【經】佛告須菩提。譬如母人有子。若五若十若二十若三十若四十若五十若百若千。母中得病。諸子各各勤求救療。作是念。我等云何令母得安無諸患苦不樂之事。風寒冷熱蚊虻蛇蚖侵犯母身。是我等憂。其諸子等常求樂具供養其母。所以者何。生育我等示我世間。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『譬えば母人に子の若しは五、若しは十、若しは二十、若しは三十、若しは四十、若しは五十、若しは百、若しは千有りて、母中に病を得るが如し。諸子、各各勤求して救療し、是の念を作さく、『我等、云何が母をして、安きを得て、諸の患苦、不楽の事を無からしめん。風寒、冷熱、蚊虻、蛇蚖の母身を侵犯する、是れ我等が憂なり』、と。其の諸子等、常に楽具を求めて、其の母を供養す。所以は何んとなれば、我等を生育して、我れに世間を示せばなり。 |
『仏』は、
『須菩提』に、こう告げられた、――
譬えば、
『母人』に、
『子』が、
『有るようなものである!』、――
若しは、
『五とか!』、
『十とか!』、
『二十とか!』、
『三十とか!』、
『五十とか!』、
『百とか!』、
『千とか!』の、
『子』が、
『有る!』中に、
『母』は、
『病』を、
『得たのである!』。
諸の、
『子』は、
各各、
勤めて、
『医、薬を求めて!』、
『母を救療し!』、
是の念を作した、――
わたし達は、
何のようにして、
『母を安隠にさせて!』、
諸の、
『患苦、不楽の事』を、
『無くさせよう?』。
『風寒、冷熱、蚊虻、蛇蚖』が、
『母』の、
『身』を、
『侵犯しないだろうか?』、
是れが、
わたし達の、
『憂である!』、と。
其の、
諸の、
『子達』は、
常に、
『楽具』を、
『求めて!』、
其の、
『母』を、
『供養した!』。
何故ならば、――
わたし達を、
『生み!』、
『育てて!』、
わたし達に、
『世間』を、
『示してくれたからである!』。
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参考:『大般若経巻305』:『佛言善現。譬如女人生育諸子。若五若十二十三十四十五十。或百或千。其母得病諸子各各勤求醫療。作是念言。云何我母當得無病。長壽安樂。身無眾苦心離愁憂。諸子爾時各作方便。求安樂具覆護母身。勿為蚊虻蛇蝎寒熱飢渴等觸之所侵惱。又以種種上妙樂具。恭敬供養而作是言。我母慈悲生育我等。教示種種世間事務我等豈得不報母恩。善現。如來應正等覺亦復如是。常以佛眼觀視護念甚深般若波羅蜜多。何以故。善現。甚深般若波羅蜜多。能生我等一切佛法。能示世間諸法實相。十方世界一切如來應正等覺現說法者。亦以佛眼常觀護念甚深般若波羅蜜多。何以故。善現。甚深般若波羅蜜多。能生諸佛一切功德。能示世間諸法實相。由此因緣我等諸佛。常以佛眼觀視護念甚深般若波羅蜜多。為報彼恩不應暫捨。何以故。善現。一切如來應正等覺。般若靜慮精進安忍淨戒布施波羅蜜多。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切內空外空內外空空空大空勝義空有為空無為空畢竟空無際空散空無變異空本性空自相空共相空一切法空不可得空無性空自性空無性自性空。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得現故。一切真如法界法性不虛妄性不變異性平等性離生性法定法住實際虛空界不思議界。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得現故。一切苦聖諦集滅道聖諦。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得現故。一切四靜慮四無量四無色定。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切八解脫八勝處九次第定十遍處。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切四念住四正斷四神足五根五力七等覺支八聖道支。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切空解脫門無相無願解脫門。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切菩薩十地。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切五眼六神通。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切佛十力四無所畏四無礙解大慈大悲大喜大捨十八佛不共法。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切無忘失法恒住。捨性皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切一切智道相智一切相智。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切陀羅尼門一切三摩地門。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切預流預流果一來一來果不還不還果阿羅漢阿羅漢果。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切獨覺獨覺菩提。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切菩薩摩訶薩及諸菩薩摩訶薩行。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。一切如來應正等覺諸佛無上正等菩提。皆由如是甚深般若波羅蜜多而得生故。善現。一切如來應正等覺。已得無上正等菩提。今得無上正等菩提。當得無上正等菩提。皆因如是甚深般若波羅蜜多。由此因緣甚深般若波羅蜜多。於諸如來有大恩德。是故諸佛常以佛眼。觀視護念甚深般若波羅蜜多。善現。住菩薩乘諸善男子善女人等。若能聽聞書寫受持讀誦修習思惟廣說甚深般若波羅蜜多。一切如來應正等覺常以佛眼觀視護念。令其身心常得安樂。所修善業無諸留難。善現。住菩薩乘諸善男子善女人等。若能於此甚深般若波羅蜜多聽聞書寫受持讀誦修習思惟為他演說十方世界一切如來應正等覺皆共護念。令於無上正等菩提得不退轉。』 |
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如是須菩提。佛常以佛眼視是深般若波羅蜜。何以故。是深般若波羅蜜能示世間相。十方現在諸佛亦以佛眼常視是深般若波羅蜜。何以故。是深般若波羅蜜。能生諸佛。能與諸佛一切智。能示世間相。以是故諸佛常以佛眼視是深般若波羅蜜。 |
是の如し、須菩提、仏は常に、仏眼を以って、是の深き般若波羅蜜を視る。何を以っての故に、是の深き般若波羅蜜は、能く世間の相を示せばなり。十方の現在の諸仏も亦た、仏眼を以って、常に是の深き般若波羅蜜を視る。何を以っての故に、是の深き般若波羅蜜は、能く諸仏を生じ、能く諸仏に一切智を与え、能く世間の相を示せばなり。是を以っての故に、諸仏は、常に仏眼を以って、是の般若波羅蜜を視る。 |
是のように、
須菩提!
『仏』は、
常に、
『仏眼』を以って、
是の、
『深い般若波羅蜜』を、
『視ているのだ!』。
何故ならば、
是の、
『深い般若波羅蜜』が、
『世間の相』を、
『示してくれたからである!』。
『十方の現在の諸仏』も、
亦た、
常に、
『仏眼』を以って、
何故ならば、
是の、
『深い般若波羅蜜』は、
諸の、
『仏』を、
『生じさせて!』、
諸の、
『仏』に、
『一切智』を、
『与えることができ!』、
『世間』の、
『相』を、
『示すことができるからである!』。
是の故に、
諸の、
『仏』は、
常に、
『仏眼』を以って、
是の、
『深い般若波羅蜜』を、
『視ているのである!』。
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又以般若波羅蜜能生禪波羅蜜乃至檀波羅蜜能生內空乃至無法有法空。能生四念處乃至八聖道分。能生佛十力乃至一切種智。如是般若波羅蜜能生。須陀洹斯陀含阿那含阿羅漢辟支佛諸佛。須菩提。所有諸佛已得阿耨多羅三藐三菩提。今得當得。皆因深般若波羅蜜因緣故得。 |
又、般若波羅蜜は、能く禅波羅蜜、乃至般若波羅蜜を生じ、能く内空、乃至無法有法空を生じ、能く四念処、乃至八聖道分を生じ、能く仏の十力、乃至一切種智を生ずるを以って、是の如き般若波羅蜜は、能く須陀洹、斯陀含、阿那含、阿羅漢、辟支仏、諸仏を生ずるなり。須菩提、有らゆる諸仏の已に阿耨多羅三藐三菩提を得たるも、今得しも、当に得べきも、皆、深き般若波羅蜜の因縁に因るが故に、得るなり。 |
又、
『般若波羅蜜』は、
『禅波羅蜜、乃至檀波羅蜜』や、
『内法、乃至無法有法空』や、
『四念処、乃至八聖道分』や、
『仏の十力、乃至一切種智』を、
『生じさせる!』が故に、
是のように、
『般若波羅蜜』が、
『須陀洹、斯陀含、阿那含、阿羅漢』や、
『辟支仏』や、
『諸仏』を、
『生じさせるのである!』。
須菩提!
有らゆる、
諸の、
『仏』は、
『阿耨多羅三藐三菩提』を、
『已に、得ている!』者も、
『今、得たばかり!』の者も、
『将来、得るはず!』の者も、
皆、
『般若波羅蜜という!』、
『因縁に因る!』が故に、
『阿耨多羅三藐三菩提』を、
『得るのである!』。
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須菩提。若求佛道善男子善女人。書是深般若波羅蜜乃至正憶念。諸佛常以佛眼視是人。 |
須菩提、若し仏道を求むる善男子、善女人にして、是の深き般若波羅蜜を書き、乃至正憶念せば、諸仏は、常に仏眼を以って、是の人を視ん。 |
須菩提!
若し、
『仏』の、
『道を求める!』、
『善男子、善女人』が、
是の、
『深い般若波羅蜜』を、
『書き!』、
『乃至正憶念すれば!』、
諸の、
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須菩提。是求菩薩道善男子善女人。諸十方佛常守護令不退阿耨多羅三藐三菩提。 |
須菩提、是の菩薩の道を求むる善男子、善女人は、諸の十方の仏、常に守護して、阿耨多羅三藐三菩提を退かざらしめん。 |
須菩提!
是の、
『菩薩』の、
『道を求める!』、
『善男子、善女人』は、
諸の、
『十方の仏』が、
常に、
『守護して!』、
『阿耨多羅三藐三菩提』を、
『減退させないだろう!』。
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須菩提白佛言。如世尊所說。般若波羅蜜能生諸佛。能示世間相。世尊。般若波羅蜜云何能生諸佛。云何能示世間相。云何諸佛從般若波羅蜜生。云何諸佛說世間相。 |
須菩提の仏に白して言さく、『世尊の説きたもうが如し。般若波羅蜜は、能く諸仏を生じ、能く世間の相を示す。世尊、般若波羅蜜は、云何が能く、諸仏を生じ、云何が能く、世間の相を示し、云何が、諸仏は、般若波羅蜜より生じ、云何が諸仏は世間の相を説きたもう』、と。 |
『須菩提』は、
『仏』に白して、こう言った、――
『世尊』の、
『説かれたように!』、――
『般若波羅蜜』は、
諸の、
『仏を生じさせて!』、
『世間の相』を、
『示すことができます!』。
世尊!
『般若波羅蜜』は、
何のように、
何のように、
『世間の相』を、
『示すことができるのですか?』。
何のように、
諸の、
『仏』は、
『般若波羅蜜より!』、
『生じて!』、
何のように、
諸の、
『仏』は、
『世間の相』を、
『説くのですか?』、と。
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参考:『大般若経巻305』:『爾時具壽善現白佛言。如世尊說甚深般若波羅蜜多能生諸佛。甚深般若波羅蜜多能示世間諸法實相。世尊。云何甚深般若波羅蜜多能生諸佛。云何甚深般若波羅蜜多能示世間諸法實相。云何諸佛從甚深般若波羅蜜多生。云何諸佛說世間相。佛言。善現。甚深般若波羅蜜多。能生一切如來應正等覺。所有五眼六神通。若佛十力四無所畏四無礙解大慈大悲大喜大捨十八佛不共法。若無忘失法恒住捨性。若一切智道相智一切相智。善現。如是等無量無邊諸佛功德。皆從甚深般若波羅蜜多生。由得如是諸佛功德故名為佛。甚深般若波羅蜜多能生如是諸佛功德。由此故說能生諸佛。亦說諸佛從甚深般若波羅蜜多生。善現。甚深般若波羅蜜多能示世間諸法實相者。謂能示世間五蘊實相。一切如來應正等覺亦說世間五蘊實相。世尊。云何諸佛甚深般若波羅蜜多說示世間五蘊實相。善現。諸佛般若波羅蜜多。俱不說示五蘊有成有壞有生有滅有染有淨有增有減有入有出。俱不說示五蘊有過去有未來有現在有善有不善有無記有欲界繫有色界繫有無色界繫。所以者何。善現。非諸空法有成有壞。非無相法有成有壞。非無願法有成有壞。非無作法有成有壞。非無生滅法有成有壞。非無體性法有成有壞。善現。諸佛般若波羅蜜多如是說示五蘊實相。此五蘊相即是世間。是故世間亦無成壞生滅等相』 |
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佛告須菩提。是深般若波羅蜜中生佛十力乃至十八不共法一切種智。須菩提。得是諸法故名為佛。須菩提。以是故深般若波羅蜜。能生諸佛。須菩提。諸佛說五眾是世間相。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『是の深き般若波羅蜜中に、仏の十力、乃至十八不共法、一切種智を生じ、須菩提、是の諸法を得るが故に名づけて、仏と為せばなり。須菩提、是を以っての故に、深き般若波羅蜜は能く、諸仏を生じ、須菩提、諸仏は五衆は、是れ世間の相なりと説けばなり。 |
『仏』は、
『須菩提』に、こう告げられた、――
是の、
『深い般若波羅蜜』中に、
『仏』の、
『十力、乃至十八不共法、一切種智』を、
『生じ!』、
須菩提!
是の、
諸の、
『法を得る!』が故に、
『仏』と、
『称するからである!』。
須菩提!
須菩提!
諸の、
『仏』は、
『五衆』とは、
『世間の相である!』と、
『説くのである!』。
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須菩提言。世尊。云何深般若波羅蜜中說五眾相。云何深般若波羅蜜中示五眾。 |
須菩提の言わく、『世尊、云何が、深き般若波羅蜜中に五衆の相を説きたもう。云何が、深き般若波羅蜜中に五衆を示したもうや』。 |
『須菩提』は、こう言った、――
世尊!
何のように、
『深い般若波羅蜜』中に、
『五衆の相』を、
『説くのですか?』。
何のように、
『深い般若波羅蜜』中に、
『五衆』を、
『示すのですか?』。
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須菩提。般若波羅蜜不示五眾破。不示五眾壞。不示生不示滅。不示垢不示淨。不示增不示減。不示入不示出。不示過去不示未來不示現在。何以故。空相不破不壞。無相相無作相不破不壞。不起法不生法無所有法性法不破不壞相如是示。如是須菩提。佛說深般若波羅蜜能示世間相。 |
須菩提、般若波羅蜜は五衆の破を示さず、五衆の壊を示さず、生を示さず、滅を示さず、垢を示さず、浄を示さず、増を示さず、減を示さず、入を示さず、出を示さず、過去を示さず、未来を示さず、現在を示さず。何を以っての故に、空相は破せず、壊せず、無相の相、無作の相は破せず、壊せず、不起の法、不生の法、無所有の法、性の法は破せず、壊せざる相なりと、是の如く示せばなり。是の如く、須菩提、仏は深き般若波羅蜜は、能く世間の相を示すと説けり。 |
須菩提!
『般若波羅蜜』は、
『五衆』が、
『破れる!』とも、
『示さず!』、
『五衆』が、
『壊れる!』とも、
『示さず!』、
『五衆』の、
『生滅、垢浄、増減、入出』を、
『示さず!』、
『五衆』の、
『過去、未来、現在』も、
『示さない!』。
何故ならば、
『空の相』や、
『無相の相』や、
『無作の相』は、
『破れることもなく!』、
『壊れることもない!』。
則ち、
『不起の法、不生の法、無所有の法であり!』、
『性の法であり!』、
『不破、不壊の相である!』と、
是のように、
『示すからである!』。
是のように!
須菩提!
『仏』は、
『深い般若波羅蜜』は、
『世間』の、
『相を示す!』と、
『説くのである!』。
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復次須菩提。諸佛因深般若波羅蜜。悉知無量無邊阿僧祇眾生心所行。須菩提。是深般若波羅蜜中。無眾生無眾生名。無色無色名。無受想行識無受想行識名。無眼乃至無意。無眼識乃至無意識。無眼觸乃至無意觸。乃至無一切智無一切智名。如是須菩提。是深般若波羅蜜能示世間相。 |
復た次ぎに、須菩提、諸仏は、深き般若波羅蜜に因りて、悉く無量、無辺、阿僧祇の衆生の心の所行を知るも、須菩提、是の深き般若波羅蜜中には、衆生無く、衆生の名も無く、色無く、色の名も無く、受想行識無く、受想行識の名も無く、眼無く、乃至意無く、眼識無く、乃至意識無く、眼触無く、乃至意触無く、乃至一切智無く、一切智の名も無し。是の如く、須菩提、是の深き般若波羅蜜は、能く世間の相を示す。 |
復た次ぎに、
須菩提!
諸の、
『仏』は、
『深い般若波羅蜜に因り!』、
悉く、
『無量、無辺、阿僧祇の衆生』の、
『心の所行』を、
『知るのである!』が、
是の、
『深い般若波羅蜜』中には、
『衆生』も、
『衆生の名』も、
『無く!』、
『色』も、
『色の名』も、
『無く!』、
『受想行識』も、
『受想行識の名』も、
『無く!』、
『眼、乃至意』も、
『眼識、乃至意識』も、
『眼触、乃至意触』も、
『無く!』、
乃至、
『一切智』も、
『一切智の名』も、
『無い!』と、
是のように、
須菩提!
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須菩提。是深般若波羅蜜亦不示色。不示受想行識。乃至不示一切種智。何以故。須菩提。是深般若波羅蜜中尚無般若波羅蜜。何況色乃至一切種智。 |
須菩提、是の深き般若波羅蜜は、亦た色を示さず、受想行識を示さず、乃至一切種智を示さず。何を以っての故に、須菩提、是の深き般若波羅蜜中には、尚お般若波羅蜜すら無ければなり。何に況んや、色、乃至一切種智をや。 |
須菩提!
何故ならば、
須菩提!
是の、
『深い般若波羅蜜』中には、
尚お、
『般若波羅蜜すら!』、
『無いからである!』、
況して、
『色、乃至一切種智』は、
『尚更である!』。
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復次須菩提。所有眾生名數。若有色若無色。若有想若無想。若非有想非無想。若此間世界。若遍十方世界。是諸眾生若攝心若亂心。是攝心亂心佛如實知。 |
復た次ぎに、須菩提、有らゆる衆生の名数と、若しは有色、若しは無色、若しは有想、若しは無想、若しは非有想非無想、若しは此の間の世間、若しは遍く十方の世界、是の諸の衆生の若しは摂心、若しは乱心の、是の摂心と乱心とを仏は、如実に知る。 |
復た次ぎに、
須菩提!
有らゆる、
『衆生』の、
『名』と、
『数(年齢、家族数等)』と、
若しは、
『有色界、無色界、有想処、無想処、非有想非無想処』や、
『此の間の世界』や、
『遍く十方の世界』の、
是の、
諸の、
『衆生』が、
『摂心であるか?』、
『乱心であるか?』、
是の、
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名数(みょうすう):番号を附されること( to be numberd )、名と数( name and number )、三界/九地等の如く番号を附された語(
A numbered term, such as 'three realms,' 'ninth stage,' etc. )。 |
参考:『大般若経巻305』:『復次善現。一切有情施設言說。若有色若無色。若有想若無想。若非有想非無想。若此世界。若餘十方一切世界。是諸有情若略心若散心。一切如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。皆如實知。世尊。云何如來應正等覺。如實知彼諸有情類略心散心。善現。一切如來應正等覺。由法性故如實知彼諸有情類略心散心。世尊。云何如來應正等覺。由法性故如實知彼諸有情類略心散心。善現。一切如來應正等覺。如實知法性中法性尚不可得。況有略心散心。善現。如是如來應正等覺。由法性故如實知彼諸有情類略心散心。復次善現。一切如來應正等覺。由盡故離染故。滅故斷故。寂靜故遠離故。如實知彼諸有情類略心散心。世尊。云何如來應正等覺。由盡故離染故。滅故斷故。寂靜故遠離故。如實知彼諸有情類略心散心。善現。一切如來應正等覺。如實知盡離染滅斷寂靜遠離中盡等性尚不可得。況有略心散心。善現。如是如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。由盡等故如實知彼諸有情類略心散心』 |
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須菩提。云何佛知眾生攝心亂心相。以法相故知。用何等法相故知。須菩提。是法相中尚無法相相。何況有攝心亂心。須菩提。以是法相故佛知眾生攝心亂心。 |
須菩提、云何が、仏は衆生の摂心、乱心の相を知る。法相を以っての故に知る。何等の法相を用っての故に知る。須菩提、是の法相中には、尚お法相の相すら無し。何に況んや、摂心、乱心の有るをや。須菩提、是の法相を以っての故に、仏は、衆生の摂心、乱心を知る。 |
須菩提!
何のように、
『仏』は、
『衆生』の、
『摂心、乱心の相』を、
『知るのか?』。
『法相』を、
『用いて!』、
『知るのである!』。
何のような、
須菩提!
是の、
『法相』中には、
尚お、
況して、
『摂心、乱心』の、
『相』が、
『有るだろうか?』。
須菩提!
是の、
『法相を用いる!』が故に、
『仏』は、
『衆生』の、
『摂心、乱心の相』を、
『知るのである!』。
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復次須菩提。佛知眾生攝心亂心。云何知。須菩提。以盡相故知。以無染相故知。以滅相故知。以斷相故知。以寂相故知。以離相故知。如是須菩提。佛因般若波羅蜜知眾生攝心亂心。 |
復た次ぎに、須菩提、仏は、衆生の摂心、乱心を知る。云何が知る。須菩提、尽相を以っての故に知り、無染相を以っての故に知り、滅相を以っての故に知り、断相を以っての故に知り、寂相を以っての故に知り、離相を以っての故に知る。是の如く、須菩提、仏は般若波羅蜜に因りて、衆生の摂心、乱心を知る。 |
復た次ぎに、
須菩提!
『仏』が、
『衆生』の
『摂心、乱心』を、
『知る!』とは、
何のように、
『知るのか?』、――
須菩提!
『尽( exausted )という!』、
『相』の故に、
『知り!』、
『無染という!』、
『相』の故に、
『知り!』、
『滅、断、寂、離という!』、
『相』の故に、
『知るのである!』。
是のように、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
『衆生の摂心、乱心』を、
『知るのである!』。
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尽(じん):<副詞>最大限まで( to the greatest extent )、何処までも( anywhere, to the end of the world )、何時までも( always )、し続ける( to keep on doing something ),<形容詞>[本義]尽きた( empty )。<動詞>尽くす/完了( exhaust, finish )、極限に達する( within the limits of, no more than )、全部用いる( to the greatest extent )、使い果たす( use up )、消滅させる/消滅する/消失する( annihilate, eliminate, perish )、<前置詞>最後まで( all, whole, to the end )、<副詞>都て/全部/徹底的に( all, completely, exhaustive )。 |
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復次須菩提。佛因般若波羅蜜知眾生染心。如實知染心瞋心癡心。如實知瞋心癡心。 |
復た次ぎに、須菩提、仏は、般若波羅蜜に因りて、衆生の染心を知るには、如実に染心なりと知り、瞋心、癡心を、如実に瞋心、癡心なりと知る。 |
復た次ぎに、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
『衆生』の、
『染心を知る!』時には、
『如実に!』、
『染心である!』と、
『知り!』、
『瞋心、癡心も!』、
『如実に!』、
『瞋心、癡心である!』と、
『知るのである!』。
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参考:『大般若経巻305』:『復次善現。一切如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼諸有情類有貪心離貪心。有瞋心離瞋心。有癡心離癡心。世尊。云何如來應正等覺。如實知彼諸有情類有貪心離貪心。有瞋心離瞋心。有癡心離癡心。善現。一切如來應正等覺。如實知彼諸有情類貪瞋癡心。如實性非有貪瞋癡心。非離貪瞋癡心。何以故。如實性中。心心所法尚不可得。況有有貪瞋癡心離貪瞋癡心。善現。一切如來應正等覺。如實知彼諸有情類離貪瞋癡心。如實性非有貪瞋癡心。非離貪瞋癡心。何以故。如實性中心心所法尚不可得。況有有貪瞋癡心離貪瞋癡心。善現。如是如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼諸有情類有貪心離貪心。有瞋心離瞋心。有癡心離癡心』 |
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須菩提白佛言。世尊。云何佛知眾生染心如實知染心。瞋心癡心如實知瞋心癡心。 |
須菩提の仏に白して言さく、『世尊、云何が仏は、衆生の染心を知るには、如実に染心なりと知り、瞋心、癡心を、如実に瞋心、癡心なりと知る』。 |
『須菩提』は、
『仏』に白して、こう言った、――
世尊!
何のように、
『仏』は、
『衆生』の、
『染心を知る!』時には、
『如実に!』、
『染心である!』と、
『知り!』、
『瞋心、癡心も!』、
『如実に!』、
『瞋心、癡心である!』と、
『知るのですか?』。
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佛告須菩提。染心如實相則無染心相。何以故。如實相中心心數法不可得。何況當得染心不染心。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『染心の如実の相は、則ち無染心の相なり。何を以っての故に、如実の相中の心、心数法は不可得なればなり。何に況んや、当に染心、不染心を得べけんや。 |
『仏』は、
『須菩提』に、こう告げられた、――
『染心』の、
『如実の相』は、
『染心の無い!』、
『相である!』。
何故ならば、
『如実の相』中には、
『心、心数法』が、
『認められないからである!』。
況して、
『染心、不染心』を、
『認めるはずがあろうか?』。
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須菩提。瞋心癡心如實相則無瞋無癡相。何以故。如實相中心心數法尚不可得。何況當得瞋心不瞋心癡心不癡心。如是須菩提。佛因般若波羅蜜。眾生染心如實知染心。瞋心癡心如實知瞋心癡心。 |
須菩提、瞋心、癡心の如実相は、則ち無瞋、無癡の相なり。何を以っての故に、如実相中の心、心数法すら、尚お不可得なり。何に況んや、当に瞋心、不瞋心、癡心、不癡心を得べけんや。是の如く、須菩提、仏は般若波羅蜜に因りて、衆生の染心は、如実に染心を知り、瞋心、癡心は、如実に瞋心、癡心を知る。 |
須菩提!
『瞋心、癡心』の、
『如実の相』は、
『無瞋、無癡という!』、
『相である!』。
何故ならば、
『如実の相』中には、
尚お、
『心、心数法すら!』、
『認められない!』。
況して、
『瞋心、不瞋心、癡心、不癡心』を、
『認めるはずがあろうか?』。
是のように、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
『衆生の染心』を、
『如実に!』、
『染心である!』と、
『知り!』、
『瞋心、癡心』を、
『如実に!』、
『瞋心、癡心である!』と、
『知るのだ!』。
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復次須菩提。佛因般若波羅蜜。眾生無染心如實知無染心。無瞋心無癡心如實知無瞋心無癡心。 |
復た次ぎに、須菩提、仏は、般若波羅蜜に因りて、衆生の無染心を、如実に無染心なりと知り、無瞋心、無癡心を、如実に無瞋心、無癡心なりと知る。 |
復た次ぎに、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
『衆生』の、
『無染心』を、
『如実に!』、
『無染心である!』と、
『知り!』、
『無瞋心、無癡心』を、
『如実に!』、
『無瞋心、無癡心である!』と、
『知る!』。
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須菩提白佛言。世尊。云何眾生無染心如實知無染心。無瞋心如實知無瞋心。無癡心如實知無癡心。 |
須菩提の仏に白して言さく、『世尊、云何が、衆生の無染心を、如実に無染心なりと知り、無瞋心を、如実に無瞋心なりと知り、無癡心を、如実に無癡心なりと知る』、と。 |
『須菩提』は、
『仏』に白して、こう言った、――
世尊!
何のように、
『衆生』の、
『無染心』を、
『如実に!』、
『無染心である!』と、
『知り!』、
『無瞋心』を、
『如実に!』、
『無瞋心である!』と、
『知り!』、
『無癡心』を、
『如実に!』、
『無癡心である!』と、
『知るのですか?』、と。
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佛告須菩提。是心無染相中。染相不染相不可得。何以故。須菩提。二心不俱故。如是須菩提。佛因般若波羅蜜。眾生無染心如實知無染心。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『是の心の無染相中には、染相も不染相も不可得なればなり。何を以っての故に、須菩提、二心は倶ならざるが故なり。是の如く、須菩提、仏は般若波羅蜜に因りて、衆生の無染心を、如実に無染心なるを知る。 |
『仏』は、
『須菩提』に、こう告げられた、――
是の、
『心』の、
『無染という!』、
『相』中には、
『染相、不染相』が、
『認められない!』。
何故ならば、
須菩提!
例えば、
『染、不染というような!』、
『二心』は、
『倶にならないからである!』。
是のように、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
『衆生』の、
『無染の心』を、
『如実に!』、
『無染の心である!』と、
『知るのである!』。
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須菩提。是無瞋心無癡心相中。癡心不癡心不可得。何以故。二心不俱故。如是須菩提。佛因般若波羅蜜。眾生無瞋心無癡心如實知。 |
須菩提、是の無瞋心、無癡心の相中に、癡心、不癡心は不可得なり。何を以っての故に、二心の倶ならざるが故なり。是の如く、須菩提、仏は、般若波羅蜜に因りて、衆生の無瞋心、無癡心を、如実に知る。 |
須菩提!
是の、
『無瞋心、無癡心の相』中には、
『癡心、不癡心』が、
『認められない!』。
何故ならば、
『二心』は、
『倶にならないからである!』。
是のように、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
『衆生の無瞋心、無癡心』を、
『如実に!』、
『知るのである!』。
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復次須菩提。佛因般若波羅蜜。是眾生廣心如實知廣心。 |
復た次ぎに、須菩提、仏は、般若波羅蜜に因りて、是の衆生の広心を、如実に広心なりと知る。 |
復た次ぎに、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
是の、
『衆生』の、
『広心』を、
『如実に!』、
『広心である!』と、
『知るのである!』。
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参考:『大般若経巻305』:『復次善現。一切如來應正等覺。如實知彼諸有情類有貪瞋癡心。非有貪瞋癡心。非離貪瞋癡心。何以故。如是二心不和合故。善現。一切如來應正等覺。如實知彼諸有情類離貪瞋癡心。非有貪瞋癡心。非離貪瞋癡心。何以故。如是二心不和合故。善現。如是如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼諸有情類有貪心離貪心。有瞋心離瞋心。有癡心離癡心。復次善現。一切如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼諸有情類所有廣心。世尊。云何如來應正等覺。如實知彼諸有情類所有廣心。善現。一切如來應正等覺。如實知彼諸有情類所有廣心。無廣無狹。無增無減。無去無來。心性離故。非廣非狹。非增非減。非去非來。何以故。心之自性無所有故。誰廣誰狹。誰增誰減。誰去誰來。善現。如是。如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼諸有情類所有廣心。復次善現。一切如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼。諸有情類所有大心。世尊。云何如來應正等覺。如實知彼諸有情類所有大心。善現。一切如來應正等覺。如實知彼諸有情類所有大心。無去無來。無生無滅。無住無異。無大無小。何以故。心之自性無所有故。非去非來。非生非滅。非住非異。非大非小。善現。如是如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼諸有情類所有大心。復次善現。一切如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼諸有情類所有無量心。世尊。云何如來應正等覺。如實知彼諸有情類所有無量心。善現。一切如來應正等覺。如實知彼諸有情類所有無量心。非住非不住。非去非不去。何以故。無量心性無漏無依。如何可說有住不住有去不去。善現。如是如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼諸有情類所有無量心。復次善現。一切如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼諸有情類所有無見無對心。世尊。云何如來應正等覺。如實知彼諸有情類所有無見無對心。善現。一切如來應正等覺。如實知彼諸有情類所有無見無對心。皆無心相。何以故。以一切心自相空故。善現。如是如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼諸有情類所有無見無對心復次善現。一切如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼諸有情類所有無色不可見心。世尊。云何如來應正等覺。如實知彼諸有情類所有無色不可見心。善現。一切如來應正等覺。如實知彼諸有情類所有無色不可見心。諸佛五眼皆不能見。何以故。以一切心自性空故。善現。如是如來應正等覺。依甚深般若波羅蜜多。如實知彼諸有情類所有無色不可見心。』 |
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須菩提白佛言。世尊。云何佛因般若波羅蜜。是眾生廣心如實知廣心 |
須菩提の仏に白して言さく、『世尊、云何が、仏は、般若波羅蜜に因りて、是の衆生の広心を、如実に広心なりと知る』、と。 |
『須菩提』は、
『仏』に白して、こう言った、――
世尊!
何のように、
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
是の、
『衆生』の、
『広心』を、
『如実に!』、
『広心である!』と、
『知るのですか?』、と。
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須菩提。佛知諸眾生心相。不廣不狹不增不減不來不去。心相離故。是心不廣。乃至不來不去。何以故。是心性無故。誰作廣誰作狹。乃至來去如是。須菩提。佛因般若波羅蜜。是眾生廣心。如實知廣心。 |
須菩提、仏は、諸の衆生の心相の不広、不狭、不増、不減、不来、不去なるを知る。心相の離なるが故に、是の心は不広、乃至不来、不去なり。何を以っての故に、是の心は、性無きが故に誰か広く作し、誰か狭く作さん。乃至来、去も是の如し。須菩提、仏は般若波羅蜜に因りて、是の衆生の広心を、如実に広心なりと知る。 |
須菩提!
『仏』は、
諸の、
『衆生の心相』は、
『不広、不狭、不増、不減、不来、不去だ!』と、
『知っている!』。
是の、
『心』は、
『心相』が、
『離(自性を離れる)である!』が故に、
『不広、乃至不来、不去なのだ!』。
何故ならば、
是の、
『心』には、
『性』が、
『無い!』が故に、
誰が、
『広くしたり!』、
『狭くしたりするのか?』、
乃至、
『来、去』も、
『是の通りである!』。
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
是の、
『衆生』の、
『広心』を、
『如実に!』、
『広心である!』と、
『知るのである!』。
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離(り):梵語 tiraskRta の訳、覆い隠された( concealed, eclipsed )の義、自性を離れている( to be separete from the nature of something else )。『大智度論巻61下注:離』参照。 |
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復次須菩提。佛因般若波羅蜜。是眾生大心如實知大心。 |
復た次ぎに、須菩提、仏は、般若波羅蜜に因り、是の衆生の大心を、如実に大心なりと知る。 |
復た次ぎに、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
是の、
『衆生』の、
『大心』を、
『如実に!』、
『大心である!』と、
『知る!』。
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須菩提白佛言。世尊。云何佛因般若波羅蜜。是眾生大心如實知大心。 |
須菩提の仏に白して言さく、『世尊、云何が、仏は般若波羅蜜に因りて、是の衆生の大心を如実に大心なりと知る』、と。 |
『須菩提』は、
『仏』に白して、こう言った、――
世尊!
何のように、
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
是の、
『衆生』の、
『大心』を、
『如実に!』、
『大心である!』と、
『知るのですか?』、と。
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佛告須菩提。佛因般若波羅蜜不見眾生心來相去相。不見眾生心生相滅相住相異相。何以故。是諸心性無故。誰來誰去誰生滅住異。如是須菩提。佛因般若波羅蜜。是眾生大心如實知大心。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『仏は、般若波羅蜜に因り、衆生心の来相、去相を見ず、衆生心の生相、滅相、住相、異相を見ず。何を以っての故に、是の諸の心の性は無きが故に、誰か来たり、誰か去り、誰か生、滅、住、異なる。是の如く、須菩提、仏は般若波羅蜜に因りて、是の衆生の大心を、如実に大心なりと知る。 |
『仏』は、
『須菩提』に、こう告げられた、――
『仏』は、
『衆生の心』の、
『来相、去相』を、
『見ない!』し、
『衆生の心』の、
『生相、滅相、住相、異相』を、
『見ない!』。
何故ならば、
是の、
諸の、
『心』には、
『性』が、
『無い!』が故に、
誰が、
『来たり!』、
『去ったり!』、
『生、滅、住、異するのか?』。
是のように、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
是の、
『衆生』の、
『大心』を、
『如実に!』、
『大心である!』と、
『知るのである!』。
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復次須菩提。佛因般若波羅蜜。眾生無量心如實知無量心。 |
復た次ぎに、須菩提、仏は、般若波羅蜜に因り、衆生の無量心を、如実に無量心なりと知る。 |
復た次ぎに、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
是の、
『衆生』の、
『無量心』を、 『如実に!』、
『無量心である!』と、
『知る!』。
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須菩提白佛言。世尊。云何佛因般若波羅蜜。眾生無量心如實知無量心。 |
須菩提の仏に白して言さく、『世尊、云何が、仏は般若波羅蜜に因りて、衆生の無量心を如実に無量心なりと知る』、と。 |
『須菩提』は、
『仏』に白して、こう言った、――
世尊!
何のように、
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
『衆生』の、
『無量心』を、
『如実に!』、
『無量心である!』と、
『知るのですか?』、と。
|
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佛告須菩提。佛因般若波羅蜜。知是眾生心。不見住不見不住。何以故。是無量心相無依止故。誰有住不住處。如是須菩提。佛因般若波羅蜜。眾生無量心如實知無量心。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『仏は、般若波羅蜜に因りて、是の衆生心を、住なりと見ず、不住なりと見ず。何を以っての故に、是の無量心の相の、依止無きを以っての故に、誰か住、不住の処有る。是の如く、須菩提、仏は、般若波羅蜜に因り、衆生の無量心を、如実に無量心なりと知る。 |
『仏』は、
『須菩提』に、こう告げられた、――
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
是の、
『衆生心』を、
『住である!』とも、
『不住である!』とも、
『見ない!』。
何故ならば、
是のように、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
『衆生』の、
『無量心』を、 『如実に!』、
『無量心である!』と、
『知るのである!』。
|
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復次須菩提。佛因般若波羅蜜。眾生不可見心如實知不可見心。 |
復た次ぎに、須菩提、仏は、般若波羅蜜に因り、衆生の不可見心を如実に不可見心なりと知る。 |
復た次ぎに、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
『衆生』の、
『不可見の心』を、 『如実に!』、
『不可見の心である!』と、
『知る!』。
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須菩提白佛言。世尊。云何佛因般若波羅蜜。眾生不可見心如實知不可見心。 |
須菩提の仏に白して言さく、『世尊、云何が、仏は般若波羅蜜に因りて、衆生の不可見の心を如実に不可見の心と知る』、と。 |
『須菩提』は、
『仏』に白して、こう言った、――
世尊!
何のように、
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
『衆生』の、
『不可見の心』を、 『如実に!』、
『不可見の心である!』と、
『知るのですか?』、と。
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佛告須菩提。眾生心是無相。佛如實知無相。自相空故。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『衆生心は、是れ無相なり。仏は如実に無相を知る、自相の空なるが故なり』、と。 |
『仏』は、
『須菩提』に、こう告げられた、――
『衆生』の、
『心』は、
『無相である!』。
『仏』が、
『如実に!』、
『無相である!』と、
『知る!』のは、
『心』の、
『自相』は、
『空だからである!』。
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復次須菩提。佛知眾生心。五眼不能見。如是須菩提。佛因般若波羅蜜。眾生不可見心。如實知不可見心 |
復た次ぎに、須菩提、仏は、衆生心の五眼もて、見る能わざるを知る。是の如く、須菩提、仏は般若波羅蜜に因りて、衆生の不可見の心を如実に不可見の心なりと知る。 |
復た次ぎに、
須菩提!
『仏』は、
『衆生心』は、
『五眼では!』、
『見ることができない!』と、
『知る!』。
是のように、
須菩提!
『仏』は、
『般若波羅蜜に因り!』、
『衆生』の、
『不可見の心』を、
『如実』に、
『不可見の心である!』と、
『知るのである!』。
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