【論】釋曰。舍利弗。聞般若波羅蜜甚深微妙聞者尚難何況能行。是故言信解般若者是為希有。是故問。世尊若信解般若者。是人於何處終來生是間。 |
釈して曰く、舎利弗の聞かく、『般若波羅蜜の甚深微妙なること、聞くすら尚お難し、何に況んや能く行うをや』、と。是の故に言わく、『般若を信解するは、是れを希有と為す』、と。是の故に問わく、『世尊、若し般若を信解すれば、是の人は、何処に終りてか、是の間に来生する』、と。 |
釈す、
『舎利弗』は、 こう聞いた、――
『般若波羅蜜』の、
『甚深微妙の義』は、
『聞くことすら!』、
『難しいのに!』、
況して、
『行うこと!』は、
『言うまでもない!』、と。
是の故に、 こう言ったのである、――
『般若』を、
『信解する!』者は、
『希有のことである!』、と。
是の故に、 こう問うた、――
世尊!
若し、
『般若』を、
『信解すれば!』、
是の、
『人』は、
何のような
『処』に、
『終って!』、
是の、
『間』に、
『来生するのですか?』、と。
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舍利弗作是念。是人應從好世界終來生是間。是人不應新發意。不應少供養佛。不應少行六波羅蜜。必是大德人。未聖而能知聖法故。是故問。發意幾時供養幾佛。行六波羅蜜幾時。 |
舎利弗の是の念を作さく、『是の人は、応に好き世界に終りてより、是の間に来生すべし。是の人は、応に新発意なるべからず、応に仏を供養すること少なかるべからず、応に六波羅蜜を行ずること少なかるべからず、必ず是れ大徳の人にして、未だ聖にあらずとも、能く聖の法を知るが故なり』、と。是の故に問わく、『発意して幾ばくの時なりや、幾ばくの仏を供養せしや、六波羅蜜を行ずること、幾ばくの時なりや』、と。 |
『舎利弗』は、 こう念じた、――
是の、
『人』は、
『好い世界に、生を終えてから!』、
是の、
『間』に、
『来生したはずであり!』、
是の、
『人』が、
『新発意であるはずがなく!』、
『仏』を、
『供養したのも!』、
『少いはずがなく!』、
『六波羅蜜』を、
『行じたのも!』、
『少いはずがなく!』、
是の、
『人』は、
『必ず、大徳である!』。
若し、
『未だ、聖人でなくても!』、
『聖法』を、
『知ることができるからである!』、と。
是の故に、こう問うた、――
是の、
『人』は、
『発意して!』、
何れほどの、
『時』を、
『経て!』、
何れほどの、
『仏』を、
『供養したのであり!』、
『六波羅蜜を行じて!』、
何れほどの、
『時』を、
『経たのですか?』、と。
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能隨順解深般若波羅蜜義者。是菩薩於諸法不取相不著空。行空行和合五波羅蜜。行般若波羅蜜。用大慈悲心。為一切眾生。行般若波羅蜜故。 |
能く、深い般若波羅蜜の義に随順して解すとは、是の菩薩は、諸法に於いて、相を取らず、空に著せず、空を行じ、五波羅蜜を和合して行じ、般若波羅蜜を行じ、大慈悲心を用うるは、一切の衆生の為に、般若波羅蜜を行ずるが故なり。 |
『深い般若波羅蜜』の、
『義に随順して!』、
『理解する!』とは、――
是の、
『菩薩』は、
『諸法』の、
『相』を、
『取ることもなく!』、
『諸法』は、
『空であること!』にも、
『著さず!』、
『空を行じながら!』、
『五波羅蜜を和合して!』、
『行じ!』、
『般若波羅蜜を行じながら!』、
『大慈悲心』を、
『用いる!』のは、
則ち、
『一切の衆生の為めに!』、
『般若波羅蜜』を、
『行じるからである!』。
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十方諸佛清淨世界中終來生是間者。為度有緣眾生。又與釋迦文尼佛。共因緣故。雖有此間死此間生者。但以從他方佛所來者貴故。 |
十方の諸仏の清浄の世界中に終り、是の間に来生すとは、有縁の衆生を度せんが為、又釈迦文尼仏と因縁を共にするが故に、此の間に死し、此の間に生ずる者有りと雖も、但だ他方より仏所に来たる者を以って貴ぶが故なり。 |
『十方』の、
『諸仏の清浄の世界』中に、
『生を終えて!』、
是の、
『間』に、
『来生する!』とは、――
『有縁』の、
『衆生を度す!』為めの故に、
是の、
『間』に、
『来生するのであり!』、
又、
『釈迦文尼仏と共にする!』、
『因縁』の故に、
是の、
『間』に、
『来生するのである!』。
又、
『此の間に死に!』、
『此の間に生じる!』者も、
『有る!』が、
但だ、
『他方の仏所より!』、
『来た!』者を、
『貴ぶからである!』。
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發心來無量阿僧祇劫。諸福德力集厚故。能信解隨順深義。 |
発心してより来、無量阿僧祇劫の諸の福徳の力集まりて厚きが故に、能く深義を信解して随順す。 |
『発心してから!』、
『無量、阿僧祇劫に集めた!』、
『諸の福徳の力が、厚い!』が故に、
『深い義に随順して!』、
『信解することができるのである!』。
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有人雖無量阿僧祇劫發心。久不行功德者。是故說從發心來 |
有る人は、無量阿僧祇劫に発心すと雖も、久しく功徳を行ぜざれば、是の故に説かく、『発心してより来(このかた)』、と。 |
有る、
『人』は、
『発心してから!』、
『無量阿僧祇劫』を、
『経た!』が、
『久しく!』、
『功徳』を、
『行じていない!』ので、
是の故に、
『発心してより!』、
『来( ever since )!』と、
『説くのである!』。
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常行六波羅蜜。常行六波羅蜜福德故。能得見能得供養無量無邊阿僧祇佛。 |
常に、六波羅蜜を行ずれば、常に六波羅蜜を行ずる福徳の故に、無量無辺阿僧祇の仏を能く見(まみ)ゆるを得、能く供養するを得。 |
常に、
『六波羅蜜を行じれば!』
常に、
『六波羅蜜を行じて!』、
『福徳』を、
『得る!』が故に、
『無量、無辺、阿僧祇の仏』に、
『見えることができ( be able to meet )!』、
『供養することができる( be able to serve )』。
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是菩薩成就上四因緣故。得無量無邊福德智慧。是福德因緣故。諸煩惱薄心柔軟。菩薩信慧等。諸根利轉增得力故。深入般若波羅蜜。污厭世間事。若見般若波羅蜜經卷。即時心生如見佛。若披卷尋義。即時心生如從佛聞。 |
是の菩薩は、上の四因縁を成就するが故に、無量無辺の福徳の智慧を得、是の福徳の因縁の故に、諸の煩悩薄れて、心柔軟となり、菩薩の信、慧等の諸根の利転(うた)た増して、力を得るが故に深く般若波羅蜜に入り、世間の事を汚厭す。若し般若波羅蜜の経巻を見れば、即時に心生じて、仏を見るが如く、若し披巻して、義を尋ぬれば、即時に心生じて、仏より聞くが如し。 |
是の、
『菩薩』は、
『上の四因縁を成就する!』が故に、
『無量、無辺の福徳、智慧を得て!』、
是の、
『福徳の因縁( in order to the meritorious virtue )』の故に、
『諸の煩惱が薄れて!』、
『心』が、
『柔軟になり!』
『菩薩の信、慧等の諸根( 信、精進、念、定、慧)』が、
転た( progressively )、
『利を増して( increasing the sharpness )!』、
『力を得る!』が故に、
深く、
『般若波羅蜜に入って!』、
『世間の事』を、
『汚厭し!』、
若し、
『般若波羅蜜の経巻を見れば!』、
即時に、
『心が生じて( to think in their mind that )!』、
『仏』に、
『見えるようであり!』、
若し、
『経巻を披巻して、義を尋ねれば!』、
即時に、
『心が生じて!』、
『仏より!』、
『聞くようである!』。
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汚厭(うえん):染汚を厭う。
披巻(ひけん):経巻を展べひらき、又巻きとじること。
心生(しんしょう):梵語 citta-utpatti, cittOtpatti の訳、心の生起( arising of a mind )の義、心に思う(
to think in one's mind )の意。 |
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信力成就慧力成就故。隨順解深般若波羅蜜義。所謂一切無相故。出十二入。二法不二法中。心無所著故。名無所得。略說三相。是隨順解般若波羅蜜義。 |
信力成就し、慧力成就するが故に、深き般若波羅蜜の義に随順して解す、謂わゆる一切は無相なるが故に、十二入を出で、二法と不二法中に、心の著する所無きが故に、無所得と名づけ、略説すれば三相は、是れ般若波羅蜜の義に随順して解すなり。 |
『菩薩』は、
『信力、慧力が成就する!』が故に、
『般若波羅蜜』の、
『深い義に随順して!』、
『理解する!』。
謂わゆる、
『一切は無相である!』が故に、
『十二入である!』、
『六情、六塵』を、
『出て!』、
『二法、不二法』中に、
『心の著する!』所が、
『無い!』が故に、
是れを、
『無所得』と、
『称する!』。
略説すれば、
『無相、無二、無所得という!』、
『三相であり!』、
是れが、
『般若波羅蜜』の、
『義に随順して( according to the meaning )!』、
『理解するということである!』。
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須菩提聞說見經卷如見佛。讀經文如從佛聞。如似有著。是故問。般若可見可聞耶。 |
須菩提は、『経巻を見ること、仏を見るが如く、経文を読むこと、仏より聞くが如し』と説くを聞くに、著有るに似たるが如ければ、是の故に問わく、『般若は見るべく、聞くべしや』、と。 |
『須菩提』は、
『経巻を見る!』のは、
『仏』を、
『見るようだ!』とか、
『経文を読む!』のは、
『仏より!』、
『聞くようだ!』と、
是のように、
『仏が説かれる!』のを、
『聞いた!』が、
是の、
『所説』は、
『著が有る!』のに、
『似ている!』ので、
是の故に、こう問うた、――
『般若波羅蜜』を、
『見ることができ!』、
『聞くことができるのか?』、と。
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須菩提意。以般若波羅蜜畢竟空。天眼天耳猶不能見聞。何況肉眼肉耳。出世間慧眼亦不得見。何況世間眼。 |
須菩提は意に、『般若波羅蜜は、畢竟じて空なるを以って、天眼、天耳にも、猶お見聞する能わず、何に況んや肉眼、肉耳をや。出世間の慧眼も、亦た見るを得ず、何に況んや世間の眼をや』、となり。 |
『須菩提の意』は、こうである、――
『般若波羅蜜は、畢竟空である!』が故に、
『天眼、天耳を用いても!』、
尚お( yet )、
『見ることも!』、
『聞くこともできない!』。
況して、
『肉眼、肉耳』は、
『尚更である!』。
亦た、
『出世間の慧眼』も、
『見ることはできない!』、
況して、
『世間の眼』は、
『言うまでもない!』、と。
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佛順其意答。般若波羅蜜不可得見聞。 |
仏の其の意に順じて答えたまわく、『般若波羅蜜は、見聞すること得べからず』、と。 |
『仏』は、
『須菩提の意に順じて!』、こう答えられた、――
『般若波羅蜜』を、
『見、聞すること!』は、
『得られないのである( cannnot obtain )!』、と。
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此中說因緣。諸法入般若波羅蜜中。皆一相無相。是中無分別聞者見者及可聞可見。三界凡夫人。作分別是眼是色是耳是聲。六情是利六塵是鈍。色等諸法是鈍。慧等是利。 |
此の中に、因縁を説かく、『諸法は、般若波羅蜜中に入れば、皆一相、無相なり。是の中には、聞者、見者、及び可聞、可見の分別無し。三界の凡夫人は分別して、『是れは眼、是れは色、是れは耳、是れは声、六情は是れ利なり、六塵は是れ鈍なり、色等の諸法は是れ鈍なり、慧等は是れ利なり』と作す。 |
此の中に、
『因縁』を、こう説かれている、――
『諸法』は、
『般若波羅蜜中に入れば!』、
皆、
『一相であり!』、
『無相であり!』、
是の、
『般若波羅蜜』中には、
『聞く者も、見る者も( any audience or viewer )!』、
『可聞も、可見も( anything that is audible or viewable )!』、
『分別が無いのである!
( There is not any difference between them )』が、
『三界の凡夫人』は、
『是れが眼、是れが色、是れが耳、是れが声である!』、
『六情は利であるが、六塵は鈍である!』、
『色等の諸法は鈍であるが、慧等は利である!』と、
『分別を作すのである!
( to make the difference between them )』。
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諸法入般若波羅蜜中。如百川歸海皆為一味。是故說般若波羅蜜不可見不可聞。以諸法鈍故。從檀波羅蜜。乃至佛道須陀洹。乃至佛亦如是。 |
諸法は、般若波羅蜜中に入れば、百千の海に帰するが如く、皆一味と為る。是の故に説かく、『般若波羅蜜は、見るべからず、聞くべからず、諸法の鈍なるを以っての故なり。檀波羅蜜より、乃至仏道、須陀洹より、乃至仏まで、亦た是の如し』、と。 |
『諸法』が、
『般若波羅蜜中に入る!』のは、
譬えば、
『百川』が、
『海に帰すれば!』、
『皆、一味と為るようなものであり!』、
是の故に、こう説くのである、――
『般若波羅蜜』が、
『不可見、不可聞である!』のは、
『諸法』が、
『鈍だからである!』が、
『檀波羅蜜、乃至仏道、須陀洹、乃至仏』が、
『不可見である!』のも、
亦た、
『是の通りである!』、と。
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復次眾生離法不能聞。不能見。法離眾生亦不能聞不能見。 |
復た次ぎに、衆生は、法を離れて聞く能わず、見る能わず、法は衆生を離れて、亦た聞く能わず、見る能わず。 |
復た次ぎに、
『衆生』は、
『法を離れれば!』、
『聞くこともできず!』、
『見ることもできない!』が、
『法』も、
『衆生を離れれば!』、
『聞くこともできず!』、
『見ることもできないのである!』。
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問曰。上已問菩薩發意幾時供養幾佛能順解深義。今何以更問。 |
問うて曰く、上に已に問わく、『菩薩は発意して幾ばくの時ぞ、幾ばくの仏を供養して、能く深義を順解する』、と。今は何を以ってか、更に問う。 |
問い、
上に、
已に、こう問うている、――
『菩薩』は、
『発意してから!』、
何れほどの、
『時』を、
『経て!』、
何れほどの、
『仏』を、
『供養すれば!』、
深い、
『義に順じて!』、
『理解することができるのか?』、と。
今は、
何故、
『更に、問うのですか?』。
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答曰。上佛說般若無聞無見。亦說見般若經卷如見佛。讀般若如從佛聞 |
答えて曰く、上に仏の説きたまわく、『般若には聞く無く、見る無し』と。亦た説きたまわく、『般若の経巻を見るは、仏を見るが如し。般若を読むは、仏より聞くが如し』、と。 |
答え、
上に、
『仏』は、 こう説かれている、――
『般若波羅蜜』には、
『聞くことも、見ることも!』、
『無い!』、と。
亦た、こう説かれている、――
『般若波羅蜜の経巻を見る!』のは、
『仏』を、
『見るようなものであり!』、
『般若を読むこと!』は、
『仏より!』、
『聞くようなものである!』、と。
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二相說。是般若亦言可見可聞。亦言不可見不可聞。是故還問。佛菩薩幾時行得是方便。能行有能行無。行有不墮三界。行無不墮斷滅。能隨般若波羅蜜相行。 |
二相もて、是の般若を説き、亦た言わく、『見るべし、聞くべし』と、亦た言わく、『見るべからず、聞くべからず』、と。是の故に還た問わく、『仏、菩薩は、幾ばくの時に行じてか、是の方便を得、能く有を行じ、能く無を行じ、有を行じて、三界に堕せず、無を行じて、断滅に堕せずして、能く般若波羅蜜の相、行に隨う』、と。 |
『見、聞の二相を用いて!』、
是の、
『般若を説かれたのである!』が、
亦た、
『般若』は、
『見ることができ、聞くことができる!』とも、
『言われ!』、
亦た、
『見ることもできず、聞くこともできない!』とも、
『言われた!』ので、
是の故に、
還た、こう問うたのである、――
『仏、菩薩』は、
『般若を行じてから!』、
何れほどの、
『時を経て!』、
是の、
『方便を得て!』、
『有や、無を!』、
『行じ!』、
『有法を行じながら!』、
『三界』に、
『堕ちることもなく!』、
『無法を行じながら!』、
『断滅』に、
『堕ちることもなく!』、
『般若波羅蜜』の、
『相や、行に!』、
『随うことができるのですか?』、と。
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佛答有此事不定。應當分別說。或有菩薩。初發心便能習行甚深六波羅蜜。 |
仏の答えたまわく、『有るいは此の事定まらず。応当に分別して説くべし。或いは有る菩薩は、初発心より、便ち能く甚深の六波羅蜜を習行す』、と。 |
『仏』は、 こう答えられた、――
有るいは、
此の、
『事』は、
『定まらない!』ので、
当然、
『分別して!』、
『説かねばならない!』。
或いは、
有る、
『菩薩』は、
『初発心より!』、
便ち( smoothly )、
『甚だ深い六波羅蜜』を、
『習行しすることができる( can practice repeatedly )!』。
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習行者一心信受常行。 |
習行とは、一心に信受して、常に行うなり。 |
『習行』とは、
『一心に信受して!』、
『常に!』、
『行うことである!』。
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方便力故者。雖行六波羅蜜。起福德因緣。而心不著 |
方便の力の故にとは、六波羅蜜を行じて、福徳の因縁を起こすと雖も、而も心は著せざるなり。 |
『方便の力の故に!』とは、――
『六波羅蜜を行じて!』、
『福徳の因縁を起しながら!』、
『心』が、
『福徳に著さないことである!』。
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諸法。無所破壞者。是菩薩信力智慧力大故。聞摩訶衍深法。即時信聞聲聞法。亦信聞外道在家出家法亦不破壞。而於中出二種利。一者分別是道非道。捨非道行是道。二者一切法入般若波羅蜜中。無是無非無破無受。 |
諸法に破壊する所無しとは、是の菩薩は、信力、智慧力大なるが故に、摩訶衍の深法を聞けば、即時に信じて、声聞法を聞き、亦た信じて、外道の在家、出家の法を聞きて、亦た破壊せず、中に於いては、二種の利を出す、一には是道と、非道とを分別し、非道を捨てて、是道を行ず、二には一切の法は、般若波羅蜜中に入れば、是無く、非無く、破無く、受無し。 |
諸の、
『法』に、
『破壊する!』所が、
『無い!』とは、――
是の、
『菩薩』は、
『信力、智慧力が大である!』が故に、
『摩訶衍という!』、
『深法を聞けば!』、
『即時に!』、
『信じ!』、
『声聞法を聞いても!』、
亦た、
『信じ!』、
『外道』の、
『在家や、出家の法を聞いても!』、
亦た、
『破壊することなく!』、
而も、
『外道法中に、二種の利を出す!』。
一には、
『是道と非道を分別し!』、
『非道を捨てて!』、
『是道を行じる!』。
二には、
『一切法が、般若波羅蜜中に入るので!』、
『是も、非も無く!』、
『破ることも、受けることも無い!』。
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不見諸法無利益者。即是上說。於中出利者。是德福具足故。終不遠離六波羅蜜。乃至淨佛世界。略說義。 |
諸法に利益無きを見ずとは、即ち是れ上に、『中に於いて利を出す』、と説き、是の福徳具足するが故に、終に六波羅蜜を遠離せず、乃至仏世界を浄む。義を略説せり。 |
『諸法』には、
『利益が無い!』と、
『見ることがない!』とは、――
即ち( this is )、
是の上に、
『外道法中に、利を出す!』と、
『説いたのである!』が、
是の、
『福徳を具足する!』が故に、
終に、
『六波羅蜜を遠離せず!』、
乃至、
『仏世界』を、
『浄めるのである!』。
『利益が無いと見ない!』の、
『義』を、
『略説した!』。
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有菩薩雖新發意。深信受是般若波羅蜜。有菩薩久發意。供養千萬億諸佛。用有所得行六波羅蜜。不信受是般若波羅蜜。此中佛自說因緣。是人於過去世。聞深般若波羅蜜。不信不受從坐起去。 |
有る菩薩は、新発意なりと雖も、是の般若波羅蜜を深く信受す。有る菩薩は、久しく意を発して、千万億の諸仏を供養するも、有所得を用って、六波羅蜜を行ずれば、是の般若波羅蜜を信受せず。此の中に仏の自ら、因縁を説きたまわく、『是の人は、過去世に深き般若波羅蜜を聞いて、信ぜず、受けず、坐より起ちて去れり』、と。 |
有る、
『菩薩』は、
『新たに発意しながら!』、
是の、
『般若波羅蜜』を、
『深く、信受するのであり( to have profound faith in )!』、
有る、
『菩薩』は、
『久しく発意して!』、
『千万億の諸仏』を、
『供養しながら!』、
『有所得を用いて、六波羅蜜を行じる!』ので、
是の、
『般若波羅蜜』を、
『信、受しない!』。
是の中に、
『仏』は、
自ら、
『因縁』を、こう説かれた、―― 是の、
『人』は、
『過去世』に於いても、
深い、
『般若波羅蜜を聞きながら!』、
『信、受することもなく!』、
『坐より、起ち去ったのである!』、と。
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今佛為說不信不受。破般若波羅蜜罪業果報故。說是人不信不受業因緣故。即起愚癡業因緣。得愚癡業因緣故。疑悔惡邪著心轉增。著心轉增故。於大眾中。毀訾破壞般若波羅蜜。破壞般若波羅蜜故。破三世十方諸佛一切智。破三世十方諸佛一切智罪故。轉身墮大地獄。 |
今、仏の信ぜず、受けずして、般若波羅蜜を破する罪業の果報を説かんが為の故に、説きたまわく、『是の人は、信ぜず、受けざる業の因縁の故に、即ち愚癡の業の因縁を起こし、愚癡の業の因縁を得るが故に、疑悔、悪邪、著心転た増し、著心の転(うた)た増すが故に、大衆中に於いて、般若波羅蜜を毀訾し、破壊して、般若波羅蜜を破壊するが故に、三世十方の諸仏の一切智を破り、三世十方の一切智を破る罪の故に、身を転じて、大地獄に堕つ』、と。 |
今、
『仏』は、
『般若波羅蜜を信、受することなく!』、
『般若波羅蜜を破る!』、
『罪業の果報』を、
『説こうとして!』、
こう説かれた、――
是の、
『人』は、
『般若波羅蜜を信、受しない!』、
『業の因縁』の故に、
即ち、
『愚癡の業』の、
『因縁』を、
『起すことになり!』、
『愚癡の業の因縁を得る!』が故に、
『疑悔、悪邪、著心』が、
転た( progressively )、
『増し!』、
『著心が、転た増す!』が故に、
『大衆』中に於いて、
『般若波羅蜜』を、
『毀呰し、破壊して( to blame and refute )!』、
『般若波羅蜜を破壊する!』が故に、
『三世、十方の諸仏』の、
『一切智』を、
『破り!』、
『三世、十方の諸仏の一切智を破る!』、
『罪業』の故に、
『身を転じて!』、
『大地獄に堕ちるのである!』。
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破壊(はえ):梵語 bhagna, vinaaza, vinaazaka, bheda の訳、破壊された/取り壊す/破壊する/粉砕する( broken, to break down, tear down, destroy, demolish )の義、敵を論破する( to refute an opponent's argument )の意。 |
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大地獄者。阿鼻地獄。無量百千萬億阿僧祇歲。受憂愁苦惱。憂愁是心苦。惱是身苦。 |
大地獄とは、阿鼻地獄に無量百千万億阿僧祇歳、憂愁と苦悩を受くるなり。憂愁は、是れ心苦、悩は是れ身苦なり。 |
『大地獄』とは、
『阿鼻地獄であり!』、
『無量百千万億阿僧祇歳』の、
『憂愁』と、
『苦悩』とを、
『受けることである!』が、
『憂愁』とは、
『心』の、
『苦痛であり!』、
『悩』とは、
『身』の、
『苦痛である!』。
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從一大地獄。至一大地獄者。如福德因緣故。上有六欲天。罪業因緣亦如是。下有八種大地獄。八種大地獄。各有十六小地獄。是中阿鼻最大。餘須彌四天下亦如是。 |
一大地獄より、一大地獄に至るとは、福徳の因縁の故に、上に六欲天有るが如し。罪業の因縁も亦た是の如く、下に八種の大地獄有り、八種の大地獄には、各十六の小地獄有り。是の中に阿鼻は最大なり。余の須弥、四天下も、亦た是の如し。 |
『一大地獄より、一大地獄に至る!』とは、――
譬えば、
『福徳の因縁』の故に、
『罪業の因縁』の故に、
是のように、
下に、
『八種の大地獄が有り!』、
『八種の大地獄』には、
各、
『十六の小地獄』が、
『有る!』が、
是の中には、
『阿鼻大地獄』が、
『最大である!』。
餘の、
『須弥や、四天下』も、
亦た、
『是の通りである!』。
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是三千大千世界中。有百億須彌山。有百億阿鼻地獄。是故說從一阿鼻大地獄至一阿鼻大地獄。如人從會至會。 |
是の三千大千世界中には、百億の須弥山有り、百億の阿鼻地獄有り、是の故に説かく、『一阿鼻大地獄より、一阿鼻大地獄に至る』、と。人の会より、会に至るが如し。 |
是の、
『三千大千世界』中には、
『百億』の、
『須弥山』が、
『有り!』、
『百億』の、
『阿鼻地獄』が、
『有る!』ので、
是の故に、こう説く、――
『一阿鼻大地獄より!』、
『一阿鼻大地獄』に、
『至る!』、と。
譬えば、
『人』が、
『会より( from a meeting )!』、
『会に至る( to a meeting )ようなものである!』。
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又如入正位者從天上來受人間樂從人中還至天上受樂。若此間火劫起。其罪未盡故。轉至他處。十方世界大地獄中受罪。若彼間火劫起。復展轉至他方。他方火劫起。復還生此間阿鼻地獄中。展轉如前。 |
又、正位に入る者の、天上より来たりて、人間の楽を受け、人中より還た天上に至りて、楽を受くるが如く、若し此の間に火劫起らば、其の罪未だ尽きざるが故に、転じて他処に至りて、十方の世界の大地獄中に、罪を受け、若し彼の間に、火劫起らば、復た展転として他方に至り、他方に火劫起らば、復た還って、此の間の阿鼻地獄中に生じて、展転すること前の如し。 |
又、
『正位に入った( one who should not swerve the correct way )!』者が、
『天上より、来て!』、
『人間の楽』を、
『受け!』、
『人中より、還って天上に至って!』、
『楽』を、
『受けるように!』、
『阿鼻地獄に堕ちた!』者は、
若し、
『此の間に、火劫が起れば!』、
其の、
『罪が、未だ尽きていない!』が故に、
此の、
『間より、転じて!』、
『他の処』に、
『至り!』、
『十方の世界』の、
『大地獄』中に、
『罪を受け!』、
若し、
『彼の間に、火劫が起れば!』、
『復た、展転として( one after another )!』、
『他方』に、
『至り!』、
『他方に、火劫が起れば!』、
『復た、此の間に還って!』、
『阿鼻地獄』中に、
『生じ!』、
復た、
『十方を展転とすること!』、
『前の通りである!』。
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展転(てんでん):梵語 uttarottaram の訳、増々( more and more, higher and higher, further
and further )、常に増しながら( always increasing )の義、常に継続して/続々と( always following,
in constant continuation, one after another )の意。 |
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是破般若波羅蜜罪。小滅展轉生勤苦畜生中。此間火劫起。復生他方世界畜生中展轉受苦。彼間火劫起還來此間。復展轉如前。 |
是の般若波羅蜜を破る罪が、小し滅せば、展転として、勤苦の畜生中に生じ、此の間に火劫起らば、復た他方世界の畜生中に生じて、展転として苦を受け、彼の間に火劫起らば、還って此の間に来て、復た展転すること前の如し。 |
是の、
『般若波羅蜜を破る!』、
『罪が、小し滅すれば!』、
『展転して!』、
『勤苦の畜生( the painful animal )』中に、
『生じ!』、
『此の間に、火劫が起れば!』、
『復た、他方世界』の、
『畜生』中に、
『生じながら!』、
『展転して!』、
『苦』を、
『受け!』、
『彼の間に、火劫が起れば!』、
『還って、此の間に来て!』、
『復た、前のように!』、
『展転する!』。
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罪轉微輕或得人身生下賤家。所謂生生盲家。不欲見般若波羅蜜。罪故輕賤說法人故生旃陀羅及除糞擔死人等下賤家。毀呰說法者故無舌。不欲聞故無耳。麾手非撥故無手。此人心雖愛佛。以愚癡無智故。毀滅佛母破壞法藏。破壞法藏故。生無佛法眾處。 |
罪の転た微軽となるに、或いは人身を得て、下賎の家に生ず、謂わゆる生盲の家に生じ、般若波羅蜜を見んと欲せざる罪の故なり。説法人を軽賎したるが故に、旃陀羅、及び除糞、擔死人等の下賎の家に生まれ、説法者を毀呰したるが故に舌無く、聞かんと欲せざるが故に耳無く、手を麾(ふ)りて非撥したるが故に手無し。此の人は、仏を愛すと雖も、愚癡、無智なるを用っての故に、仏母を毀滅し、法蔵を破壊し、法蔵を破壊するが故に、仏、法、衆無き処に生ず。 |
『罪』が、
『転た、微軽になれば( gradually decreases extremely light )!』、
或は、
『人身を得て!』、
『下賎の家』に、
『生じるのである!』が、
謂わゆる、
『生盲の家に、生じる!』のは、
『般若波羅蜜を見ようとしなかった!』、
『罪の故であり!』、
『説法人を軽賎する!』が故に、
『栴陀羅や、除糞人、擔死人等の下賎の家』に、
『生じ!』、
『説法者を毀呰する!』が故に、
『舌』が、
『無く!』、
『聞こうとしなかった!』が故に、
『耳』が、
『無く!』、
『手を麾って、説法者を非撥した!』が故に、
『手』が、
『無い!』。
此の、
『人の心』は、
『仏を愛しながら、愚癡、無智である!』が故に、
『仏母を毀滅して!
( to blame and destroy Buddha's Mother(=PrajnaP.) )』、
『法蔵』を、
『破壊し!』、
『法蔵を破壊する!』が故に、
『仏、法、僧衆の無い!』、
『処』に、
『生じる!』。
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麾手(きしゅ):手を揺れ動かす。揮手に同じ。手を振って不要を示す。
非撥(ひほつ):非難して却ける
毀滅(きめつ):梵語 apaaya-saMvartaniiya, vyasana-saM. の訳、破壊に導く/あちらこちらに導く( leading
to destruction, leading to and fro )の義。 |
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問曰。何以不說生餓鬼中。 |
問うて曰く、何を以ってか、餓鬼中に生ずるを説かざる。 |
問い、
何故、
『餓鬼中に生じる!』と、
『説かないのですか?』。
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答曰。是破壞法者。多以二煩惱。所謂瞋恚愚癡。慳貪發故墮餓鬼。此中無慳故不說。 |
答えて曰く、是の法を破壊する者は、多く二煩悩を以ってすればなり。謂わゆる瞋恚と愚癡となり。慳貪発るが故に、餓鬼に堕つるに、此の中に慳無きが故に説かず。 |
答え、
是の、
『法を破壊する!』者は、
『二煩惱を用いること!』が、
『多いからである!』。
謂わゆる、
『瞋恚、愚癡』の故に、
『法』を、
『破壊し!』、
『慳貪を発す!』が故に、
『餓鬼』に、
『堕ちるのである!』が、
此の中に、
『慳貪が無い!』が故に、
『説かないのである!』。
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問曰。舍利弗何以言五逆罪與破法罪相似。 |
問うて曰く、舎利弗は、何を以ってか、『五逆罪は、破法の罪と相似る』、と言える。 |
問い、
『舎利弗』は、
何故、こう言ったのですか?――
『五逆罪』は、
『破法の罪』と、
『相似ている!』、と。
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答曰。舍利弗。是聲聞人常聞五逆罪最重墮阿鼻地獄一劫受苦。聲聞人不悉知供養般若得大果報。又不知謗毀般若得大罪故。舉五逆對問相似不。答言。不相似者。以相去懸遠故。 |
答えて曰く、舎利弗は、是れ声聞人なれば、常に聞かく、『五逆罪は最重なれば、阿鼻地獄に墮ちて一劫苦を受く』、と。声聞人は、悉くは、般若を供養すれば、大果報を得るを知らず、又般若を謗毀すれば、大罪を得るを知らざるが故に五逆を挙げ、対として問わく、『相似るや、不や』、と。答えて言わく、『相似ず!』とは、相去ること、懸(はるか)に遠きが故なり。 |
答え、
『舎利弗』は、
『声聞人として!』、
常に、
『五逆罪は、最も重く!』、
『阿鼻地獄に堕ちて!』、
『一劫、苦を受けることになる!』と、
『聞いていた!』が、
『声聞人』の、
悉くが、
『般若波羅蜜を供養すれば!』、
『大果報を得る!』と、
『知るわけではなく!』、
又、
『般若波羅蜜を毀謗すれば!』、
『大罪を得る!』と、
『知るわけでもない!』ので、
是の故に、
『五逆を挙げて!』、
『相似るのか?』と、
『対問したのである( to face Buddha and ask )!』。
『仏が答えて!』、こう言われたのは、――
『相似ることはない!』、と。
『五逆罪と、破法の罪とは!』、
『相去ること!』、
『懸に遠い( being very far apart )からである!』。
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懸(けん):<動詞>[本義]吊って掛ける( hang, suspend )。掛念/心配する( feel anxious, worry about )、空想する( imagine without foundation )、掲示する( reveal )、公布する( publish )、関連する( correlate )。<形容詞>懸案の/未解決の( unresolved )、孤立した( alone, sole )、空虚な( empty )、聳え立つ( steep )、危険な( dangerous )、[数量、質量、力量、規模が]懸け離れた( be far apart )、[河川等が]流れ下る( falling )。
対問(ついもん):回答しつつ問う( to reply and ask )。向かって問う( to face and ask )。 |
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所以者何。此人毀謗般若者自失大利。亦令他失。自遠離般若。亦令他遠離。自破壞善根。亦破他善根。自塗邪見毒。亦塗他邪見毒。自失其身亦失他身。自不知故。著法愛故破。亦令他破般若波羅蜜。 |
所以は何んとなれば、此の人、般若を毀謗すれば、自ら大利を失いて、亦た他をして失わしめ、自ら般若を遠離して、亦た他をして遠離せしめ、自ら善根を破壊して、亦た他をして善根を破らしめ、自ら邪見の毒に塗(まみ)れて、亦た他をして邪見の毒に塗れしめ、自ら其の身を失いて、亦た他の身をして失わしめ、自ら知らざるが故に、法に著して愛するが故に破り、亦た他をして般若波羅蜜を破らしむればなり。 |
何故ならば、
此の、
『人』が、
『般若』を、
『毀謗すれば!』、――
自ら、
『大利を失い!』、
『他人にも!』、
『失わせ!』、
自ら、
『般若を遠離し!』、
『他人にも!』、
『遠離させ!』、
自ら、
『善根を破壊し!』、
『他人にも!』、
『善根を破壊させ!』、
自ら、
『邪見の毒に塗れ!』、
『他人にも!』、
『邪見の毒に塗れさせ!』、
自ら、
『身を失い!』、
『他人にも!』、
『身を失わせ!』、
自ら、
『知らない!』が故に、
『法』に、
『著し!』、
『愛する!』が故に、
『法』を、
『破り!』、
『他人にも!』、
『般若波羅蜜』を、
『破らせるからである!』。
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如父母愛子恩極一世。又以因緣故愛。是行般若波羅蜜菩薩。於無邊世中。深心愛念眾生。父母念子無能以一眼與者。行般若波羅蜜者。於無邊劫中。以頭目髓惱積過須彌。以施眾生。 |
父母の子を愛する恩の如きは、一世に極まり、又因縁を以っての故に愛す。是の般若波羅蜜を行ずる菩薩は、無辺世中に於いて、深心に、衆生を愛念す。父母は子を念ずるも、能く一眼を以って、与うる者無きも、般若波羅蜜を行ずる者は、無辺劫中に於いて、頭目、髄脳を以って積めば、須弥に過ぐるを以って、衆生に施す。 |
例えば、
『父母が、子を愛する!』、
『恩( the affection for )』は、
『一世に!』、
『極まり!』、
又、
『因縁』の故に、
『愛する!』が、
是の、
『般若波羅蜜を行じる!』、
『菩薩』は、
『無辺世』中に於いて、
『深心に!』、
『衆生を愛念する!』。
又、
『父母は、子を念じても!』、
『一眼すら!』、
『与えられる!』者は、
『無い!』が、
『般若波羅蜜を行じる!』者は、
『無辺劫』中に於いて、
『頭目、髄脳』を、
『須弥を過ぎるほど!』、
『積んで!』、
之を、
『衆生』に、
『施すのである!』。
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出佛身血殺阿羅漢。但壞肉身不壞法身。壞僧是離眷屬讚五法不壞般若。是故五逆罪不得似壞般若波羅蜜。般若波羅蜜。能令人作佛。毀般若罪則無喻。 |
仏身より血を出し、阿羅漢を殺せば、但だ肉身を壊りて、法身は壊らず。僧を壊るは、是れ眷属を離れ、五法を讃ずるは、般若を壊らず。是の故に五逆罪は、般若波羅蜜を壊るに似るを得ず。般若波羅蜜は、能く人をして、仏に作らしむれば、般若を毀る罪は、則ち喻無し。 |
『仏身より血を出させ、阿羅漢を殺したとしても!』、
但だ、
『肉身を壊っただけで!』、
『法身』を、
『壊ったわけではない!』し、
『僧を壊ったとしても!』、
『眷属』を、
『離れただけであり!』、
『五法を讃じたとしても!』、
『般若』を、
『壊ったわけではない!』。
是の故に、
『五逆罪』は、
『般若波羅蜜を壊る!』のに、
『似るわけではない!』。
『般若波羅蜜』は、
『人』を、
『仏』に、
『作らせることができる!』ので、
『般若波羅蜜を毀る!』、
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五法(ごほう):提婆達多の五百の徒衆を率いて僧団を離脱し、自ら大師と称して制定せる所の五法を云う。即ち「十誦律巻37」に依れば、一に形寿を尽くして衲衣を受著す、二に形寿を尽くして乞食の法を受く、三に形寿を尽くして一食の法を受く、四に形寿を尽くして露地坐法を受く、五に形寿を尽くして断肉の法を受くを五法と為せり。『大智度論巻3上注:提婆達多』参照。 |
参照:『十誦律巻37』:『佛在王舍城方黑石聖山。與大比丘眾七百人俱。爾時世尊中前著衣持缽。阿難隨後入王舍城乞食。食後往詣講堂。於眾僧前敷坐處坐。調達亦如是。中前著衣持缽。迦留羅提舍隨後。入王舍城乞食。食後詣講堂隨次第坐。坐已調達僧中唱言。比丘應盡形受著納衣。應盡形受乞食。應盡形受一食。應盡形受露地住。應盡形受斷肉魚。是五法隨順少欲知足。易養易滿知時知量。精進持戒清淨一心遠離。向泥洹門。若比丘行是五法。疾得泥洹。調達爾時。非法說法法說非法。善說非善非善說善。犯說非犯非犯說犯。輕說重重說輕。有殘說無殘。無殘說有殘。常所行法說非常所行法。非常所行。法說常所行法言。說非言非言說言。佛爾時自約敕調達。汝莫作方便破和合僧。莫受持破僧因緣事。汝與僧共和合。和合者歡喜無諍。一心一學如水乳合安樂行。汝莫非法說法法說非法。非善說善善說非善。非犯說犯犯說非犯。輕說重重說輕。有殘說無殘無殘說有殘。常所行法說非常所行法。非常所行法說常所行法。言說非言非言說言。調達聞佛如是約敕。不捨破僧因緣事。當佛約敕調達不捨是事。爾時迦留羅提舍比丘。在調達後以扇扇調達。加留羅提舍比丘。即時偏袒右肩合掌白佛言。如佛讚歎頭陀功德。上人調達亦讚歎頭陀功德。佛何以生妒心。佛言。癡人。我有何妒心。過去諸佛讚歎納衣聽著納衣。我今亦讚歎納衣聽著納衣。亦聽著居士衣。癡人。過去諸佛讚歎乞食聽乞食。我今亦讚歎乞食聽乞食。亦聽請食。癡人。過去諸佛讚歎一食聽一食。我今讚歎一食聽一食。亦聽再食。癡人。過去諸佛讚歎露地住聽露地住。我今讚歎露地住聽露地住。亦聽房舍住。癡人。我不聽噉三種不淨肉。若見若聞若疑。見者。自眼見是畜生為我故殺。聞者。從可信人聞為汝故殺是畜生。疑者。是中無屠賣家。又無自死者。是人凶惡。能故奪畜生命。癡人。如是三種肉我不聽噉。癡人。我聽噉三種淨肉。何等三。不見不聞不疑。不見者。不自眼見為我故殺是畜生。不聞者。不從可信人聞為汝故殺是畜生。不疑者。是中有屠兒。是人慈心。不能奪畜生命。我聽噉如是三種淨肉。癡人。若大祠。所謂象祠馬祠人祠和闍毘耶祠三若波陀祠隨意祠。若諸世會殺生處祠。如是大祠世會中。不聽沙門釋子噉肉。何以故。是大祠世會。皆為客故。佛說是已。即從坐起入室坐禪。爾時調達作是言。我調達僧中唱言。比丘應盡形著納衣。應盡形乞食。應盡形一食。應盡形露地住。應盡形不噉肉魚。隨何比丘。喜樂是五法者。便起捉籌。唱已調達及四伴即起捉籌。調達第二復作是言。我調達僧中唱言。比丘應盡形著納衣。應盡形乞食。應盡形一食。應盡形露地住。應盡形不噉肉魚。隨何比丘。喜樂是五法者。便起捉籌。唱第二語已。有二百五十比丘。從坐起捉籌。調達第三復作是言。我調達僧中唱言。比丘應盡形著納衣。應盡形乞食。應盡形一食。應盡形露地住。應盡形不噉肉魚。隨何比丘。喜樂是五法者。便起捉籌。第三唱已。復有二百五十比丘。從坐起捉籌。爾時調達。即將是眾還自住處。更立法制。調達作是言。應盡形著納衣。應盡形乞食。應盡形一食。應盡形露地住。應盡形不噉肉魚。隨何比丘。不喜樂不忍受是五法者。是人去我等遠。與我別異不共語。』 |
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是故破般若人。我不欲聽聞其名字。何況眼見是破般若人。或先世福德因緣。廣學多聞富貴威德巧於談語諸魔官屬常隨逐佐助故。 |
是の故に、般若を破る人は、我れ、其の名字を聞くを聴(ゆる)さんと欲せず。何に況んや、眼に見るをや。是の般若を破る人の、或いは先世の福徳の因縁もて広学、多聞、富貴、威徳、談語に巧みなること、諸の魔の官属の常に随逐し、佐助するが故なり。 |
是の故に、
わたしは、
『般若を破る!』、
『人の名字を聞くことすら!』、
『弟子に聴そう( to allow my disciples to )!』とは、
『思わない!』、
況して、
『眼に見る!』のは、
『言うまでもない!』。
是の、
『般若を破る!』、
『人』が、
或は、
『先世の福徳の因縁』の故に、
『広学、多聞であり!』、
『富貴、威徳があり!』、
『談語が、巧みである!』のは、
『諸の魔の官属』が、
『常に、随逐しながら( always following )!』、
『佐助する( to suppoert )からである
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未得阿鞞跋致。菩薩見其多人供養多有出家在家弟子。是故若有說其名者不聽聞之。何況親附禮拜受其教訓。 |
未だ、阿鞞跋致を得ざる菩薩、其の多人に供養され、多く出家、在家の弟子有るを見ん。是の故に若し其の名を説く者有らば、之を聞くを聴さず。何に況んや、親附し、礼拜して、其の教訓を受くるをや。 |
『阿鞞跋致を、未だ得ていない!』、
『菩薩』が、
『多人に、供養されたり!』、
『多くの出家、在家の弟子が有るような!』、
『破法の人』を、
『見て!』、
是の故に、
其の、
『名字を説く!』者が、
『有ったとしても!』、
わたしは、
『弟子が、之を聞く!』のを、
『聴さない!』。
況して、
『親附したり、礼拜したり、教訓を受けたりする!』のは、
『尚更である!』。
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親附(しんぷ):親近依附。親しく近づいて、従属する。 |
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所以者何。菩薩欲增長善法利益眾生。是人欲破法令眾生墮大衰濁。二事相違故。 |
所以は何んとなれば、菩薩は、善法を増長して、衆生を利益せんと欲し、是の人は、法を破りて、衆生をして、大哀濁に堕せしめんと欲すれば、二事相違するが故なり。 |
何故ならば、
『菩薩』が、
『善法を増長して!』、
『衆生』を、
『利益しようとしている!』のに、
是の、
『破法の人』は、
『衆生』を、
『大衰濁に堕とそうとする!』ので、
是の、
『二事』が、
『相違するからである!』。
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衰濁者。如人著衰。雖好衣美食常無色力。雖勤身作務財產日耗。是人壞一切佛上法寶故。雖身口業善。持戒布施讚經善法終不增長。如濁水泥不見面像亦不中飲。 |
衰濁とは、人は、衰に著せば、好衣、美食と雖も、常に色力無く、身を勤めて務を作すと雖も、財産日に耗(へ)るが如く、是の人は、一切の仏の上(ほとり)の法宝を壊るが故に、身口の業善く、持戒、布施、読経すと雖も、善法は終に増長せず。濁水の泥は、面像を見ず、亦た飲に中(あた)らざるが如し。 |
『衰濁( weakness or oldness and dirtiness )』とは、
『人が、衰に著けば( becoming old or weak , one )』、
『好衣、美食が有ったとしても!』、
常に、
『容色も、消化する力も!』、
『無く!』、
『身を努めて、務を作した( doing his buisiness with effort )としても!』、
『財産』は、
『日日、消耗するように!』、
是の、
『人』は、
『一切の仏上の法宝を壊る( breaking all Buddha's Dharma )!』が故に、
『身口の業が善く( good at the action of body and mouth )!』、
『持戒、布施、読経したとしても!』、
『善法』は、
『終に、増長することがない!』ので、
譬えば、
『濁水の泥』に、
『面像を見ることがなく!』、
『飲むのに!』、
『中らない( be not suitable )ようなものである!』。
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著(じゃく):附着/愛着( attachment )、梵語 sakta の訳、しがみ着く/附着する/固着する( clinging, adhering
to, sticking in )の義。又執著 abhiniveza [専念/没頭 application, intentness ;attachment
] 同様の意あり。
衰(すい):傾く( to decline )、梵語 jiirNataa の訳、老( old age )の義、又は vipatti の訳、悪くなる/不運(
going wrongly, adversity, misfortune )の義。衰える/弱まる/しなびる/やせ衰える/衰弱させられる( Wane,
weaken, abate, decay, wither, waste away; wasted away )の意。
仏上(ぶつじょう):仏の辺。
讃経:他本に従いて読経に改む。
中(ちゅう):適する/適当( suitable, proper )。 |
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是人不中親近。若親近者則喜染著。是人破法故。邪見疑悔常擾亂心。先所聞法深染愛著。不解般若波羅蜜相故。言般若波羅蜜無所有空不堅固無有罪福。如是濁亂蔽其心故。不能得見清淨實法相。 |
是の人は、親近するに中らず、若し親近せば、則ち染著を喜ばん。是の人は、破法の故に、邪見と疑悔と常に心を擾乱すれば、先に聞く所の法に深く染まりて、愛著し、般若波羅蜜の相を解せず。故に言わく、『般若波羅蜜は無所有、空にして堅固ならず、罪福の有ること無し』、と。是の如き濁乱に、其の心を蔽(おお)わるるが故に、清浄なる実法の相を見るを得る能わず。 |
是の、
『破法の人』は、
若し、
『親近すれば!』、
『染著』を、
『喜ぶようになるだろう!』。
是の、
『人は、法を破った!』が故に、
『邪見や、疑悔』が、
『常に!』、
『心を擾乱して( disturbing his mind )!』、
『先に聞いた!』所の、
『法』に、
『深く染まって!』、
『愛着するので!』、
『般若波羅蜜』の、
『相』を、
『解することなく( do not understand )!』、
是の故に、こう言う、――
『般若波羅蜜』は、
『無所有、空であり、堅固でなく!』、
『罪も、福も無い!』、と。
是のような、
『濁、乱( Both dirtiness and disturbace )』が、
『心を蔽う( covering his mind, therefor )!』が故に、
『清浄な、実法の相』を、
『見ることができない!』。
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黑性者。佛法中善法名白。不善法名黑。是人常積集不善法故成不善性。若有信受其語其罪亦同。 |
黒性とは、仏法中には、善法を白と名づけ、不善法を黒と名づく。是の人は、常に不善法を積集するが故に、不善の性成ず。若し有るいは其の語を信受せば、其の罪も亦た同じならん。 |
『黒性』とは、――
『仏法』中には、
『善法が、白であり!』、
『不善法』が、
『黒である!』が、
是の、
『人』は、
『常に、不善法を積集する!』が故に、
『不善の性』と、
『成る( to become )のであり!』、
若し、
是の、
『人の語』を、
『信受する!』者が、
『有れば!』、
其の、
『罪』も、
『同じである!』。
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問曰。舍利弗何以問是人受身大小而佛不答。 |
問うて曰く、舎利弗は、何を以ってか、是の人の受くる身の大小を問い、而も仏は答えたまわざる。 |
問い、
『舎利弗』は、
何故、
是の、
『人の受ける!』、
『身の大、小』を、
『問うたのであり!』、
而も、
『仏』は、
『答えられなかったのですか?』。
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答曰。舍利弗既聞受罪時節及處所。不聞其身大小。意欲聞佛說其大身。又如帝釋身長十里。受樂遍滿故。欲知受罪身大受苦亦多。 |
答えて曰く、舎利弗は、既に罪を受くる時節、及び処する所を聞けども、其の身の大小を聞かざれば、意に仏の其の大身を説きたもうを聞かんと欲し、又、帝釈の如く、身長十里なれば、楽を受けて遍満するが故に、罪を受くるに身大なれば、受くる苦も亦た多きことを知らんと欲す。 |
答え、
『舎利弗』は、
既に、
『罪を受ける!』、
『時節、場所』を、
『聞いた!』が、
其の、
『身の大、小』を、
『聞かなかった!』ので、
『意』に、
『仏』が、
其れが、
『大身である、と説かれる!』のを、
『聞こうとしたのであり!』、
又、
『帝釈のように!』、
『身長が、十里もあれば!』、
『楽を、受けて!』、
『身に、遍満する!』が故に、
『罪を受ける、身が大ならば!』、
『受ける苦も、多い!』と、
『知ろうとしたのである!』。
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有二因緣故佛不為說。一者上已說。其在二惡道中久受苦惱。今復說其身大醜惡人。或不信。不信者當受久劇之苦故。二者若信佛語則大憂怖。憂怖故風發吐熱血。死若死等者。設令不死身常乾枯。若不信後世受重罪故佛不說。 |
二因縁有るが故に仏は為に説きたまわず。一には、上に、『其れ二悪道中に在りて、久しく苦悩を受く』、と説けるに、今復た、『其の身は大にして、醜悪なり』、と説きたまわば、人は、或いは信ぜざらん。信ぜずんば、当に久しく劇しき苦を受くべきが故なり。二には、若し、仏の語を信ぜば、則ち大憂怖せん。憂怖するが故に、風発して、熱血を吐きて死せん。若しは死に等しとは、設令(たと)い、死なずとも、身は常に乾枯せん。若し信ぜずんば、後世に重罪を受くるが故に仏は説きたまわず。 |
『二因縁が有る!』が故に、
『仏は、説こうとされなかった!』、――
一には、
上に、已に、こう説かれたので、――
其の、
『人』は、
『二悪道中に、久しく、苦悩を受けるだろう!』、と。
今、復た、こう説かれたならば、――
或は、
『人が、信じず!』、
『信じなければ!』、
『久しく、劇しい苦』を、
『受けるからである!』。
二には、
若し、
『仏の語を信じれば!』、
『大憂怖することになり!』、
『憂怖』の故に、
『風が発って、熱血を吐き!』、
『死者か!』、
『死者に等しい者となり!』、
若し、
『死ななくても!』、
『身』は、
『常に、乾枯するからである!』が、
若し、
『信じなければ!』、
『後世に、重罪を受ける!』が故に、
『仏』は、
『説かれなかったのである!』。
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風(ふう):精神病( morbid affection )、梵語 vaata の訳、風( wind )の義、又風病とも訳す、熱病 pitta [ 胆汁:bile ]、冷病 zleSman [粘液: phlegm ] と倶に三病の一。 |
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舍利弗白佛。今雖以二因緣故不說。願憐愍未來世人故說。 |
舎利弗の仏に白さく、『今、二因縁を以っての故に説きたまわずと雖も、願わくは未来世の人を憐愍するが故に説きたまえ』、と。 |
『舎利弗』は、
『仏』に、こう申した、――
今、
『二因縁』の故に、
『説かれません!』が、
願わくは、
『未来世の人を、憐愍される!』が故に、
『説いてください!』、と。
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佛言若有善根白性福德人足作依止。 |
仏の言わく、『若し善根を有する、白性、福徳の人なれば、依止と作すに足らん』、と。 |
『仏』は、 こう言われた、――
若し、
『善根を有する!』、
『白性』の、
『福徳の人ならば!』、
是の、
『法を、依止と作す!』に、
『足るだろう!』、と。
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白性者與黑性相違。依止者。聞是受苦更不敢作若不信。雖說身大亦不信。若信聞上受苦久遠足可信
大智度論卷第六十二 |
白性とは、黒性と相違するなり。依止とは、是の受くる苦を聞いて、更に敢て作さざるなり。若し信ぜざれば、身の大なることを説くと雖も、亦た信ぜざるも、若し信ずれば、上の受くる苦の久遠なるを聞かば、信ずべきに足ればなり。
大智度論巻第六十二 |
『白性』とは、
『黒性』と、
『相違するからである!』。
『依止』とは、
是の、
『人の受ける!』、
『苦』を、
『聞けば!』、
更に、
『破法』を、
『敢て、作そうとはしないからである!』。
若し、
『苦を信じなければ!』、
『身が大である、と説いたとしても!』、
『信じないだろう!』し、
若し、
『信じれば!』、
上の、
『受ける苦は久遠である、と聞いただけでも!』、
『信じられる!』に、
『足るだろう!』。
大智度論巻第六十二 |
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