【論】釋曰。是深般若波羅蜜。佛滅度後當至南方國土者。佛出東方於中說般若波羅蜜。破魔及魔民外道。度無量眾生。然後於拘夷那竭雙樹下滅度。後般若波羅蜜從東方至南方。 |
釈して曰く、是の深般若波羅蜜は、仏の滅度の後、当に南方の国土に至るべしとは、仏は東方に出でたまいて、中に於いて般若波羅蜜を説き、魔、及び魔民、外道を破し、無量の衆生を度して、然る後に拘夷那竭の双樹の下に滅度したまいて後、般若波羅蜜は、東方より南方に至るなり。 |
釈す、
是の、
『深い般若波羅蜜』が、
『仏が滅度された!』後、
『南方の国土』に、
『至るだろう!』とは、――
『仏が、東方に出られる!』と、
『東方』中に於いて、
『般若波羅蜜を説きながら!』、
『魔や、魔民や、外道を破って!』、
『無量の衆生』を、
『度され!』、
その後に、
『倶夷那竭国の双樹の下』に於いて、
『滅度されたのである!』が、
その後に、
『般若波羅蜜』は、
『東方より、南方に至るのである!』。
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拘夷那竭(くいなが):梵名 kuzi-nagara 、中印度の国城の名、釈尊入滅の地として知らる。『大智度論巻26上注:拘尸那竭羅』参照。 |
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如日月五星二十八宿。常從東方至南方。從南方至西方。從西方至北方。圍繞須彌山。 |
日月、五星、二十八宿の如きは、常に東方より南方に至り、南方より西方に至り、西方より北方に至りて、須弥山を囲繞す。 |
例えば、
『日、月、五星、二十八宿』が、
『常に、東方より南方、南方より西方、西方より北方に至りながら!』、
『須弥山』を、
『囲繞するようなものである( going around )!』。
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囲繞(いにょう):梵語 parivaara の訳、ぐるりと取り巻く( surrounding )の義、周囲を迴る( going around )の意。 |
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又如供養常法。右繞遍度閻浮提人。以是因緣故。從東方至南方從南方至西方。如佛無著心故不定一處。般若波羅蜜亦如是。不定住一處。從西方至北方。 |
又供養の常法の如きは、右繞して、閻浮提の人を遍く度す。是の因縁を以っての故に、東方より南方に至り、南方より西方に至るなり。仏の無著の心の故に、一処を定めたまわざるが如く、般若波羅蜜も亦た是の如く、一処に定住せず、西方より北方に至る。 |
又、
例えば、
『供養の常法のように!』、
『右繞しながら( turning the right side towards )!』、
『遍く!』、
『閻浮提の人を度するのであり!』、
是の因縁の故に、
『般若波羅蜜』は、
『東方より、南方に至り!』、
『南方より、西方に至るのであり!』、
『仏が、著心が無い!』が故に、
『一処』に、
『定られなかったように!』、
『般若波羅蜜』も、
是のように、
『一処に定住せず!』、
『西方より、北方に至るのである!』。
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右繞(うにょう):梵語 pradakSiNa の訳、右に置く( standing or placed on the right )の義、[尊敬を示して、]人や物を常に右に置いて周囲を迴る/右に廻る(
to turn towards persons or things so as to place them on one's right; turn
the right side towards; as a token of respec )の意。『大智度論巻2上注:右繞三匝』参照。 |
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二方眾生好供養書讀乃至修行。華香乃至幡蓋受大果報。如經中說。後展轉至北方。此中供養所得果報如上所說。舍利弗。是般若波羅蜜北方當作佛事。 |
二方の衆生は好んで、供養し、書き、読み、乃至修行し、華香、乃至幡蓋もて、大果報を受くること、経中に説けるが如し。後に展転して北方に至り、此の中の供養の所得の果報は、上の所説の如し、『舎利弗、是の般若波羅蜜は北方にて、当に仏事を作すべし』、と。 |
『南、西二方の衆生』が、
『好んで、華香乃至幡蓋を般若波羅蜜に供養し!』、
『書、読、乃至修行して!』、
『大果報を受けること!』は、
例えば、
『経』中に、
『説かれた通りである!』が、
その後、
『展転として( successively )!』、
『北方に至り!』、
此の中に於いて、
『供養して得た!』、
『果報』は、 上に、こう説く通りである、――
舎利弗!
是の、
『般若波羅蜜』は、
『北方に於いても!』、
『仏事を作すはずである( to aid Buddha's works )!』、と。
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展転(てんでん):梵語 parampara の訳、次から次( one following the other )の義、継続的に( successively )の意。 |
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是中說因緣。佛在時能斷眾疑。佛法興盛不畏法滅。佛滅後過五百歲正法漸滅。是時佛事轉難。是時利根者讀誦正憶念亦華香供養。鈍根者書寫華香等供養。是二種人久久皆當得度。是故說當作佛事。 |
是の中に因縁を説く。仏の在時には、能く衆疑を断ち、仏法興盛して、法滅を畏れず。仏の滅後に五百歳を過ぎて、正法漸く滅すれば、是の時、仏事は転た難し。是の時、利根の者は読誦し、正憶念し、亦た華香もて供養し、鈍根の者は書写して、華香等を供養す。是の二種の人は、久久にして、皆当に度を得べし。是の故に説かく、『当に仏事を作すべし』、と。 |
是の中に、
『因縁』を、こう説いている、――
『仏の在時』には、
『衆疑( could decide against many doubts )を断じることができ!』、
『仏法が興盛して!』、
『法滅を畏れなかった!』が、
『仏滅後、五百歳を過ぎる!』と、
漸く( gradually )、
『正法』が、
『滅しだした!』。
是の時、
『仏事』は、
『転た難しくなった( to be difficult increasingly )!』。
是の時、
『利根の者』は、
『般若波羅蜜』を、
『読誦しながら!』、
『正しく憶念し!』、
亦た、
『華香』を、
『供養したのである!』が、
『鈍根の者』は、
『般若波羅蜜を書写して!』、
『華香』等を、
『供養したのである!』。
是の、
『二種の人』は、
『久久にして( for a long long time )!』、
『皆!』、
『度を得ることになる!』。
是の故に、こう説くのである、――
『仏事』を、
『作すことになる!』、と。
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佛言。是善男子善女人我及十方諸佛。皆以佛眼見念知讚歎。 |
仏の言わく、『是の善男子、善女人は、我れ及び十方の諸仏、皆仏眼を以って見て、念じ、知り、讃歎す』、と。 |
『仏』は、こう言われた、――
是の、
『善男子、善女人』を、
『わたしや、十方の諸仏が、皆仏眼で見ながら!』、
『念知したり( to remember and acknowledge )!』、
『讃歎するのである!』。
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念知(ねんち):梵語 saMjaanante?, saMjJaa の訳、気が合う( agree together )の義、認識する/理解する( to
acknowledge, recognize; to know well, understand )の意。 |
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舍利弗白佛言。是深般若在北方廣行耶。 |
舎利弗の仏に白して言さく、『是の深般若は北方に在りて、広く行ずるや』、と。 |
『舎利弗』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
是の、
『深い般若』は、
『北方に於いても!』、
『広く、行じられるのですか?』、と。
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廣行者於閻浮提北方廣大故。又北方地有雪山。雪山冷故藥草能殺諸毒。所食米穀三毒不能大發三毒不能大發故。眾生柔軟信等五根皆得勢力。如是等因緣北方多行般若波羅蜜。 |
広く行ずとは、閻浮提に於いては、北方は広大なるが故なり。又北方の地には、雪山有り、雪山の冷たきが故に薬草は能く諸毒を殺ぎ、食する所の米穀は、三毒をして大発する能わざらしめ、三毒の大発する能わざるが故に、衆生は柔軟にして、信等の五根は、皆勢力を得。是れ等の如き因縁もて北方には、多く般若波羅蜜を行ずるなり。 |
『広く、行じる!』とは、――
『閻浮提に於いて!』、
『北方は広大である!』が故に、
『又北方には雪山が有り、雪山は冷たい!』が故に、
『薬草』が、
『諸毒を殺し( to detoxify )!』、
『米穀を食う( to eat rice and do not make killing )!』が故に、
『三毒』を、
『大発させず( let not araise )!』、
『三毒が大発させない!』が故に、
『衆生は柔軟であり!』、
『信等の五根』が、
『皆、勢力を得る!』ので、
是れ等のような
『因緣』で、
『北方に於いて!』、
『般若波羅蜜』を、
『多く、行じるのである!』。
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殺(せつ):梵語 √(hiMs) の訳、傷つける/殺す/破壊する( to injure, harm, wound, kill, destroy
)の義。
発(ほつ):◯梵語 utpaada の訳、足で立つ( standing on the legs )の義、出来/出生/生産( coming forth,
birth, production )の意。◯梵語 utthaapana の訳、立たせる/出てこさせる/齎す( causing to rise
or get up; causing to come forth, bringing forth )の義、持ち上げる/引き上げる( raising,
elevating )の意。 |
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是人聞是深般若波羅蜜。書持乃至正憶念如說行。當知是人久發大乘意。多供養佛種善根。與善知識相隨。是故能於惡世書持信受乃至如說修行。 |
是の人は、是の深般若波羅蜜を聞いて、書持し、乃至正憶念し、如説に行ず。当に知るべし、是の人は、久しく、大乗の意を発して、多く仏を供養して、善根を種え、善知識と相随えば、是の故に、能く悪世に於いて書持し、信受し、乃至如説に修行するなり。 |
是の、
『人』は、
是の、
『深い般若波羅蜜を聞いて!』、
『書持し、乃至正しく憶念して!』、
『如説に、修行するのである!』が、
当然、こう知るべきである、――
是の、
『人』は、
久しく、
『大乗の意』を、
『発し!』、
多く、
『仏を供養して、善根を種えたり!』、
『善知識に、相随った!』ので、
是の故に、
『悪世に於いても!』、
『書持、信受し、乃至如説に修行することができるのである!』、と。
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舍利弗問。北方有幾許人。聞是深般若波羅蜜。能書讀誦乃至如說修行。 |
舎利弗の問わく、『北方には、幾許の人か有りて、是の深般若波羅蜜を聞き、能く書き、読誦し、乃至如説に修行する』、と。 |
『舎利弗』は、こう問うた、――
『北方』には、
是の、
『深い般若波羅蜜を聞いて!』、
『書いたり、読誦したり、乃至如説に修行することができる!』、
『人』が、
『何れほど有るのですか?』。
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佛答。是深般若波羅蜜難知難行。雖多有人發無上道心得名菩薩少。有人聞是般若波羅蜜心通達不驚不沒 |
仏の答えたまわく、『是の深般若波羅蜜は難知難行なり。人の無上道の心を発して、菩薩と名づくるを得るもの多く有りと雖も、人の是の般若波羅蜜を聞いて、心に通達し、驚かず、没せざるもの有ること少し。 |
『仏』は、こう答えられた、――
是の、
『深い般若波羅蜜は知ることも、行じることも難しく!』、
『無上道の心を発して、菩薩と称される!』、
『人』は、
『多く有る!』が、
是の、
『般若波羅蜜を聞いて心に通達し驚くことも、没することもない!』、
『人』は、
『少し有るだけである!』。
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心通達不驚不怖相。佛此中自說。是人多親近諸佛。親近諸佛者於無量世常見諸佛恭敬供養。 |
心に通達し、驚かず、怖れざる相を、仏は此の中に自ら説きたまわく、『是の人は、多く諸仏に親近す』、と。諸仏に親近すとは、無量世に於いて、常に諸仏を見て、恭敬し供養すればなり。 |
『心に通達して驚くことも、怖れることもない相』を、
『仏』は、此の中に自ら説かれている、――
是の、
『人』は、
『諸仏』に、
『多く、親近したからである!』、と。
『諸仏に親近する!』とは、
『無量世に於いて!』、
『常に諸仏を見ながら恭敬し、供養することである!』。
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問難者直問其事。疑心不解重種種問名為難。是人世世從諸佛問難般若波羅蜜事。 |
問難とは、直に其の事を問うに、疑心解けざれば、種種の問を重ぬるを名づけて難と為す。是の人は、世世に諸仏に従いて、般若波羅蜜の事を問難せり。 |
『問難』とは、
其の、
『事を、直に問いながら!』、
『疑心』が、
『説けず!』、
『重ねて、種種に問うこと!』を、
『難じる( asking again and again )!』と、
『称する!』が、
是の、
『人は、世世に諸仏に従いながら!』
『般若波羅蜜の事』を、
『問難したのである!』。
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是人功德果報雖未成。當知是人具足六波羅蜜三十七品乃至十八不共法。具足是福德淳熟故多利益眾生。所謂檀波羅蜜尸羅波羅蜜因緣故。生於富貴家自行布施教人布施。羼提波羅蜜禪波羅蜜因緣故。令無量眾生出家受戒發阿耨多羅三藐三菩提心。 |
是の人は、功徳の果報未だ成ぜずと雖も、当に知るべし、是の人は、六波羅蜜、三十七品、乃至十八不共法を具足す。是の福徳を具足して、淳熟するが故に、多く衆生を利益す。謂わゆる檀波羅蜜、尸羅波羅蜜の因縁の故に、富貴の家に生じて、自ら布施を行じ、人に教えて布施せしめ、羼提波羅蜜、禅波羅蜜の因縁の故に、無量の衆生をして、出家し、受戒して、阿耨多羅三藐三菩提心を発さしむ。 |
是の、
『人』の、
『功徳の果報』は、
『未だ、成就していない!』が、こう知るべきである、――
是の、
『人』は、
『六波羅蜜、三十七品乃至十八不共法』を、
『具足し!』、
是の、
『福徳を具足して、淳熟である
( his meritorious virtue is completely ripened )!』が故に、
『衆生』を、
『多く利益する!』。
謂わゆる、
『檀波羅蜜、尸羅波羅蜜の因緣』の故に、
『富貴の家に生じて!』、
『自ら、布施を行じ!』、
『人に、布施を教え!』、
『羼提波羅蜜、禅波羅蜜の因緣』の故に、
『無量の衆生を出家、持戒させて!』、
『阿耨多羅三藐三菩提の心』を、
『発させるのである!』、と。
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淳熟(じゅんじゅく):完全に熟した( completely ripened )、梵語 paripakva の訳、完全に成熟/完成/成就/円熟した(
Quite ripe, mature, accomplished, perfect. )の意。
福徳(ふくとく):梵語 puNya の訳、善/正/徳/浄( the good or right, virtue, purity )の義、称讃に価する徳(
the meritorious virtue )の意。 |
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此中佛說因緣。是人從我及過去諸佛聞應薩婆若大乘法。是故後生不失是心。 |
此の中に仏は因縁を説きたまわく、『是の人は、我れ及び過去の諸仏に従いて、薩婆若に応ずる大乗の法を聞き、是の故に、後生にも是の心を失わざるなり』、と。 |
此の中に、
『仏』は、
『因縁』を、こう説かれている、――
是の、
『人』は、
『わたしや、過去の諸仏より!』、
『薩婆若に応じる大乗の法』を、
『聞いた!』ので、
是の故に、
『後生に於いても!』、
『阿耨多羅三藐三菩提の心』を、
『失わないのである!』。
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是人亦教化他人說如是事。如然一燈展轉皆然。 |
是の人は、亦た他人を教化して、是の如き事を説かしむこと、一灯を然(もや)せば、展転して、皆然ゆるが如し。 |
是の、
『人』は、
亦た、
『他人を教化して!』、
是のような、
『事』を、
『説かせるのである!』が、
譬えば、
『一灯を燃やせば( to light a candle )!』、
『展転して( successively )!』、
『皆、燃えるようなものである!』。
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是人諸煩惱薄無慳貪嫉妒瞋恚故不相讒謗。常一心和合。是故魔若魔民不能沮壞。若人少有錯故魔得其便。如人有瘡受毒。魔是欲界主尚不能沮壞。何況惡行人。 |
是の人の諸の煩悩薄く、慳貪、嫉妒、瞋恚無きが故に、相讒謗せず、常に一心に和合すれば、是の故に魔若しは魔民は、沮壊する能わず。若し人、少し錯有れば、故に魔は、其の便を得ること、人に瘡有れば、毒を受くるが如し。魔は、是れ欲界の主なるも、猶尚お沮壊する能わず、何に況んや、悪行の人をや。 |
是の、
『人』は、
『諸の煩悩が薄く、慳貪、嫉妒、瞋恚が無い!』が故に、
『相讒謗することがなく( nobody slanders another )!』、
『一心に和合する( they are harmonized and of one mind )!』ので、
是の故に、
『魔や、魔民』に、
『沮壊されることがない!』。
若し、
『人』に、
『少しでも、錯が有れば( if they make few mistakes )!』、
是の故に、
『魔』が、
『便を得る( get their opportunities )!』が、
譬えば、
『人に、瘡が有れば!』、
『毒』を、
『受けるようなものである!』。
『魔は、欲界の主である!』のに、
尚お、
是の、
『人』を、
『沮壊することはできない!』。
況して、
『悪行の人』に、
『沮壊できるはずがない!』。
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讒謗(ざんぼう):梵語 bheda-varNa-vaadin の訳、中傷/悪口を言うこと( slander )。
一心(いっしん):梵語 avikSipta-citta の訳、乱れない心( a unfrustrated mind )の義。
和合(わごう):梵語 saMgraha, saMgRhiita の訳、握られた/捉らえられた/受け止められた/集中した/集められた( grasped,
seized, caught, taken, received, collected, gathered )の義、調和した( harmonized
)の意。 |
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或有人惡行而非惡。如未離欲聖人。以是故說惡行人毀呰般若波羅蜜即毀壞菩薩。 |
或は有る人は、悪行なれども悪に非ず。未だ離欲せざる聖人の如し。是を以っての故に説かく、『悪行の人、般若波羅蜜を毀呰すれば、即ち菩薩を毀壊す』、と。 |
或は、
有る、
『人』は、
『悪行である!』が、
『悪人ではない!』。
未だ、
『欲を離れない!』、
『聖人のようなものである!』。
是の故に、 こう説く、――
『悪行の人』が、
『般若波羅蜜を毀呰すれば( to slander the p.p. )!』、 即ち、
『菩薩』を、
『毀壊することになる( to blame )!』、と。
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毀呰・毀訾(きし):梵語 avarNa の訳、無表情( having no outward appearance, colourless )の義、非難する・悪く言う( blame, speaking ill of )の意。
毀壊(きえ):非難する( to censure )、梵語 prati-√(baadh) の訳、撃退する/払いのける( beat back, ward
off )、妨害する/制止する( to check, restrain )、苦痛を与える/苦しめる( to pain, torment )の義。 |
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復次諸善男子善女人無量世來愛佛法深著實法。信力慧力多故聞深般若波羅蜜。得大慈大悲心故隨眾生力令入深般若波羅蜜。若令得般若因緣。所謂布施持戒等諸善根。 |
復た次ぎに、諸の善男子、善女人は、無量世より来、仏法を愛して、深く実法に著するも、信力、慧力多きが故に、深般若波羅蜜を聞き、大慈大悲の心を得るが故に、衆生の力に随いて、深き般若波羅蜜に入れしめ、若しは般若の因縁を得しむ。謂わゆる布施、持戒等の諸の善根なり。 |
復た次ぎに、
『諸の善男子、善女人』は、
『無量世』以来、
『仏法を愛して!』、
『実法』に、
『深く、著する!』が、
『信力、慧力が多い!』が故に、
『深い般若波羅蜜』を、
『聞けば!』、
『大慈、大悲の心を得る!』が故に、
『衆生の力に随って!』、
『深い般若波羅蜜』に、
『入らせ!』、
若しくは、
『般若の因縁』を、
『得させる!』。 謂わゆる、 『布施、持戒』等の、
『諸の善根である!』。
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為阿耨多羅三藐三菩提故者。是善男子善女人求無上道故。教他令住諸善根福德 |
阿耨多羅三藐三菩提の為めの故にとは、是の善男子、善女人は無上道を求むるが故に、他を教えて、諸の善根の福徳に住せしむるなり。 |
『阿耨多羅三藐三菩提の為めの故に!』とは、――
是の、
『善男子、善女人が、無上道を求める!』が故に、
『他人に教えて!』、
『諸の善根、福徳』に、
『住させることである!』。
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