世尊。空中數不可得量不可得邊不可得。以是故。世尊。是不可盡無數無量無邊義無有異。 |
須菩提の言わく、『世尊、一切の法は空なりと説きたまえり。世尊、諸法にして空なれば、即ち是れ尽くすべからざれば、無有数、無量、無辺なり。世尊、空中には数を得べからず、量を得べからず、辺を得べからず。是を以っての故に、世尊、是れ尽くすべからずして、無数、無量、無辺の義に異有ること無し。 |
『須菩提』は、こう言った、――
世尊!
『一切の法』は、
『空である!』と、
『お説きになりました!』。
世尊!
『諸の法』が、
『空ならば!』、
即ち、
『数も、量も、辺も!』、
『無いということです!』。
世尊!
『空』中には、
『数も、量も、辺も!』、
『認めることができません!』。
是の故に、
世尊!
是れの、
『空』は、
『尽くすことができない!』ので、
『無数、無量、無辺の義』には、
『異』が、
『無いのです』。
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参考:『大般若経巻329』:『具壽善現復白佛言。世尊。一切法空即是無盡亦是無數亦是無量亦是無邊。世尊。諸法空中。盡不可得數不可得量不可得邊不可得。由此因緣無盡無數無量無邊文義無別。佛言。善現。如是如是。如汝所說。無盡無數無量無邊文義無別。皆共顯了諸法空故。善現。一切法空皆不可說。如來方便說為無盡。或說無數。或說無量。或說無邊。或說為空。或說無相。或說無願。或說無作。或說無生。或說無滅。或說離染。或說寂滅。或說涅槃。或說真如。或說法界。或說法性。或說實際。如是等義皆是如來方便演說。時具壽善現白佛言。世尊。如來甚奇。方便善巧諸法實相不可宣說。而為有情方便顯示。世尊。如我解佛所說義者。一切法性皆不可說。佛言。善現。如是如是。一切法性皆不可說。所以者何。一切法性皆畢竟空。無能宣說畢竟空者。具壽善現復白佛言。世尊。不可說義有增減不。佛言。善現。不可說義無增無減。具壽善現復言。世尊。若不可說義無增無減者。則布施波羅蜜多亦應無增無減。淨戒安忍精進靜慮般若波羅蜜多亦應無增無減。世尊。若不可說義無增無減者。則四念住亦應無增無減。四正斷四神足五根五力七等覺支八聖道支亦應無增無減。世尊。若不可說義無增無減者。則四靜慮亦應無增無減。四無量四無色定亦應無增無減。世尊。若不可說義無增無減者。則八解脫亦應無增無減。八勝處九次第定十遍處亦應無增無減。世尊。若不可說義無增無減者。則空解脫門亦應無增無減。無相無願解脫門亦應無增無減。世尊。若不可說義無增無減者。則極喜地亦應無增無減。離垢地發光地焰慧地極難勝地現前地遠行地不動地善慧地法雲地亦應無增無減。世尊。若不可說義無增無減者。則五眼亦應無增無減六神通亦應無增無減。世尊。若不可說義無增無減者。則三摩地門亦應無增無減。陀羅尼門亦應無增無減。世尊。若不可說義無增無減者。則佛十力亦應無增無減。四無所畏四無礙解大慈大悲大喜大捨十八佛不共法亦應無增無減。世尊。若不可說義無增無減者。則無忘失法亦應無增無減。恒住捨性亦應無增無減。世尊。若不可說義無增無減者。則一切智亦應無增無減。道相智一切相智亦應無增無減』 |
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佛告須菩提。如是如是。是法義無別異。須菩提。是法不可說。佛以方便力故分別說。所謂不可盡無數無量無邊無著。空無相無作無起無生無滅無染涅槃。佛種種因緣以方便力說。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『是の如し、是の如し。是の法の義に、別異無し。須菩提、是の法は説くべからざるも、仏は方便力を以っての故に分別して説く。謂わゆる不可尽、無数、無量、無辺、無著、空、無相、無作、無起、無生、無滅、無染の涅槃なりと、仏は種種の因縁に、方便力を以って説けり。 |
『仏』は、
『須菩提』に、こう告げられた、――
その通りだ!
その通りだ!
須菩提!
是の、
『法』は、
『説くことができない!』が、
『仏』は、
『方便力を用いた!』が故に、
『分別して!』、
『説いたのである!』。
謂わゆる、
『不可尽である!』、
『無数、無量、無辺である!』、
『無著である!』、
『空、無相、無作、無起である!』、
『無生、無滅である!』、
『無染の涅槃である!』と、
『仏』は、
『種種の因縁』に、
『方便力を用いて!』、
『説いたのである!』、と。
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須菩提白佛言。希有世尊。諸法實相不可說。而佛以方便力說。世尊。如我解佛所說義。一切法亦不可說。 |
須菩提の仏に白して言さく、『希有なり、世尊。諸法の実相は説くべからざるに、而も仏は方便力を以って説きたまえり。世尊、我が解するが如き仏の所説の義は、一切法も亦た説くべからざるなり』、と。 |
『須菩提』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
希有です!
世尊!
『諸の法』の、
『実相』は、
『説くことができない!』のに、
『仏』は、
『方便力を用いて!』、
『お説きになりました!』。
世尊、
わたしの、
『理解した通りならば!』、
『仏の所説の義』では、
亦た、
『一切の法』も、
『説くことができないのです!』。
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参考:『大般若経巻330』:『佛言。善現。如是如是。不可說義無增無減。布施波羅蜜多亦無增無減。淨戒安忍精進靜慮般若波羅蜜多亦無增無減。四念住亦無增無減。四正斷四神足五根五力七等覺支八聖道支亦無增無減。四靜慮亦無增無減。四無量四無色定亦無增無減。八解脫亦無增無減。八勝處九次第定十遍處亦無增無減。空解脫門亦無增無減。無相無願解脫門亦無增無減。極喜地亦無增無減。離垢地發光地焰慧地極難勝地現前地遠行地不動地善慧地法雲地亦無增無減。五眼亦無增無減。六神通亦無增無減。三摩地門亦無增無減。陀羅尼門亦無增無減。佛十力亦無增無減。四無所畏四無礙解大慈大悲大喜大捨十八佛不共法亦無增無減。無忘失法亦無增無減。恒住捨性亦無增無減。一切智亦無增無減。道相智一切相智亦無增無減善現。諸菩薩摩訶薩修行般若波羅蜜多。安住般若波羅蜜多方便善巧。不作是念我於般若波羅蜜多若增若減。不作是念我於靜慮精進安忍淨戒布施波羅蜜多若增若減。但作是念。唯有名想。謂為般若波羅蜜多。但作是念。唯有名想。謂為靜慮精進安忍淨戒布施波羅蜜多。善現。是菩薩摩訶薩修行布施波羅蜜多時。持此布施俱行作意。及依此起心及善根。與諸有情平等共有。迴向無上正等菩提。如佛無上正等菩提微妙甚深而起迴向。善現。是菩薩摩訶薩修行淨戒波羅蜜多時。持此淨戒俱行作意。及依此起心及善根。與諸有情平等共有。迴向無上正等菩提。如佛無上正等菩提微妙甚深而起迴向。善現。是菩薩摩訶薩修行安忍波羅蜜多時。持此安忍俱行作意。及依此起心及善根。與諸有情平等共有。迴向無上正等菩提。如佛無上正等菩提微妙甚深而起迴向。善現。是菩薩摩訶薩修行精進波羅蜜多時。持此精進俱行作意。及依此起心及善根。與諸有情平等共有。迴向無上正等菩提。如佛無上正等菩提微妙甚深而起迴向。善現。是菩薩摩訶薩修行靜慮波羅蜜多時。持此靜慮俱行作意。及依此起心及善根。與諸有情平等共有。迴向無上正等菩提。如佛無上正等菩提微妙甚深而起迴向。善現。是菩薩摩訶薩修行般若波羅蜜多時。持此般若俱行作意。及依此起心及善根。與諸有情平等共有。迴向無上正等菩提。如佛無上正等菩提微妙甚深而起迴向。由此迴向巧方便力。證得無上正等菩提。爾時具壽善現白佛言。世尊。何謂無上正等菩提。佛言。善現。諸法真如是謂無上正等菩提。具壽善現復言。世尊。何謂諸法真如。而說諸法真如是謂無上正等菩提。佛言。善現。諸色真如是謂無上正等菩提。受想行識真如是謂無上正等菩提。善現。眼處真如是謂無上正等菩提。耳鼻舌身意處真如是謂無上正等菩提。善現。色處真如是謂無上正等菩提。聲香味觸法處真如是謂無上正等菩提。善現。眼界真如是謂無上正等菩提。耳鼻舌身意界真如是謂無上正等菩提。善現。色界真如是謂無上正等菩提。聲香味觸法界真如是謂無上正等菩提。善現。眼識界真如是謂無上正等菩提。耳鼻舌身意識界真如是謂無上正等菩提。善現。眼觸真如是謂無上正等菩提。耳鼻舌身意觸真如是謂無上正等菩提。善現。眼觸為緣所生諸受真如是謂無上正等菩提。耳鼻舌身意觸為緣所生諸受真如是謂無上正等菩提。善現。地界真如是謂無上正等菩提。水火風空識界真如是謂無上正等菩提。善現。因緣性真如是謂無上正等菩提。等無間緣所緣緣增上緣性真如是謂無上正等菩提。善現。無明真如是謂無上正等菩提。行識名色六處觸受愛取有生老死真如是謂無上正等菩提。善現。布施波羅蜜多真如是謂無上正等菩提。淨戒安忍精進靜慮般若波羅蜜多真如是謂無上正等菩提。善現。內空真如是謂無上正等菩提。外空內外空空空大空勝義空有為空無為空畢竟空無際空散空無變異空本性空自相空共相空一切法空不可得空無性空自性空無性自性空真如是謂無上正等菩提。善現。真如真如是謂無上正等菩提。法界法性不虛妄性不變異性平等性離生性法定法住實際虛空界不思議界真如是謂無上正等菩提。善現。四念住真如是謂無上正等菩提。四正斷四神足五根五力七等覺支八聖道支真如是謂無上正等菩提。善現。苦聖諦真如是謂無上正等菩提。集滅道聖諦真如是謂無上正等菩提。善現。四靜慮真如是謂無上正等菩提。四無量四無色定真如是謂無上正等菩提。善現。八解脫真如是謂無上正等菩提。八勝處九次第定十遍處真如是謂無上正等菩提。善現。空解脫門真如是謂無上正等菩提。無相無願解脫門真如是謂無上正等菩提。善現。極喜地真如是謂無上正等菩提。離垢地發光地焰慧地極難勝地現前地遠行地不動地善慧地法雲地真如是謂無上正等菩提』 |
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佛言。如是如是。須菩提。一切法不可說。一切法不可說相即是空。是空不可說。世尊。不可說義有增有減不。佛言。不也。須菩提。不可說義無增無減。 |
仏の言わく、『是の如し、是の如し、須菩提。一切の法は説くべからず。一切の法は説くべからざる相なれば、即ち是れ空なり。是の空は説くべからず』、と。世尊、不可説の義には、増有り、減有りや、不や。仏の言わく、『不なり、須菩提。不可説の義には増無く、減無し』、と。 |
『仏』は、こう言われた、――
その通りだ!
その通りだ!
須菩提!
『一切の法』は、
『説くことができない!』し、
『一切の法』が、
『説くことができない!』という、
『相であるならば!』、
即ち、
是れは、
『空だからであり!』、
是の、
『空』を、
『説くことができないからである!』、と。
世尊!
『説けない!』という、
『義』には、
『増、減する!』ことが、
『有りますか?』。
『仏』は、こう言われた、――
無い!
須菩提!
『説けない!』という、
『義』には、
『増、減』が、
『無いのである!』、と。
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世尊。若不可說義。無增無減檀波羅蜜亦當無增無減。乃至般若波羅蜜亦當無增無減。四念處乃至八聖道分亦當無增無減。四禪四無量心四無色定五神通八背捨八勝處九次第定。佛十力四無所畏四無礙智十八不共法。亦當無增無減。世尊。若菩薩摩訶薩六波羅蜜不增。乃至十八不共法不增者。云何菩薩摩訶薩得阿耨多羅三藐三菩提。 |
世尊、若し不可説の義にして、無増、無減なれば、檀波羅蜜も亦た当に無増、無減なるべく、乃至般若波羅蜜も亦た当に無増、無減なるべく、四念処、乃至八聖道分も亦た当に無増、無減なるべく、四禅、四無量心、四無色定、五神通、八背捨、八勝処、九次第定、仏の十力、四無所畏、四無礙智、十八不共法も亦た当に無増、無減なるべし。世尊、若し菩薩摩訶薩の六波羅蜜増せず、乃至十八不共法増せざれば、云何が菩薩摩訶薩は阿耨多羅三藐三菩提を得んや。 |
世尊!
若し、
『説くことができない!』という、
『義』に、
『増、減』が、
『無ければ!』、
亦た、
『檀波羅蜜』にも、
『増、減』が、
『無いはずであり!』、
乃至、
『般若波羅蜜』にも、
『増、減』が、
『無いはずであり!』、
『四念処、乃至八聖道分』にも、
『増、減』が、
『無いはずであり!』、
亦た、
『四禅、四無量心、四無色定』にも、
『五神通、八背捨、八勝処、九次第定』にも、
『仏の十力、四無所畏、四無礙智、十八不共法』にも、
『増、減』が、
『無いはずです!』。
世尊!
若し、
『菩薩摩訶薩』の、
『六波羅蜜、乃至十八不共法』が、
『増さなければ!』、
何故、
『菩薩摩訶薩』は、
『阿耨多羅三藐三菩提』を、
『得られるのですか?』。
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佛言。如是如是。須菩提。不可說義無增無減菩薩摩訶薩習行般若波羅蜜。有方便力故不作是念。我增般若波羅蜜。乃至增檀波羅蜜。當作是念。但名字故名檀波羅蜜。 |
仏の言わく、『是の如し、是の如し、須菩提!不可説の義は無増、無減なり。菩薩摩訶薩は、般若波羅蜜を習行すれば、方便力を有するが故に、是の念を作さず、『我れは般若波羅蜜を増したり、乃至檀波羅蜜を増したり』、と。当に是の念を作すべし、『但だ名字の故に、檀波羅蜜と名づく』、と。 |
『仏』は、こう言われた、――
その通りだ!
その通りだ!
須菩提!
『説くことができない!』という、
『義』には、
『増、減』が、
『無いのである!』。
『菩薩摩訶薩』が、
『般若波羅蜜を習行すれば!』、
『方便力を有する!』が故に、
是の、
『念を作さず!』、――
わたしは、
『般若波羅蜜』を、
『増した!』とか、
乃至、
『檀波羅蜜』を、
『増した!』、と。
是の、
『念を作すだろう!』、――
但だ、
『名字』の故に、
『檀波羅蜜』と、
『呼ぶだけだ!』、と。
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是菩薩摩訶薩行檀波羅蜜時。是心及善根如阿耨多羅三藐三菩提相迴向。乃至行般若波羅蜜時。是心及善根如阿耨多羅三藐三菩提相迴向。 |
是の菩薩摩訶薩は、檀波羅蜜を行ずる時、是の心、及び善根を阿耨多羅三藐三菩提の相の如く迴向し、乃至般若波羅蜜を行ずる時には、是の心、及び善根を阿耨多羅三藐三菩提の相の如く迴向す。 |
是の、
『菩薩摩訶薩』が、
『檀波羅蜜を行う!』時には、
是の、
『心と善根』を、
『阿耨多羅三藐三菩提( 仏心)の相』と、
『同じように!』、
『迴向し!』、
『般若波羅蜜を行う!』時には、
是の、
『心と善根』を、
『阿耨多羅三藐三菩提の相』と、
『同じように!』、
『迴向するのである!』。
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須菩提白佛言。世尊。何等是阿耨多羅三藐三菩提。佛言。一切法如相是名阿耨多羅三藐三菩提。 |
須菩提の仏に白して言さく、『世尊、何等か、是れ阿耨多羅三藐三菩提なる』、と。仏の言わく、『一切法の如相、是れを阿耨多羅三藐三菩提と名づく』、と。 |
『須菩提』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
何のようなものが、
『阿耨多羅三藐三菩提なのですか?』、と。
『仏』は、こう言われた、――
『一切の法』の、
『如の相』を、
『阿耨多羅三藐三菩提』と、
『呼ぶのである!』、と。
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須菩提白佛言。世尊。何等是一切法如相。是阿耨多羅三藐三菩提。 |
須菩提の仏に白して言さく、『世尊、何等か、是れ一切法の如相にして、是れ阿耨多羅三藐三菩提なる』、と。 |
『須菩提』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊、
何のようなものが、
一切の、
『法』の、
『如の相であり!』、
是れが、
『阿耨多羅三藐三菩提なのですか?』、と。
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佛告須菩提。色如相受想行識如相乃至涅槃如相。是阿耨多羅三藐三菩提。是如相亦不增不減。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『色の如相、受想行識の如相、乃至涅槃の如相、是れ阿耨多羅三藐三菩提にして、是の如相も亦た不増、不減なり。 |
『仏』は、
『須菩提』に、こう告げられた、――
『色、受想行識、乃至涅槃』の、
『如の相』が、
『阿耨多羅三藐三菩提であり!』、
是の、
『如の相』も、
『不増、不減なのである!』。
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須菩提。是菩薩摩訶薩不離般若波羅蜜。常觀是如法。不見有增有減。以是因緣故。須菩提。不可說義無增無減。檀波羅蜜亦不增不減。乃至十八不共法亦不增不減。須菩提。菩薩摩訶薩以是不增不減法故。應般若波羅蜜行 |
須菩提、是の菩薩摩訶薩は、般若波羅蜜を離れず、常に是の如の法を観れば、増有り、減有るを見ず。是の因縁を以っての故に、須菩提、不可説の義は増無く、減無く、檀波羅蜜も亦た不増、不減にして、乃至十八不共法も亦た不増、不減なり。須菩提、菩薩摩訶薩は、是の不増、不減の法を以っての故に、般若波羅蜜に応じて行ずるなり。 |
須菩提!
是の、
『菩薩摩訶薩』は、
『般若波羅蜜を離れず!』に、
常に、
是の、
『如の相を観て!』、
『増、減が有る!』と、
『見ない!』ので、
是の、
『因縁』の故に、
須菩提!
『説くことができない!』という、
『義』も、
『増、減』が、
『無く!』、
『檀波羅蜜、乃至十八不共法』も、
『増すこともなく!』、
『減ることもない!』。
須菩提!
『菩薩摩訶薩』は、
是の、
『増すこともなく!』、
『減ることもない!』、
『法』を、
『用いている!』が故に、
『般若波羅蜜』に、
『相応して!』、
『行うのである!』。
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