【經】舍利弗白佛言。世尊。菩薩摩訶薩如是學為學般若波羅蜜耶。佛告舍利弗。菩薩摩訶薩如是學為學般若波羅蜜。是法不可得故。乃至學檀波羅蜜。是法亦不可得故。學四念處乃至學十八不共法。是法不可得故。 |
舎利弗の仏に白して言さく、『世尊、菩薩摩訶薩は、是の如く学べば、般若波羅蜜を学ぶと為すや』、と。仏の舎利弗に告げたまわく、『菩薩摩訶薩の是の如く学ぶを、般若波羅蜜を学ぶと為す。是の法の不可得なるが故なり。乃至檀波羅蜜を学ぶ、是の法も亦た不可得なるが故なり。四念処を学び、乃至十八不共法を学ぶ、是の法の不可得なるが故なり』、と。 |
『舎利弗』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
『菩薩が、是のように学べば!』、
『般若波羅蜜』を、
『学ぶことになるのですか?』
『仏』は、
『舎利弗』に、こう告げられた、――
『菩薩摩訶薩』が、
『是のように学べば!』、
『般若波羅蜜』を、
『学ぶことになる!』のは、
是の、
『法』が、
『不可得だからである!』。
乃至、
『檀波羅蜜』を、
『学ぶことになる!』のは、
是の、
『法』も、
『不可得だからであり!』、
亦た、
『四念処、乃至十八不共法』を、
『学ぶことになる!』のは、
是の、
『法』が、
『不可得だからである!』。
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参考:『大般若経巻41』:『時舍利子白佛言。世尊。菩薩摩訶薩作如是學為正學般若波羅蜜多。乃至為正學一切相智耶。佛告舍利子。菩薩摩訶薩作如是學。為正學般若波羅蜜多。以無所得為方便故。乃至為正學一切相智。以無所得為方便故。時舍利子復白佛言。世尊。菩薩摩訶薩作如是學。以無所得為方便學般若波羅蜜多。乃至以無所得為方便學一切相智耶。佛告舍利子。菩薩摩訶薩作如是學。以無所得為方便學般若波羅蜜多。乃至以無所得為方便學一切相智。舍利子言。無所得者。為何等法不可得耶。佛言。我不可得畢竟淨故。有情命者生者養者士夫數取趣意生儒童作者使作者起者使起者受者使受者知者見者不可得畢竟淨故。色不可得畢竟淨故。受想行識不可得畢竟淨故。眼處不可得畢竟淨故。耳鼻舌身意處不可得畢竟淨故。色處不可得畢竟淨故。聲香味觸法處不可得畢竟淨故眼界色界眼識界及眼觸眼觸為緣所生諸受不可得畢竟淨故。耳界聲界耳識界及耳觸耳觸為緣所生諸受不可得畢竟淨故。鼻界香界鼻識界及鼻觸鼻觸為緣所生諸受不可得畢竟淨故。舌界味界舌識界及舌觸舌觸為緣所生諸受不可得畢竟淨故。身界觸界身識界及身觸身觸為緣所生諸受不可得畢竟淨故。意界法界意識界及意觸意觸為緣所生諸受不可得畢竟淨故。地界不可得畢竟淨故。水火風空識界不可得畢竟淨故。欲界不可得畢竟淨故。色無色界不可得畢竟淨故。苦聖諦不可得畢竟淨故。集滅道聖諦不可得畢竟淨故。無明不可得畢竟淨故。行識名色六處觸受愛取有生老死愁歎苦憂惱不可得畢竟淨故。四靜慮不可得畢竟淨故。四無量四無色定不可得畢竟淨故。四念住不可得畢竟淨故。四正斷四神足五根五力七等覺支八聖道支不可得畢竟淨故。布施波羅蜜多不可得畢竟淨故。淨戒安忍精進靜慮般若波羅蜜多不可得畢竟淨故。五眼不可得畢竟淨故。六神通不可得畢竟淨故。佛十力不可得畢竟淨故。四無所畏四無礙解大慈大悲大喜大捨十八佛不共法一切智道相智一切相智不可得畢竟淨故。預流不可得畢竟淨故。一來不還阿羅漢不可得畢竟淨故。獨覺不可得畢竟淨故。菩薩不可得畢竟淨故。如來不可得畢竟淨故。舍利子言。世尊。所說畢竟淨者。是何等義。佛言。諸法不出不生。不沒不盡。無染無淨。無得無為。如是名為畢竟淨義』 |
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舍利弗白佛言。世尊。如是菩薩摩訶薩學般若波羅蜜。是法不可得耶。佛言如是。菩薩摩訶薩學般若波羅蜜是法不可得。 |
舎利弗の仏に白して言さく、『世尊、是の如く菩薩摩訶薩は般若波羅蜜を学ぶも、是の法は不可得なりや』、と。仏の言わく、『是の如し。菩薩摩訶薩は般若波羅蜜を学ぶも、是の法は不可得なり』、と。 |
『舎利弗』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
是のように、
『菩薩摩訶薩』が、
『般若波羅蜜を学んでも!』、
是の、
『法』は、
『不可得なのですか?』、と。
『仏』は、こう言われた、――
その通りだ!
『菩薩摩訶薩』は、
『般若波羅蜜を学ぶ!』が、
是の、
『法』は、
『不可得なのである!』。
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舍利弗言。世尊。何等法不可得。佛言。我不可得。乃至知者見者不可得。畢竟淨故。五陰不可得。十二入不可得。十八界不可得。畢竟淨故。無明不可得。畢竟淨故。乃至老死不可得。畢竟淨故。苦諦不可得。畢竟淨故。集滅道諦不可得。畢竟淨故。欲界不可得。畢竟淨故。色界無色界不可得。畢竟淨故。四念處不可得。畢竟淨故。乃至十八不共法不可得。畢竟淨故。六波羅蜜不可得。畢竟淨故。須陀洹不可得。畢竟淨故。斯陀含阿那含阿羅漢辟支佛不可得。畢竟淨故。菩薩不可得。畢竟淨故。佛不可得。畢竟淨故。 |
舎利弗の言わく、『世尊、何等の法か、不可得なる』、と。仏の言わく、『我の不可得、乃至知者、見者の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。五陰の不可得、十二入の不可得、十八界の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。無明の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。乃至老死の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。苦諦の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。集、滅、道諦の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。欲界の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。色界、無色界の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。四念処の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。乃至十八不共法の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。六波羅蜜の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。須陀洹の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。斯陀含、阿那含、阿羅漢、辟支仏の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。菩薩の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり。仏の不可得なるは畢竟じて浄なるが故なり』、と。 |
『舎利弗』は、こう言った、――
世尊!
何のような、
『法』が、
『不可得なのですか?』、と。
『仏』は、こう言われた、――
『我や、乃至知者、見者』が、
『不可得である!』のは、
『畢竟じて浄だからである!』。
『五陰や、十二入、十八界』が、
『不可得である!』のは、
『畢竟じて浄だからである!』。
『無明や、乃至老死』が、
『不可得である!』のは、
『畢竟じて浄だからである!』。
『苦諦や、集、滅、道諦』が、
『不可得である!』のは、
『畢竟じて浄だからである!』。
『欲界、色界、無色界』が、
『不可得である!』のは、
『畢竟じて浄だからである!』。
『四念処や、乃至十八不共法』が、
『不可得である!』のは、
『畢竟じて浄だからである!』。
『六波羅蜜』が、
『不可得である!』のは、
『畢竟じて浄だからである!』。
『須陀洹や、乃至阿羅漢、辟支仏』が、
『不可得である!』のは、
『畢竟じて浄だからである!』。
『菩薩』が、
『不可得である!』のは、
『畢竟じて浄だからである!』。
『仏』が、
『不可得である!』のは、
『畢竟じて浄だからである!』、と。
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舍利弗白佛言。世尊。何等是畢竟淨。佛言。不出不生無得無作。是名畢竟淨。 |
舎利弗の仏に白して言さく、『世尊、何等か是れ畢竟じて浄なる』、と。仏の言わく、『不出、不生、無得、無作なる、是れを畢竟じて浄なりと名づく』、と。 |
『舎利弗』が、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
何のようなものが、
『畢竟じて浄なのですか?』、と。
『仏』は、こう言われた、――
『不出、不生、無得、無作ならば!』、
是れを、
『畢竟じて浄である!』と、
『称する!』、と。
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舍利弗白佛言。世尊。菩薩摩訶薩若如是學為學何等法。佛告舍利弗。菩薩摩訶薩如是學。於諸法無所學。何以故。舍利弗。諸法相不如凡夫所著。 |
舎利弗の仏に白して言さく、『世尊、菩薩摩訶薩は若し是の如く学べば、何等の法をか学ぶと為すや』、と。仏の舎利弗に告げたまわく、『菩薩摩訶薩が、是の如く学べば、諸法に於いて、学ぶ所無し。何を以っての故に、舎利弗、諸法の相は、凡夫の著する所の如きにあらざればなり』、と。 |
『舎利弗』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
『菩薩摩訶薩』が、
若し、
『是のように学べば!』、
何のような、
『法』を、
『学んだことになるのですか?』。
『仏』は、
『舎利弗』に、こう告げられた、――
『菩薩摩訶薩』が、
『是のように学べば!』、
『諸法』に於いて、
『学んだ!』所は、
『無いのである!』。
何故ならば、
舎利弗!
『諸法の相』は、
『凡夫』の、
『著する所のようではないからである!』、と。
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舍利弗白佛言。世尊。諸法實相云何有。佛言。諸法無所有。如是有如是無所有。是事不知名為無明。 |
舎利弗の仏に白して言さく、『世尊、諸法の実相は云何が有るや』、と。仏の言わく、『諸法は無所有にして、是の如く有り、是の如く所有無し。是の事を知らざれば、名づけて無明と為す』、と。 |
『舎利弗』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
何のように、
『諸法の実相』は、
『有るのですか?』、と。
『仏』は、こう言われた、――
『諸法』には、
『所有が無い!』と、
是のように、
『諸法の相』が、
『有り!』、
是のように、
『法の所有』が、
『無いのである!』が、
是の、
『事を知らない!』ので、
『無明』と、
『称されるのである!』。
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舍利弗白佛言。世尊。何等無所有是事不知名為無明。 |
舎利弗の仏に白して言さく、『世尊、何等か是れ所有無くして、是の事を知らざれば名づけて、無明と為す』、と。 |
『舎利弗』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
何のように、
『所有が無く!』て、
是の、
『事を知らなければ!』、
『無明』と、
『称されるのですか?』、と。
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佛告舍利弗。色受想行識無所有。內空乃至無法有法空故。四念處乃至十八不共法無所有。內空乃至無法有法空故。 |
仏の須菩提に告げたまわく、『色受想行識に所有無きは、内空乃至無法有法空なるが故なり。四念処乃至十八不共法に所有無きは、内空乃至無法有法空なるが故なり。 |
『仏』は、
『舎利弗』に、こう告げられた、――
『色、受想行識』に、
『所有が無い!』のは、
『内空乃至無法有法空だからであり!』、
『四念処、乃至十八不共法』に、
『所有が無い!』のは、
『内空乃至無法有法空だからである!』。
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是中凡夫以無明力渴愛故。妄見分別說是無明。是凡夫為二邊所縛。是人不知不見諸法無所有。而憶想分別著色乃至十八不共法。是人著故。於無所有法而作識知見。 |
是の中に凡夫は無明の力を以って、渇愛するが故に、妄見し分別すれば、是れを無明と説くなり。是の凡夫は、二辺に縛せらるれば、是の人は諸法に所有無きを知らず、見ずして、憶想し、分別して、色乃至十八不共法に著す。是の人は著するが故に無所有の法に於いて識、知、見を作す。 |
是の、
『無所有の法』中に、
『無明の力で渇愛する!』が故に、
『諸法』を、
『妄見し、分別する!』ので、
是れを、
『無明である!』と、
『説いたのである!』。
是の、
『無明の凡夫』は、
『二辺』に、
『縛される!』が故に、
是の、
『人』は、
『諸法には所有が無い!』と、
『知ることもなく!』、
『見ることもなく!』、
『憶想し、分別して!』、
『色、乃至十八不共法』に、
『著するのである!』が、
是の、
『人は著する!』が故に、
『無所有の法』に於いて、
『識、知、見を作すのである!』。
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是凡夫不知不見。何等不知不見。不知不見色。乃至十八不共法。亦不知不見。以是故墮凡夫數如小兒。 |
是の凡夫の知らず、見ずとは、何等をか知らず、見ざる。色を知らず、見ず、乃至十八不共法をも亦た知らず、見ず。是を以っての故に凡夫の数の小児の如きに堕すなり。 |
是の、
『凡夫が知ることもなく、見ることもない!』とは、
何のようなものを、
『知ることもなく!』、
『見ることもないのか?』。
『色、乃至十八不共法』を、
『知ることもなく!』、
『見ることもない!』ので、
是の故に、
『小児のような!』、
『凡夫の数』に、
『堕ちるのである!』。
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是人不出。於何不出。不出欲界不出色界不出無色界聲聞辟支佛法中不出。 |
是の人の出でざるは、何に於いてか出でざる。欲界を出でず、色界を出でず、無色界を出でず、声聞、辟支仏の法中より出でず。 |
是の、
『人が出ない!』とは、
『何より!』、
『出ないのか?』。
謂わゆる、
『欲界、色界、無色界より!』、
『出ず!』、
亦た、
『声聞、辟支仏の法』中より、
『出ないのである!』。
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是人亦不信。不信何等。不信色空。乃至不信十八不共法空。 |
是の人は亦た信ぜずとは、何等を信ぜざるや。色の空なるを信ぜず、乃至十八不共法の空なるを信ぜざるなり。 |
是の、
『人は、亦た信じることもない!』とは、
『何のようなもの!』を、
『信じないのか?』。
謂わゆる、
『色、乃至十八不共法は空である!』と、
『信じないのである!』。
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是人不住。不住何等。不住檀波羅蜜。乃至不住般若波羅蜜。不住阿毘跋致地。乃至不住十八不共法。以是因緣故。名為凡夫如小兒。 |
是の人は住せずとは、何等にか住せざる。檀波羅蜜に住せず、乃至般若波羅蜜に住せず、阿鞞跋致地に住せず、乃至十八不共法に住せず。是の因縁を以っての故に名づけて、凡夫なること小児の如しと為す。 |
是の、
『人は、住することがない!』とは、
『何のようなもの!』に、
『住しないのか?』。
謂わゆる、
『檀波羅蜜乃至般若波羅蜜、阿鞞跋致の地乃至十八不共法』に、
『住しない!』ので、
是の因縁の故に、
『小児のような凡夫である!』と、
『称されるのである!』。
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亦名著者。何等為著。著色乃至識。著眼入乃至意入。著眼界乃至意識界。著婬怒癡。著諸邪見。著四念處。乃至著佛道。 |
亦た著すと名づくとは、何等か著せらる。色乃至識に著し、眼入乃至意入に著し、限界乃至意識界に著し、婬怒癡に著し、諸の邪見に著し、四念処に著し、乃至仏道に著す。 |
亦た、
『著す!』とは、
『何のようなもの!』に、
『著するのか?』。 『色乃至識、眼入乃至意入、眼界乃至意識界や!』、
『婬、怒、癡や、諸の邪見や、四念処乃至仏道』に、
『著するのである!』。
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舍利弗白佛言。世尊。若菩薩摩訶薩作如是學。亦不學般若波羅蜜。不得薩婆若。 |
舎利弗の仏に白して言さく、『世尊、若し菩薩摩訶薩、是の如き学を作すも、亦た般若波羅蜜を学ばず、薩婆若を得ずや』、と。 |
『舎利弗』が、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
若し、
『菩薩摩訶薩』が、
是のような、
『学を作したとしても!』、
亦た、
『般若波羅蜜を学ぶこともなく!』、
『薩婆若を得ることもないのですか?』。
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佛語舍利弗。菩薩摩訶薩作如是學。亦不學般若波羅蜜。不得薩婆若。 |
仏の舎利弗に語りたまわく、『菩薩摩訶薩は、是の如き学を作すも、亦た般若波羅蜜を学ばず、薩婆若を得ざるなり』、と。 |
『仏』は、
『舎利弗』に、こう語られた、――
『菩薩摩訶薩』は、
是のような、
『学を作しながら!』、
亦た、
『般若波羅蜜を学ぶこともなく!』、
『薩婆若を得ることもないのである!』。
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舍利弗白佛言。世尊。何以故。菩薩摩訶薩亦不學般若波羅蜜。不得薩婆若。 |
舎利弗の仏に白して言さく、『世尊、何を以っての故にか、菩薩摩訶薩は亦た般若波羅蜜を学ばず、薩婆若を得ざる』、と。 |
『舎利弗』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
何故、
『菩薩摩訶薩』は、
亦た、
『般若波羅蜜を学ぶこともなく!』、
『薩婆若を得ることもないのですか?』、と。
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佛告舍利弗。菩薩摩訶薩無方便故。想念分別著般若波羅蜜。著禪波羅蜜毘梨耶波羅蜜羼提波羅蜜尸羅波羅蜜檀波羅蜜。乃至十八不共法一切種智隨念分別著。 |
仏の舎利弗に告げたまわく、『菩薩摩訶薩は、無方便の故に想念し、分別して、般若波羅蜜に著し、禅波羅蜜、毘梨耶波羅蜜、羼提波羅蜜、尸羅波羅蜜、檀波羅蜜、乃至十八不共法、一切種智に著し、念ずるに随いて分別して著す。 |
『仏』は、
『舎利弗』に、こう告げられた、――
『菩薩摩訶薩に分別が無い!』が故に、
『想念し、分別して!』、
『般若波羅蜜』に、
『著し!』、
亦た、
『禅、毘梨耶、羼提、尸羅、檀波羅蜜、乃至十八不共法、一切種智』に、
『著し!』、
『念に随って( by that which is remembered )!』、
『分別して!』、
『著するのである!』。
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念(ねん):梵語 smRti の訳、記憶/回想/思考/追憶( remembrance, reminiscence, thinking of or
upon, calling to mind )の義、想い出すこと( that which is remembered )の意。 |
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以是因緣故。菩薩摩訶薩如是學。亦不學般若波羅蜜。不得薩婆若。 |
是の因縁を以っての故に、菩薩摩訶薩は、是の如く学ぶも、亦た般若波羅蜜を学ばず、薩婆若を得ざるなり。 |
是の因縁の故に、
『菩薩摩訶薩』が、
是のように、
『学んでも!』、
亦た、
『般若波羅蜜を学ぶこともなく!』、
『薩婆若を得ることもない!』。
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舍利弗白佛言。世尊。若菩薩摩訶薩如是學。亦不學般若波羅蜜。不得薩婆若。 |
舎利弗の仏に白して言さく、『世尊、若し菩薩摩訶薩は是の如く学ぶも、亦た般若波羅蜜を学ばず、薩婆若を得ざるなり』、と。 |
『舎利弗』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
若し、
『菩薩摩訶薩』は、
是のように、
『学びながら!』、
亦た、
『般若波羅蜜を学ぶこともなく!』、
『薩婆若を得ることもないのですね!』、と。
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佛告舍利弗。菩薩摩訶薩如是學不學般若波羅蜜。不得薩婆若。 |
仏の舎利弗に告げたまわく、『菩薩摩訶薩は、是の如き学を作すも、般若波羅蜜を学ばず、薩婆若を得ざるなり』、と。 |
『仏』は、
『舎利弗』に、こう告げられた、――
『菩薩摩訶薩』は、
是のような、
『学を作しながら!』、
『般若波羅蜜を学ぶこともなく!』、
『薩婆若を得ることもないのである!』。
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舍利弗白佛言。世尊。菩薩摩訶薩今云何應學般若波羅蜜得薩婆若。 |
舎利弗の仏に白して言さく、『世尊、菩薩摩訶薩は今、云何が応に般若波羅蜜を学びて、薩婆若を得べきや』、と。 |
『舎利弗』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
『菩薩摩訶薩』は、
今、
何のように、
『般若波羅蜜を学んで!』、
『薩婆若を得ればよいのですか?』。
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佛告舍利弗言。若菩薩摩訶薩學般若波羅蜜時。不見般若波羅蜜。舍利弗。菩薩摩訶薩如是學。學般若波羅蜜得薩婆若。以不可得故。 |
仏の舎利弗に告げたまわく、『若し菩薩摩訶薩、般若波羅蜜を学ぶ時、般若波羅蜜を見ざれ。舎利弗、菩薩摩訶薩は是の如く学べば、般若波羅蜜を学び、薩婆若を得るなり、不可得なるを以っての故に』、と。 |
『仏』は、
『舎利弗に告げて!』、こう言われた、――
若し、
『菩薩摩訶薩が、般若波羅蜜を学ぶ!』時には、
『般若波羅蜜』を、
『見てはならない!』。
舎利弗!
『菩薩摩訶薩』が、
是のように、
『学べば!』、
『般若波羅蜜を学び!』、
『薩婆若を得る!』。
何故ならば、
『諸の法』は、
『不可得だからである!』、と。
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舍利弗白佛言。世尊。云何名不可得。佛言。諸法內空乃至無法有法空故 |
舎利弗の仏に白して言さく、『世尊、云何が不可得と名づくる』、と。仏の言わく、『諸法は内空乃至無法有法空なるが故なり』、と。 |
『舎利弗』は、
『仏に白して!』、こう言った、――
世尊!
何故、
『不可得』と、
『称するのですか?』、と。
『仏』は、こう言われた、――
『諸法は、内空乃至無法有法空である!』が故に、
『不可得』と、
『称するのである!』、と。
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