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自  序
  大智度論は摩訶般若波羅蜜経27巻の解説書です。しかし、それのみには止まりません。仏教全体の解説書でもあります。
 仏教を理解するためには、それ抜きには語れない、各種の経典よりも遥かに重要なものなのです。
 その証拠に、仏教辞典の大多数は、中国日本で発展した部分を除いて、その項目の解説に相当の割合で大智度論の説を引用しています。
 仏教全体の解説書ということでは、例えば、ほとんどの経典は『如是我聞一時仏住』の言葉を以って開経していますが、大智度論ではこの部分を、『如是』、『我』、『聞』、『一』、『時』、『仏』、『住』に分け、それぞれについて、相当の論を展開し、誰でも当然のように、既に知っていると思っている事について、改めて見直していますが、このことは、『大乗仏教では特にこの部分を見直さずには論を展開できない』と、このように考えた大智度論の著者の非常に大きな功績で、これ以後の人は実に大きな恩恵を蒙っているのです。
 仏教は大小乗を問わず、『我(われ)』とは『空(くう)』なりとして、自我の存在を否定していますから、経典に説く『我』とは誰なのか、何者なのかというような、当然の質問に先ず答えなくてはならないからです。
 ここまでに、読者には大智度論とは難解な論書であるかの如くに聞こえるかも知れませんが、それはとんだ間違いで、恐らく老境に入っていたであろう著者は、誰にも分かるように、難解な事柄を努めて易しく説明しています。専門用語の知識がごく少ない人のために、多くの例を引き、時に問答をまじえ、また多くの逸話、説話を取り入れて、周到な計画性をもって、誰もが大乗精神を理解できるように計らっているのです。
 最初の内は少々取り付きにくいかも知れませんが、読み進むにつれ理解の度が深まり、容易に仏教的真理にたどりつくことが出来るでしょう。
『いざ往かん、目指せ般若の花の山、
ひろき道をば、いま開きてん。』

平成18年3月15日   つばめ堂主人 記す。
凡  例
1.次の資料を参考にした。
  (1)大正新脩大藏經(大蔵出版)
  (2)大正新脩大藏經(CBETA 中華電子佛典協會)
  (3)大正新脩大藏經(SAT 大藏經テキストデータベース研究会)
  (4)乾隆大藏經(佛學世界網路藏經閣)
  (5)昭和新纂国訳大藏經(東方書院)
  (6)望月仏教大辞典(世界聖典刊行協会)
  (7)丁福保《佛學大辭典》電子檔(CBETA 中華電子佛典協會)
  (8)佛光大辭典(佛光山電子大藏經)
  (9)授課講義大智度論(福嚴佛學院)
  (10)仏教学辞典(法藏館)
2.次の資料より引用して載せた。
  (1)望月仏教大辞典(世界聖典刊行協会)‥(望)
  (2)丁福保《佛學大辭典》電子檔(CBETA 中華電子佛典協會)‥(丁)
  (3)佛光大辭典(佛光山電子大藏經)‥(佛)
  (4)Digital Dictionary of Buddhism‥(英文)
3.引用中の梵語のローマナイズには、「京都・ハーバード法(KH法)」を用いた。
  KH法では特殊表記を次の規則により通常のアルファベットに変換して表す。
  (1)ā、ī、ūはaa、ii、uuとする。
  (2)ṛ、ṃ、ṇ、ṭ、ḍ、ṣ、ḥはR、M、N、T、D、S、Hとする。
  (3)ṝ、ḹはRR、LLとする。
  (4)śはzとする。
  (5)ṅ、ñはG、Jとする。

以上


+1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9 +10
0 A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B
10 A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B
20 A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B
30 A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B
40 A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B
50 A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B
60 A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B
70 A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B
80 A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B
90 A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B A/B


大智度論巻第一(上)
初序品縁起釈論第一
1.摩訶般若波羅蜜を讃ずる偈
  • 仏法に稽首する。
  • 法宝に稽首する。
  • 僧宝に稽首する。
  • 阿羅漢に稽首する。
  • 今大智度の実の相義を説こう。
智度大道、智度大海、智度相義、無礙、無等仏、稽首、諸法実相、有無二見、常住不壊、尊重、聖衆、福田、学無学人、荘厳、後有愛種、永已尽、我所、根、世間、事業、功徳*、所住処、一切衆中、真浄大徳僧、恭敬、三宝、救世、弥勒、舎利弗、須菩提、無諍空行*、弥勒菩薩*、如力、演説、大智彼岸、聖智、善順

2.般若波羅蜜を説く因縁
  • 大因縁の故に般若波羅蜜を説く。
  • 弥勒等の為に菩薩行を説く。
  • 菩薩の念仏三昧を増益する。
  • 請を受けて甚深の法輪を転じる。
  • 衆生の疑を断じる。
  • 貢高、邪慢を摧く。
  • 妙法を信受させる。
  • 深法の蔵を開く。
  • 諸法の薬を服ませる。
  • 仏の身口意業の不思議を説く。
  • 仏の身業の不思議。
  • 二辺を離れさせる。
  • 法身を供養する果報を説く。
  • 阿鞞跋致と魔事を説く。
  • 記別の因縁を観る。
因縁、法*、発言、須弥山王、当来世、声聞、三蔵*:経蔵、律蔵、論蔵;
増益、神足、十方恒河沙等世界、大身、示現、妙色、端正殊妙、
念仏三昧*、念仏*、普遍、四顧、師子吼、偈、解脱、度衆生、長大、
無上道、中夜、伎直、后妃、婇女、臭屍、車匿、由旬*、跋伽婆仙*、
上妙宝衣、麁布、僧伽梨、泥連禅河*、尼連禅河*、念言、金剛処、
魔王、阿耨多羅三藐三菩提、三千大千世界、梵天王、尸棄、色界*、
釈提桓因、欲界*、四天王、世尊*、勧請、転法輪*、本願*、誠言、
一切智、実相*、是輩、難知難解、大神力、三昧王三昧、天眼、挙身毛孔、
笑、足下千輻輪相、肉髻、宣示、疑結、誹謗、貢高、邪慢、神力、神徳、
三界、特尊、覆護、悪念、浄信、人天、涅槃果、涅槃*、信受*、十力、
四無所畏、安立、聖主住処、自在*、汝等、大喜、邪見網、異学悪師、
邪網、値見、三十七品、随時、開発、深法蔵、結使、煩悩、無始生死、
已来、飢渇、寒熱、思量、尋究、測度、迷惑、深妙、測量、開解、他方、
仏刹、仏土、釈師子身、金山、演出、相好、戒定慧、華上仏、三密、嬰孩、
乳餔、三歳、漸次、身分、諸根、身四威儀、坐臥行住、言談語默、人法、
未了、漸漸、致怪、方便、賢聖法器、嵐毘尼園、孩童、嬉戯、術藝、服御、
五欲、厭患心、鬱特伽、阿羅洛、迦葉仏、行道、宿命、求道、随順、衆変、
二辺、修著、第一義、中道、生身、法身、阿鞞跋致、魔幻、魔事、三乗記別、
記別*、阿難、善男子、善女人、華香、瓔珞、幢幡、伎楽、財物供養、読誦、
聴説、正憶念、法供養、無余涅槃

3.四種の悉檀
  • 四種悉檀:世界悉檀、各各為人悉檀、対治悉檀、第一義悉檀。
四種悉檀*、
四悉檀*:世界悉檀、各各為人悉檀、対治悉檀、第一義悉檀;
十二部経、実有

4.世界悉檀
  • 車の譬え:轅、軸、輻、輞の和合の故に車あり。
  • 乳の譬え:色、香、味、触の因縁有るが故に、乳有り。
法、五衆*、五蘊*:色蘊、受蘊、想蘊、行蘊、識蘊;三悪道、出世*、
蒙慶、福楽饒益、般涅槃、我、顛倒、如、法性、実際

5.各各為人悉檀
  • 有る人:後世を疑い罪福を信じない。
  • 破群那:神、我は有ると計る。
心行、聴、雑報業、雑生、雑触、雑受、断滅見、断見、破群那、
我、神、計、計常見、大徳、某甲、牢固、我見

6.対治悉檀
  • 種種の病に対し、種種の薬あるが如し。
  • 不浄観:貪欲病の薬。
  • 慈心思惟:瞋恚病の薬。
  • 十二因縁:癡病の薬。
対治、膩、鹹、飲食、風病、不浄観、思惟、因縁観法、過失、
貪欲*、瞋恚、愚癡、貪*、十二因縁*、相次相続、
無常*、有常*、常住*、有為法、三相*、
三有為相*:生相、住相、滅相;相*、賢聖

7.第一義悉檀
  • 真実の法:破散できない。
  • 三悉檀に通じない所が通じる。
  • 各各は自ら見に依って戯論し、諍論を起す。
  • 愚癡の人:敢て他人の法を受けない。
  • 真の愚癡の人:愚癡の人と論議する。
  • 自ら是とする見に依って、戯論を生じる。
論議、語言、是法非法、破散、辟支仏、阿羅漢、変易、諸余、
戯論、諍競、是見、衆義経、如実*、治法、刑罰、殺戮、妄語、五熱、
尼揵子、妙慧、癡法、白衣、
婆羅門*、犢子、
比丘*、四大、眼法、
犢子阿毘曇、阿毘曇、離五衆、
第五不可説法蔵*、所摂、
五法蔵*:過去蔵、現在蔵、未来蔵、無為蔵、不可説蔵;
説一切有道人*、説一切有部*、薩婆多部*、神、兔角、亀毛、
十八界*、十二入*、十二処*、不生不滅、
空*、無所有、方広道人*、悪取空*、語言道、心行処、所依、
不尽不壊、摩訶衍*、大乗*、
一切実、一切非実、一切実亦非実、一切非実非不実、四句分別*

8.長爪梵志
  • 長爪梵志:舎利弗の舅、大論議師。
  • 一切の論:破ることができる。
  • 一切の語:壊すことができる。
  • 一切の執:転ずることができる。
  • 故に一切の法は信じない。
  • 一切の法を受けない:是の見を受けるや不や。
長爪梵志、梵志*、先尼婆蹉衢多羅、薩遮迦摩揵提、閻浮提、
四洲*:弗婆提、閻浮提、瞿陀尼、鬱単越;恭敬、舅、
摩訶倶絺羅、舎利、不如、憍慢、天竺、十八種大経、見、
軽辱、譏刺、応、狂象、唐突、蹴踏、摧伏、摩伽陀国*、摩揭陀国*、
王舎城、那羅聚落、生処、適、釈種*、瞿曇、誘誑、剃頭、受戒*、
問訊、涯底、好馬、鞭影、仏語、棄捐、貢高*、慚愧、低頭、負処、麁、細、
多人、衆人、何用、自高、憍慢*、恭敬、信心、不彰、是非、柔濡、以為*、
遠離、塵垢、法眼浄、四句、第一義*、相応、小信、道果、導引

9.諸法の実相
  • 二種の説法:人心を観る、諸法の相を観る。
  • 無諍の法:無相、常寂滅、不可説。
  • 四念処等:声聞法に異なる門を以って説く。
空、無相*、有相*、無作、無行、常不生、如性、寂滅*、諍処、不諍処、
有物、無物、有依、無依、依*、有対、無対、有上、無上、世界、非世界、
無戯論*、戯論*、畢竟、善*、不善*、無記*、
学法*、無学法*、非学非無学法*、
三学*:戒、定、慧、亦たは学、無学、非学非無学;
見諦断法、思惟断法、無断法、可見有対、不可見有対、不可見無対、
四念処、内身、外身、内外身、三十六物不浄、欲貪*、覚観*、無所得*、
身念処、四正勤、四如意足、四禅、四諦、行*、五受衆、五道、因縁起*


大智度論巻第一(下)
如是我聞一時釈論第二
1.如是
【經】如是我聞一時
  • 如是(このように)とは:経の初に如是が在るのは?
  • 仏法の大海中、信は能入、智は能度。
  • 信の相、不信の相。
  • 牛皮の喩え。
  • 信は手の如し、宝山に入って宝を取る。
  • 信は大法の大海中に沙門果を得る。
  • 信が無ければ、剃髪染衣も得る所無し。
  • 信が無いのは、枯樹に華果を生じないのと同じ。
  • 甘露の門を開くに、信があれば歓喜を得る。
  • 信力が、初めに仏法に入れる。
  • 提婆達多の弟子倶伽離は無信故に悪道に堕ちる。
  • 如是の相は善、直、信。
  • 如是の義が仏法の初に在る:現世の利、後世の利、涅槃の利。
  • 自法を愛するが故に他人の法を毀れば、持戒の行人と雖も地獄に堕ちる。
  • 仏法は、一切の愛、見、吾我、憍慢を棄てる。
  • 善法すら捨てるべし、況して不善の法をや、筏の喩え。
  • 般若波羅蜜さえ念じない、況して他の法をや。
  • 離苦解脱を求めて、諸法の相を戯論しない。
  • 内外を捨てて道を疑う、摩犍提の例。
  • 仏法は諸法の相を捨てて道を得る。
如是、一時、称、能入、能度、度*、信、智、清浄、相、無漏*、根力覚道、禅定、沙門果、袈裟*、梵天王、法輪、乃、偈、閻浮提、結使、三有*、三界*、大徳*、一切智*、濡、直、退堕、悪難、憐愍、非悩他、猗、無所得*、福*、著*、相*、為*、提婆達、倶迦梨、覆没、端視、踊躍、愛染、呰毀、闘諍*、棄捨、愛、見、吾我、憍慢、筏喩法、汝曹、猗著、朋党、離苦、解脱、戯論、法相、阿他婆耆経、摩犍提、決定、内外、我我所、唖法、唖、妄語、横*、我我所*、我*、我所*、無諍*

2.我
  • 一切法は空、吾我は無い?
  • 俗法に随って、我を説く。
  • 世界法中に我を説く。
  • 第一義中には我を説かない。
  • 語言の三根本:邪見、慢、名字。
  • 空、無我中にも心は著さない。
  • 中論:不空すら尚お得ず、況して空を得るをや。
最後辺身*、最後身*、漏、吾我、邪見、慢、名字*、名*、見道、学人*、中論、吾我*、無有*、無所有*

3.聞
  • 聞くのは耳根か?耳識か?意識か?
  • 中論:仏法中に業果は有るが、作者は無い。
  • 中論:業も果も空であるが、業と果は断絶しない。
  • 中論:業も果も常でないが、罪福は失われない。
耳根*、耳識*、意識、六根*、六識*、五塵*、五境*、情、無対、業

4.一
  • 数、時は無い、陰入持に摂しないが故に?
  • 世俗に随うが故に数、時を説く。
  • 一という法が和合するが故に、物を一と呼ぶ?
  • 一と物とは、一異倶に過が有る。
  • 瓶の喩え:一瓶が一の義なら、在在に因陀羅、釈迦が在る。
法、数*、陰入持、摂、三科*、師保、等侶、物、心、義、因提梨、釈迦、在在、有色*、色*、有対

5.時
  • 二種の時:迦羅と三摩耶。
  • 邪見を除くため、迦羅と言わずに三摩耶と説く。
  • 天地の好醜は、皆時を因と為す?
  • 時経:時が来れば衆生が熟す。
  • 時経:時の変わるのは、車輪の転ずるが如し。
  • 時経:人も亦た車輪の如く、上になったり、下になったり。
  • 時法は、不壊の故に常か?
  • 往年、今年、久近、遅疾等の相を見て時が有ると知る?
  • 泥丸は現在、土塵は過去、瓶は未来の喩え。
  • 過去には未来現在が雑る、故に三世の相は無い。
  • 過去の時は過去世中を行く?
  • 各各の法相が時を有する?
  • 時法は無いが、凡人は其の名字に著する。
  • 世界中の名字の法に時を有するが、実の法ではない。
  • 非時食、時薬、時衣等を皆迦羅と言うのは?
  • 毘尼中に説くものは、白衣は聞くことができない。
  • 三摩耶は詭名、迦羅は仮名。
時*、迦羅*、三摩耶*、受*、衆生熟、実有、常、時食*、非時食*、遮、毘尼、瞋呵、時薬、時衣、柯邏、白衣、詭名



大智度論巻第二(上)
初品総説如是我聞釈論第三
1.如是我聞一時総説
  • 如是我聞:誰の言か?
  • 仏法の五種:
    1. 仏が自ら口で説く
    2. 仏弟子が説く
    3. 仙人が説く
    4. 諸天が説く
    5. 化人が説く
  • 一切の好語は、皆仏法中より出る
三智*:一切智*、一切種智*、道智*;毘尼、憍尸迦、伊蘭*、牛頭栴檀*、栴檀*、摩梨山*、釈提桓因*、

2.阿難誦出の因縁
  • 仏は、涅槃に入ろうとする時、阿難に教えた
    1. 我が滅度の後、
      1. 自らに依止し:観四念処
      2. 法に依止して:解脱戒経
      3. 余に依止してはならない
    2. 悪口の車匿は、黙擯の法/梵法で治めよ
    3. 経の初には、如是我聞一時仏在と称えよ、と。
法相、般涅槃*、拘夷那竭*、薩羅双樹*、阿難*、阿尼廬豆*、有為法、無常、相、付、我曹、共住、悪口、車匿*、念、道、力、現前*、依止*、念処、四念処*、解脱戒経*、戒本*、波羅提木叉*、梵法*、梵檀*、濡伏、刪陀迦旃延経、阿僧祇劫*、阿僧祇*、劫*

3.三蔵結集の因縁
  • 摩訶迦葉、阿難の五種の軽罪を挙げて、三蔵結集衆より排斥する
    1. 女人の出家を慇懃に勧請する
    2. 水の濁れるが故に、仏に水を与えない
    3. 仏を引留めず、早く涅槃に入らせた
    4. 仏の僧伽梨を、足で踏んだ
    5. 般涅槃の時、仏の陰蔵相を女人に示した
  • 阿難、廓然大悟して結集衆に加わる
  • 阿難、請われて経を誦出する
  • 優婆離、請われて律を誦出する
  • 阿難、請われて論を誦出する
久住、摩訶迦葉*、頭陀*、阿羅漢、波羅奈国*、仙人鹿林*、五比丘*、苦聖諦、眼智明覚*、四諦*:苦聖諦*、集聖諦*、滅聖諦*、道聖諦*;反流、悪雷、掣電、雹雨、驟堕、哮吼、喚呼、号咷、一何*、剖裂、須弥山王、傾揺、波揚、摧折、陂池、嬈濁、啼哭、郁伊、哽咽、涕涙、学人、無学人、有為、夜叉、羅刹、犍闥婆、甄陀羅、摩睺羅伽、龍、八部衆*、老病死海、恩愛、老病死券、身篋、四大蛇、無余滅涅槃、神力*、神通*、信清浄*、信*、清浄*、六欲天*、遍浄天、婬怒癡、滅度、永寂、滅結、癡冥、遂増、智灯、耆年*、欲恚慢、紫金*、端*、厳*、大徳*、仁者、頽、法幢、澄静、良*、良久*、盲冥、黙然、忽然、久住*、修妒路、阿毘曇、毘尼、結集、勤苦、慈愍、演説、承用、宣揚、開化、揵稚*、会者、憐愍、愚癡、冥、愍傷、須待、衆会*、除善阿難*、六神通*、共解脱、無礙解脱、三明、禅定、逆順行、三昧、内外経書、十八種大経*、頻婆娑羅王、教勅、飯食、供養、阿闍世王、廃欠、供給、耆闍崛山、夏安居*、説戒*、和合僧*、漏、結、慚恥、悲泣、随侍、供給、左右、含忍、使令、留残、尽断、不得、聴、慇懃*、勧請、突吉羅、瞿曇弥、四部衆、釈迦文*、倶夷那竭城、四畳、漚多羅僧*、乗、渾濁、懺悔*、四神足、減一劫、僧伽梨*、陰蔵相*、悔過、諾*、長跪合掌*、偏袒右肩*、革屣、議*、阿尼廬豆、憍梵波提*、閑居、寂燕*、尸利沙樹園*、次*、僧使、勅命、陳説*、漏尽阿羅漢、右繞三匝*、金翅鳥*、軟善*、少欲知足*、問訊*、将*、破僧*、大疾、転輪王将、和上、摩訶目伽連*、喻*、懊悩、愛結*、羅睺羅*、神変*、四道、稽首礼、衣鉢*、坐禅*、経行*、六物*、十八物*、後夜、偃息*、廓然*、金剛定*、三明、六神通、共解脱、鑰孔、見*、謙恨、於*、嘱累、厳*、布現、展転*、波羅奈、四真諦、五比丘、阿若憍陳如、見道*、見諦道*、多羅樹*、咄*、乃、便、方便*、三界*、善根*、涅槃*、水月芭蕉、巧言、欺誑、力諍、転法輪経、大般涅槃、四阿含*、四阿含経*、増一阿含、中阿含、長阿含、相応阿含、修妒路法蔵、修妒路*、修多羅*、明了*、毘尼法蔵、優婆離*、結界、毘尼*、毘奈耶*、請、優波離*、憂婆離*、毘舎離*、吠舎釐国*、須提那迦蘭陀長者子*、迦蘭陀子*、阿毘曇蔵、舎婆提*、生、殺*、盗*、邪婬*、妄語*、飲酒*、殺生戒*、偸盗戒*、邪淫戒*、妄語戒*、飲酒戒*、幡*、幢*、蓋*、無明、十力、一切智

4.阿毘曇の分別
  • 阿毘曇の因縁
    1. 八犍度阿毘曇
    2. 六分阿毘曇
    3. 舎利弗阿毘曇
  • 昆勒の因縁
  • 阿毘曇とは?:例
  • 昆勒とは?
八犍度阿毘曇*、六分阿毘曇*、違錯*、阿輸迦王*、般遮于瑟会*、般闍于瑟大会*、別部*、名字、上座部*、阿輸迦*、般闍于瑟*、迦旃延*、摩訶迦旃延*、発智経*、阿毘達磨発智論*、揵度*、犍度*、世間第一法、鞞婆沙*、毘婆沙*、六分阿毘曇*、阿毘達磨六足論*、目犍連*、婆須蜜菩薩*、世友*、罽賓*、楼炭教、目揵連*、目乾連*、婆須蜜*、舎利弗、犢子道人*、舎利弗阿毘曇*、舎利弗阿毘曇論*、犢子部*、摩訶迦旃延、昆勒*、五戒*、有色、無色、可見、不可見、有対*、無対*、有漏、無漏、有為、無為、有報*、無報*、有記*、無記*、七十五法*、七使*、欲界繋、色界繋、無色界繋、見諦断*、見断*、思惟断*、四諦*、見所断*:見苦断*、見集断*、見滅断*、見道断*;遍使*、不遍使*、六因*:能作因*、俱有因*、同類因*、相応因*、遍行因*、異熟因*;四縁*:因縁*、等無間縁*、所縁縁*、増上縁*;十智*、有漏縁*、無漏縁*、有為縁*、無為縁*、欲界縁*、色界縁*、無色界縁*、不繋縁*、無礙道*、解脱道*、比、従


大智度論巻第二(下)
初品総説婆伽婆釈論第四
1.婆伽婆(世尊)
【經】婆伽婆
  • 婆伽婆とは、‥‥
  • 有徳。
  • 巧分別:法の総相、別相を巧分別する。
  • 名声有り。
  • 転輪聖王と仏との差別。
婆伽婆*、法*、総相*、別相*、転輪聖王*、釈梵護世、梵庶、結*、相応、生老病死*、四苦*:生苦*、老苦*、病苦*、死苦*、恩愛*、曠野、災患、無明、四天下、貪求、有頂*、有頂天*、貪著
2.煩悩の残気
  • 阿羅漢は煩悩を焼く火力が弱く、煙、炭、灰が残る。
  • 仏は劫尽の火の如く、一切何も残らない。
  • 舎利弗:瞋恚:前世に毒蛇の時、瞋りて自ら火に投ずる。
  • 難陀:婬欲の気分が残る。
  • 必陵伽婆磋:憍慢:恒神を小婢と呼んで、河を止める。
劇*、為*、憂慼*、婬怒癡*、貪瞋癡*、阿羅漢、辟支仏、三毒*、気分、劫尽火、劫火*、須弥山、舎利弗、難陀、必陵伽婆磋、鎖、禅、経行、羅睺羅、羸痩、酥、麻滓、菜、大徳、衆、上座、和上、不浄食、請*、波斯匿王、長者*、須達多、白衣、大信、大師、不得、勅、設、恒水、弾指*、小婢、恒神、懺謝、大衆*、慢、憍貴、軽賎、憍、栴闍婆羅門女*、栴遮*、木杅、娠、衣食、誑惑、我曹、慚色、彰露、名華、讃嘆、馬麦、憂慼、天王


3.多陀阿伽陀(如来)
  • 仏の功徳の無量なるが如く、名号も無量である。
  • 法を相の如く解し、相の如く説く。
  • 仏は安穏の道を来る。
  • 仏は後有に去らない。
多陀阿伽陀*、如来*、法相*、後有*

4.阿羅呵(応供)
  • 煩悩の賊を殺す。
  • 不生。
  • 供養を受けるに相応しい。
阿羅呵*、阿羅漢*、忍、精進、剛甲、持戒*、大馬、禅定、良弓、智慧*、好箭、無明、

5.三藐三仏陀(正遍知)
  • 一切の法を正しく遍く知る。
  • 苦を苦の相の如く知り、集を集の相の如く知り、滅を滅の相の如く知り、道を道の相の如く知る。
  • 一切の諸法は、実に不壊の相、不増不減である。
  • 不壊の相:心中の行処滅して、語言の道断える。
  • 諸の法を過ぎて、涅槃の相の如く動かない。
  • 十方の諸世界の名号、及び其の所摂の衆生の名号、因縁、生処、心相、結使、善根、出要等を悉く知る。
三藐三仏陀*、苦*、苦諦*、集*、集諦*、滅*、滅諦、道*、道諦*、心行処滅*、言語道断*、十方、所摂、衆生、結使、善根、出要

6.鞞侈遮羅那三般那(明行具足)
  • 宿命、天眼、漏尽の三明を具足する。
  • 明と通との差別。
  • 阿羅漢、辟支仏と仏との差別。
鞞侈遮羅那三般那*、三明*:宿明明、天眼明、漏尽明;際*、六神通*:神足通、天眼通、天耳通、他心通、宿命通、漏尽通;直、際会、以往、一念、生住滅、苦法忍、苦法智、有為法、無為法、見諦道、行、業

7.修伽陀(好去好説)
  • 好く去る:種種の諸の深三昧の中に去る、無量の諸の大智慧の中に去る。
  • 好く説く:諸法の実相のままに説く、法に著せずに説く、弟子の智慧力を観て説く。
修伽陀*、三摩提、一切智、八正道、法愛、五衆、十二因縁、四諦、法愛*、是処*

8.路迦憊(知世間)
  • 世間を知る:衆生、非衆生の如実の相に及ぶまで知る。
  • 世間の苦、因、滅、道を知る。
  • 世俗や、外道の知るが如きを、知るのではない。
  • 世間は無常の故に、苦なり。苦の故に、無我なりと知る。
  • 衆生は有常に非ず、無常に非ずと知る。
  • 世界は有辺に非ず、無辺に非ずと知る。
  • 如来は去るに非ず、去らざるに非ずと知る。
  • 以上の相にも著さない。
  • 仏の心は虚空の如く清浄である。
路迦憊、世間、衆生*

9.阿耨多羅(無上)
  • 阿耨多羅:無上、無答。
  • 涅槃の、法中に無常である。
  • 涅槃を他より聞かず、自ら知る。
  • 衆生を将導して、涅槃に至らせる。
  • 持戒、禅定、智慧を衆生に教えて、化導する。
  • 外道の問難は、答えることも、破ることもできる。
  • 仏の法は、答えることもできず、破ることもできない。
阿耨多羅、将導

10.富楼沙曇藐婆羅提(丈夫調御師)
  • 仏は大慈、大悲、大智を以っての故に、時に軟美語、時に苦切語、時に雑語を用いて、弟子を調御し、道を失わせない。
  • 五種の調御師:父母、官法、師法、閻羅王、仏。
  • 仏は、今世の楽、後世の楽、涅槃の楽を以って利益する。
  • 何故、女人の調御師と言わないのか?
  • 男尊女卑、女は男に従う、男は事業の主の故。
  • 女人に五礙有り、転輪王、帝釈、梵天、魔王、仏に作れない。
  • 女人の調御師と言えば、人に尊重されない。
  • 丈夫の調御師と言えば、一切皆摂する。
富楼沙曇藐婆羅提*、可化、丈夫、調御師、軟美語、苦切語、雑語、法宝、調御、正轍、調伏、親里、官法、師法、閻羅王*、閻魔王*、五礙*、五障*:女人の身は梵天、帝釈、魔王、転輪王、仏と作れない。転輪王、釈天王、魔天王、梵天王、二根、無根、厭心*

11.舎多提婆魔菟舎喃(天人教師)
  • 天と人との教師。
  • 教に随い道法を捨てなければ、解脱の報を得る。
  • 何故、天と、人のみなのか?
  • 余の道の衆生は、度されることが少ない。
  • 人中は結使薄く、厭心を得易い。
  • 天中は智慧が利い。
  • 天に一切の天上を摂し、人に一切の地上を摂す。
  • 人中に楽因が多く、天中には楽報が多い。
舎多提婆魔菟舎喃*、厭心、見諦道、思惟道、道果

12.仏陀(知者)
  • 一切の法を知る。
  • 摩醯首羅天、韋紐天、鳩摩羅天等は一切智ではない。
  • 是れ等の天が、手に武器を執るのは、他を怖れるが故。
  • 敬愛:一切の願いを得、憎悪:七世の孫まで滅ぼす。
  • 仏は、怨家より来た賊にも、自ら身肉等を以って供養する。
  • 大功徳の神通力、第一の浄心。
仏陀、摩醯首羅天*、大自在天*、韋紐天、金翅鳥、鳩摩羅天*、鳩摩羅*、兵杖、衰*、五衰*、除却、奉事、恭敬、虚誑、如、怨家、如*

13.阿娑磨(無等)
  • 無等。
阿婆磨、阿娑磨

14.阿娑摩娑摩(無等等)
  • 無等等。
阿婆摩婆摩、阿娑摩娑摩

15.路迦那他(世尊)
  • 世尊。
路迦那他

16.波羅伽(度彼岸)
  • 彼岸に度る。
波羅伽

17.婆檀陀(大徳)
  • 大徳。
婆檀陀

18.尸梨伽那(厚徳)
  • 厚徳
尸梨伽那

19.悉達多(成利)
  • 利を成ずる:父母が名づけた。
悉達多*、釈迦牟尼仏*

20.放牛十一譬喩
  • 色を知る:一切の色は、四大、及び四大の造。
  • 相を知る:善業の相を見て智人を知り、悪業を見て愚人を知る。
  • 刮刷する:悪邪の覚観を刮刷して、善根を守る。
  • 瘡を覆う:法の正観を念じて、六情の瘡を覆う。
  • 煙を作る:結使の蚊虻を除き、法煙で衆生を引く。
  • 道を知る:八正道は涅槃に至る道、断常の悪道を離れる道。
  • 宜しき所:仏法を説く時、清浄の法を喜び、善根を増す。
  • 済を知る:説法者は、前人の心の利鈍、煩悩の軽重を知る。
  • 安穏の処:四念処は安穏であり、煩悩の毒獣が無い。
  • 乳を畜める:白衣の給施に関し、量を節する。
  • 牛主を養う:衆僧中の威徳の大人を養護する。
  • 知る可き処が無量であるが故に、一切智の人は無い?
  • 法が無量であるが如く、智慧も亦た無量である。
  • 三種の法に一切法を摂する:有為法、無為法、不可説法。
刹利衆、浄飯王、字*、而*、遠*、可以*、摩伽陀国、頻婆娑羅、放牛、往詣、親厚、四韋陀、十八大経*:利倶吠陀、三摩吠陀、夜柔吠陀、阿闥婆吠陀、式叉、毘伽羅、柯刺波、竪底沙、闡陀、尼鹿多、肩亡婆、那邪毘薩多、伊底呵婆、僧佉、課伽、陀菟、犍闥婆、阿輸;竹園*、迦蘭陀竹園*、前、覓、金山、酥、釈師子、顔貌、相称、相相、纏絡、円光、厭足、浄信、番息、刮刷、度済、牛主、覚、観、蚊虻、悪刺、刺棘、六情、犢母、居士*、白衣*、罄竭、檀越、特牛、羸痩、麻油、瓔珞、標、摩刷、八衆*:沙門、婆羅門、刹利、天、四天王、三十三天、魔、梵;姓族、四信、薬方、星宿、算経、世典

21.十四難には答えない理由
  • 世界、我:常、無常、亦常亦無常、亦非常亦非無常。
  • 世界、我:有辺、無辺、亦有辺亦無辺、亦非有辺亦非無辺。
  • 死後:後世に去る神の有、無、亦有亦無、亦非有亦非無。
  • 是身是神、身異神異。
  • 十四難には、此の事が無いが故に答えない。
  • 答えないことも、答である。
  • 四種答:決了答、解義答、反問答、捨置答。
世界*、我*、神*、異*、搆*、高下、道人、十二因縁、石女*、黄門、以、四種答*:決了答、解義答、反問答、捨置答;妄語、十力*:処非処、業異熟、静慮解脱等持等至、根上下、種種勝解、種種界、遍趣行、宿住随念、死生、漏尽等の知力;処非処*、中道

22.一切智の人を讃える
  • 一切智を讃えて、偈を説く。
頂生転輪王、生胎、生身、乳餔、香象*、神足、光裏、悪毀、称誉、有識、智慧力、無畏力、十八不共法、梵輪、度脱



大智度論巻第三(上)
初品中住王舎城釈論第五
1.王舎城に住まる
【經】住王舍城
  • 王舎城に住ると説く理由。
  • 方、時、人を説くのは、人心に信を生じさせるため。
  • 住まる:身の四威儀の坐、臥、行、住を指す。
  • 三住:天住、梵住、聖住;
  • 天住:布施、持戒、善心の三事。
  • 梵住:慈、悲、喜、捨の四無量心。
  • 聖住:空、無相、無作の三三昧。
  • 仏:聖住の法中に住まる。
王舎城、坐臥行住、
欲天:四王天、忉利天、夜摩天、兜率天、楽変化天、他化自在天;
梵天、非有想非無想天、
三住:天住、梵住、聖住;
四無量心:慈無量、悲無量、喜無量、捨無量;
三三昧:空三昧、無相三昧、無作三昧;
首楞厳、三昧、十力、四無所畏、十八不共法

2.王舎城
  • 王舎城の名の因縁。
  • 摩伽陀王に一頭、両面、四臂の子が生まれ、後に諸国の王一万八千を捕らえて五山に留置した。
  • 王の住む城が七回焼け七回建て為した。
  • 摩伽陀国王の婆藪が天祀にて肉を食うことを勧め、因って地獄に堕ちた後、婆藪の子広車がこの地を王都に定めた。
舎婆提、迦毘羅婆、波羅奈、摩伽陀国、羅刹女鬼、梨羅、乳養、并兼、王舎城の五山:霊鷲山(祇離渠呵)、交普山(毘富羅山)、白善山(槃塗山)、負重山(倍呵羅)、千人掘山(離師祇離);意故、周匝、婆数*、天祀、問*、当*、不是*、尋*、稍*、漸漸*、処*、遂*、伎*、明旦、稍、四韋陀、祀天法、田猟、周匝、峻固、平正、茂盛、伎楽、乾闥婆、元

3.耆闍崛山
【經】耆闍崛山中
  • 耆闍崛山の名の因縁。
  • 山頂が鷲の頭に似る。
  • 近くの屍陀林の中の多くの死人に鷲が集まり、この山に還る。
  • 五山中の最大にして好林池水の多い聖人の住処。
耆闍崛山、鷲頭山、屍陀林

4.王舎城と舎婆提
  • 仏が王舎城、舎婆提の二城に多くに住まる因縁。
  • 漚祇尼大城:辺国。
  • 弥離車:弊悪人多く、善根未だ熟さない。
  • 憍薩羅国:仏の生地。
  • 迦毘羅婆:釈種の弟子の多くは、未だ欲を離れない。
  • 釈尊の父王:貴人の子弟を強いて出家させた。
  • 舎婆提:九億の家。
  • 舎婆提:種種の経書を学び、邪見がはびこる。
漚祇尼、富楼那跋檀、阿藍車多羅、弗迦羅婆多、舎婆提、波羅奈、迦毘羅婆、瞻婆、婆翅多、拘睒鞞、鳩楼、十六大国*:鴦伽、摩竭陀、迦尸、居薩羅、跋祇、末羅、支提、抜沙、居楼、般闍羅、阿湿波、阿般提、婆蹉、蘇羅娑、乾陀羅、剣洴沙;弥離車*、憍薩羅国*、頻婆娑羅王、日種、仏五姓*:瞿曇、甘蔗、日種、釈迦、舎夷;波斯匿王*、結、習、染著、迦葉兄弟:優楼頻螺迦葉、那提迦葉、伽耶迦葉;光飾、兼*、沙門、習行、利智慧、治癰師、出世間*、尼連禅河、優楼頻螺聚落、法身*

5.王舎城と舎婆提との比較
  • 舎婆提:生地の恩に報いる。
  • 王舎城:法身の地に報いる。
  • 王舎城:精舎が多い:五精舎:竹園、鞞婆羅跋恕、薩多般那求呵、因陀世羅求阿、薩簸恕魂直迦鉢婆羅;
  • 舎婆提:二処:祇洹精舎、摩伽羅母堂。
  • 波羅奈斯国:鹿林中の精舎(梨師槃陀那)
  • 毘耶離:二処:摩呵槃、彌猴池岸。
  • 鳩睒弥:劬師羅園。
  • 王舎城:長爪梵志等の外道の大論議師が多い。
  • 譬え:毒草の生えた処は、近辺に必ず良薬が有る。
  • 王舎城:頻婆娑羅王の供給で、乞食が容易。
  • 王舎城:十二億の家が有った。
  • 王舎城:国が豊楽で、乞食が容易。
  • 舎婆提:飢饉が有る。
  • 耆闍崛山:王舎城に遠からず、近からず。
生身*、法身*、対*、在*、就*、化*、師敬、王舎城の五精舎:竹園*、鞞婆羅跋恕、薩多般那求呵、因陀世羅求阿、薩簸恕魂直迦鉢婆羅;祇洹精舎、摩伽羅母堂(鹿子母堂)*、婆羅奈斯国、梨師槃陀那(鹿野苑)、毘耶離(吠舍釐国)、摩呵槃*、彌猴池岸*、鳩睒弥、劬師羅園、富那羅、六師外道*:富蘭那迦葉、末伽梨拘賒梨子、刪闍夜毘羅胝子、阿耆多翅舎欽婆羅、迦羅鳩駄迦旃延、尼乾陀若提子;対、長爪梵志*、婆蹉*、拘迦那大、尸利崛多*、提婆達多*、阿闍世*、伽耶*、祀舎、余結髪、須陀洹、就、尽形寿、衣被、所当得、閻浮提*、由旬*、波羅利弗多羅*、釈提桓因*、摩伽陀国石室、約勅、樹提伽*、優婆塞*、阿波羅邏、在

6.摩訶迦葉、耆闍崛山中に弥勒を待つ
  • 摩訶迦葉:耆闍崛山にて神変を現わし、石内に没する。
  • 弥勒の時、摩訶迦葉は小身を以って、神変を現わす。
  • 弥勒仏:摩訶迦葉を説き、諸の弟子を教誨する。
  • 耆闍崛山:福徳の吉処、聖人の喜ぶ住処。
  • 耆闍崛山:過去未来現在の仏の住処。
  • 耆闍崛山:摩訶衍を多く説く:浄潔、福徳の閑静の故。
無余涅槃、結跏趺坐、無漏禅定、晡時、
有為法*、因縁生*、我我所*、僧伽梨、摩訶迦葉の僧伽梨、金翅鳥、
身儀、弥勒*、仏面、円光*、六通、懈厭、
変(神変)*、般涅槃*、阿蘭若*、少欲知足、頭陀*、共解脱、
阿那含、斯陀含、辟支仏、無生法忍、不退、富楼那弥帝隷耶尼子、富楼那、
三千大千世界、劫焼、
八部衆*:天、龍、夜叉、乾闥婆、阿修羅、伽留羅、甄陀羅、摩睺羅伽;
止息、覆蔭


大智度論巻第三(下)
初品中摩訶比丘僧釈論第六

1.摩訶比丘僧と共に
【經】共摩訶比丘僧
  • 共に:処、時、心、戒、見、道、解脱が同一。
  • 摩訶:大、多、勝。
  • 比丘:乞士:清浄活命。
  • 四口食:下口食、仰口食、方口食、四維口食。
  • 比丘:煩悩を破る。
  • 比丘:出家人。
  • 比丘:受戒の故に。
  • 比丘:魔を怖す。
  • 僧伽:衆多の比丘が一処に和合する。
  • 四種僧:有羞僧、無羞僧、唖羊僧、実僧。
摩訶比丘僧、衆、九十六種外道、清浄活命*、邪命*、梵志、沙門、姉、四口食*、四食*:下口食*、仰口食*、方口食*、四維口食*;豪勢、曲媚、四維*、須陀洹、比丘、胡、漢、羌、虜、受戒、形寿、染衣、僧伽*、叢聚、四種僧*:有羞僧、無羞僧、唖羊僧、実僧;学人、無学人、四向、四果、百一羯磨、説戒*、受歳*、羯磨*

2.大数五千分
【經】大數五千分
  • 大数:少し過ぎ、少し減ずる。
  • 分:多衆の辺より、一分を取る。

3.皆、阿羅漢である
【經】皆是阿羅漢
  • 阿羅漢:煩悩の賊を破る。
  • 阿羅漢:一切の漏尽き、天、人の供養を得るにふさわしい。
  • 阿羅漢:後世に更に生じない。
阿羅漢

4.諸の漏は已に尽きた
【經】諸漏已盡
  • 漏尽:三界中の三種の漏が已に尽きた。
漏*、三種漏*、三漏*:欲漏、有漏、無明漏;

5.もう煩悩は無い
【經】無復煩惱
  • 無煩悩:一切の煩悩を断除するが故に。
  • 煩悩:結、使、流、受、扼、縛、蓋、見、纏。
煩悩*:結*、使*、流*、受*、扼*、縛*、蓋*、見*、纏*

6.心に好解脱を得、得に好解脱を得た
【經】心得好解脫慧得好解脫
  • 外道:心にの解脱を得るのみ。
  • 阿羅漢:心と慧とに好解脱を得る。
  • 阿羅漢:見諦道、思惟道の二心に好解脱を得る。
  • 学人:心に解脱を得るが、好解脱は得ない。
  • 外道:助道法を満たさず、一功徳、二功徳の為に修行する。
  • 外道:八種の清浄道:自覚、聞、読経、畏内苦、畏大衆生苦、畏天苦、得好師、大布施;
  • 外道:一処を志して、心に解脱を得る。
  • 外道:涅槃の道を満足しない。
  • 釈尊最後の弟子:須跋陀羅の因縁。
  • 愛を断てば、余の煩悩も断たれる。
  • 結使:愛か、見に属す。
  • 愛に属す結使:心を覆う。
  • 見に属す結使:慧を覆う。
  • 劬提迦:時解脱阿羅漢。
心、慧、障法*、障*、解脱*、見諦道、思惟道、功徳*、三道*、須跋陀*、須跋陀羅*、阿那婆達多池*、五神通、猶豫、善知識*、拘夷那竭国、問訊、瞿曇、閻浮提、六師、八正道*、第一果、師子吼、般涅槃、結跏趺坐、染愛*、愛*、十二因縁*:無明、行、識、名色、六処、触、受、愛、取、有、生、老死;将従、巾、無生智、退去阿羅漢、時解脱、六種阿羅漢*:退去阿羅漢、思法阿羅漢、護法阿羅漢、堪達法阿羅漢、不動法阿羅漢;劬提迦*

7.心は調って柔軟である
【經】心調柔軟
  • 恭敬供養にも、瞋恚罵詈にも等心無異であるが故に。
  • 婬欲、瞋恚、憍慢、疑、見の根本を断じたが故に。
  • 六情を守護するが故に。
罵詈、撾打、斫截、栴檀、婬欲*、瞋恚*、憍慢、疑、見

8.摩訶那伽
【經】摩訶那伽
  • 摩訶那伽:大いに不罪であるが故に。
  • 摩訶那伽:龍、象:阿羅漢の力は最大であるが故に。
摩訶那伽、那伽、刀杖、洪雨、潤沢

9.作す所は已に辦じた
【經】所作已辦
  • 所作:信、戒、捨、定等の善法を得るが故に。
  • 已辦:智慧、精進、解脱等の善法を得るが故に。
  • 所作:愛に属する煩悩と断つが故に。
  • 已辦:見に属する煩悩を断つが故に。
  • 所作:色、可見、有対の法を見るが故に。
  • 已辦:無色、不可見、無対の法を見るが故に。
  • 所作:不善、無記の法を断ずるが故に。
  • 已辦:善法を思惟するが故に。
  • 所作:聞慧、思慧を成就するが故に。
  • 已辦:修慧を成就するが故に。
  • 所作:煖法等の四善根を得るが故に。
  • 已辦:無漏の善根を得るが故に。
  • 所作:見諦道を得るが故に。
  • 已辦:思惟道を得るが故に。
  • 所作:学道を成就するが故に。
  • 已辦:無学道を得たが故に。
  • 所作:心に解脱を得るが故に。
  • 已辦:慧に解脱を得るが故に。
  • 所作:漏を尽くすが故に。
  • 已辦:共解脱を得るが故に。
  • 所作:一切の結使を除くが故に。
  • 已辦:非時解脱を得るが故に。
  • 所作:自ら利益し竟えたが故に。
  • 已辦:他人を利益するが故に。
所作*、已辦*、信、捨、色法、無色法、可見、不可見、有対、善法、不善法、無記法、聞慧、思慧、修慧、四善根位*:煖法、頂法、忍法、世間第一法;苦法忍、無漏、善根、三道*:見諦道、思惟道、学道、無学道;心解脱、慧解脱、共解脱、非時解脱

10.擔うものを棄てて、能く擔う
【經】棄擔能擔
  • 擔を棄てる:五衆の麁重は常に悩ますが故に。
  • 能く擔う:二種の功徳の擔:自ら利益し、他を利益する。
  • 阿羅漢:無漏の根力覚道を得て、仏法の大事を擔う。
擔*、麁重、漏尽、不悔*、悪作*、壮力、服、載、根力覚道、三無漏根*:未知当知根、已知根、具知根;無漏根力*、二十二根*、七覚分*、八正道*


11.己を利を逮得した
【經】逮得己利
  • 己の利:善法を行うこと。
  • 己の利でない:善以外の法を行うこと。
  • 信、戒、捨、定、慧等の功徳:三因縁。
  • 一因縁:善法の功徳は、一切の財法に勝る。
  • 二因縁:今世、後世に常に楽を得る。
  • 三因縁:甘露の城に到る。
逮得、己利

12.諸の有結を尽くした
【經】盡諸有結
  • 有:三種:欲有、色有、無色有。
  • 欲有:欲界繋の業が因縁を取り、後世に業報を生じる。
  • 結:九種:愛結、恚結、慢結、癡結、疑結、見結、取結、慳結、嫉結。
  • 結が尽きる:有が尽きる。
  • 有が尽きる:結が尽きる。
有結、欲界繋、九結*:愛結、恚結、慢結、無明、見結、取結、疑結、嫉結、慳結;愛結*、恚結*、慢結*、癡結*、疑結*、見結*、取結*、慳結*、嫉結*、疑*、慳*、嫉*、檀越


13.正智は、已に解脱を得た
【經】正智已得解脫
  • 摩犍提梵志の屍:見る者は清浄を得る?
  • 小人:眼の見る所に、清浄を求める。
  • 清浄:智慧と功徳を用いて得る。
  • 阿羅漢:仏の辺に居る理由:恩を知る。
  • 阿羅漢が囲繞するが故に:仏の徳が尊ばれる。
  • 栴檀、伊蘭の四句分別。
  • 仏が大衆に囲繞されるのは:
  • 須弥山が十宝山に囲繞されるが如し。
  • 白香象王が白香象に囲繞されるが如し。
  • 師子王が師子衆に囲繞されるが如し。
  • 仏:世間の無上の福田:諸の弟子に囲繞される。
正智*、三藐三菩提*、正覚*、摩犍提、囲繞、遶、梵天、梵天王、三十三天、釈提桓因、鬼神、毘沙門王、転輪聖王、阿耆陀*、阿私陀*、学人、数法人、義端、生*、滅、有為、生法、無生法、昆盧提迦、栴檀、伊蘭、叢林、須弥山、十宝山:雪山、香山、軻梨羅山、仙聖山、由乾陀羅山、馬耳山、尼民陀羅山、斫迦羅山、宿慧山、須弥山;香象、福田*、共住*

14.唯だ阿難を除く
【經】唯除阿難在學地得須陀
  • 阿難:阿羅漢の数に入らない、未だ学地に在り、未離欲の故に。
  • 阿難が、未だ学地に在る理由:
  • 本願の故に:多聞衆の中の最も第一となる。
  • 阿羅漢:仏に供給、供養すべきでない:仏と同じ解脱の故に。
  • 阿難:智慧多く、定少いが故に。
  • 阿難:世尊に供給することを貪るが故に。
  • 阿難:処、時、人が合しないが故に。
  • 阿難:世法を厭うことが少なく、余人に及ばないが故に。
  • 阿難の名の因縁:
  • 先世の因縁:先世の別の釈迦文仏に阿難という弟子がいた。
  • 先世の因縁:世世に忍辱して瞋を除いたので、端正であり、見る者が歓喜(阿難の義)する。
  • 父母の作った字:釈尊成道の日に、斛飯王の児として生まれたが故に、浄飯王が歓喜して、阿難と呼ばせた。
  • 因縁に依り名を立てた:阿難は端正、清浄であるが故に。
  • 阿難:阿羅漢の道を得られたが、仏に供給供養する為の故に、自ら漏を尽くさなかったが、此の大功徳を以っての故に、無学でないのに、無学の数中に在り、離欲でないのに、離欲の数中に在る。
阿難、法将、本願*、耆婆子、勧諌、近親、慇懃、釈迦文、瓦師、草坐、石蜜漿、当来、五悪*:殺生、偸盗、邪淫、妄語、飲酒;日種、師子頬王*、浄飯王*、白飯王*、斛飯王*、甘露飯王*、甘露味、難陀、跋提*、婆提*、提沙、摩訶男*、阿尼廬豆*、施婆羅、悉達多*、漸漸、転輪聖王、漚楼鞞螺国、尼連禅河、問訊、衰苦、荒迷、憒塞、菩提樹*、金剛座*、乳糜*、叵、熱沙、阿夷陀、瑞応、験、菩提樹神、曼陀羅華*、繒、覆肩衣

初品中四衆義釈論第七
1.比丘尼、優婆塞、優婆夷
【經】復有五百比丘尼優婆塞優婆夷。皆見聖諦
  • 比丘尼、優婆塞、優婆夷が、各五百の理由。
  • 比丘尼:多く智慧劣り、煩悩の垢が重い。
  • 比丘尼:喜楽を求めて、愛行が多い。
  • 比丘尼:結使を断って、解脱の証を取る者が少ない。
  • 優婆塞、優婆夷:居家を有するが故に、心不浄。
  • 三衆を讃じない理由。
  • 大衆を讃じたので、余も亦た讃じたと知る。
  • 比丘尼を讃ずる:外道が女を讃じた!と誹謗する。
  • 居家を讃ずる:外道が供養の為だ!と誹謗する。
四衆*、比丘尼*、優婆塞*、優婆夷*、見聖諦、証*、因縁起*、縁起*、白衣、四信、無漏四信*



大智度論巻第四(上)
初品中菩薩釈論第八
1.菩薩
【經】復有菩薩摩訶薩
  • 菩薩を、声聞四衆の後におく理由。
  • 仏法:二種:秘密、現示;
  • 秘密中の菩薩:無生法忍を得て煩悩を断じ已り、六通を得て衆生を利益する。
  • 道:二種:声聞道、菩提薩埵道;
  • 菩薩:衆生の数中に堕ちない。
  • 菩薩:諸法を破って実相を知り、法身を得る。
  • 声聞乗:衆生空を説く。
  • 仏乗:衆生空、及び法空を説く。
  • 声聞経の初:菩薩を説かない。
  • 摩訶衍の初:声聞四衆、及び菩薩を説く。
菩薩摩訶薩、
菩薩*、成熟、秘密、現示、福田、辟支仏、(堅密二教*)、
無生法忍、律儀、沙弥、学人、爾所、波羅奈、伽耶国、舎婆提、
菩提心*、一切名字、波羅延、優波尸、犛牛、割截、厭惓、力行、無壊、駛馬、銜、轡、勒、総持、牛跡

2.菩提薩埵
  • 菩提:仏の道。
  • 薩埵:衆生、或いは大心。
  • 菩薩:自利利他の故に、
  • 菩薩:一切の衆生を度するが故に、
  • 菩薩:法の実性を知るが故に、
  • 菩薩:阿耨多羅三藐三菩提の道を行くが故に、
  • 菩薩:賢聖に称讃されるが故に菩提薩埵と名づく。
  • 菩提:三種の道:仏道、声聞道、辟支仏道;
  • 声聞辟支仏の道:菩提を得るが、菩提と名づけない。
  • 仏の功徳中の道:菩提と名づけ、菩提薩埵と名づく。
  • 菩提薩埵の三事:大誓願、心不動、精進不退;
  • 菩提薩埵:二種:鞞跋致、阿鞞跋致;
金剛山*、鉄囲山*、薩、埵、体相、体、相、
賢聖*、斉、第九無礙、
九無礙道*、九品惑*、
金剛三昧*、金剛喩定*、鞞跋致、阿鞞跋致、退法阿羅漢、
四道*:加行道、無間道、解脱道、勝進道;

3.阿鞞跋致
  • 阿鞞跋致の相:大品に説く通り。
  • 精進:三事:常修、常行、常念;
  • 阿鞞跋致の相:諸法空を知り、一切の衆生を念じて捨てない。
般舟三昧

4.阿毘曇中の菩薩
  • 菩薩:自ら覚り、他人を覚らせる。
  • 菩薩:仏と作るはずの人。
  • 菩提:漏尽の人の智慧。
  • 菩薩:五法を離れ、五法を得る。
  • 第一:三悪道を離れ、天人に生じる。
  • 第二:貧窮下賎を離れ、常に尊貴を得る。
  • 第三:非男の法を離れ、常に男子身を得る。
  • 第四:形残欠陋を離れ、常に諸根具足する。
  • 第五:宿命の智慧を得て、悪法悪人を離れる。
  • 菩薩:三十二相の業を種えた時以後。
  • 三十二相を種える:初発心より三阿僧祇劫已後。
  • 阿僧祇の量。
  • 釈迦文仏の初阿僧祇:女身を離れる。
  • 釈迦文仏の二阿僧祇:然灯仏より記を授かる。
  • 釈迦文仏の三阿僧祇:三十二相の業因縁を種える。
  • 三十二相:欲界、人道、閻浮提、男子身、仏出興時に種える。
  • 三十二相:意業を以って種え、身口業では種えない。
  • 三十二相:意識を以って種え、五識では種えない。
  • 最初に種える相:足下安立相、或いは紺青眼相。
  • 三十二思を以って、三十二相を種える。
  • 一一の相の福徳の量。
迦旃延尼子、形残、欠陋、喜忘、宿命、
三十二相*、阿僧祇*、劫、極数、那由他*、頻婆、
釈迦文仏、剌那尸棄仏、然灯仏、毘婆尸仏、安立、釈提桓因、他化自在天、
補処*、一生補処*

5.弗沙仏の二弟子
  • 三十二相を種える期間:百劫、乃至九十一劫。
  • 釈迦牟尼菩薩:九劫を超越して、九十一劫。
  • 弗沙仏の二弟子:釈迦牟尼、弥勒;
  • 釈迦:純淑でないが、諸弟子は純淑。
  • 弥勒:純淑だが、諸弟子は純淑でない。
  • 一人:速かに化するのは、易しい。
  • 多人:疾かに治するのは、難しい。
  • 弗沙仏:雪山中の宝窟:火定に入って釈迦牟尼に見せる。
  • 釈迦牟尼:火定の光明を見、歓喜信敬し一脚を翹げて立ち、合掌して一心に凝視し、七日七夜一眴もせず、一偈を説いて讃じた。
  • 釈迦牟尼:是の故に百劫中九劫を超越して九十一劫中に於いて阿耨多羅三藐三菩提を得た。
  • 三十二相の因縁を集め已ると、六波羅蜜が満ちる。
大劫、弗沙、弥勒、純淑*、観見、化、
雪山*、火定*、火界三昧*、翹、叉手、
迦葉仏*、六波羅蜜*、檀波羅蜜*、
尸羅波羅蜜、羼提波羅蜜、毘梨耶波羅蜜、禅波羅蜜、般若波羅蜜

6.檀波羅蜜が満ちる
  • 一切を施すことができる。
  • 尸毘王の例:鴿の為に自ら身肉を尽くして、鷹に与えた。
尸毘王、帰命*、帰命救護、陀羅尼、問難、功変化師、
毘首羯磨*、菴樹*、菴没羅樹*、佯怖、戦怖、促声、宜、所受、見、
膞、臗、内戚、安施、帳幔、看人、辦、用、於物無益、樹牙、我曹、平復、
感発、人王

7.尸羅波羅蜜が満ちる
  • 身命を惜まず、浄戒を護持する。
  • 須陀須摩王の例:婆羅門に布施を約して、園林に遊び、飛行鬼神の鹿足王に捕えられたが、妄語の罪を哭くが故に聴されて、婆羅門に布施し、布施し已ると、王位を太子に譲り、還た鹿足王の所に帰った。
須陀須摩王*、須陀素弥王*、劫磨沙波陀王*、鹿足王*、
晨朝、婇女、見、愍念、丐、諾、両翅、金翅鳥、啼哭、号慟、搔擾、
悲惶、騰躍、刹利、妄語、辜負、欺罪、懺謝、見、叩頭、慈蔭、慮、
鉄舎、奇兵、信要、呵、信心、放捨、本生

8.羼提波羅蜜が満ちる
  • 人が来て、罵詈、撾捶、割剥、支解して命を奪うも瞋を起さない。
  • 羼提比丘の例:闡提比丘が忍辱を行じていると、迦梨王が之を試そうとして、手足を断ち、耳鼻を截ったが、羼提比丘の心は堅く動かなかった。
撾捶、割剥、支解、
羼提比丘*、忍辱仙*、迦梨王*、歌利王*

9.毘梨耶波羅蜜が満ちる
  • 大心が力を勤める時。
  • 大施菩薩の例:大海を抒み尽くして、衆生の為に宝を取ろうとした。
  • 釈迦牟尼菩薩の例:弗沙仏の火定を讃えて、七日七夜一脚を翹げて合掌し、一心に凝視したまま眴かなかった。
勤力、
大施菩薩*、大施太子*

10.禅波羅蜜が満ちる
  • 外道の禅定中に自在を得るのと同じ。
  • 螺髻仙人の例:螺髻仙人が、坐禅中に出入息無く、鳥が螺髻中に子を生み、乃至鳥の子が飛び去るまで動かなかった。
尚闍利*、螺髻*

11.般若波羅蜜が満ちる
  • 大心が思惟し、分別する時。
  • 劬嬪陀婆羅門大臣の例:劬嬪陀大臣は、閻浮提を七分して、前国王の王子七人に分け与えた。
劬嬪陀*、地主王*


大智度論巻第四(下)
初品中菩薩釈論第八之余
1.兜率天上に生じる
  • 菩薩は六波羅蜜満ちて、迦葉仏の弟子と作り、次いで兜率天に生じた。
  • 兜率天に生じた理由:中道を好むが故。
兜率天*、在

2.天上より人間を観察する
  • 四種の観察:時、土地、種性、生処;
  • 時:人寿百歳の時に出る仏の出る時が至った。
  • 土地:中国:金銀宝物多く、飲食豊か、土地清浄。
  • 種性:刹利種:勢力大、婆羅門種:智慧大;
  • 生処:能く那羅延力の菩薩を懐きて、浄戒を護る。
那羅延*、那羅延天*

3.人間に下生する
  • 天上より人中に来る理由。
瑞応

4.母胎に入る
  • 正慧を以って、母胎に入るとは?
中陰*、中有*、歌羅羅*、頞部陀*、伽那*、五皰*、
胎内五位*:羯刺藍、頞部曇、閉尸、鍵南、鉢羅奢佉;

5.三十二相を具足する
  • 足下安平立相。
  • 足下二輪相。
  • 長指相。
  • 足跟広平相。
  • 手足指縵網相。
  • 手足柔軟相。
  • 足趺高満相。
  • 伊泥延膊相。
  • 正立手摩膝相。
  • 陰蔵相。
  • 身広長等相。
  • 毛上向相。
  • 一一孔一毛生相。
  • 金色相。
  • 丈光相。
  • 細薄皮相。
  • 七処隆満相。
  • 両腋下隆満相。
  • 上身如師子相。
  • 大直身相。
  • 肩円好相。
  • 四十歯相。
  • 歯斉相。
  • 牙白相。
  • 師子頬相。
  • 味中得上味相。
  • 大舌相。
  • 梵声相。
  • 真青眼相。
  • 牛眼睫相。
  • 頂髻相。
  • 白毛相。
三十二大人相、毘首羯磨、化作*、不隠没智慧、生報、繊長、端直、
次第、傭好、参差、足跟、縵網、雁王、劫波*、足趺、毘琉璃*、
雑宝、屐、荘飾、伊泥延*、腨、傭繊、象宝、馬宝、尼拘盧陀*、斉、
閻浮那金*、転輪聖王*、金沙、金山*、
七金山*:踰健達羅、伊沙馱羅、朅地洛迦、蘇達梨舎那、頞湿縛羯拏、毘那怛迦、尼民達羅;
三十三諸天、焔摩天、兜率陀天、化自在天、他化自在天、一丈、随藍*、
経行*、項中、隆満、治、梵声、諦了、迦陵毘伽、骨髻、信浄、少、房室、
塗治、香薫、床榻、被褥、綩綖、幃帳、幄幔、幡蓋、華香、安施、厳飾

6.出家して阿耨多羅三藐三菩提を得る
  • 老病死の苦を見て、心に厭患を生じる。
  • 出家して、六年苦行する。
  • 婆羅門女難陀の施す、乳糜を食う。
  • 仏と称する為の功徳:尽智、無生智。
  • 三意止:敬重を喜ばず、不敬重を憂えず、心の異なる無し。
  • 菩薩:仏道を得ない者。仏:仏道を得た者。
難陀婆羅門女、石蜜*、乳糜*、尽智、無生智、十力、四無所畏、
十八不共法、三達、無礙、三意止、三十七道品、総相、別相、
摩訶迦旃延尼子*

7.摩訶衍人の反論
  • 過失1:三阿僧祇劫を過ぎた者を菩薩と名づく。
  • 過失2:三十二相を尊重する。
  • 過失3:三阿僧祇劫中には相の因縁を種えない。
  • 過失4:初阿僧祇劫中には仏を作ることを知らない等。
  • 首楞厳三昧経:四種の菩薩が四種に記を受ける。
  • 過失5:有量有限の三阿僧祇劫に功徳を作す。
  • 声聞法:摩訶衍中より出生する。
  • 過失6:三十二相の業の因縁は欲界中に種える。
  • 過失7:三十二相の業の因縁は人中に種える。
  • 過失8:三十二相の業の因縁は閻浮提に種える。
  • 過失9:三十二相の因縁は一思に一相を種える。
  • 百福の相とは?
  • 過失10:釈迦文尼菩薩の心は未だ純淑でない等。
  • 過失11:身の布施をして檀波羅蜜を満たす。
  • 三種の布施:下:財物、中:身、上:心が著さない。
  • 過失12:大地等を七分して般若波羅蜜を満たす。
  • 七分:算数法:世俗の般若波羅蜜の少分。
  • 過失13:時を観察する。
  • 仏は、時を待たない。
  • 過失14:一世間に一時に二仏の出ることはない。
  • 過失15:智慧、福徳を有する者は、仏の度を待たない。
  • 福徳、智慧:仏の因縁より出る。
  • 無仏の時:諸の菩薩が法を説く。
  • 無菩薩の時:種種の経中の説を以って、法を得る。
薩陀婆*、悪風、賈人、難陀、提婆達、婆跋隸、摩訶迦葉婦、
毘婆尸仏、青黛、級*、迦葉仏、称説、阿遮羅菩薩、長手仏、己身、
娑伽度龍王*、娑竭羅龍王*、阿那婆達多龍王*、阿耨達龍王*、
羅睺阿修羅王*、十住菩薩*、七住菩薩*、
十住*:発意住、治地住、応行住、生貴住、修成住、行登住、不退住、童真住、了生住、補処住;
三乗共十地*:乾慧地、性地、八人地、見地、薄地、離欲地、已作地、辟支仏地、菩薩地、仏地;
鬱怛羅曰、劬陀尼、弗婆提、弾指頃、不了、百福相、純淑、阿波陀那、
三十六種不浄:髪、毛、爪、歯、眵(めやに)、涙、涎、唾、屎(くそ)、溺(いばり)、垢、汗、皮、膚、血、肉、筋、脈、骨、髄、肪(あぶら)、膏(あぶら)、脳、膜、肝、胆、腸、胃、脾、腎、心、肺、生蔵、熟蔵、赤痰、白痰;
師子鼓音王仏、明王仏、阿弥陀仏、拘陳若*、拘留孫仏*、毘沙門王、
帰命*、帰依*、稽首*、漚曇婆羅樹*、時時、
十善*、十悪*:殺生、偸盗、邪婬、妄語、両舌、悪口、綺語、瞋恚、邪見;
四無量意



大智度論巻第五(上)
初品中摩訶薩埵釈論第九
1.
【經】摩訶薩埵
  • 摩訶薩埵とは?大事を為し、大勇心有り、大事より退かず。
  • 摩訶薩埵とは?衆生中の最も上首。
  • 摩訶薩埵とは?大慈大悲大乗大道等。
  • 摩訶薩埵とは?大人相成就。
  • 衆生無量なるが故に、摩訶薩埵の大心の功徳は無量。
摩訶薩埵*、等、比、恵、慈仁、能、
無尽意菩薩*、阿蹉末菩薩*、一渧、無央数、故、無為*、
不可思議経、漚舎那優婆夷、休捨優婆夷、
須達那菩薩*、善財童子*、大方広仏華厳経*、
十大数*、微塵*、閻浮提、劬陀尼、鬱怛羅曰、弗婆提、
小千世界、中千世界、大千世界、三千大千世界、釈提桓因、
須菩提*、富楼那、品

初品中菩薩功徳釈論第十
1.陀羅尼、三三昧、等忍
【經】皆得陀羅尼及諸三昧行空無相無作已得等忍
  • 菩薩の三種の功徳:陀羅尼、三三昧、等忍。
  • 陀羅尼とは?善法の保持、不善根の遮断。
  • 陀羅尼:常に菩薩を逐い、常に菩薩を離れない。
  • 陀羅尼:菩薩を保持して、二地に堕ちさせない。
  • 陀羅尼の力:何者にも動かされない。
  • 聞持陀羅尼:聞いた諸法を忘失しない。
  • 分別陀羅尼:諸法の大小、好醜等を分別する。
  • 入音声陀羅尼:一切の音声を聞いて、喜ばす、瞋らず。
  • 三三昧:空、無相、無作三昧。
  • 三空:三解脱門、三三昧。
  • 四禅を除く未到地乃至有頂地:定、或いは三昧。
  • 四禅:定、禅、三昧。
  • 定:四無量、四空定、四辯、六通、八背捨、八勝処、九次第定、十一切処等。
  • 小乗:二十三種、或いは六十五種の三昧。
  • 大乗:無量の三昧。
  • 三昧の三種の相:空、無相、無作。
  • 等忍:等、忍。
  • 等二種:衆生等、法等。
  • 忍二種:衆生忍、法忍。
陀羅尼*、三昧*、空、無相、無作、三三昧*、等忍*、
善法*、善根、不善根、心相応行、心不相応行*、無色、不可見無対、
持、入、陰、三科*、五蘊*、十二処*、十八界*、十智、
間日、瘧病、鬼*、善律儀、不善律儀、理、総持、当、忍、
我*、我所*、心行、十八空*、四有*、
禅定*、禅*、愛、慢、見、定、四根本禅*、未到地*、有頂地*、
四無量、四空定、四辯、六通、八背捨、八勝処、九次第定、十一切処、
首楞厳三昧*、等、忍、非、呼響、身行、
無諍*、無礙*、不二法門*、入不二法門*、戯論*、無生忍

4.無礙陀羅尼。
【經】得無礙陀羅尼
  • 無礙陀羅尼:最大。
  • 小陀羅尼:聞持、分別衆生、帰命救護不捨等。
  • 小陀羅尼:転輪聖王、仙人等の所得。
  • 無礙陀羅尼:無量の福徳、智慧、大力の菩薩のみの所得。
  • 自利具足の菩薩:説法教化の尽きないのは、無礙陀羅尼を根本と為すが故に。
三昧王三昧*

5.五通
【經】悉是五通
  • 五通:如意、天眼、天耳、他心智、自識宿命智。
  • 如意:能到、転変、聖如意。
  • 能到:飛行、遠くを近くに移す、此彼に出没、一念にて至る。
  • 転変:大を小と作す等、一を多と作す等。
  • 聖如意:不可愛の不浄物を観て浄ならしめ、可愛の浄物を観て不浄ならしむ。
  • 如意通:四如意足を修めるにより生ずる。
  • 天眼通:色界四大造の清浄の色を得る。
  • 天眼:自地已下の六道の衆生、諸物の色を悉く見る。
  • 天眼二種:修得、報得;天眼通:修得。
  • 天三種:仮号天、生天、清浄天。
  • 天眼通:清浄天の修得する所。
  • 天耳通:天、人、三悪道の声を聞く。
  • 天耳通:修得。
  • 宿命智通:本事を常に憶念し、過去世の無量劫を知る。
  • 他心智通:他心の無垢、有垢を知り、自心の生住滅の時を知る。
五通、四如意足*、無生法忍*、法身、
五眼*:肉眼、天眼、慧眼、法眼、仏眼;


大智度論巻第五(下)
初品中菩薩功徳釈論第十之余
1.言は、必ず信受される
【經】言必信受
  • 不綺語の報:言葉が、必ず信受される。
  • 綺語の報:実語が有っても、誰も信受しない。
綺語

2.もう、懈怠することは無い
【經】無復懈怠
  • 懈怠の法:在家:財利福利を破り、出家:天の楽、涅槃の楽を破る。
  • 懈怠に過ぎる大失はない。
懈怠*

3.已に利養と名聞とを捨てた
【經】已捨利養名聞
  • 利養の法:功徳の本を断つ。
水精*、更

4.法を説いて、悕望する所が無い
【經】說法無所悕望
  • 大慈は、衆生の為の故に法を説く。
  • 衣食、名声、勢力の為には、法を説かない。
悕望、無生法忍、辯慧、美説、訥口、拙言、巧便、顕発、好行、弊法師、
広智、巧説、洪雨、持誦、広宣

5.甚深の法を度して忍ぶ
【經】度甚深法忍
  • 甚だ深い法:十二因縁、六十二見、三解脱門。
  • 一切の諸法の相:実に不可破、不可動。
  • 内心より心想智力を除き、心を諸法清浄実相中に住める。
六十二見*、梵網経

6.無畏の力を得た
【經】得無畏力
  • 二種の四無所畏:菩薩の無所畏、仏の無所畏。
  • 菩薩の無畏(一):一切の法を聞いて、憶念し、忘れない。
  • 菩薩の無畏(二):一切の衆生の欲、解脱の因縁、諸根の利鈍を知る。
  • 菩薩の無畏(三):一切の難問に、如法に答えられる。
  • 菩薩の無畏(四):一切の衆生の疑を、巧みに断てる。
四無所畏*

7.諸の魔事を過ごす
【經】過諸魔事
  • 四種の魔:煩悩魔、五陰魔、四魔、他化自在天子魔。
  • 菩薩道を得るが故に、煩悩魔を破る。
  • 法身を得るが故に、五陰魔を破る。
  • 法性身を得るが故に、死魔を破る。
  • 一切処に心著せず、不動三昧に入るが故に、他化自在天子魔を破る。
  • 般若波羅蜜中の魔事品。
  • 諸法の実相を除く、一切の法は尽く魔。
  • 偈:十種の魔軍、欲、憂愁、飢渇、愛、睡眠、怖畏、疑、含毒、利養、憍慢。
  • 五衆、十八界、十二入は魔。
  • 魔の三事(愛):戯笑邪視等は愛より生じる。
  • 魔の三事(瞋):縛打鞭拷等は瞋より生じる。
  • 魔の三事(癡):炙身入火等は愚癡より生じる。
魔事、魔*、
四魔*:蘊魔、煩悩魔、死魔、天子魔;
法身*、法性身、憂愁、飢渴、眠睡、含毒、摧破、坏瓶、随順、部党、
不現、莫拘羅山、羅陀、慧命*、善本、華箭、五箭、魔羅、逆流、
戯笑、邪視、縛打、鞭拷、刺割、斫截、炙身、自凍、拔髪、自餓、入火、
赴淵、投巌

8.一切の業障は、悉く解脱を得た
【經】一切業障悉得解脫
  • 一切の悪業の解脱を得る。
  • 業障の力:三障中に最大。
  • 業:逃げられない。
  • 業:転じられない。
業障、
三障*:煩悩障、業障、異熟障;
業、生死輪、禁止、乾竭、逐去、責物主、追逐、逃避、
珂梨羅*

9.巧みに因縁の法を説く
【經】巧說因緣法
  • 十二因縁(初の二):無明、行:過去世の摂。
  • 十二因縁(後の二):生、老死:未来世の摂。
  • 十二因縁(中の八):識、名色、六処、触、受、愛、取、有:現前世の摂。
  • 十二因縁(略説三事):煩悩、業、苦。
  • 煩悩、業、苦の三事:更に互いに因縁を為す。
  • 無明(一):過去世の一切の煩悩。
  • 行(二):無明より業を生じて、世界中に果を作す。
  • 識(三):行より垢心を生じる=>初身の因=>自ら相識る。
  • 名色(四):識は無色の四陰と、及び四陰の所住たる色を共に生じる。
  • 六処(五):名色中に眼等の六情を生じる。
  • 触(六):情、塵、識が合する。
  • 受(七):触より受が生じる。
  • 愛(八):受中に心が著する。
  • 取(九):渇愛の因は、塵を縁じて求める。
  • 有(十):取により、後世の生の因縁の業をなす。
  • 生(十一):有により、還た後世の五衆を受ける。
  • 老死(十二):生により、五衆が熟して壊れる。
  • 諸法の実相:清浄であると観る=>無明が尽きる。
十二因縁生、事*、事理*、展転相続*、
法愛*、須菩提*、入*、薩婆若*、十二因縁起

10.阿僧祇劫より已来、大誓願を発す
【經】從阿僧祇劫已來發大誓願
  • 劫の譬喩(二種):四千里の石山、四千里の大城を満たす芥子。
  • 願:大心の要誓:一切の衆生を度して、阿耨多羅三藐三菩提を成就する。
阿僧祇劫、細軟、払拭、概、要誓*

11.顔色和悦して常に先に問訊し、語る所は麁ならず
【經】顏色和悅常先問訊所語不麤
  • 顔色和悦の因(一):瞋恚が本より抜けたが故に。
  • 顔色和悦の因(二):嫉妬が除かれたが故に。
  • 顔色和悦の因(三):常に大慈大悲大喜を修めるが故に。
  • 顔色和悦の因(四):四種の邪語が断たれたが故に。
  • 四種待:好眼、迎逆、問訊、供養;
問訊

12.大衆中に、畏るる所無きを得る
【經】於大眾中得無所畏
  • 大衆中に無畏の因(一):大徳の故に。
  • 大衆中に無畏の因(二):功徳、智慧が堅実であるが故に。
  • 大衆中に無畏の因(三):最上辯陀羅尼を得たが故に。
大衆*、豺、竄伏、毘那婆那王経

13.無数億劫に法を説いて巧みに出る
【經】無數億劫說法巧出
  • 無量無数劫の中に、身を修め、戒を修め、心を摂め、慧を修める。
  • 解(三種):聞解、義解、得解;
  • 得解(一):種種の法門を説く中に罣礙する所が無い。
  • 得解(二):説法の方便と、般若波羅蜜とを得る。
  • 巧みに出る:一切の衆中に大威徳を現わす。
得*、得非得*、退縮、大胆、欣予、映、出、天会経



大智度論巻第六(上)
大智度初品中十喩釈論第十一
1.幻の如し
【經】解了諸法如幻如焰如水中月如虛空如響如犍闥婆城如夢如影如鏡中像如化
  • 十喩:空法を解く為の故に喩える。
  • 諸法が空ならば:何故可見、可聞等の者を有するのか?
  • 法が無いのに妄見する:何故声が見えず、色が聞こえない?
  • 何故空に可見と、不可見とがあるのか?
  • 色の可見、声の可聞は六情と相応し、互いに錯乱しない。
  • 徳女経:
    1. 幻の所作:
      1. 内、外、内外に無い。
      2. 今世より後世に至らない。
      3. 生者、滅者が無い。
      4. 実は一法も無い。
    2. 無明も亦た同じ。
十喩*、揵闥婆城*、化*、如、甲、六情*、欺誑、諸行、陰集、
諸行*、久住

2.焔の如し
  • 日光と風が、塵を動かすが故に曠野に野馬を見る。
  • 男相女相:結使煩悩の日光が諸行の塵、邪憶念の風を熱して生死の曠野に転がす。
  • 聖法を遠ざかると:諸法中の無我、諸法の空を知らない。
炎、野馬*、陰界入

3.水中の月の如し
  • 月:実に虚空中に在るのに、影が水中に現れる。
  • 実法の相の月:如、法性、実際の虚空中に在る。
  • 凡人の心の水:我、我所の影が現われる。
身見

4.虚空の如し
  • 虚空は可見の法ではないが、遠く見るが故に縹色を見る。
  • 虚空の性は常に清浄であるが、雲が出ると人は、それを不浄だという。
  • 虚空には、初中後が無い。
  • 虚空には実に法が有る?
  • 虚空は相が無いが故に、法も無い。
遠視、縹色、眼光、陰曀、陰雲、覆曀、昏気、蔭曀、所作、已辦、
無色処*、無色界*、

5.響きの如し
  • 響:空であるが、耳根を誑す。
  • 人語:
    1. 口中の風:優陀那(発声)と称す。
    2. 響:優陀那が還入して臍に至り、臍に触れる。
    3. 語:響が項、齗、歯等の七処に触れて退く。
  • 愚人:風に惑著して、瞋癡を起こす。
  • 中人:諸法の相に随う。
  • 風:曲直、屈曲、去来して語言を現わす。
  • 語言:作者が無い。
絶澗、大舎、響*、作、事*、優陀那*、
七処:項、齗、歯、唇、舌、咽、胸;機関、如

6.揵闥婆城の如し
  • 犍闥婆城:日の初出時に城門、楼櫓、宮殿、行人の出入が見えるが、日が高くなるに随い、次第に消えてしまう。
  • 無智の人:
    1. 空の陰界入中に吾我、諸法を見る。
    2. 婬心、瞋心:吾我、諸法に著す。
    3. 四方に狂走し、楽を求めて自ら満たす。
    4. 顛倒欺誑の楽:心が疲労し懊悩する。
  • 犍闥婆城:城でないのに、人心が城だと想う。
  • 凡夫人:
    1. 身でない:身だと想う。
    2. 心でない:心だと想う。
  • 無常の喩:
    1. 色:聚沫のようだ。
    2. 受:泡のようだ。
    3. 想:野馬のようだ。
    4. 行:芭蕉のようだ。
    5. 識:幻のようだ。
  • 声聞法:城を以って、身を喩える。
    1. 城の衆縁:実に有る。
    2. 城:仮名のみが有る。
    3. 城の喩:吾我を破る為。
  • 菩薩:法の空中に深入するが故に、犍闥婆城を喩と為す。
犍闥婆城、楼櫓、行人、困厄、大喚、啼哭、顛倒、欺誑、窮極、懊悩、
幻網経、旋火輪*

7.夢の如し
  • 夢:夢中には実事が無いのに、実が有ると思う。
  • 人も亦た:結使の眠中には、実事が無いのに著す。
  • 無明の眠の力:種種に無いものを有ると見る。
    1. 我、我所。
    2. 男、女等。
  • 無明の眠中に:
    1. 瞋るべきことが無いのに瞋る。
    2. 喜ぶべきことが無いのに喜ぶ。
    3. 怖るべきことが無いのに怖れる。
  • 五種の夢:
    1. 身中の不調、熱気が多い:火、黄、赤を見る。
    2. 身中に冷気が多い:水、白を見る。
    3. 身中に風気が多い:羽虫、黒を見る。
    4. 見聞する所の事が多く、思惟して念じる。
    5. 天が未来を見させる。
  • 夢に見る事は実でない。
飛、身見

8.影の如し
  • 影:見えるが、捉えられない。
  • 法:眼情等が見聞覚知するが、実を得られない。
  • 影:光が映ると現われ、映らないと現われない。
  • 法:煩悩が正見の光を遮ると、我相、法相の影が現われる。
  • 影:人が去ると去り、動くと動き、住まると住まる。
  • 善悪の業:人が後世に去ると去り、今世に住まると住まるので、業報は断絶しない。
  • 阿毘曇中の影:色入中に摂する。
  • 影:色法でない。色法は香味触を有するが故に。
  • 影:旋火輪の如く、目に見えるが実でない。
映、作色*、体意、鞞婆沙*、微塵、至細、新新、異説*、火㷮

9.鏡中の像の如し
  • 鏡中の像:
    1. 鏡の所作でもなく、
    2. 面の作用でもなく、
    3. 鏡を執る者の所作でもなく、
    4. 自然の所作でもなく、
    5. 無因縁でもない。
  • 鏡中の像:
    1. 自己の所作でなく、
    2. 彼れの所作でなく、
    3. 自他共の所作でなく、
    4. 無因縁でもない。
  • 鏡中の像:和合の因縁より生じる。
  • 苦楽:和合の因縁より生じる。
因生法、婬心、求索、誑惑

10.化の如し
  • 化:十四変化心。
    1. 初禅の二:欲界、初禅。
    2. 二禅の三:欲界、初禅、二禅。
    3. 三禅の四:欲界、初禅、二禅、三禅。
    4. 四禅の五:欲界、初禅、二禅、三禅、四禅。
  • 八種の変化:
    1. 小さくなる:乃至微塵まで。
    2. 大きくなる:乃至虚空を満たすまで。
    3. 軽くなる:乃至鴻毛の如し。
    4. 大を小に、小を大に、長を短に自在に変化を作す。
    5. 君主の力を有する。
    6. 遠くへ到ることができる。
    7. 地を動かすことができる。
    8. 意の欲するままに、尽くが可能となる。
  • 四種変化:能く物を変化する者。
    1. 欲界の薬物、宝物、幻術。
    2. 神通人の神力。
    3. 天龍鬼神の生報の力。
    4. 色界の生報の修定の力。
  • 化生:
    1. 化人:生老病死、苦楽が無い。
    2. 化生:定物が無い。
    3. 化生の法:初中後が無い。
    4. 化の相:清浄、染著する所が無く、罪福に汚れない。
    5. 化事:六因、四縁中に求めて、得られない。
  • 十喩の特徴:
    1. 易解の空を以って、難解の空を喩える。
    2. 心の著さない処を以って、心の著する処を解説する。
    3. 人の耳目を誑惑する法だと知られている。
  • 空を以って、諸法の有を破るとは、――
  • 執事が、衆よ、寂静なれ!と言うのは:
    1. 声を以って、声を遮るのであり、
    2. 声を以って、声を求めたのではない。
  • 諸法は空であると説くのは:
    1. 衆生を愍念するが故に、空を説いたのであり、
    2. 説かれた法が有るのではない。
十四変化心*、鴻毛、捫、主力*、生報*、
如*、如如*、法性*、真如*、真際*、実際*、
四大河*:殑伽、信度、斯多、縛芻;便是、六因、四縁、
用*、作用*、執事



大智度論巻第六(下)
初品中十喩釈論第十一之余
11.無礙と無所畏を得る
【經】得無礙無所畏
  • 衆界入の因縁の中に心が無礙、無尽、無滅である。
  • 再度無所畏を説く:先には無所畏の因を説き、今は無所畏の果を説く。
  • 無所畏:仏と菩薩との差異。
無礙、無所畏、衆、界、入、放鉢経

12.衆生の心を知る
【經】悉知眾生心行所趣。以微妙慧而度脫之
  • 悉く、衆生の心行を知るとは?
  • 衆生の趣向二種:
    1. 心に常に、楽を求める。
    2. 智慧で分別して、好悪を知る。
  • 微妙の慧と、麁の智慧。
心行*、厭足、馳逐、蹈藉、残害、拘制、万端、
戒定、禅定*、無猗禅定

初品中意無礙釈論第十二
1.心に罣礙無し
【經】意無罣礙
  • 諸の怨、親、非怨非親の人中に於いて、等心無礙。
  • 諸法中に於いて、無礙。
  • 法身の菩薩と、仏との差異。
等心、憎恚、荘厳*

2.大忍を成就す
【經】大忍成就
  • 大忍:二忍(生忍、法忍)の増長。
  • 二忍:生忍、法忍。
忍*、忍辱*、証*、煖法、頂法、忍法、
三解脱門:空解脱門、無相解脱門、無作解脱門;

3.如実に巧みに度す
【經】如實巧度
  • 菩薩のみが如実に巧みに度す。
  • 声聞の教:苦行頭陀、初中後夜に心を勤めて坐禅、苦を観て道を得る。
  • 菩薩の教:諸法の相は無縛、無礙であると観て、心に清浄を得る。
  • 文殊師利本縁、喜根、勝意の二菩薩比丘。
  • 喜根菩薩は世法を捨てず、善悪を分別せず、弟子は聡明で法を楽しみ、好んで深法を聞き、心が不動である。師は小欲知足を讃えず、戒頭陀行を讃えず、諸法の実相が清浄であることを説く。
  • 勝意法師:持戒清浄、十二頭陀行、四禅四無色定を得る。弟子は鈍根、浄不浄の分別を求めて心が動転する。
  • 喜根は仏と成り、勝意は地獄に落ちる。
  • 勝意とは今の文殊師利である。
度*、波羅蜜*、浮嚢草、方舟、懸殊、苦薬、針炙、蘇陀扇陀、頭陀、
文殊師利*、本縁、無生法忍、容儀、質直、頭陀、十二頭陀行*、
四禅、四無色定、異時、閑処、禅寂、毀呰、居士*、音声陀羅尼、虚誑、
計吾我*、計我*、超勝*、沙門、



大智度論巻第七(上)
大智度初品中佛土願釋論第十三
1.願うて、無量の諸仏の世界を受ける
【經】願受無量諸佛世界
  • 菩薩は、諸仏の世界が無量に厳浄であるを見て、種種の願を発す。
  • 仏世界の荘厳:
    1. 衆苦が無く、三悪は乃至名まで無い。
    2. 七宝が荘厳する。
    3. 一切の衆生は皆十善を行い、大智慧が有る。
    4. 衣服飲食は念に応じて現れる。
    5. 色身に三十二相有り、光明徹照する。
    6. 声聞、辟支仏が無い。
    7. 女人も無い。
  • 願を立て、その後果報を得るのは、何故か?
  • 教化:二道ある、
    1. 仏の道による教化、
    2. 声聞の道による教化。
  • 最大の楽:
    1. 声聞法:八万劫に楽を受ける。
    2. 菩薩道:無量阿僧祇劫の楽を受ける。
仏世界*、厳浄*、都、衆苦、乃至、三悪、
七宝*:金、銀、瑠璃等の七宝+転輪聖王所有の七宝;
衣被、至、色身*、
三十二相、光明徹照*、声聞*、辟支仏、行業*、摽、導御、銷、
施福、戒福、功徳、阿鼻地獄、非有想非無想処、泥黎、毀謗、五逆罪

2.念仏三昧に入り、常に仏を前にする
【經】念無量佛土諸佛三昧常現在前
  • 念仏三昧:十方、三世の諸仏は常に心眼を以って見るに、現じて前に在るが如し。
  • 念仏三昧二種:
    1. 声聞法:一仏身が十方に満ちると心眼で見る、
    2. 菩薩道:無量の仏土中の三世十方の諸仏を念じる。
  • 仏を念じるが故に、仏の道に入る。
  • 念仏三昧は、種種の煩悩及び先世の罪を除く。
  • 五百の估客は摩竭魚の口の中に海水と倶に流入せんとするとき、五戒の優婆塞の南無仏と称える声に、摩竭魚は宿命智を得て口を閉じる。
仏土*、浄土*、在前、念仏三昧、度、估客、摩伽羅魚*、摩竭魚*、
駃疾、船師、楼上、羅列、奔趣、大坑、我曹、救済、五戒、優婆塞、
南無*、宿命智、所事、悔悟

3.無量の諸仏を請うことができる
【經】能請無量諸佛
  • 請の二種:
    1. 仏の成道の時:初の転法輪を請う。
    2. 仏の入滅の時:無央数劫住まることを請う。
  • 何故、仏に説法を請うのか?
    1. 仏は請わなくても法を説くが、請う人が福を得る。
    2. 有る仏は請う人が無ければ、涅槃に入って法を説かない。
    3. 有る仏は、涅槃に入ったが、化仏を住めて法を説かせた。
    4. 釈迦文仏は、諸天が請うて、法を説かせた。
    5. 請無くて法を説けば、外道の譏りを受ける。
    6. 請無くて法を説けば、自法に執することになる。
    7. 大人法を用いるが故に、請が無ければ説かない。
    8. 梵天が請えば、梵天外道が心伏する。
  • 菩薩は常に、三事を行う。
    1. 昼夜六時に悪業を懺悔する。
    2. 諸仏、弟子衆所行の功徳を念じて、随喜する。
    3. 現在、十方の諸仏に初転法輪と、久住を請う。
請*、成道*、須扇多仏*、本行、得道*、釈提桓因、梵天王、
波羅奈、鹿林、黙然、十四難*、十四無記*、大人、宗事、清旦、
懺悔、中、暮、随喜*、勧助*

4.種種の見、纏と、諸の煩悩を断つことができる
【經】能斷種種見纏及諸煩惱
  • 見二種:常見、断見;二種:有見、無見;
  • 三種:一切の法を忍ぶ、一切の法を忍ばない、一切の法を忍ぶこともあり、忍ばないこともある;
  • 四種:世間は常、世間は無常、世間は常かまたは無常、世間は常でもなく無常でもない;等。
  • 五種:身見、辺見、邪見、見取見、戒取見;
  • 諸見:種種の因縁が生じ、種種の智門を観、種種の師の辺に聞く。
  • 纏は十纏:瞋纏、覆罪纏、睡纏、眠纏、戯纏、掉纏、無慚纏、無愧纏、慳纏、嫉纏;
  • 煩悩二種:内の著、外の著;内の著:五見、疑、慢;外の著:婬、瞋;無明は内外に通ず。
  • 結二種:愛に属す、見に属す;
  • 結三種:婬に属す、瞋に属す、癡に属す;
見*、纏*、諸の煩悩、忍楽、有*、無*、忍*、不忍*、如去、
四句分別*、身見、辺見、邪見、見取、戒取、六十二見、
十纏*:無慚、無愧、嫉、慳、悔、睡眠、掉挙、惛沈、忿、覆;
結繞、疑、慢、結、使*、九結、七使、九十八結*、九十八随眠*、
伯仲季、毘耶離、菴羅婆利、舎婆提、須曼那、優鉢羅槃那、従事、
颰陀婆羅菩薩*、阿鞞跋致

5.遊戯して、百千の三昧を出生する
【經】遊戲出生百千三昧
  • 菩薩は禅定に心が調い、清浄の智慧と方便との力の故に種種の三昧を生じる。
  • 三昧:善心が一処に住まり動かない。
  • 三昧三種:有覚有観三昧、無覚有観三昧、無覚無観三昧;
  • 菩薩は、百千の三昧を行って衆生の塵労を断つ。
  • 戯れる:師子が鹿の中に在るが如く自在であること。
  • 三昧の入、住、出が自在。
遊戯、覚観*、三三昧*、欲界繋、色界繋、無色界繋、不繋、界繋*、
心行、塵労、欣楽

6.諸の菩薩は、是れ等の無量の功徳を成就する
【經】諸菩薩如是等無量功德成就
  • 諸の菩薩は、仏と共に住する。
  • 其の功徳は、無量億劫にも讃え尽くせない。

7.颰陀婆羅菩薩等、補処の二十二菩薩
【經】其名曰颰陀婆羅菩薩。(秦言善守)剌那伽羅菩薩。(秦言寶積)導師菩薩。那羅達菩薩。星得菩薩。水天菩薩。主天菩薩。大意菩薩。益意菩薩。增意菩薩。不虛見菩薩。善進菩薩。勢勝菩薩。常勤菩薩。不捨精進菩薩。日藏菩薩。不缺意菩薩。觀世音菩薩。文殊尸利菩薩。(秦言妙德)執寶印菩薩。常舉手菩薩。彌勒菩薩。如是等無量千萬億那由他諸菩薩摩訶薩。皆是補處紹尊位者
  • 但だ二十二菩薩の名を説くのは、何故か?
    1. 諸の菩薩は、無量千万億、説き尽くせない。
    2. 都べては、文字に記載することができない。
  • 菩薩の二種:
    • 居家の菩薩:
      1. 颰陀婆羅:居士:王舎城の旧人。
      2. 剌那伽羅:王子:毘耶離の人。
      3. 星得:長者子:瞻婆国の人。
      4. 那羅達:婆羅門:弥梯羅国の人。
    • 出家の菩薩:
      1. 水天:優婆塞。
      2. 弥勒、文殊師利:出家。
      3. 観世音:他方の仏土より来る。
  • 颰陀婆羅菩薩を前に説くのは、何故か?
    1. 王舎城の旧人で、白衣中の最大。
    2. 般若波羅蜜は、王舎城で説かれた。
    3. 颰陀婆羅には、無量の功徳がある。
  • 弥勒だけが、補処なのではないか?
    1. 是の諸の菩薩は十方の仏土にて、皆、補処である。
補処*、耆闍崛山、衆、居家、居士、旧人、毘耶離、瞻婆、弥梯羅、
弥勒菩薩



大智度論巻第七(下)
大智度初品中放光釈論第十四
1.結跏趺坐して、三昧王三昧に入る
【經】爾時世尊自敷師子座。結加趺坐。直身繫念在前。入三昧王三昧。一切三昧悉入其中
  • 何故、世尊は、自ら座を敷くのか?
  • 何故、師子座と称するのか?
  • 何故、結跏趺坐を用いるのか?
  • 何故、三昧王三昧と称するのか?
  • 三昧王三昧とは、何か?
  • 三昧王三昧は、何故四禅に在るのか?
  • 三昧王三昧は、一切の三昧を摂する。
  • 何故、三昧王三昧に入るのか?
師子座*、結跏趺坐*、繋念在前*、三昧王三昧、
化成*、化*、化作*、健人、降伏、九十六種外道*、
疲極、取道法、敬仰、睡嬾、疲懈、覚悟、軽便、安坐、蟠、愁怖、傾動、
狂狷、跏趺*、嬾、端心正意、馳念、神力、差降、懸殊、転輪聖王、
第四禅*、四禅*、見諦道*、見道*、阿那含、十八心、八生勝処、
背捨、勝処、一切入、減劣、測知、敬心、十住、
所依*、所縁


2.身を挙げて、微笑する
【經】爾時世尊從三昧安庠而起。以天眼觀視世界舉身微笑
  • 何故、三昧王三昧より立って、世界を観るのか?
  • 何故、天眼を用いて、世界を観察するのか?
  • 仏に在っても、天眼と称するのは、何故か?
  • 三種の天:
    1. 名天:天王、天子。
    2. 生天:釈提桓因、大梵天。
    3. 浄天:仏、辟支仏、阿羅漢。
  • 何故、身が笑うと言うのか?
  • 何故、世尊は笑うのか?
安庠、施作、求索、行力、勤苦、小処

3.足下の千輻輪相より、光明を放つ
【經】從足下千輻相輪中放六百萬億光明
  • 何故、先に身光を放つのか?
  • 諸天の光と、仏の光明と、何が異なるのか?
  • 何故、先に足下の光を放つのか?
  • 何故、六百万億の光明で、十方を満たせるのか?
足下千輻相輪、身光、信清浄、利養*、肉髻、迦羅求羅虫*

4.一切の身分より、光明を放つ
【經】足十指兩踝兩[跳-兆+尃]兩膝兩髀腰脊腹背臍心胸德字肩臂手十指項口四十齒鼻兩孔兩眼兩耳白毫相肉髻。各各放六百萬億光明
  • 已に、足下の光明が十方を照した、身分の光明は必要か?
  • 光明を放つのは、
    1. 何の、三昧に依ってか?
    2. 何の、神通に依ってか?
    3. 何の、禅定に入ってか?
徳字、白毫相、足下安住相、如意通、火勝処*、火一切入

5.光明は恒河沙等の世界を、遍く照す
【經】從是諸光出大光明。遍照三千大千世界。從三千大千世界遍照東方如恒河沙等諸世界。南西北方四維上下亦復如是。若有眾生遇斯光者。必得阿耨多羅三藐三菩提
  • 光明の火気は上に去る、何故、十方を満たせるのか?
  • 何故、先に東方を照らすのか?
  • 光明は、幾許を過ぎて滅するのか?
日珠、月珠

6.光明は出て、復た恒河沙等の世界を過ぎる
【經】光明出過東方如恒河沙等世界。乃至十方亦復如是
  • 何を、三千大千世界と称するのか?
  • 何故、光は遠く照らしても、滅しないのか?
  • 何故、他の河川でなく、恒河に喩えるのか?
  • 恒河の沙は、何れほど有るのか?
  • 一婆羅門は、仏に樹林の葉の数を問うた。
周利*、三千大千世界*、大千*、復、
劫*、大劫*、小劫*、龍泉、四大河、阿那婆達多龍王、車蓋、七住、
阿那婆達多池*、阿耨達池*、象頭、牛頭、馬頭、師子頭、
恒伽河、辛頭河、婆叉河、私陀河、法身、
祇桓*、祇樹給孤獨園*

7.身の毛孔を挙げて、皆微笑する
【經】爾時世尊舉身毛孔皆亦微笑。而放光明遍照三千大千世界。復至十方如恒河沙等世界。若有眾生遇斯光者。必得阿耨多羅三藐三菩提
  • 已に、身を挙げて微笑した、何故、更に一切の毛孔で笑うのか?



大智度論巻第八(上)
初品中放光釈論第十四之余
8.十方の世界を、常光明で遍く照す
【經】爾時世尊以常光明遍照三千大千世界。亦至東方如恒河沙等諸佛世界。乃至十方亦復如是。若有眾生遇斯光者必得阿耨多羅三藐三菩提
  • 何故、復た常光明を放って、十方を照すのか?
  • 何を、常光というのか?
  • 何故、一丈なのか?
常光明*、常光*、
五濁*:命濁、劫濁、煩悩濁、見濁、有情濁;

9.十方の世界を舌相で覆い、舌根の光明より無量の化仏を出す
【經】爾時世尊出廣長舌相。遍覆三千大千世界。熙怡而笑。從其舌根出無量千萬億光是一一光化成千葉金色寶華。是諸華上皆有化佛結加趺坐。說六波羅蜜。眾生聞者必得阿耨多羅三藐三菩提。復至十方如恒河沙等諸佛世界皆亦如是
  • 舌相は、軽相に似ているが?
  • 般若波羅蜜を説こうとしたが、
    1. 般若波羅蜜:甚深、難解難知で信受し難い、
    2. 故に:広長の舌相を出して、証とした。
      1. 婆羅門王が、仏に食を施すことを制限する
      2. 一老使人が、仏に臭い米のとぎ汁を施す
      3. 仏は、阿難にその報の大なることを告げる
      4. 一婆羅門が、小因大果を疑う
      5. 仏は、舌相を出して証とする
      6. 婆羅門は屈伏するが、小因大報を理解しない
      7. 尼拘盧陀樹を以って、小因大果の例を示す
    3. 皆が尽くは、舌相を見ない訳
      1. 仏の神力が加わる:乃至畜生でも見られる
      2. 神力が加わらない:十住の菩薩にも見られない
  • 舌根の光明は変化して、無量の宝華と作る
  • 諸の宝華中には、化仏が結加趺坐し、般若波羅蜜を説く
    1. 何故、床でなく、蓮華に坐るのか?
    2. 劫尽きる時、
      1. 大風が、大水を持つ
      2. 大水中に、一千の頭、二千の手足の韋紐がいる
      3. 韋紐の臍より、金色の蓮華が出る
      4. 蓮華中に、梵天王が坐す
      5. 梵天王の心より、八子が生まれる
      6. 八子は、天地の人民を生む
    3. 仏は、世俗に随うが故に、宝華に坐す
    4. 諸の化仏は、一時に法を説くことができるのか?
    5. 仏は般若波羅蜜を説こうとして、
      1. 何故、化仏に六波羅蜜を説かせるのか?
      2. 六波羅蜜と、般若波羅蜜とは一法、無異だから
    6. 無量の化仏が法を説くのに、
      1. 何故、尽くが度を得ないのか?
      2. 衆生には、三障が有る
熙怡、葉、結加趺坐、大徳*、尊重、軽相、広長舌相*、
如昔、受歳、舎婆提国、遊行*、婆羅門城、輸、制限、
使人、瓦器、肉髻、天廚、慈愍、信心清浄、弊食、信敬、長跪、唯然、
日種、刹利、頗有、尼拘盧陀樹*、尼拘律樹*、賈客、良美、所致、
五体、無状、帰命*、睹、無乃、十住、厳浄、世界*、白衣、
漫陀耆尼池*、曼陀吉尼池*、阿那婆達多池、華台、
韋紐*、毘瑟笯天*、梵天王*、大梵天*、有尽、没在、官従、独身、
三障*:煩悩障、業障、異熟障;業障、重、在

10.師子座に於いて、師子遊戯三昧に入る
【經】爾時世尊故在師子座。入師子遊戲三昧。以神通力感動三千大千世界。六種震動
  • 何故、師子が遊戯する三昧というのか?
  • 何故、此の三昧に入るのか?
  • 何故、三千大千世界を震動したのか?
師子遊戯三昧*、搏、六反、安隠、著、二道、有常

11.地を、六種に震動する
【經】東涌西沒西涌東沒。南涌北沒北涌南沒。邊涌中沒中涌邊沒
  • 何のように、六種に動くのか?
    1. 地の動き:三種ある
      1. 下(二種):東西、南西、辺中
      2. 中(四種):東西南北、東西辺中、南北辺中
      3. 上(六種):東、西、南、北、辺、中
    2. 地を動かす因縁:
      1. 遊行経:八因、八縁
      2. 別説:火神、龍神、金翅鳥、天神
      3. 仏が:大地、山河、樹木等の一切の物は無常であることを、地を動かして示す
有常、
二十八宿*:昂宿、畢宿、觜宿、参宿、井宿、鬼宿、柳宿、星宿、張宿、翼宿、軫宿、角宿、亢宿、氐宿、房宿、心宿、尾宿、箕宿、斗宿、牛宿、女宿、虚宿、危宿、室宿、壁宿、奎宿、婁宿、胃宿;周繞、枯竭

12.地を柔軟にして、衆生を和悦する
【經】地皆柔軟令眾生和悅
  • 地が動くと:
    1. 何故、衆生の心に、和悦を得させられるのか?
      1. 身は心に随うが故に、
      2. 身に楽事を得ると心が悦ぶ
    2. 何故、大地を動かしたのか?
      1. 雑悪の衆生は、善事を有することが無い
      2. 大地を動かし、心を柔軟にして利益を得させる
    3. 三十三天:
      1. 歓楽園:
        1. 心が柔軟になる
        2. 心に麁心を生じない
        3. 阿修羅が来ても、闘心が無い
      2. 麁渋園:
        1. 樹木果実の気が、
          1. 和悦させない
          2. 麁渋である
          3. 不快である
        2. 闘心が生じる
    4. 咒術、薬草ですら、人心を動かす
    5. 況して、大地を動かせば尚更である
欣悦、便身、雑悪、麁獷、
三十三天、釋提婆那民、歓楽園*、麁渋園*


大智度論巻第八(下)
初品中放光釈論第十四之余
13.三悪八難の衆生は解脱して、天上に生まれる
【經】是三千大千世界中地獄餓鬼畜生及八難處。即時解脫得生天上。從四天王天處乃至他化自在天處
  1. 地獄、餓鬼、畜生、及び八難処:
    1. 即時に解脱する
    2. 四天王天処、乃至他化自在天処に生まれる
  2. 仏が、天に生まれさせられるならば、行善、修福に何の用が有るのか?
  3. 何故、色界、無色界には生まれないのか?
  4. 五衆は無常、空、無我なのに、誰が死んで誰が生まれるのか?
八難処*、
八難*:地獄、畜生、餓鬼、長寿天、辺地、聾盲瘖唖、世智辯聡、仏前仏後;
感動、四禅、四空定*、
四無色定*:空無辺処定、識無辺処定、無所有処定、非想非非想処定;
幻人、世界法、法相*、法印*

14.諸の天、人は自ら宿命を識り、仏所に来詣する
【經】是諸天人自識宿命皆大歡喜。來詣佛所頭面禮佛足。卻住一面
  • 諸の天、人は自らの宿命を識り、仏所に来詣した
  • 諸天は、宿命を識るが、諸人は識らない?
  • 諸人は、遠方の仏所に何うして来詣できたのか?
  • 人法を未だ成じない者が、何故仏所に来詣できたのか?
  • 五道の生法は同じではない
    1. 天、地獄:化生
    2. 餓鬼:胎生、化生
    3. 人道、畜生:卵生、湿生、化生、胎生
  • 例えば、
    1. 卵生:毘舎佉弥伽羅母の三十二子
    2. 湿生:揜羅婆利より生まれた頂生転輪王
    3. 化生:阿羅婆比丘尼は地中より化生した
    4. 胎生:常人の生
五神通、報得*、乳餔、
四生*:卵生、胎生、湿生、化生;
毘舎佉弥伽羅母*、鹿子母*、揜羅婆利*、菴婆羅婆利*、
頂生転輪王*、頂生王*、阿羅婆

15.十方の三悪、八難が解脱を得て、天上に生まれた
【經】如是十方如恒河沙等世界地皆六種震動。一切地獄餓鬼畜生及餘八難處。即得解脫得生天上。齊第六天
  • 十方の世界の三悪、八難が、解脱を得て第六天に生まれた
  • 三千大千世界ですら、無量無数の衆生なのに、何故十方に及んだのか?
  • 釈迦文尼仏が、十方を度したなら、諸余の仏は何故必要なのか?
  • 舎利弗の因縁の弟子は、舎利弗を除けば諸仏すら度せない
第六天

16.盲者は視るを得、聾者は聴くを得た
【經】爾時三千大千世界眾生。盲者得視。聾者得聽。啞者能言。狂者得正。亂者得定。裸者得衣。飢渴者得飽滿。病者得愈。形殘者得具足
  • 爾の時、三千大千世界の、
    1. 生盲者:視るを得た
    2. 聾者:聴くを得た
    3. 唖者:言うことができた
    4. 狂者:正を得た
    5. 乱者:定を得た
    6. 裸者:衣を得た
    7. 飢渴者:飽満を得た
    8. 病者:愈を得た
    9. 形残者:具足を得た
  • 生盲と盲者の違い
  • 生盲等の因縁
    1. 生盲:衆生の眼、正見の眼を破壊する
    2. 聾者:衆生の耳を破る、師父の教訓を受けない
    3. 唖者:他の舌を截る、師父の教勅を断った
    4. 狂者:他人の坐禅を破る、咒術で人に悪を作させる
    5. 乱者:仏法中に内楽を得ず、外に楽事を求める
  • 狂者の裸形:外道の狂相
    1. 灰を身に塗る
    2. 裸形を恥じない
    3. 人の髑髏に糞を盛って食う
    4. 頭髪を抜く
    5. 刺上に臥せる
    6. 倒懸して鼻を熏す
    7. 冬に水に入り、夏に火に炙る
  • 飢渴の因縁:
    1. 福徳が薄いが故に先世に飲食の因無く、今世に縁無し
    2. 先世に仏阿羅漢等の飲食を奪う
  • 善業の福人が悪世に生まれるのは何故か?
    1. 業報の因縁は各各不同である
    2. 黒蛇が摩尼珠を抱いて臥せる
    3. 阿羅漢が乞食して得られない
    4. 例:兄弟の比丘:一は阿羅漢、一は白象に生まれる
  • 病者の因縁:
    1. 先世に鞭杖、拷掠、閉繋等を行い、衆生を悩ませた
    2. 現世に身を養うを知らず、飲食を節しない
  • 形残の因縁
    1. 不善法の報:身に醜陋を受ける
    2. 今世に賊を被り、刑戮を被る
    3. 例:犍抵が王の大夫人の讒を被る
生盲*、定、形残、火珠*、揵稚*、翅舎伽憍曇比丘尼、
五戒*:殺生、偸盗、邪婬、妄語、飲酒;
禿*、倒懸、天祠、失法、得法、吉河*、弊衣、繿縷、檀越*、猶故、
結堅、宿疹、奔車、逸馬、堆圧、兵刃、刀杖、鞭杖、拷掠、閉緊、
将身、不節、臥起、無常、舎、瞻視、嬾、釈提婆那民、安徐、将出、将入、
澡洗、勤求、方当、不善法*、醜陋、賊、刑戮、残毀、爛壊、祇桓、
奴*、犍抵*、波斯匿王、讒、塚間、羅刹、平復、形寿、矣、宿世、殃咎

17.一切の衆生は皆、等心を得て相視る
【經】一切眾生皆得等心相視。如父如母如兄如弟如姊如妹。亦如親親及善知識。是時眾生等行十善業道淨修梵行。無諸瑕穢惔然快樂。譬如比丘入第三禪。皆得好慧持戒自守不嬈眾生
  • 一切の衆生:
    1. 等心に相視る:父母兄弟姉妹、親親、善知識の如し
    2. 十善業道を行う
    3. 梵行を修める
    4. 諸の瑕穢が無くなる
    5. 無欲恬淡して快楽となる
    6. 譬えば比丘が第三禅に入ったように
    7. 好慧を得る
    8. 持戒して自ら守る
    9. 衆生を嬈ませない
等心*、親親、善知識*、瑕穢、惔然、十善業道*、
十善*:不殺、不盗、不邪婬、不妄語、不悪口、不両舌、不綺語、不貪、不瞋、不邪見;梵行*、第三禅、四無量心*、
四無量*:慈無量、悲無量、喜無量、捨無量;顛倒*、計*、黜、
業、業道*、石泉、五塵、
繋*、不繋*、蘇*、楽受、楽根、喜根、
五受*:苦受、楽受、憂受、喜受、捨受;撿心、戒身、定身、慧身、
五分法身*:戒身、定身、慧身、解脱身、解脱知見身;
世界法*、世間法*、断種人*、粛、木人*



大智度論巻第九(上)
初品中放光釈論第十四之余
18.光明の色像巍巍として、十方の世界に至る
【經】爾時世尊在師子座上坐。於三千大千世界中其德特尊。光明色像威德巍巍。遍至十方如恒河沙等諸佛世界。譬如須彌山王光色殊特眾山無能及者
  • 世尊、師子座に坐す
    1. 其の徳:三千大千世界中に特に尊い
    2. 光明色像:巍巍として十方恒河沙等の諸仏世界に至る
  • 何故、仏の徳のみを、特に尊いと言うのか?
  • 何故、神力無量、威徳巍巍たる仏が、九罪報を受けたのか?
    1. 梵志女孫陀利の為めに謗られた
    2. 旃遮婆羅門女が木盂を腹に繋けて謗った
    3. 提婆達が岩を推して仏を圧し、仏足を傷つけた
    4. 迸木(木槍)に脚を刺された
    5. 毘琉璃王が兵を興した時、頭痛があった
    6. 阿耆達多婆羅門の請を受けて、馬麦を食った
    7. 冷風の故に、脊が痛んだ
    8. 六年苦行した
    9. 婆羅門聚落に乞食して得ず、空鉢で還った
  • 二種の仏身:
    1. 法性の身
    2. 父母の生じた身
  • 法性の身:
    1. 十方の虚空に満ち、無量無辺
    2. 色像端正:三十二相、八十種好荘厳
    3. 光明音声:無量
    4. 聴法の衆:虚空に満ちる
    5. 常に、以下の現出して衆生を度す
      1. 種種の身
      2. 種種の名号
      3. 種種の生処
      4. 種種の方便
  • 父母の生じた身:
    1. 罪報を受ける
    2. 次第に説法する
    3. 人法の如し
    4. 方便の生身を世間に現す
  • 阿尼廬豆:
    1. 一辟支仏に食を与えた
    2. 無量世に楽を受ける
  • 何故方便して、生身を受けたのか?
    1. 未来世の五衆の仏弟子:
      1. 施福が薄い
      2. 自活の具を乞うて得られない
      3. 白衣に謗られる
    2. 白衣にこう言う:
      1. 仏すら九罪報を受ける、況して弟子をや
      2. 身を活かす小事は無いが、
      3. 道を行う福徳が有る
      4. 今日の衆苦は先身の罪報
      5. 今の功徳の利得は将来に在る
    3. 白衣は聞いて瞋心が息み、比丘を供養する
  • 毘摩羅詰経の例:
    1. 仏に小疾あり、阿難に牛乳を乞わしむ
    2. 阿難、毘摩羅詰の門に立つ
    3. 毘摩羅詰、阿難に仏の無疾を説く
在、巍巍、賢聖、
九罪報*、九悩*、孫陀利*、旋遮婆羅門女*、旋遮*、提婆達、
迸木、毘楼璃王*、毘琉璃王*、阿耆達多*、馬麦*、法性、須臾、
阿尼廬豆、五衆*:比丘、比丘尼、式叉摩那、沙弥、沙弥尼;
四種供養、毘耶離国、熱*、風*、居士、五悪之世、草芥

19.世尊は常身を示し、諸天は天華を携えて仏所に至る
【經】爾時世尊以常身示此三千大千世界一切眾生。是時首陀會天梵眾天他化自在天化自樂天兜率陀天夜磨天三十三天四天王天。及三千大千世界人與非人。以諸天華天瓔珞天澤香天末香天青蓮華赤蓮華白蓮華紅蓮華天樹葉香持詣佛所
  • 仏、常身を以って、三千大千世界の一切の衆生に示す
  • 諸の天華、天の瓔珞等を携えて仏所に至る:
    1. 首陀会天の諸天
    2. 梵衆天の諸天
    3. 他化自在天の諸天
    4. 化自楽天の諸天
    5. 兜率陀天の諸天
    6. 夜磨天の諸天
    7. 三十三天の諸天
    8. 四天王天の諸天
    9. 非人
  • 何故、常身を以って、三千大千世界の衆生に示したのか?
  • 般若波羅蜜を説く時の六種の神力
    1. 足下の相輪の光明:十方を満たす
    2. 一切の毛孔:悉く微笑する
    3. 常光明を放つ:八面各各一丈
    4. 舌相:三千大千世界を覆う
    5. 三千大千世界:六種に震動する
    6. 光明の色像:威徳が巍巍としていた
  • 色界:第四天(首陀会天)、諸天(梵衆天)は来たが、第三、第二天は何故来なかったのか?
  • 人、非人:何のようにして天の華を得たのか?
  • 天の華:青、赤、紅、白である;何故黄が無いのか?
首陀会天*、五淨居天*:無煩天、無熱天、善見天、善現天、色究竟天;
梵衆天、随次、第四禅、阿那含、十住、梵世天、
中間禅*、中間静慮*、妙眼師、他化自在天*、
化自楽天*、化楽天*、兜率陀天*、兜率天*、夜磨天*、夜摩天*、
三十三天*、忉利天*、四天王天*、四王天*、須弥山*、
由揵陀羅、由乾陀、供具、須漫提*、芬薫、
閻浮那陀金*、閻浮檀金*

20.諸天は、仏上に天華を散らす
【經】是諸天華乃至天樹葉香以散佛上
  • 何故、華を仏上に散いたのか?

21.散華は化して、虚空上に華台と成る
【經】所散寶華於此三千大千世界上在虛空中化成大臺
  • 何故、華を変化して、虚空中の華台と成したのか?
  • 衆生に、因少果多の理を示す
  • 何故:華台は虚空中より墜落しないのか?

22.華台の辺には瓔珞を垂し、華蓋は大千世界に満ちた
【經】是華臺邊垂諸瓔珞雜色華蓋五色繽紛。是諸華蓋瓔珞遍滿三千大千世界
  • 何故、散かれた華を以って、台と成したのか?
繽紛

23.華蓋と瓔珞の厳飾の故に、大千世界は皆金色と作る
【經】以是華蓋瓔珞嚴飾故。此三千大千世界皆作金色。及十方如恒河沙等諸佛世界皆亦如是
  • 仏:三千大千世界の主:実でない。

24.仏は、わたしの為めにのみ法を説く
【經】爾時三千大千世界。及十方眾生各各自念。佛獨為我說法不為餘人
  • 何故、諸の衆生は各各仏が前に在って法を説くと見えるのか?
  • 仏の二種の神力:
    1. 一処に坐して法を説く:衆生は遠処に見、遠処に聞く
    2. 一処に於いて法を説く:衆生は各各の前に於いて、法を説くのを見、法を説くのを聞く

25.口の光に照らされ、大千世界の衆生は互いに見交わした
【經】爾時世尊在師子座熙怡而笑。光從口出遍照三千大千世界。以此光故。此間三千大千世界中眾生。皆見東方恒河沙諸佛及僧。彼間恒河沙等世界中眾生。亦見此間三千大千世界中釋迦牟尼佛及諸大眾。南西北方四維上下亦復如是
  • 誰の神力?
    1. 此の間の衆生が、遠く彼方を見る:仏の神力
    2. 彼の間の衆生が、遠く此方を見る:誰の神力?
熙怡、営従、般舟三昧*


大智度論巻第九(下)
初品中十方諸菩薩來釋論第十五
1.多宝世界と宝積仏
【經】是時東方過如恒河沙等諸佛世界。其世界最在邊世界名多寶佛號寶積。今現在為諸菩薩摩訶薩說般若波羅蜜
  • 世界の最も辺:仏の言葉と矛盾していないか?
  • 世界:辺が無いでもなく、有るでもない
  • 多宝世界:多宝とは財宝?法宝?
  • 何故、此の一仏のみを、宝積と呼ぶのか?
  • 釈迦一仏有るのみで、十方に仏は無い?
  • 九十一劫中の三劫にのみ、仏は有るのか?
  • 女人は五事を作すことができない?
    1. 転輪聖王に作る
    2. 帝釈天に作る
    3. 魔天王に作る
    4. 梵天王に作る
    5. 仏に作る
  • 二転輪聖王は、一処に並び立たない?
  • 一世に、二仏はない。
  • 仏は、涅槃の時、諸の比丘にこう語られた、――
    1. 法に依って、人に依ってはならない
    2. 義に依って、語に依ってはならない
    3. 智に依って、識に依ってはならない
    4. 了義経に依って、未了義経に依ってはならない
  • 衆生:次のものが有る
    1. 三種の身苦:老、病、死
    2. 三種の心苦:婬、瞋、癡
    3. 三種の後世の苦:地獄、餓鬼、畜生
  • 世界:三種の人が有る
    1. 下:現世の楽に著す
    2. 中:後世の楽を求める
    3. 上:道を求め、慈悲心が有り、衆生を憐愍する
  • 老病死の苦が無ければ、仏は出ない
  • 十方の世界:仏の出る因縁が有る
  • 十方の仏:
    1. 有るのに、無いと言う:無限の罪を得る
    2. 無いのに、有ると言う:心に信じて有ると言えば、その福は無量である
  • 無量の諸仏が有り、衆生は多く三悪道に墜ちているのに、何故来ないのか?
    1. 仏を見る因縁が無い
    2. 一心に仏菩薩を念じない
神、十四難、法性、無漏、根力覚道、弥勒、宝華仏、然灯仏、千葉、
華台、華飾、麁曲、丈、真青、仏臍、妙華色、金山、光曜、宝華、展転、
淨居天、方石、縦広、太山、氷闇火、無患、
過去七仏*:毘婆尸、尸棄、毘舎浮、俱留孫、俱那含、迦葉、釈迦牟尼;
賢劫*、了義*、未了義*、優曇波羅、帰命*、稽首*、在、
六大城*:舎婆提城、遮枳多城、瞻波城、毘舎離城、波羅那城、王舎城;
億耳*、二十億耳*、月氏*、大月氏*、阿波羅龍王*、
阿波邏羅龍泉*、女羅刹、罽賓、隸跋陀*、恐懼、仏図、遍吉菩薩、宝磲、
阿蘭若*、摩訶衍、布髪*、摩訶羅*

2.普明菩薩
【經】爾時彼世界有菩薩。名曰普明
  • 何故、普明と呼ばれるのか?
  • 明るく、常に一切の世界を照らすが故に。

3.普明菩薩が、因縁を問う
【經】見此大光見地大動。又見佛身到寶積佛所。白佛言。世尊。今何因緣有此光明照於世間。地大震動。又見佛身
  • 問い:
    1. 普明菩薩は、諸菩薩中の最尊第一
    2. 自ら因縁を知るはずなのに、何故仏に問うのか?
  • 答え:
    1. 普明菩薩は大であるが、仏の智慧を知るほどではない
    2. 菩薩は常に、仏に会いたいと思っている
    3. 仏に会うと、大利益を得る
    4. 大事の故に、仏に問う
    5. 小菩薩の為めに、問いを発した
朝宗



大智度論巻第十(上)
初品中十方菩薩来釈論第十五之余
1.宝積仏、普明に因縁を説く
【經】寶積佛報普明言。善男子。西方度如恒河沙等世界。有世界名娑婆。是中有佛。號釋迦牟尼。今現在欲為諸菩薩摩訶薩說般若波羅蜜。是其神力
  • 仏は:
    1. 須弥山のように、不動のはず
    2. 何故、普明に答えたのか?
    3. 答えるとは、動相である
    4. 須弥山も毘嵐の大風が吹けば動じる
  • 仏も大慈悲の大風が吹けば:
    1. 憐愍の心が動き
    2. 身を無数に散じて、五道に入り
    3. 五道の衆生を教化して、
    4. 或いは天の身と作り、
    5. 乃至畜生の身と作る
  • 仏の身辺中の:
    1. 諸の毛孔より、自然の声が有り
    2. 心に随って、法を説くが
    3. 仏には、憶想分別は無い
  • 仏の三密:
    1. 身密:仏の色身は見る人によって同じでない
    2. 語密:仏の声は遍く虚空中に満ちて聞こえる
      目連:神足を以って、仏の声を尋ねるも得られない
  • 仏の覚りは等しいのに、何故釈迦牟尼仏の神力だと言うのか?
    仏には吾我、彼此無く、嫉妬、慢心の滅したことを示した
娑婆*、水波、覚観*、随嵐、摩尼*、
三密*:身密、口密、意密;
目連、目度伽略子、
等覚*、吾我*、尊勝*、化作*、毘紐天

2.普明、釈迦牟尼仏を供養せんとす
【經】是時普明菩薩白寶積佛言。世尊。我今當往見釋迦牟尼佛禮拜供養。及見彼諸菩薩摩訶薩紹尊位者。皆得陀羅尼及諸三昧。於諸三昧而得自在
  • 諸の仏の持戒、禅定、智慧、人を度すことは等しい
    何故、普明は釈迦牟尼仏に会おうとするのか?
  • 菩薩は三事に厭足が無い
    1. 仏に会うことに厭足が無い
    2. 法を聴くことに厭足が無い
    3. 菩薩僧に会うことに厭足が無い
    4. 例:手居士は三事に厭足無し
  • 二種の三昧:
    1. 仏の三昧
    2. 菩薩の三昧
    3. 例:文殊師利、一女人、棄諸蓋菩薩
尊位、厭患、手居士*、消蘇*、諸仏要集経*

3.宝積仏、普明に千葉金色の蓮華を託す
【經】佛告普明。欲往隨意宜知是時。爾時寶積佛以千葉金色蓮華與普明菩薩。而告之曰。善男子。汝以此華散釋迦牟尼佛上。生彼娑婆世界諸菩薩難勝難及。汝當一心遊彼世界
  • 往こうと思えば、意の随にせよ:
    1. 仏は、弟子に於いて愛が断たれている
    2. 仏は、弟子中に心が著さない
    3. 普明は、心に小慢を生じた
    4. 遠くの世界でも、仏の説く法は同じであると示す
    5. 先世の因縁が有れば、遠くとも法を聴く
  • 蓮華を、託すのは何故か?
    1. 仏は、財を須めないが故に、贈らない
    2. 仏は、無量阿僧祇劫に功徳を修め、功徳を敬う
    3. 例:仏は盲比丘に代って、針に糸を通す
    4. 娑婆には千葉金色の化華は有るが、水生の華は無い
  • 一心に敬い慎んで、彼の世界に遊べとは:
    1. 一心に敬慎する:諸功徳の初門
    2. 優波鞠の例:
      1. 百二十歳の比丘尼に、仏の事を聞こうとして、
      2. 舎の戸扇を排し、鉢の麻油をこぼした、
      3. 優波鞠の威儀は、六群比丘尼も及ばない
  • 娑婆の菩薩には、勝ち難く、及び難い
    1. 娑婆の菩薩:勤苦することが多い
    2. 多宝世界:勤苦することが少ない
紝、優波鞠*、優波毱多*、戸扇、威儀、詳審、
六群比丘*:難陀、跋難陀、迦留陀夷、闡那、阿説迦、弗那跋;
鬱怛羅衛、瑩治

4.普明、諸の出家在家の菩薩等と共に発つ
【經】爾時普明菩薩從寶積佛受千葉金色蓮花。與無數出家在家菩薩及諸童男童女。俱共發引
  • 普明菩薩は、自らの大神力で来れたが、
    諸の出家在家の菩薩や、童男童女は誰が遣り届けたのか?
  • 何故:童男童女もいっしょに来たのか
    1. 功徳の在るのは、大小に在るわけではない
    2. 仏法には小大、内外無く、誰でも修行することができる
    3. 譬えば:服薬は貴賎、大小を択ばない
発引、致、悠遠、四如意足、
四種兵*、四兵*:象兵、馬兵、車兵、歩兵;翼従*、営従*、及、
奉行

5.普明等、皆東方の諸仏を供養する
【經】皆供養恭敬尊重讚歎東方諸佛
  • 娑婆世界へ、真直ぐ行かないで、
    何故道中、東方の諸仏を供養したのか?
    1. 身の身辺より、無量の身を出し、種種の供養の物を化作して、諸の仏世界を満たす
    2. 譬喩:龍王の行く時は、身より水を出し、普く天下に雨ふらす
    3. 菩薩は、常に仏を敬重する
    4. 薬王菩薩の例:仏より一切変化色身三昧を得て、千二百年多くの香を食い、多くの香油を飲んで、千二百年自らを燃やして、光明で八十恒河沙の仏世界を照らした
    5. 仏を供養すれば:
      1. 無量の名聞、福徳、利益を得て
      2. 諸の不善事は、皆悉く滅除し、
      3. 諸の善根が、増長して、
      4. 今世後世に、供養の報を得、
      5. 久しい後に、仏と作るを得
白畳

6.釈迦牟尼仏の所に到り、頭面に足を礼す
【經】持諸華香。瓔珞。末香澤香燒香塗香。衣服幢蓋。向釋迦牟尼佛所。到已頭面禮佛足一面立
  • 何故、頭面で足に礼するのか?
    1. 身中:最も貴いのは頭、最も賎しいのは足、
    2. 最も貴ぶ所で、最も賎しむ所を礼する
    3. 礼法:
      1. 下:揖:会釈する
      2. 中:跪:跪く
      3. 上:稽首:頭面で足を礼する
  • 何故、一面に立つのか?
    1. 外道は仏を軽んじるが故に坐る
    2. 白衣は客であるが故に坐る
    3. 五衆は身心仏に属するが故に立つ
    4. 舎利弗、目連、須菩提等の作すべき所を已に作した阿羅漢は坐ることを聴される
    5. 阿羅漢以外の三道は、大事が未だ作されず、結賊が破られていない、故に立つ
揖、跪、稽首、毘尼、三道:見道、修道、無学道;

7.宝積仏は、釈迦牟尼仏に問訊を致す
【經】白佛言。寶積如來致問世尊。少惱少患興居輕利氣力安樂不。又以此千葉金色蓮華供養世尊
  • 何故:仏が、問訊するのか?
    1. 仏は、知りながら、故に問う
    2. 達貳迦比丘の例:煉瓦で房舎を作った理由を仏は知っていて、故に阿難に問われた
    3. 何故仏が:
      1. 病、悩が少ないかと問うのか?
      2. 病、悩が無いかと問わないのか?
      3. 興居軽利かと問うのか?
      4. 気力安楽かと問うのか?
軽利、問訊、達貳迦*、窟、漏処法、疽瘡、造事、施為


大智度論巻第十(下)
初品中十方諸仏来釈論第十五之余
1.釈迦牟尼仏、東方の諸仏を華を散いて供養する
【經】爾時釋迦牟尼佛受是千葉金色蓮華已。散東方恒河沙等世界中佛
  • 仏は何故、東方の諸仏を供養するのか?
  • 三種供養:
    1. 下:己より下を供養する
    2. 中:己に等しきを供養する
    3. 上:己に勝る者を供養する
  • 下の供養:大愛道比丘尼の涅槃に入る時、仏自ら前に香炉を擎げて供養した。
  • 仏法中の四種の布施:
    1. 施者が清浄、受者が不浄
    2. 施者が不浄、受者が清浄
    3. 施者も清浄、受者も清浄
    4. 施者も不浄、受者も不浄
勝如、尊事、師、承事、
大愛道比丘尼*、摩訶波闍波提*、三道、摩梨山、牛頭栴檀、[卄/積]、
勧助、七住菩薩、無生法忍、
八十随形好*、三十二業*、教誨、佐助、南無*、勧助、
十住菩薩*、瘡、将

2.散かれた華が、諸仏の世界に満ちる
【經】所散蓮華滿東方如恒河沙等諸佛世界
  • 華は何故世界に満ちるのか?
  • 仏の神通力に依る
  • 未来の福報:少しの華が世界を満たすのと同じ
弥満

3.一一の華上に菩薩が有り、皆六波羅蜜を説く
【經】一一華上皆有菩薩。結加趺坐說六波羅蜜。聞此法者畢至阿耨多羅三藐三菩提
  • 前には:蓮華上に坐仏が有った!
  • 今は:蓮華上に菩薩が有る?
  • 衆生の差別:
    1. 坐仏を見て、度を得る
    2. 菩薩を見て、度を得る

4.諸の菩薩及び童男童女、頭面に仏足を礼する
【經】諸出家在家菩薩及諸童男童女頭面禮釋迦牟尼佛足。各以供養具供養恭敬尊重讚歎釋迦牟尼佛。是諸出家在家菩薩及諸童男童女。各各以善根福德力故。得供養釋迦牟尼佛多陀阿伽度阿羅呵三藐三佛陀
  • 仏の十号の偈:
    1. 多陀阿伽度:如来、如去
    2. 阿羅訶:供養を受けるべし
    3. 三藐三仏:四諦の理を知る
    4. 鞞闍遮羅那:三明を具足する
    5. 修伽陀:安隠処に到らせる
    6. 路迦鞞陀:世間を知る
    7. 阿耨多羅:禅定持戒智慧に及ぶ者が無い
    8. 富楼沙曇藐:善軟の教で調御する
    9. 提婆魔㝹舎:最上の解脱を説く
    10. 仏:三世中の動不動の法、尽不尽の法を知る
多陀阿伽度、阿羅訶、三藐三仏陀、利勁、三明、鞞闍遮羅那、
修伽陀、路迦鞞陀、阿耨多羅、富楼沙曇藐、提婆魔㝹舎、
動不動法*、尽不尽法*

5.釈迦牟尼仏、南西北方の諸仏の世界を度す
【經】南方度如恒河沙等諸佛世界。其土最在邊。世界名離一切憂。佛號無憂德。菩薩名離憂。西方度如恒河沙等諸佛世界。其世界最在邊。世界名滅惡。佛號寶山。菩薩名儀意。北方度如恒河沙等諸佛世界。其世界最在邊。世界名勝。佛號勝王。菩薩名得勝。下方度如恒河沙等諸佛世界。其世界最在邊。世界名善。佛號善德。菩薩名華上。上方度如恒河沙等諸佛世界。其世界最在邊世界名喜。佛號喜德。菩薩名得喜。如是一切皆如東方
  • 十方:方とは何か?
  • 五衆、十二入、十八界にも含まれず
  • 四法蔵中にも含まれない
  • 方:日の運行に依るが故に実有である?
  • 方:須弥を中として四洲相対の故に実有でない?
  • 方:但だ名のみ有り、実は無い
方*、四法蔵*、三無為*、六法蔵*、陀羅驃*、勝論*、
鬱怛羅越、弗婆提、閻浮提

6.三千大千世界、宝華に変じて地を覆う
【經】爾時是三千大千世界變成為寶華。遍覆地懸繒幡蓋。香樹華樹皆悉莊嚴
  • 地が宝に化すのは、誰の神力か?
  • 四種の宝:金、銀、毘琉璃、頗梨;七種の宝:金、銀、毘琉璃、頗梨、車磲、瑪瑙、赤真珠;その他の宝:摩羅伽陀、因陀尼羅、摩訶尼囉、鉢摩羅伽、越闍、龍珠、如意珠、玉、貝、珊瑚、琥珀等
  • 三種の宝:人の宝、天の宝、菩薩の宝
  • 菩薩の宝
  • 珍宝の出処
十四変化心、毘琉璃*、頗梨*、七宝、硨磲*、馬瑙*、赤真珠*、
摩羅伽陀*、因陀尼羅*、摩訶尼囉*、鉢摩羅伽*、越闍*、玉貝*、
阿伽楼*、多伽楼*、占匍*、阿輸迦*、婆呵迦羅*

7.譬えば華積世界、普華世界のようだ
【經】譬如華積世界普華世界。妙德菩薩善住意菩薩。及餘大威神諸菩薩。皆在彼住
  • 華積世界のようだ?
  • 阿弥陀仏の世界:華積世界に及ばない!
  • 世界を変化する時:華積世界を想像した!
  • 遍吉菩薩?
  • 文殊尸利?
妙徳菩薩、阿弥陀仏*、法積比丘*、法蔵比丘*、毘摩羅詰*、
遍吉菩薩、適住

8.仏は、一切の世界が皆集まったことを知った
【經】爾時佛知一切世界若天世界若魔世界若梵世界。若沙門若婆羅門及天。若揵闥婆人阿修羅等。及諸菩薩摩訶薩。紹尊位者一切皆集
  • 十方の世界:一切が尽く来た?
  • 天の三大主:釈提婆那民、魔王、大梵天王
  • 色界:梵世界(初禅)のみ?
  • 鬼神、龍王:
    1. 阿修羅道に含まれるべき
    2. 智慧が有り
    3. 道を得ることができる
    4. 密迹金剛力士の例
    5. 甄陀羅王、揵闥婆王の例
    6. 羅睺羅阿修羅王の例
    7. 富那婆数阿修羅母の例
揵闥婆、阿修羅、釈提婆那民、梵世界*、夜摩天、兜率陀天、化楽天、
寂漠、光音天、愛身天*、小減、龍王、甄陀羅、
童籠磨*、十宝山*、番休、阿修羅、
毘摩質多*、婆梨*、羅睺羅*、稽首礼、放去、怖懅、惶怖、
鬼神*、迦旃延子、富那婆数*、女男、啼泣、鬱怛羅、
密迹金剛力士、屯崙摩、一切有部、婆蹉弗妒路



大智度論巻第十一(上)
釈初品中舎利弗因縁第十六
1.舎利弗の因縁
【經】佛告舍利弗
  • 舎利弗の因縁:
    1. 八歳の因縁
    2. 目連の因縁
    3. 阿説示の因縁
  • 須菩提の因縁
    1. 無諍三昧の因縁
    2. 華色比丘尼の因縁
  • 舎利弗の名の因縁
    1. 舎利弗の母の因縁
    2. 舎利弗の父の因縁
    3. 舎利弗の叔父の因縁
十八部経、摩伽陀国、姞利、阿伽羅、替、神情、瞻向、結跏趺坐*、
神異、自矜、年小、年少、時人、答酬、旨趣、辞理、有司、象輿、
十六大国、六大城、慶悦、告占師、拘律陀、見、少長、繾綣、結要、
情求、弥歴、刪闍耶、喘喘然、愍爾、金地国*、[(草-早)/積]、
行報、殊絶、疏、憮然、畢、迦葉兄弟*、竹園、頓止、阿説示*、
儀服、異容、既、至真、成就戒*、具足戒*、長爪梵志、学地、甚深、
須菩提*、無諍三昧*、夏安居、受歳、法身、磨滅之法、道証、
華色比丘尼*、蓮華色比丘尼*、頻婆娑羅、摩陀羅、居家、倶郗羅、
舎利鳥、廃忘、提舎*、鍱、逕、難、僶俛、来、特牛、觝觸、将、躄、
顔貌、意色、勝相、負処、累、金剛*、白畳、優波提舎*、舎利弗

2.一切種を以って一切法を知る
【經】菩薩摩訶薩欲以一切種知一切法。當習行般若波羅蜜
  • 一切種:
    1. 智慧門:
      1. 一切の智慧門より、
      2. 一切の種に入り、
      3. 一切の法を観る
    2. 凡夫人:三種の観
    3. 仏弟子:
      1. 八種の観より、
      2. 四聖諦中に入り、
      3. 十六種の行相を行う
    4. 十六行:
      1. 四諦十六行相
      2. 出入息観
    5. 六種の念
    6. 世間、出世間の智で一切法を知る
  • 一切法:
    1. 眼識等の識の所縁の法
    2. 智所縁の法
    3. 二法、三法、四法等に一切法を摂する
    4. 菩薩が一切種を求め、一切法を知ろうとする理由
種*、一切種*、法*、一切法*、阿僧祇、
十六行*、四諦十六行相*、十六特勝*、
五位*:色法、心法、心相応法、心不相応法、無為法;事理五位*;
水渧、理*、鑽

3.舎利弗の問うた理由
【經】舍利弗。白佛言。世尊。菩薩摩訶薩云何欲以一切種知一切法。當習行般若波羅蜜
  • 何故、舎利弗の問いを待って般若波羅蜜を説く?
  • 舎利弗の習気の因縁
  • 舎利弗と鴿の因縁
習行*、阿婆檀那、晡時、経行*、鴿、習気*、已往、斉限、不審、除

大智度論釋初品中檀波羅蜜義第十七
1.般若波羅蜜の定義
【經】佛告舍利弗。菩薩摩訶薩以不住法住般若波羅蜜中。以無所捨法具足檀波羅蜜。施者受者及財物不可得故
  • 般若波羅蜜の定義
    1. 無漏の慧根:結使を断ずるの二種:
      1. 声聞:
        1. 三毒を断ち
        2. 人天中の五欲に著さない
      2. 菩薩:
        1. 人天中の五欲には著さないが
        2. 菩薩の功徳、果報の五欲を捨離しない
      3. 阿泥盧陀の例:
        1. 青遍処に入って、
        2. 妙色の天女が目に入らない
      4. 摩訶迦葉の例
        1. 甄陀羅王が弾琴歌頌して
        2. 仏の功徳を讃えた
        3. 摩訶迦葉は座上に動揺した
    2. 有漏の慧
    3. 不可得の相
  • 不住の法を以って、
    1. 般若波羅蜜中に住して
    2. 六波羅蜜を具足する
不可得*、暖法、頂法、忍法、世間第一法、苦法智忍、阿泥盧陀、
不浄、青色、十一切処*、十徧処*、十一切入*、甄陀羅、歌頌*、
耆年、旧宿、天須菩薩、十二頭陀、毘嵐、爛草、薩婆若*、成辦、
有無四句*、毫氂

大智度論釋初品中讚檀波羅蜜義第十八
1.檀の利益
  • 檀の利益
善御、善府、愛果*、全護、淵府、林藪、津梁、倹徳、寡識、效、
黠慧、室宅、修、危脆、及、及時、宅業、福慶、匆匆、営救、狂愚、
絶焔、翕響、蕩然、夷滅、慳惜、須臾、聚斂、忽焉、逝没、委物、失計、
帰仰、櫪養


大智度論巻第十一(下)
大智度論釋初品中檀相義第十九
1.檀の相:内外の布施
  • 檀:
    1. 布施
    2. 心に相応する善の思念
    3. 善の思念の起す、身口の業
    4. 信、福田、財物の和合:
      1. 捨法生じて、
      2. 慳貪を破る。
    5. 心相応法、随心行、共心行、非色法の能作縁
    6. 三種の檀:欲界繋、色界繋、不繋
    7. 非業、業相応法、随業行、共業生
    8. 先世の業報の生に非ず
    9. 二種の修:行修、得修
    10. 二種の証:身証、慧証
    11. 三種の檀:思惟断、不断、二種の見断
    12. 有覚有観の法
    13. 凡夫聖人の共行
    14. 二種の施:浄施、不浄施
    15. 布施の果:因縁和合の時に生じる
    16. 布施の時:
      1. 諸煩悩が薄れる
      2. 涅槃の道中を助ける
      3. 種種の善法を皆得る
      4. 三十二相を得る因縁
    17. 画師千那の因縁
  • 二種の檀:
    1. 世間の檀:不浄
    2. 出世間の檀:清浄
    3. 韋羅摩菩薩の因縁:
      1. 施者:清浄
      2. 受者:不浄
  • 内外の布施:
    1. 外の布施:財物等の布施
    2. 内の布施:身命を惜まず、諸の衆生に施す
    3. 釈迦文仏本生:
      1. 身を灯明と為して、婆羅門に施す
      2. 鴿の身を以って、飢人に施す
檀*、檀那*、布施*、心相応、善思、思、
捨*、慈*、繋、心相応法、随心行、業、
行*、行修、得修、身証*、慧証*、見断、思惟断、不断、有覚有観、
所為、嫌責、畏懼、非時解脱*、時解脱*、券要、諂曲、調、不慚、不愧、
愛*、瞋*、憍慢*、無明*、邪見*、疑*、八正道、三十七品、
三十二相、五事*:布施して得る命、色、力、楽、辯;足跟、慇懃、約勅、
伊尼延腨相*、両腋下円満相*、安慰*、尼拘盧、迦陵毘伽、等心*、
七宝、遠行、遠来、風寒、衆難、時施、曠路、将迎、大月氏、弗迦羅、
千那、多刹陀羅、客画、維那*、衆僧*、治罪、断事、狂癡、客作、
依如、官制、憐愍、婦児、頓捨、懃苦、穀子、無作三昧、見*、
絹、布、絲、縷、菩薩本生経、阿婆陀那、婆薩婆、韋羅摩、毘羅摩、
軽泆、五家所共*:王、賊、火、水、悪子の所共;彌猴、手疏、麺、
酪*、酥油*、醍醐*、犀甲、珞、幢、四宝:金、銀、琉璃、頗梨;
交絡、剣婆羅*、欽婆羅*、宝幰、綩綖、茵蓐、校飾*、丹枕、錦被、
盛服、盛満、斛、甲角、白畳、贈遺、勧助、法祠、釈提婆那民、浄居、
金瓶*、串、悔恨、罣礙、行水、将無、得無、祠経十六種書、唐、稽首礼、
感応、求索、身上、灯炷、危脆、旃陀羅*、白畳、挙身、雪山、窮厄、辛苦、
須臾


釋初品中檀波羅蜜法施義第二十
1.檀の相:法の布施
  • 法施:
    1. 常に好語を以って、利益する所が有る
    2. 仏所説の妙善の法を人の為に演説する
    3. 三蔵を人に教える:修妒路、毘尼、阿毘曇
    4. 四種蔵を人に教える:三蔵+雑蔵
    5. 二種の法を人に教える:声聞法、摩訶衍法
  • 言説:法施ではない
    1. 浄心:
      1. 善を思い、
      2. 一切の衆生に教える
    2. 信浄の法施:
      1. 浄心に善を思い、
      2. 三宝を讃歎し、
      3. 罪福の門を開き、
      4. 四真諦を示して、
      5. 衆生を教化し、
      6. 仏道に入れる
    3. 口中に香気ある比丘の因縁
  • 法施:財施に勝る
    1. 財施:欲界の果報
    2. 法施:三界の果報、及び出三界の果報
    3. 財施:有量、有尽
    4. 法施:無量、無尽
    5. 財施:浄報少なく、垢報多し
    6. 法施:浄報多く、垢報少なし
    7. 財施:大施を作すに、衆力を待つ
    8. 法施:心より出て、他力を恃まず
    9. 財施:四大所造の諸根の増長
    10. 法施:無漏の根力覚道の具足
    11. 財施:有仏、無仏の世間に常に有り
    12. 法施:唯有仏の世間に有るのみ
    13. 法施:
      1. 財施を出生し、
      2. 諸の声聞辟支仏に及び
      3. 仏の出生に及ぶ
  • 檀:財施、法施の和合
  • 檀:四種の捨:財捨、法捨、無畏捨、煩悩捨
提婆達、呵多*、訶多*、阿輸迦王*、仏図、信楽、三蔵、異香、久如、
迦葉仏、久久、演説、慇懃、教誨、于、愧喜、諦聴、端政、歓予、心伏、
巧言、照悟、二種結:愛結、見結;智箭、疑軍、根力覚道、
捨*、無畏捨*、施無畏*、煩悩捨*



大智度論巻第十二(上)
初品中檀波羅蜜法施之余
1.檀波羅蜜が満ちるとは?
  • 檀波羅蜜が満ちたとは?
    1. 布施の河を渡って、彼岸に到る。
    2. 舎利弗:婆羅門に眼を乞われる。
  • 二種の檀:
    1. 魔の檀
    2. 仏の檀
    3. 毒蛇の譬喩
  • 菩薩の布施:三種の清浄
    1. 施者:無染著
    2. 受者:一切の衆生
    3. 所施の財:一切の内外
  • 阿羅漢の到彼岸:波羅蜜と呼ばれないのは?
  • 具足して満ちるとは?
  • 菩薩の二種の身:
    1. 結業の生身
    2. 法身
  • 結業生身の布施の例:
    1. 須提拏太子:二子、及び妻を婆羅門に布施する
    2. 薩婆達王:遠国の婆羅門に自ら身を布施する
    3. 月光太子:癩人に髄血を布施する
    4. 釈迦文仏:六牙の白象と為り、猟師に牙を布施する
    5. 迦頻闍羅鳥:大象、獼猴と倶に礼敬を衆生に教える
  • 法身の菩薩:
    1. 一時の頃に、無数の身を化して、十方の諸仏を供養し、
    2. 一時に、無量の財宝を化作して、衆生に給足し、
    3. 一切の上中下の声を聞いて、一時に普く説法する
波羅蜜*、蹋、弊人、成辦*、掌護、附順、中傷、馳走、逃命、空聚、
坦然、患難、染著*、愛*、礙*、三十四心*、
八忍八智*:苦法智忍、苦類智忍、集法智忍、集類智忍、滅法智忍、滅類智忍、道法智忍、道類智忍、苦法智、苦類智、集法智、集類智、滅法智、滅類智、道法智、道類智;九無間、
解脱道*、九品惑*、七住菩薩、讃頌、将迎、除却、結業、生身、法身、
須提拏*、薩婆達*、窮林、蔵竄、月光太子、要*、無生法忍、礼敬、
耆旧、迦頻闍羅*、獼猴、必鉢羅樹*、宿旧、先生、仁

2.三種の施物とは?
  • 三種の施物:
    1. 供養、恭敬
  • 三事の檀を生じる因縁:
    1. 信心清浄
    2. 財物
    3. 福田
  • 施物の清浄:
    1. 非盗
    2. 非劫
    3. 時を以って施す
    4. 名誉を求めず
    5. 利養を求めず
  • 福徳を得る:
    1. 心に従って得る:
      1. 四等心
      2. 念仏三昧
      3. 身を虎に施す等
    2. 福田に従って得る:
      1. 福田を憐愍する
      2. 福田を恭敬する
    3. 妙物に従って得る
      1. 一女人の例:
        1. 誤って、瓔珞を仏塔に供養した
        2. 福徳を得て、三十三天に生まれた
将送、迎逆、讃遶、道徳*=菩提、語言、四等心*、念仏三昧*、阿輸伽

3.捨てる所が無いとは?
  • 檀:
    1. 檀=財を捨てる:捨てる所が無い?
    2. 二種の檀:
      1. 出世間の檀:畢竟空故に捨てる所が無い
      2. 世間の檀:捨てる所有り
  • 財、施者、受者:
    1. 和合の故に、檀と名づける
    2. 何故:三事が不可得なのか?
    3. 畳の譬喩で問う:
      1. 畳の名が有れば
      2. 畳の法も有るはずだ!
    4. 兔角、亀毛の譬喩で答える
      1. 兔角、亀毛の名は有るが
      2. 実物は無い
  • ’有る’の三種:
    1. 相待して有る
    2. 仮名が有る
    3. 法が有る
  • 極微:因縁和合の故に有るのではない
    1. 極微には分が無い
    2. 極微には十方有るが故に分も有る
  • 物は心に隨って有る例:
    1. 十一切入等
    2. 仏は水上に尼師壇を敷いて坐られた
    3. 一美色:視る者により、見方が異なる
憍慢、愛結、畳、縷、功、御、弊、劫、戮、朱利*、杌樹、
極微*、毳、分斉*、虚空*、作*、微塵、十一切入、尼師壇*、美色、
無豫、適莫、十八空相

4.施す人が不可得であるとは?
  1. 施人の不可得:
    1. 施人:因縁和合の故に有る
    2. 我:一切の法中に不可得の故に
    3. 神:一切処に不可得の故に
    4. 法:名色の故に
    5. 譬喩:二鬼が有る人の五体を、死人の五体と取り替えたが、是れは自らの身体と言えるのか?
  2. 神:
    1. 常でもなく、無常でもない
    2. 自在でもなく、自作でもない
    3. 作でもなく、不作でもない
  3. 人:
    1. 未だ、実道を得ていない
    2. 諸の煩悩に心を覆われる
    3. 生の因縁の業を作る
    4. 死ぬ時、此の五陰に従い、
    5. 相続して、新しい五陰を生じる
  4. 後世に身を生じる因縁の三事:
    1. 身:無くせない
    2. 有漏の業:無くせない
    3. 結使が有る:無くせば因縁を欠く
  5. 人:
    1. 名と色との二法和合する
    2. 仮りに人と名づける
    3. 名色の結、名色の解
    4. 名色の罪、名色の福
    5. 名色の故に、罪福の果を受ける
衆界入、計、二十身見*、五陰*、神、拊、
不作*、自在*、自作*、荘、生陰、中陰、
四有*:中有、生有、本有、四有;
有*、身見*、見苦諦*、苦諦*、苦法智、苦比智、
用*、念念*


大智度論巻第十二(下)
初品中檀波羅蜜法施之余
1.菩薩の布施は、檀波羅蜜を生じる
  • 檀波羅蜜が具足して満ちる:菩薩が檀波羅蜜を行って、六波羅蜜を生じること
  • 布施が檀波羅蜜を生じる:
    1. 檀:上、中、下:下より中を生じ、中より上を生じる
    2. 下の檀:釈迦牟尼仏の例:少しの物、麁物
    3. 中の檀:釈迦文尼仏の例:多くの物、宝物
    4. 上の檀:身命を惜まない
      1. 釈迦牟尼仏の例:高山より身を仏前に投じる
      2. 衆生喜見菩薩の例:身を以って灯と為す
    5. 衆生の施も是の如く、上、中、下に進む
檀*、軟心*、施心*、愛惜*、所愛惜、求索*、石蜜漿*、端政*、
仏心*、法身*

2.菩薩の布施は、尸羅波羅蜜を生じる
  • 布施が尸羅波羅蜜を生じる:
    1. 布施をしない=>貧窮となる=>持戒しない
    2. 布施する=>豪富となる=>持戒し易い
    3. 提婆達の例:
      1. 蛇となり、蝦蟇、亀と共に親友となる
      2. 住居の池が渇いて、飢窮する
      3. 亀を遣して、蝦蟇を呼び食おうとする
      4. 蝦蟇は偈を説いて、固辞する
  • 布施:
    1. 破戒の諸結使を薄れさす
    2. 持戒の心を益して、堅固を得させる
  • 布施:
    1. 受者に対して、慈悲心を生じる
    2. 財に対して、愛著しない
    3. 破戒を、遮ることができる
  • 布施:
    1. 慳心を破る
    2. 持戒、忍辱等の行を容易にする
  • 文殊尸利の例:
    1. 城中に乞食して、歓喜丸を受ける
    2. 一小児が、歓喜丸を乞う
    3. 仏塔に至り、衆僧に施すよう説いて与える
    4. 小児:衆僧に施す因縁:発心して仏と作る
  • 布施の報:
    1. 四事供養(飲食、衣服、臥具、湯薬)
    2. 好い国
    3. 善い師
    4. 乏少する所が無い
    5. 心を調柔にして、持戒を生じる
    6. 不善法より、心を自制できる
尸羅*、貧窮、劫盗、下賎、怖畏、妄語、十不善道、五塵、乏短、蝦蟇、
飢窮、困乏、控告、慳心*、在昔、歓喜丸*、仏図*、要、然可、調柔*

3.菩薩の布施は、羼提羅蜜を生じる
  • 布施する時:
    1. 受者:悪く索める
      1. 求めて、逆に罵る
      2. 大いに、求索する
      3. 不時に、索める
      4. 索めるべきでないのに、索める
    2. 施者:忍辱する
      1. 仏道を求めて布施する
      2. 強いて布施させようとする人はない
      3. 自分の為めに布施している
羼提*、不時*、無有*、坌

4.菩薩の布施は、毘梨耶波羅蜜を生じる
  • 布施する時:常に精進する
    1. 初発心:功徳が大きくない
    2. 財、法二施:衆生を満足させられない
    3. 財、法:苦労して求め衆生を満足させる
  • 釈迦牟尼仏の例:
    1. 大医王となる:
      1. 病者:甚だ多く
      2. 力:周く救えない
    2. 忉利天に生まれる
      1. 福報を無駄に食い
      2. 自らを長ぜず
      3. 他を益しない
    3. 龍王の太子となる
      1. 金翅鳥に食われる
    4. 閻浮提中に生まれる
      1. 大国の王の太子となる
      2. 自分の財を施し尽くす
      3. 如意宝珠を求めて一切を益したいと願う
      4. 大海に入って勤苦する
      5. 龍王の宮殿に入る
      6. 故の父王より如意宝珠を授かる
      7. 閻浮提に還って、衆生を潤す
毘梨耶*、懃、長益、婆迦陀龍王、舎摩梨樹*、長大、就、嗥咷、啼哭、
羅刹、檀越*、啼泣、宿人、見、聴許、遂、放、賈客*、楽、行事、集、
第七縄、駝、艇舟、博、絶崖、棗林、仰、済、安厝、垒、相好、厳儀、
勤苦*、欲求、歓慶、艱難、求、泰小、掃灑、持斎*、清旦

5.菩薩の布施は、禅波羅蜜を生じる
  • 布施:
    1. 慳貪を除く
    2. 一心を行う
    3. 五蓋を除くことができる=禅
  • 心:布施に依って、初禅乃至滅定禅に入る
  • 喜見転輪聖王の例:
    1. 八万四千の小王来朝して、七宝の妙物を献ずる
    2. 王は献物を受けない
    3. 小王は、七重楼閣の大殿を造り、王に献ずる
    4. 王は、先に善人の諸沙門婆羅門を宮殿に入れる
    5. 後に:
      1. 自ら新殿に入る
      2. 布施を念じて
      3. 五蓋を除き
      4. 六情を摂め
      5. 六塵を却け
      6. 喜楽を受けて、
      7. 初禅に入る
      8. 二禅乃至四禅に入る
    6. 玉女宝の后、諸の侍女と倶に来て問訊する
    7. 王は后に怨となるな、知識となれと諭す
    8. 后、怨と知識とを問う
      1. 怨とは:
        1. 王を世間の楽の因縁と思う
        2. 共に欲事を行う
        3. 其れを歓楽と思う
      2. 知識とは:
        1. 世間の非常を覚悟する
        2. 身は幻のようだと知る
        3. 福業を修める
        4. 善を行う
        5. 欲情を絶去する
    9. 王は順次三昧に入る:
      1. 慈三昧
      2. 悲三昧
      3. 喜三昧
      4. 捨三昧
    10. 即ち、菩薩の布施が禅波羅蜜を生じた
禅*、一心*、五蓋、初禅、滅定禅、替、斂、宿命、福業*、来朝、
不肯、不宜、造工、行樹、被枕、両頭、法殿、処、摂、玉女法、親覲、問訊、
違、知識、妹、端、慈三昧、悲三昧、喜三昧、捨三昧

6.菩薩の布施は、般若波羅蜜を生じる
  • 布施する時:
    1. 布施には、必ず果報が有ると知る
    2. 布施を、疑わず惑わない
    3. 邪見、無明を破ることができる
  • 布施する時:種種の布施を分別して知る
般若*、鞭打、拷掠、閉繋、枉法、鞭策、羈靽、乗騎、辦*、宰官、枉濫、
順治、鳩槃荼、佷戾、夜叉、剛愎、強梁、代歩、妒心*、便身之具、
膽*、威徳*、五欲*、履屣、豪尊、依止*、作福*、徳*、諍訟*、
功徳*、千仏*



大智度論巻第十三(上)
初品中尸羅波羅蜜義第二十一
1.持戒、破戒の相
【經】罪不罪不可得故。應具足尸羅波羅蜜
  • 罪か?不罪か?:
    1. 知ることができない!
    2. 故に:尸羅波羅蜜を具足しなくてはならない
  • 尸羅とは?
    1. 八種の身口の律儀、及び浄命
    2. 生処の差別:
      1. 破戒:三悪道
      2. 下の持戒:人中
      3. 中の持戒:六欲天
      4. 上の持戒:色、無色界の清浄天
    3. 無上の仏道を得る為の戒:
      1. 衆生を慈愍するが故に、
      2. 衆生を度そうと思うが故に、
      3. 戒の実相を知るが故に
      4. 戒に猗著しない
    4. 持戒の香:十方に周遍する
    5. 破戒の相≠持戒の相
    6. 破戒の人の相:種種
不可得*、尸羅波羅蜜*、六波羅蜜*、尸羅、受戒*、律儀*、悩害、
劫盗、浄命*、邪命*、邪命*、放捨、四禅、四空定、猗*、慈愍*、
祠祀*、受行、不中*、逆刺、在、端政*、刑獄、拷掠、欣慶、恐怖、闇冥、
敬養、求索*、愍*、我等*、如意*、具作、憍泆*、自恣*、兵杖、衆悪、
親親、帰向*、疑悔、犯事、依仰、依止、儜児、伊蘭*、籌*、鍱*、鉢盂*、
洋銅、噉食、床榻、怖懅、蔵覆、避隈、称説

初品中戒相義第二十二之一
2.殺、不殺の相
  • 戒の相:悪を止め、更に悪を作さない
  • 殺生:
    1. 衆生であると知り、
    2. 殺心を起こして、
    3. その命を奪う
    4. 繋閉、鞭打等は助殺の法
  • 殺の相:
    1. 他を殺す:自ら身を殺すのではない
    2. 衆生だと知って殺す:誤って殺すのではない
    3. 故意に殺す:偶然殺すのではない
    4. 心を快くして殺す:狂癡で殺すのではない
    5. 命根を断つ:瘡を作るのではない
    6. 身業が殺罪:殺業が無ければ口で教勅しても無罪
    7. 口で教えて殺業が生じる:心に生じても無殺業は無罪
  • 不殺生:無量の善法を得る
  • 不殺生:阿毘曇的理解
  • 不殺生:五戒(有漏)≠八正道(無漏)
  • 他の命を奪う:世世に諸の苦痛を受ける
  • 不殺生で得るもの:
    1. 無所畏
    2. 安楽
    3. 無怖
  • 命:殺生:不殺功徳
    1. 殺罪:罪中:最も重い
    2. 命:宝中:第一最大
    3. 不殺:功徳中:第一
  • 殺生:十罪
  • 自ら侵害された:
    1. 先に持戒/破戒の軽重を計校する
    2. 戒を全うする利が重いのか?
    3. 身を全うする利が重いのか?
    4. 一須陀洹の例:屠殺の家に生まれ、殺生を厭うて自殺する
作色*、表色*、杌樹、快心、狂癡、命根*、勅、迦旃延子阿毘曇、
作無作*、心、心数法、心相応、五法*、作色*、無作色*、表色*、
無表色*、随心行、定共戒*、二種修、二種証、思惟断、見断、有対法、
無対法、有上法、相応因、八正道、済*、田猟*、畏難*、依附*、嫉*、
訶*、重、賈客、喜慶、幾、刑罰、形残、拷掠、尊*、難提迦*、泥梨、絶*、
致*、毀禁、向*、口*、肯*、児*

3.盗、不盗の相
  • 不与取:盗
    1. 他の物であると知る
    2. 盗心を生じる
    3. 物を取って去る
    4. 物が本処を離れる
    5. 物を私に属す
    6. 方便、計校、物が地を離れない:助盗の法
  • 財物:二種
    1. 他に属する
    2. 他に属さない
  • 不盗の利:二種の命
    1. 命根:内の命
    2. 財物:外の命
  • 不与取:二種
    1. 偷(窃盗)
    2. 劫(強奪)
  • 罪の範囲:
    1. 殺生:殺された者の賊
    2. 偷盗:物を所有する者一切の賊
  • 不与取:十罪
不与取*、計校*、空地、検校、劫、会*、家室*、親属*、応当*、偷、
盗、穿踰、盗取、羸痩、大火聚、懊悩、治罪*、劫奪*、健*、差降、仁慈*、
殃禍、行時*、籌量*、朋党*

4.邪淫、不邪婬の相
  • 女人:守護されている
    1. 父母、兄弟、姉妹、夫主、児子
    2. 世間の法
    3. 王の法
  • 女人:法で守られている
    1. 出家
    2. 在家:一日戒を受ける
  • 邪婬:
    1. 妻以外:
      1. 力を以って
      2. 財を以って
      3. 誑惑して
    2. 自妻有る:
      1. 受戒の時
      2. 有娠の時
      3. 乳児の時
    3. 非道
  • 夫妻の情:
    1. 身を異にするも
    2. 体は同じ
    3. 他の所愛を奪う:其の本心を破る
  • 邪淫:
    1. 罪中の罪
    2. 剣樹地獄に堕ちる
    3. 人中に生じても:家族が穆じくない
    4. 婬婦に値い、賊の邪婬に患わされる
    5. 邪婬の十罪
誑誘、有娠、非道*、要*、一日戒*、傷*、情*、刑戮*、醜声、婬劮*、
横*、恕己*、家道*、穆*、邪僻、残賊、蝮蛇、闘諍、孤寡、怨家*


大智度論巻第十三(下)
初品中戒相義第二十二之一
1.妄語、不妄語の相
  1. 妄語:
    1. 不浄の心で、
    2. 他を誑そうとし、
    3. 実を覆い隠し、
    4. 虚偽の語を出して、
    5. 口業を生じる
  2. 妄語の罪:
    1. 言声を理解して生じる
    2. 言声を理解しない:実語でなくても罪は無い
    3. 先に自身を誑き、後に他人を欺く。
    4. 虚実を顛倒して、善法を受けない
  3. 妄語の人:
    1. 心に、慚愧が無い
    2. 天道と涅槃道を閉塞する
  4. 実語の利:
    1. 心が、真直ぐ
    2. 苦を脱れるのが、易しい
    3. 譬えば稠林に木を曳く:真直ぐならば出易い
  5. 何故妄語するのか?
    1. 愚癡の故
    2. 少智の故
  6. 妄語の罪:
    1. 地獄に堕ちる例:提婆達多の弟子の倶伽離
    2. 倶伽離の堕ちた地獄:寿の長短
    3. 道法を得られない例:羅睺羅
    4. 慚愧の無い人:妄語が心を覆う:道法が入らない
    5. 妄語:十罪
妄語*、異語*、端直、稠林、遭事、苦厄、妄証、倶伽離*、夏安居*、
失*、澡洗、相知、交会、情状、悪声、故*、長夜*、阿那含*、野人、
覆没、奈*、翕然、叫喚*、嗥哭*、大蓮華地獄*、八寒地獄*、斛、
故、具、阿浮陀、尼羅浮陀、阿羅邏、阿婆婆、休休、漚波羅、分陀梨迦、
摩呵波頭摩、夫、士*、澡槃、便*、語議、参預

2.飲酒、不飲酒の相
  1. 酒:三種
    1. 穀酒
    2. 果酒
    3. 薬草酒
  2. 酒:得失
    1. 利益:甚だ少ない
    2. 損害:甚だ多い
  3. 酒:三十五の過失
蒲桃*、阿梨咤樹、難提迦、枯竭、用費、無度、覆没*、伏匿、成辦*、
怳惚*、伯叔、尊長、放逸、狂癡、泥梨、狂騃*

3.優婆塞戒
  • 八種の律儀:
    1. 身の律儀:
      1. 不殺
      2. 不盗
      3. 不邪婬
      4. 不飲酒
    2. 口の律儀
      1. 不妄語
      2. 不両舌
      3. 不悪口
      4. 不綺語
  • 戒:
    1. 八種の律儀
    2. 浄命
  • 優婆塞戒:何故、以下が無いのか?
    1. 三種の口の律儀
      1. 不両舌
      2. 不悪口
      3. 不綺語
    2. 浄命
  • 優婆塞:五種
    1. 一分:五戒中一戒
    2. 少分:五戒中二三戒
    3. 多分:五戒中四戒
    4. 満分:五戒中都べて
    5. 断婬:婬を断じる
八種律儀、浄命、当官*、理務*、使*、六時*、栄曜、丹葩、間錯、
衆色、無央数、鮮白、軽密、間壟、繍文、斐亹、耳璫、宝磲、華鬚、
芬薫、琴瑟筝、箜篌、波利質妒樹*、波利質多樹*、歓喜園、耕田、
天廚、監礙、妊身、嬉怡、便利患、従、恣、肆、自恣、楽志、勉励

4.八戒斎の受戒法
  • 白衣居家の戒:
    1. 五戒:常に持つ
    2. 一日戒:六斎日等:一日中持つ
  • 一日戒:受戒法
一日戒、六斎日*、長跪、布薩*、八難、逮得、薩婆若

5.五戒の受戒法
  • 五戒:受戒法
証知*、多陀阿伽度、阿羅訶、三藐三仏陀

6.六斎日
  • 六斎日:
    1. 悪鬼が人を逐い、人命を奪う
    2. 疾病、凶衰が、人を不吉にする
    3. 劫初:
      1. 八戒:受持しない
      2. 一日中:断食する
    4. 仏法:
      1. 八戒:受持する
      2. 午後のみ:断食する
    5. 四天王:衆生を観察して、帝釈に報告する
      1. 布施
      2. 布施
      3. 孝順父母
    6. 諸鬼神の父:六斎日に
      1. 肉を割き、血を出して、火中に投じる
      2. 六斎日:諸鬼神の勢力が盛ん
    7. 諸神の日分:
      1. 摩醯首羅:六日
      2. その他:四日
斎*、啓、釈提婆那民、神足月*、丘聚、郡県、国邑、摩醯首羅*

7.五戒と一日戒との比較
  • 五戒:一日戒
    1. 五戒:終身; 一日戒:一日
    2. 五戒:時多く、戒少ない; 一日戒:時少なく、戒多い
  • 四種の持戒:
    1. 下:今世の楽を求める
    2. 中:後世の福楽を期待する
    3. 上:涅槃の為:離苦の常楽、無為を求める
    4. 上上:衆生を憐愍:仏道の為
立定*

釈初品中讃尸羅波羅蜜義第二十三
1.出家
  • 四種の出家戒:
    1. 沙弥、沙弥尼の戒
    2. 式叉摩那の戒
    3. 比丘尼の戒
    4. 比丘の戒
  • 出家の利:
    1. 居家の持戒:難しい
    2. 出家の持戒:易しい
  • 出家の戒:
    1. 無量の:善律儀(糧食)を得て、
    2. 道の為めの:一切が具足する
  • 出家人の破戒:
    1. 優鉢羅比丘尼の本生
    2. 戒:破る時には、あっさり破れ
憒鬧、閑坐、恬澹、床蓐、納衣*、衲衣*、
等観*、解*、慧*、慧心*、善律儀*、
優鉢羅華比丘尼、戯女、旧語、戯笑、乃昔、暫*、

2.出家の律儀
  • 出家の律儀:四種
    1. 沙弥、沙弥尼
    2. 式叉摩那
    3. 比丘尼
    4. 比丘
  • 沙弥、沙弥尼の受戒法:
    1. 和上:父と同じ
    2. 阿闍梨:母と同じ
    3. 両手で、和上の両足を捉る
    4. 阿闍梨:十戒を教える
    5. 沙弥尼:比丘尼を和上とする
  • 式叉摩那:
    1. 二年:六法を受ける
    2. 何故、式叉摩那が有るのか?
  • 二種の式叉摩那:
    1. 童女:十八歳で六法を受ける
    2. 婦女:家に十歳で六法を受ける
  • 比丘尼の受戒法
    1. 五衣
    2. 鉢盂
    3. 和上:比丘尼
    4. 教師:比丘尼
    5. 戒教師:比丘
  • 比丘の受戒法
    1. 三衣
    2. 鉢盂
    3. 三師
    4. 十僧
和上*、和尚*、阿闍梨*、十戒*、六法*、譏嫌*、二部僧、
五衣*、鉢盂*、羯磨、教師*、戒師*、羯磨阿闍梨*、三衣、
三師十僧*、三師七証*



大智度論巻第十四(上)
釈初品中尸羅波羅蜜義之余
1.尸羅波羅蜜とは?
  • 尸羅波羅蜜:身命を惜まず、戒を全うする。
  • 本生:大毒龍と作って、持戒する
  • 菩薩の持戒:仏の道
  • 大悲心:持戒して仏道を極める。
蘇陀蘇摩王、禁戒*、疲懈、龍法、文章、傾覆、六師、
要誓*、長流*

2.持戒は、六波羅蜜を生じる
  • 持戒:
    1. 戒を生じる:五戒、沙弥戒、律儀戒、禅定戒、無漏戒
    2. 檀を生じる:三種の檀:財施、法施、無畏施
    3. 忍辱を生じる:刀車の譬喩、老人の杖の譬喩
    4. 精進を生じる:野干の譬喩、弓を挽く譬喩
    5. 禅を生じる:曲がった草の譬喩、戒と禅の比較
    6. 智慧を生じる:戒は衆罪より生じる、利刀の譬喩
沙弥戒、律儀戒、禅定戒、無漏戒、
仏樹*、持*、勉強*、懃修*、法*、間不容間、奔逸、馳走、
力*、野干*、空乏、屏処*、睡息、惶怖、懼畏、間関、絶踊、
慇懃*、果敢

3.罪と不罪と不可得の故にとは?
  • 持戒:
    1. 畏れない為の故
    2. 愚癡/疑惑の為の故でない
    3. 涅槃の為の故でもない
    4. 衆生の為の故に、
    5. 仏道を得る為の故に、
    6. 一切の仏法を得る為の故に、
    7. 罪と不罪と不可得の為の故に、
  • 罪と不罪の:不可得
    1. 粗悪の心の不可得ではない
    2. 諸の法相に深入し、空三昧中の慧眼で観る不可得
    3. 衆生:不可得-->殺罪:不可得-->戒:不可得
    4. 衆生と五衆の離不離の論義
    5. 死んだ大徳比丘の譬喩
    6. 夢中の所見、鏡中の像を殺す譬喩
現*、直*、匹*、我見*、常見*、致*、懼*、盗*



大智度論巻第十四(下)

釈初品中羼提波羅蜜義第二十四

1.衆生と法とを忍ぶ
【經】心不動故。應具足羼提波羅蜜
  • 心:
    1. 動かないが故に、
    2. 羼提波羅蜜を具足すべし
  • 羼提とは?
  • 忍辱:二種
    1. 生忍
    2. 法忍
  • 善心:二種
    1. 麁:忍辱
    2. 細:禅定
  • 阿毘曇の忍
  • 生忍:二種
    1. 恭敬、供養する人を忍ぶ
    2. 瞋罵、打害する人を忍ぶ
羼提波羅蜜*、忍辱*、忍智*、麁*、細*、
三法印*:諸行無常、諸法無我、涅槃寂静;心数法、心所有法*

2.恭敬、供養する人を忍ぶ
  • 何故:恭敬、供養する人を忍ぶのか?
  • 結使:二種
    1. 愛に属する
    2. 恚に賊する
  • 提婆達多の例:供養の故に僧を分裂する
  • 供養を得る:三種
    1. 先世の因縁の福徳の故に得る
    2. 今世の功徳の修戒、禅定、智慧の故に得る
    3. 虚妄、疑惑して得る
  • 罽賓三蔵の例:麁弊の衣の故に、守門人に遮られる
  • 無常相を見るが故に、供養を厭患する
形容、憔悴、膚体、痩黒、浄飯王、侍従、容貌、累重、択取、簡択、
貴戚、応書、斛飯王、提婆達多、法聚*、憍曇、檀越、阿闍世、親厚*、
鬱旦羅越、閻浮*、嬰孩*、嗚唼、奈園*、菴羅樹園*、四種供養、
羹飯、尠少*、金剛力士*、金剛杵*、華色比丘尼、三逆罪、
富蘭那、中傷、貢高*、罽賓、阿蘭若法、寺*、大会、麁弊、仮借、
門家、比数*、急*、厭患*、戮*、家*、勧喩、餚膳*、滋味*、
獐鹿*、搏*

3.女人を忍ぶ
  • 釈迦文尼仏の例:魔王の三玉女を去らす
  • 女人を近づけない理由
  • 国王の女の例:下賎の小人と会うを厭わない
変態、嫈嫇、細視、態身、密跡金剛力士、妖媚*、好、黄髯、清美、
苦鹹、婆藪*、天口*、逡巡*、行廁、昱爍、衰*、刀火、慳妒、
瞋諂、妖穢*、闘諍、貪嫉、視*、桎梏、枷鎖、囹圄、赤鉄、宛転、
邪視、女色、摂眼、美言、妒瞋、行歩、弥網、坐臥行立、迴眄、蚖蛇、
女情、所応*、母姉、諦視、填積、蛟龍*、瞻視、畜*、拘牟頭*、
捕魚師、述婆伽、弥歴、願楽*、云*、旃陀羅*、師子*、随逐

4.瞋恚、悩害する人を忍ぶ
  • 瞋悩する人中に於いて、忍辱を成就する方法
  • 羼提仙人の例:迦利王に耳鼻を截られ、手足を斬られた
  • 瞋恚の人の種種相
  • 拘睒弥比丘の例:
    1. 僧を二部に分かれて、諍論し、
    2. 仏に遮られても、止めなかった
  • 忍辱と慈悲の関係
    1. 忍辱を修める→慈悲が得易い
    2. 慈悲を得る→仏道を極められる
  • 忍辱の人:
    1. 人に軽んじられ、慢られる
    2. その対処法は?
羼提仙人*、忍辱仙*、迦利王*、歌利王*、加敬*、
物*、雷電*、霹靂*、迫隘*、迫迮*、剣戟、困厄、生苦*、困厄*、
鴿鳥、釈提婆那民、呑滅、讒賊*、便*、九十八使*、
拘睒弥国*、憍賞弥国*、凌虚*、含忍*、炙*、燔*




大智度論巻第十五(上)
釈初品中羼提波羅蜜法忍義第二十五
1.外法を忍ぶ
  • 法忍とは?
  • 一切法:
    1. 衆生:
    2. 諸法:外法、内法
  • 外法:諸苦を忍ぶ
不二入*、五下分結*、五上分結*、世間八法*、八風*、対至

2.内法を忍ぶ
  • 外の魔軍:
    1. 飢渴
    2. 寒熱
  • 内の魔軍:
    1. 憂愁
    2. 飢渴
    3. 渇愛
    4. 睡眠
    5. 怖畏
    6. 疑悔
    7. 瞋恚
    8. 利養
    9. 自高
  • 魔軍を破る:
    1. 忍辱の鎧を着け
    2. 智慧の剣を捉り
    3. 禅定の楯を執り
    4. 諸の煩悩の箭を遮る
  • 煩悩:
    1. 忍:修めるべし
    2. 結:断ずべきでない
    3. 忍辱を修めて、結使に随わない
    4. 譬喩:脂が無くて肥えた羊を取る
叩頭

3.一切法を忍ぶ
  • 一切法を破る:
    1. 一相、無二
    2. 無量の二門
    3. 無量の三門
  • 十四難:
    1. 毒箭の譬喩
    2. 一比丘が十四難に著した
  • 諸仏の無量の法門:
    1. 信受して
    2. 疑わず
    3. 悔いない
  • 諸仏の甚深微妙の法門:
    1. 得道していなくても
    2. 信受して
    3. 疑わず
    4. 悔いることもない
相*、八智、非智縁滅*、非択滅*、虚空*、法相*、報*、果報*、
有報*、異熟因*、三法印、要誓*、虫、演暢*、一心念、後念

4.諸法の実相を忍ぶ
  • 実相:
    1. 破壊することができない
    2. 言語の道を過ぎ
    3. 心行の処を滅し
    4. 涅槃の相のような
    5. 不生不滅のもの
  • 仏法:空相中に
    1. 常も無常も:実でない
    2. 有も無も:実でない
  • 仏語:二種
    1. 方便の語
    2. 直接の語
  • 非有非無:
    1. 愚癡の論
    2. 心行の生処
    3. 闘諍の処
  • 清浄不壊の相:
    1. 信じて、
    2. 悔いることもなく
    3. 転じることもない
  • 有為法:無い
  • 無為法:無い
  • 一切法:
    1. 実に有でもない
    2. 実に空でもない
  • 空相:
    1. 邪見:空に相を取り、心が空に著す
    2. 正見:空だと観るが、心は空に著さない
  • 不動不退:
    1. 瞋恚を生じなければ、――
    2. 口:悪言を出さず
    3. 身:悪を加えず
    4. 心:疑う所が無い
瑕隙、数縁尽、非数縁尽、虚空、対治悉檀、十一切入、十一切処、
心不相応諸行*、心不相応行法*、心不相応行*、微塵、冥初、一貫


大智度論巻第十五(下)
釈初品中毘利耶波羅蜜義第二十六
1.精進波羅蜜が第四に在る理由
【經】身心精進不懈息故應具足毘梨耶波羅蜜
  • 精進:
    1. 一切の善法の本
    2. 当然、最初に在るべき
    3. 何故、第四に在るのか?
  • 布施、持戒、忍辱:
    1. 世間に常に有り、
    2. 畜生も布施を知る
    3. 此等の中にも精進は少し有る
懈息、毘梨耶波羅蜜*、精進*、法、治罪、畏懼、怖畏、必*、
要因*、麁観、急著*、成辦、竭尽

2.菩薩が精進する理由
  • 何故、精進が必要なのか?
    1. 福徳の力で道を得るのではない
    2. 懃めて大精進するが故に道を得る
  • 精進:
    1. 無い処が無い:何処にもでも有る
    2. 不共の精進:独立して他の中に無い
民大居士、頂生王、釈提婆那民、羅頻珠、道徳*、利益、所求、
豊実、熾然、炎火、行道法、勉強*、毘尼、巴豆*、
意止、神足、根、力、覚、道、
四念処*:身念処、受念処、心念処、法念処;
五根*:信根、精進根、念根、定根、慧根;
五力*:信力、精進力、念力、定力、慧力;
不共無明、無明*

3.精進の利、懈怠の罪
  • 精進の利と懈怠の罪を挙げる
猪、溷、懈怠、馬井、生業*、七覚意、勧励、稽留、
現前*、偏閣、嶮道、決、懃修*、専精*、阿蘭若、将従、
存*、悦予、愚騃



大智度論巻第十六(上)
釈初品中毘利耶波羅蜜義第二十七
1.精進波羅蜜
  • 精進の相とは?
    1. 身心が休息しない
    2. 賈客主と羅刹の例
  • 精進の阿毘曇的理解
    1. 心数法
    2. 随心行
    3. 共心生
    4. 有覚有観等の三三昧
    5. 諸善法中の精進
  • 精進波羅蜜:
    1. 菩薩が、
    2. 一切の善法中に精進し、
    3. 漸漸次第に精進波羅蜜を得る
  • 精進と精進波羅蜜の違い
所作*、羯磨*、賈客主*、賈客*、羅刹、被、与*、相、
初夜、中夜、後夜、結使、懃*、心数法、心行*、心*、
有覚有観、無覚有観、無覚無観、五根、精進覚、正精進、四念処、
四正懃*、四正断*、四正勤*、四如意足、漸漸*、十力*、
四無所畏、十八不共法*、有為、無為、作、本願*

2.三界五道の衆生
  • 三界五道の衆生:各の所楽を失う
五道*、五趣*、貿、駆馳、項領、穿壊、焼爍、獐鹿、偏、鵝鴨、鴛鴦、
鳩鴿、雞鷖、鸚鵡、百舌、細滑、觜距、麁硬、蝮蝎、百足、含毒之虫、
蚓蛾、蜣蜋、蟻螻、鵂鷖、角鴟、騃、師子、虎豹、驢猪、駱駝、軽躁、短促、
獼猴、哥玃、熊羆、猫狸、土虎、饕餐、烏鵲、鴟鷲、野干*、軽慢、曲心、
陵虐、苦悩

3.五道輪廻
  • 輪迴:
    1. 欲界、色界、無色界、
    2. 天中、人中、畜生、餓鬼、地獄
    3. 活、黒縄、合会、焼林、乃至摩呵波頭摩地獄
    4. 卵生、胎生、湿生、化生
    5. 閻浮提、劬陀尼、弗婆提、鬱怛羅越
    6. 四天処、三十三天、乃至非有想非無想処
活地獄、黒縄地獄、合会地獄、阿鼻地獄、炭坑地獄、沸屎地獄、
焼林地獄、摩呵波頭摩地獄、展転*、阿那跋羅伽、得生、大果

4.餓鬼道
  • 餓鬼の相:
    1. 常に火に焼かれる
    2. 羸痩して狂走する
    3. 屎尿等の不浄を食う
    4. 自ら頭を破って脳を舐める
    5. 鉄の鎖で頚を繋がれる
  • 餓鬼の宿行の因縁
餓鬼*、羸痩、蓬乱、屎尿、涕唾、盪滌、廁溷、蔵血*、叩頭、哀、
帰命、麁語*

5.八大地獄
  • 相と行業の因縁:
    1. 活地獄
    2. 黒縄地獄
    3. 合会地獄
    4. 叫喚、大叫喚地獄
    5. 熱、大熱地獄
    6. 阿鼻地獄
苦毒、万端、槊、叉、棒、鏟、膾、爴裂、塗漫、地獄*、咄、物命、田業、
拼度、斬截、却、解析、揣截、臠臠、讒賊、忠良、無辜、抂殺、奸吏、
酷暴、獐鹿、六駮、鵰鷲、鶉鳥、呑噉、咬嚙、䶩掣、轢、搗、笮、蒲桃、
聚肉、諍掣、残賊、陵、枉圧、羸弱、転易、叫喚、堅強、三股叉、刺射、
狂怖、駆打、焦然、蘇油、酪、斫剉、割剥、糜爛、鉄閣、屋間、推圧、
纔、怨毒、嗥呼、斗秤、欺誑、断事、寄、侵陵、下劣、号哭、劫剥、室家、
譎詐、坐*、熏殺、囹圄、劫奪、銅鑊、難陀、跋難陀、鹹、沸水、廚士、
烹、叉、熟爛、炭坑、沸屎、熱沙、煎熬、焔床、強駆、生繭、仏図、焚焼、
火坑、阿鼻、鉄椎*、鍛師、挓、掣挽、鉄刺、槊、斫、剥、截、悪口、
賒摩、賖婆羅、猛毅、駆逼、鉄杙、鉗、洋銅、委頓*、麁渋、狂逸、唐突、
蔵竄、投擲、顛匐

6.十六小地獄
  • 炎火地獄の相と行業の因縁:
    1. 炭坑地獄
    2. 沸屎地獄
    3. 焼林地獄
    4. 剣林地獄
    5. 刀道地獄
    6. 刺林地獄
    7. 鹹河地獄
    8. 銅橛地獄
  • 寒氷地獄の相と行業の因縁:
    1. 阿浮陀地獄
    2. 尼羅浮陀地獄
    3. 阿婆婆、阿羅羅、睺睺地獄
    4. 漚波羅、波頭摩地獄
    5. 摩呵波頭摩地獄
毒、沸屎、鉄刺、鹹、橛、白衣*、浄命*、邪命、弥広、宿怨、忠、信、
誠、密相、陥、橛、断截、撥徹、竪、受*、化作*、貫刺、破爛、久久*、
須臾、魚鱉、患*、劫盗、酥油、石蜜*、完堅、瞋毒、軽賎、毀謗、
口四業、孔罅、噤戦*、呼声*、浹渫*、拘迦離、咄*、興発、囹圄、
拷掠、搒笞


大智度論巻第十六(下)
釈初品中毘利耶波羅蜜義第二十七
1.精進の種種相
  • 精進して、――
    1. 施与する
    2. 持戒する
    3. 忍辱する
    4. 禅定を修める
    5. 法を求める
  • 菩薩の精進=精進波羅蜜
  • 精進が満足するとは?
勤修*、給施、懈廃*、毀犯*、発露*、覆蔵*、懃修*、罵詈*、
毀辱*、恭敬*、供養*、忍*、受*、取*、疑悔*、専精*、
五神通*、五通*、四等心、勝処*、八勝処*、背捨*、八解脱*、
十一切処、四念処、見仏三昧、懃力、供給*、給使*、違失*、籌量、
自相、異相、総相、別相、一相、異相、有相、無相、如実相、辦*、
生身*、法性身*、法身*、法性生身*

2.身の精進、心の精進
  • 身の精進と心の精進の比較
  • 本生による例:
    1. 釈迦牟尼菩薩:鹿王となり、子を懐ける鹿母に代って、自ら王廚に送る
    2. 愛法梵志:自ら皮、骨、血を以って一偈を書写する
    3. 一雉:野火が林を焼くに、身を以って之を救う
心数法、異宝、異物、危*、石汁、薩陀婆*、冒渉、懃求、成辦*、
懈惓、懃苦*、忌憚、波羅奈、梵摩達*、長寿王*、逕、王人、忌憚、
嬉遊、逸楽、輒*、差次*、差*、料理*、濫、不仁、恕、横、見、情、
帰命*、控告、理*、抂、更、慈母、殂割、恵*、無畏*、且*、野火*、
自力*、疲乏*、蔭育*、宗親、依仰、乃、精懃*、証知*、至誠、信、
蔚茂、弘誓

3.精進して厭き足ることがない
  • 心に厭足の無い理由
  • 衆生尽きざるが故に、精進も尽きず
恒*、常*、所在*、志願、弘曠、十八不共法、不住*、乞児*、
求索*、貴価

4.精進して遍く五波羅蜜を行う
  • 新行の菩薩:一時に遍く五波羅蜜を行うことはできない
  • 本生による例:
    1. 菩薩が飢えた虎に身を施す
    2. 犯法の比丘を擯斥する
    3. 梵志の詐偽を見破る
  • 精進の虚妄を知りながら、成就して廃退しない
  • 諸法の平等を得る:
    1. 身の精進の平等の故に、心の平等を得る
    2. 心の平等の故に、一切諸法の平等を得る
    3. 本生:然灯仏に五華を捧げ、髪を泥中に布く
鉢盂、籌量、擯*、擯斥、擯治*、奇特、四体、留意*、証験*、
牧牛人、食噉、酥*、清旦、服事、作*、般若*、報得*、
三達*、三明*、斎、曝露、然灯仏



大智度論巻第十七(上)
釈初品中禅波羅蜜義第二十八
1.何故、禅定に入るのか?
【經】不亂不味故。應具足禪波羅蜜
  • 心は:
    1. 乱れず、味わわざるが故に、
    2. 禅波羅蜜を、具足すべし。
  • 菩薩が、
    1. 何故、
      1. 衆生を済度せず、
      2. 山間に坐禅するのか?
    2. 菩薩は、
      1. 身は、衆生を遠離しても、
      2. 心は、常に捨てない。
    3. 実の智慧は、禅定より生じる
    4. 仏道は、禅定に由らなければ得られない
  • 禅定とは?
  • 禅定は、得難い。
  • 本生:魔王の三女の伝説。
禅波羅蜜*、褝那波羅蜜*、禅*、将、権、息、宴寂*、開導*、
密宇、近事*、摂*、軽飄、鴻毛、馳散、獼猴、掣電、禁止、無余、
摧砕、囂塵、淹*、覚観、寂黙、苦毒、容顔、尼拘盧、染愛*、恩愛*

2.五欲を呵る
  • 何の方便で、禅波羅蜜を得るのか?
    1. 五事を却け
    2. 五法を除き、
    3. 五行を行う。
  • 五事を除く理由:
    1. 衆生は:
      1. 常に、五欲に悩まされながら、
      2. 猶お、五欲を求めて止まず。
    2. 五欲の譬喩:多数
  • 色を呵る:
    1. 説:山神が一女に身を変じて、優婆塞を試す
    2. 好、悪は人に在り、色には定が無い。
    3. 譬喩:人を焼く金は、火と共に捨てる。
    4. 例:頻婆娑羅:阿梵婆羅の為に、敵国に入る。
    5. 例:優顛王:五百仙人の手足を截る。
  • 声を呵る:
    1. 声相:無常、変失の相。
    2. 例:五百仙人:甄陀羅女の声を聞く。
  • 香を呵る:
    1. 香:結使の門を開く因縁。
    2. 伝説:沙弥:龍宮の香飯を食い、後大龍と作って、前の龍を殺し、龍宮を奪う。
    3. 伝説:一比丘:蓮池の香を聞いて、池神に罵られる。
  • 味を呵る:
    1. 美味に貪著すれば、衆苦を受ける
    2. 伝説:酪を愛する沙弥が酪中の虫に生じる。
    3. 伝説:月分王の太子が好果を愛著して、鳥に毒果を食わされる。
  • 触を呵る:
    1. 余の四情は、部分に当るが、触は全身に遍満して、生じる処が広い。
    2. 伝説:羅睺羅母耶輸陀羅は仏出家の夜に羅睺羅を懐胎し、六年してようやく産んだ。
    3. 伝説:耶輸陀羅は薬効ある歓喜丸を仏に与えて、仏の還ることを求めた。
    4. 本生:羅睺羅は過去世に、曽て国王たりし時、一五通仙人を六日間忘れて、放置した。
    5. 本生:耶輸陀羅は過去世に、曽て婬女となり、一角仙人に歓喜丸を与え、仙人の項に騎って、城に入った。
却*、五蓋*、五行、呵*、仮借、須臾、估客、治生、寒雪、隠蔵、
愍傷、無羞、弊悪、去*、造*、患*、赴*、擎*、欲求*、熾然、
中人、怨家、怒害、及*、洋金*、頻婆娑羅王*、阿梵婆羅*、
憂填王*、優顛王*、妄*、甄陀羅*、緊那羅*、心酔、狂逸、
自持*、知*、沙弥*、縄床、十八物*、要願*、要*、径*、就*、
経行*、呵罵、白畳、鮮浄、点汚*、点墨、点*、洋銅*、嗜*、堅著、
酪*、檀越*、餉*、坐*、奇*、気味、所由、種*、啼哭、催*、
仰*、三十六種不浄*、羅睺羅母本生経、宝女*、劬毘耶、耶輸陀羅、
妊身、体胤、聞王、聞*、治罪*、治*、寛恕、寛置、黜*、百味歓喜丸、
奉進、輒*、五通仙人、不与取、皆*、辞謝、悔恨、好人、尋*、
諦視*、躄*、金槃、禁*、威神、聖衆、冀想、飯食、咒願*、晡時、
乃往、澡槃、仲春、麚麀、合会、麀鹿、満月、付*、年大、十八種大経、
鍕持*、咒*、五穀、五果*、生路*、議*、募*、耳*、壊*、像*、
迎逆、美言、敬辞、問訊、床褥*、果蓏、肥盛、我曹、亦*、澡洗、
索*、極*、信*、厳駕、智能、羸痩、旱患、発遣

3.五蓋を除く
  • 貪欲を除く:
    1. 貪欲の人:道から甚だ遠く離れている。
    2. 貪欲に著すれば、道に近づく方法が無い。
    3. 何故、欲蓋を除くのか?
    4. 何故、瞋恚を除くのか?
    5. 何故、睡眠を除くのか?
    6. 何故、掉悔を除くのか?
    7. 何故、疑法を除くのか?
五蓋*:貪欲、瞋恚、睡眠、掉悔、疑;福*、慚愧、怯弱、乞士*、
取笑、盛服、衣食、飾好、摂心、本願、賢智、賢聖*、愚騃、四淵、善法、
府蔵、穢悪、幽苦、艱難、呵責、慈忍、劇苦、怨賊、斫刺、修善、侵害、
勤修、悩害、清閑、事、九種瞋悩*、欲楽、利楽、究竟楽、臭身、仮名、
安*、将*、結賊、明、大失、掉悔蓋*、掉散、決鼻駱駝、染衣、瓦鉢、
戯掉、悔法、岐道、弊悪、死王*、搏、利*、好*、利好、除却、羅睺、
羅睺阿修羅*、五支、初夜後夜、専精、巧慧、籌量、魔網*、纏綿、
火坑*、深坑、銷銅、三流狂象*、摩竭魚、儜人、躄人、鹹河、四衢、
臠肉、仮借、霹靂、劫害


大智度論巻第十七(下)
釈初品中禅波羅蜜義第二十八
1.四禅
  • 諸定中、禅のみを波羅蜜と呼ぶのは?
  • 初禅の相
  • 二禅の相
  • 三禅の相
  • 四禅の相
八背捨、八勝処、十一切入、四無量心、
定*、三昧*、禅*、定*、摂*、四禅、
未到地*、近分定*、中間地*、中間静慮*、根本定*、
四禅処、四等心、背捨、生処、一切処、無諍三昧*、願智*、頂禅、
自在定、練禅*、十四変化、般舟般、首楞厳、五欲、五蓋、五法、
不浄観*、九想観*、安那般那*、数息観*、則*、波盪、大極、喚呼、
悩乱、摂心、一識*、覚*、観*、患*、
捨念清浄心*、捨念清浄地*、九地*、独処、閑居、守摂、専精、
味相応、浄、無漏、報得五衆、初禅、明了*、衆星、心心数法、五下分結、
嬈乱、嬈動、波盪、疲極、所喜、一旦、遍身、遍浄地

2.四無色定
  • 虚空無辺処の相
  • 識無辺処の相
  • 無所有処の相
  • 非有想非無想処の相
  • 非有想非無想処の名前の由来
  • 三種の無想:
    1. 無想定:外道の無想
    2. 滅受定:菩薩の無想
    3. 無想天
色相*、別相*、有対*、無辺虚空処、色身*、度色、内身、外色、
縁*、縁*、病、癰、瘡、刺、在、無想定*、滅受定*、滅尽定*

3.阿毘曇中の四禅、四無色定
  • 禅定:二種
    1. 有漏定:上地の辺に依って下地の欲を離れる
    2. 無漏定:十六聖行:自地の欲を離れて上地に及ぶ
  • 九次第定:
    1. 九無礙道
    2. 九種の思惟断
  • 修:二種
    1. 得修:本得ていた所を今復た得る
    2. 行修:曽て得た所を現前に修める
  • 禅定の相:略説して二十三種
    1. 八:味相応
    2. 八:浄
    3. 七:無漏
  • 六因:
    1. 一一の無漏:七無漏の因:相似因
    2. 自地中の禅定が増す:相応因、共有因
  • 四縁:
    1. 次第縁:無漏定は次第に六種の定を生じる等
    2. ‥‥
  • 禅を練る:九次第定
  • 頂禅
  • 二種の阿羅漢:
    1. 壊法
    2. 不壊法
  • 不壊法の阿羅漢の所有
    1. 願智
    2. 四辯
    3. 無諍三昧
  • 諸禅を得る、その他の法
  • 梵世の識を用いて識る
十六聖行*、十六行相*、有頂処*、思惟断*、
九無礙道、八解脱道、第九無礙道、無心定、得修*、行修*、八味、八浄、
七無漏、三等至*、等至*、正受*、三摩鉢底*、六因*、六因*、
四縁*、四縁*、四無量心、三背捨、八勝処、八一切処、五神通、
滅受想定*、練禅*、観練熏修*、九次第定*、滓穢、阿羅漢*、願智*、
四辯*、四無礙智*、四無礙解*、無諍三昧*、四辯*、四無礙辯*、
捨根、五受*、二十二根*、変化心、梵世、四無量意、五神通、八背捨、
八勝処、十一切入、九次第定、九相*、十想*、三三昧、三解脱門、
三十七品*、三十七道品*、三十七菩提分法*

4.禅と禅波羅蜜
  • 禅:波羅蜜の本
  • 菩薩の禅定:天人は、其の心を知ることができない
  • 菩薩の禅定:他の人の禅定との比較
  • 菩薩の禅定:
    1. 慈心に基づく
    2. 別相を分別しながら、欲を離れる
    3. 螺髻仙人尚闍利の例
  • 他の人の禅定:
    1. 総相の智慧を得て、欲を離れる
    2. 無常観、苦観、不浄観の如し
    3. 五百仙人の例
    4. 大迦葉の例
  • 法身の菩薩:
    1. 生死の身を離れる
    2. 禅定の相の如し
    3. 乱れることが無い
    4. 無量の身に変化して、衆生に法を説く
    5. 分別することが無い
    6. 散乱する心が無い
    7. 説法相が無い
    8. 所応の衆生に随って、種種の法音を出す
  • 菩薩:
    1. 一切の法に、乱定不二相を観る
    2. 五蓋:捨てる所が無い
    3. 禅定の相:取る所が無い
    4. 諸法の相:空の故に
  • その他の人:
    1. 乱法中:瞋想を起す
    2. 定法中:著想を生じる
    3. 鬱陀羅伽仙人の例
    4. 増上慢の比丘の例
  • 中論的な論証
    1. 貪欲蓋:
      1. 内でもなく
      2. 外でもなく
      3. 内外の中間でもない
      4. 先世より来るのでもない
      5. 後世に至ることもない
      6. 一分中に有るでもなく
      7. 遍身中に有るでもない
      8. 五塵より来るでもなく
      9. 五情より出るでもない
    2. 貪欲の生:
      1. 貪欲より、先に生が有るのでもなく、
      2. 生より、先に貪欲が有るでもなく、
      3. 貪欲と生と、一時に有るのでもない、
    3. 貪欲と生:貪欲と貪欲の者:
      1. 一でもなく
      2. 異でもない
  • 菩薩の禅波羅蜜に入る相
  • 乱:二種
    1. 微細の乱
    2. 麁大の乱
  • 微細の乱:三種
    1. 愛が多い
    2. 慢が多い
    3. 見が多い
  • 味わう:
    1. 味わう:愛する
    2. 愛と禅との相似
毘摩羅詰経、宴坐、伏蔵、発、螺髻*、尚闍利、兀然*、次第*、
五百仙人、狂酔、甄陀羅*、緊陀羅*、緊那羅*、屯崙摩*、弾琴、
天須菩薩、耆年、頭陀、傾動、毘嵐、腐草、超越三昧*、
鬱陀羅伽*、優陀羅羅摩子*、大夫人、駕、専至、飛狸、増上慢、
四道*:加行道、無間道、解脱道、勝進道;
四道*、須陀洹、斯陀含、阿那含、阿羅漢、欺*、中陰*、泥犁、阿鼻、
某甲、阿蘭若、驚怪、所由、虚誑、取*、支、調柔*、鹹、沸屎、辯聡、
味*、染著*、染*、染汚*、愛*、現報*



大智度論巻第十八(上)
釈初品中般若波羅蜜第二十九
1.般若波羅蜜を讃じる
【經】於一切法不著故。應具足般若波羅蜜
  • 般若波羅蜜とは何か?
    1. 初発心より成仏に至るまでの智慧
    2. 諸法の実相を知る智慧
  • 菩薩は、未だ智慧の辺に至らないのに、
    1. 何故、菩薩の智慧を波羅蜜と呼ぶのか?
    2. 彼岸に度ることを求めるが故に!
    3. 彼岸に度り已った仏の智慧は一切種智と呼ぶ
  • 諸漏の尽きない菩薩は、
    1. 智慧の眼が浄められていない
    2. 何故、諸法の実相を得られるのか?
    3. 譬喩:海に入る:深、浅に拘らず入ると呼ぶ
    4. 譬喩:闇室の灯明、大、小に拘わらず照らすと呼ぶ
  • 諸法の実相とは何か?
    1. 破壊されず
    2. 常住であり
    3. 変異することなく、
    4. 能作の者が無い
  • 般若波羅蜜:
    1. 一切の言語を滅して、
    2. 諸の心行を離れ
    3. 本より不生、不滅であり
    4. 譬えば涅槃の相の如し
    5. 諸法の実相も亦た同じ
  • 般若波羅蜜を讃じる偈
般若*、般若*、般若波羅蜜*、作*、心行*、仮名*、仮名*、
取*、適*

釈初品中般若相義第三十
2.般若は声聞、辟支仏、仏の智慧を摂する
  • 何故、
    1. 般若波羅蜜を摩訶と称し
    2. 五波羅蜜を摩訶と称しないのか?
  • 般若波羅蜜の三種の智慧を摂する
    1. 声聞の智慧
    2. 辟支仏の智慧
    3. 仏の智慧
  • 声聞と辟支仏の差異
  • 辟支仏の二種
    1. 独覚:小辟支迦仏、大辟支迦仏
    2. 因縁覚
    3. 因縁覚の例:一国王が園林に遊戯し、睡っている間に園林が破壊された、是れに因って無常を悟る
  • 仏道の智慧:三種の智慧を尽く知る
  • 他の智慧を説かない理由:
    1. 三乗の智慧:実の智慧
    2. 他の智慧:虚妄の智慧
    3. 菩薩は知りながら、専行しない
    4. 余処に好語が有れば:皆仏法中より出たものである
摩訶、般若*、波羅蜜*、波羅蜜*、乾慧地、不浄、安那般那、欲界繋、
四念処、暖法*、頂法*、忍法*、世間第一法*、四善根位*、
苦法智忍、向阿羅漢、第九無礙道、金剛三昧、第九解脱、尽智、無生智、
辟支仏*、縁覚*、遊戯、清朝、蔚茂、愛楽、夫人、婇女、毀折、毀壊、
変壊、閑静、須陀洹*、七生、九種阿羅漢、摩梨山*、摩羅耶*、攢、酥

3.外道の持戒、禅定、智慧
  • 外道の語:同じく有る
    1. 殺すな
    2. 盗むな
    3. 衆生を慈愍せよ
    4. 心を摂めよ
    5. 欲を離れよ
    6. 空を観よ
  • 外道の語:
    1. 我見に著する
    2. 壊相、不壊相の二種に堕ちる
    3. 牛皮、虚空の譬喩
  • 外道の空:
    1. 空を観るが
    2. 空に相を取って、
    3. 諸法の空を知る
    4. 自ら我の空であることを知らない
    5. 観空の智慧を愛著する
  • 外道の無想定:
    1. 定力で、心を強いて滅せしめるので、実の智慧力ではない
    2. 涅槃の想を生じるが、涅槃が和合の作法であることを知らない
    3. 心を暫時滅するが、因縁を得れば還た生じる
    4. 睡から醒める譬喩
  • 非有想非無想定:
    1. 非有想非無想中の識:四衆に依存して住まる
    2. 故に、無常、苦、空、無我である
    3. 下地に依止して、上地に入る
    4. 尺取り虫の譬喩
  • 外道の経:殺、盗、婬、妄語、飲酒を聴す
  • 仏法:一切の殺、盗、婬、妄語、飲酒を聴さない
  • 外道の法:煩悩を生じる処
  • 仏法:煩悩を滅する処
無想定、悟*、四種、非有想非無想定*、非想非非想処*、無色界*、
尺蠖、恐懼、祠*、咒殺、急難、小人、済*、殃罪、善知識*、媒*、石蜜、
渧、等視、蟻子、縷、婦女、戯笑、寒郷

4.昆勒門、阿毘曇門、空門
  • 仏法:
    1. 煩悩を滅する処
    2. 仏法は無量である
    3. 衆生の意の所応に随って、種種に法を説く
  • 三種の法門:
    1. 昆勒門:随相門、対治門等の種種の諸門
    2. 阿毘曇門
    3. 空門
  • 空門:二種
    1. 生空
    2. 法空
  • 空門:仏は処処に衆生の意の所応に随って、種種に或は有を説き、或は無を説かれた
  • 例:
    1. 摩訶男の例
    2. 論力の例
    3. 鹿頭梵志比丘の例
三業、作相*、無作、作無作*、表無表*、乖錯、昆勒*、蜫勒*、
随相*、奉行*、馬星、四顛倒*、四念処、三毒*、三分、八正道*、
十五種愛、十五種瞋、十五種無明、瞋恚*、瞋*、愚癡*、癡*、述解、
世間第一法、是処*、非処*、正位*、正位*、生空*、法空*、二空*、
十二因縁、神*、神我*、梵網経、六十二見、摩訶男*、殷多、奔車、
逸馬、狂象、闘人、失念、毘梨耶、梨昌*、離車*、論力、雇*、思撰、
明旦、鹿頭、論衆、辯明、義理、憍坑、憂獄、適足、毀壊


大智度論巻第十八(下)
釈初品中般若相義第三十
1.摩訶衍の空門
  • 大乗の空門とは:
    1. 諸の法性は常に自ら空であり、
    2. 智慧、方便を以って観るが故に空なのではない
  • 大乗の空:
    1. 邪見と何が異なるのか?
    2. 大乗の空と邪見の空との比較
    3. 塩の譬喩:
      1. 塩を物に著けて食えば美味い
      2. 塩自体を食えば口が傷つく
    4. 先に、
      1. 無量の布施、持戒、禅定が有り、
      2. 心が柔軟になり、
      3. 諸の結使が薄くなり、
      4. その後、真空を得る
  • 般若波羅蜜を得ないで、
    1. 阿毘曇門に入れば:有中に堕ちる
    2. 空門に入れば、無中に堕ちる
    3. 昆勒門に入れば:有無中に堕ちる
  • 諸法の実相:般若波羅蜜である
摩訶衍*、須菩提、十二入、十八界、十二因縁、三十七品、十力、
四無所畏、薩婆若、須陀*、空空三昧、抄、鹹苦、癡人、籌量、
空解脱門、三解脱門*

2.般若波羅蜜中に諸法の一相、種種相を知る
  • 菩薩は、
    1. 諸法の一相を知りながら、
    2. 一切の法の種種相を知る
    3. 種種の例:
    4. 種種相とは?
  • 菩薩は、
    1. 不可得の空を知るので、
    2. 諸法の分別をすることができ、
    3. 衆生を憐愍して度脱することができる
四大*、四大種*、地種、摂入*、千難品、
解脱*、待時解脱、時解脱、不壊心解脱、随法行、七聖*、
三道*:見道、修道、無学道;三住*:天住、梵住、聖住;器仗、
三輪*:神変輪、記心輪、教誡輪;三不護*:如来の三業;
四念処、四正懃、四如意足*、四神足*、四聖諦*、四聖種*、
四沙門果、七知*、四信*、四摂法*:布施、愛語、利行、同事;
四依*、四通達善根*、四通行*、四天人輪、四堅法*、四無所畏、
四無量心、五無学衆、五出生、五解脱処*、五根五力、五大施*、
五智*、五阿那含*、五種不還*、阿那含*、五浄居天、五治道、
五智三昧*、五聖分支三昧*、五聖支三昧*、五如法語道*、
六捨法*、六愛敬法*、六和敬*、六神通*、六種阿羅漢、六地見諦道、
六随順念*、六念*、六三昧*、六定*、四向四果*、
七覚意*、七覚分*、七覚支*、七財*、七依止*、七識住*、七想定、
七妙法*、七知*、七善人去処*、七善士処*、七浄*、七財福、
七非罪福、七助定法、八聖道分、八背捨、八勝処、
八大人念*、八大人覚*、八種精進*、八丈夫、八阿羅漢力*、
九次第定、九名色等減、九無漏智*、無漏智*、十智*、
九無漏地*、無漏道*、九思惟道地*、九地*、
十無学法*、十無学支*、十想、十智、十力、
十善大地*、大地法*、大善地法*、大煩悩地法*、大不善地法*、
小煩悩地法*、不定地法*、十一助聖道法*、十二因縁法、十三出法、
十四変化心、十五心見諦道、十六安那般那行、十七聖行、十八不共法、
十九離地、不可得空*、十八空*、無所罣礙*、罣礙*

3.諸法の実相、是れが般若波羅蜜である
  • 世俗、声聞法:
    1. 諸法の実相が有る
    2. 何故、般若波羅蜜と呼ばれないのか?
審諦*、

4.般若波羅蜜は、何のように得るのか?
  • 般若:
    1. 体相:無相、無得の法である
    2. 行者は、是の法を何のように得るのか?
    3. 仏は方便を以って、法を説かれた
    4. 行者は所説のように行えば、得られる
  • 般若波羅蜜:
    1. 五波羅蜜の因縁の故に得る
審諦*、端身直坐、繋念在前*、専精、肌骨、枯朽、平等*、自高*、
杖楚、法忍*、逼迫*、甘悦*、無所得*、所得*



大智度論巻第十九(上)
釈初品中三十七品義第三十一
1.三十七品
【經】菩薩摩訶薩以不住法。住般若波羅蜜中。不生故應具足四念處四正懃四如意足五根五力七覺分八聖道分
  • 菩薩摩訶薩は:
    1. 不住の法を以って、般若波羅蜜中に住まり
    2. 不生の故に、三十七品を具足せねばならない
  • 三十七品を菩薩道中に説く理由
  • 四念処を説けば具足する、何故三十七を説くのか?
  • 三十七法の根本:
    十法:信、戒、思惟、精進、念、定、慧、除、喜、捨
四念処、四正懃、四如意足、五根、五力、七覚分、八聖道分、
三十七品*、三十七道品*、三十七菩提分法*、取証*、証*、
十地*、乾慧地、仏地、柱、三解脱門、十想、在、
十力*、除*、十法*、修道*、用*

2.四念処
  • 四念処とは:
    1. 身念処とは?
    2. 受念処とは?
    3. 心念処とは?
    4. 法念処とは?
顛倒*、四顛倒*、生処*、生蔵*、熟蔵、屎尿、如、臭穢、瞻蔔、
澡浴、上饌、衆味、餚膳、経宿、質、九孔、眵涙、結聹、涕、涎吐、
廁道、水道、漏嚢、腐壊、膖脹、爛壊、死屍、不浄法九相、審諦、難御、
反復*、背恩、小人、香美浄、鹹苦、食噉、患厭、差*、故、俯仰、視眴、
喘息、疥病、揩炙、復、弊暴、風*、咽塞、三受*、蠕動、也*、海浪、
崛起、降屈、三三昧*、十六聖行*、三相*、随逐、侵剋、日、月、時、頃、
須臾、計*、我*、神*、以、仮、喻*

3.四念処と三念処
  • 三念処:四念処の各に有る
    1. 性念処中の
      1. 身念処とは?
      2. 受念処とは?
      3. 心念処とは?
      4. 法念処とは?
    2. 共念処中の、
      1. 身念処とは?
      2. 受念処とは?
      3. 心念処とは?
      4. 法念処とは?
    3. 縁念処中の
      1. 身念処とは?
      2. 受念処とは?
      3. 心念処とは?
      4. 法念処とは?
  • 三念処の阿毘曇的解釈
    1. 性念処中の
      1. 身念処とは?
      2. 受念処とは?
      3. 心念処とは?
      4. 法念処とは?
    2. 共念処中の
      1. 身念処とは?
      2. 受念処とは?
      3. 心念処とは?
      4. 法念処とは?
    3. 縁念処中の
      1. 身念処とは?
      2. 受念処とは?
      3. 心念処とは?
      4. 法念処とは?
三念処*:性念処*、共念処*、縁念処*;三念住*、
三無為*:虚空無為*、択滅無為*、非択滅無為*;
断知*、九遍知*、相応因、六種善、心不相応諸行*、心不相応行*、
三無為*:虚空*、数縁尽*、非数縁尽*;隠没、不隠没、
三漏*:欲漏*、有漏*、無明漏*;千難


大智度論巻第十九(下)
釈初品中三十七品義第三十一
1.内、外の四念処
  • 身念処の内、外
  • 受念処の内、外
    1. 二種の受:身受、心受;
    2. 二種の苦:外苦、内苦;
  • 法念処の内、外
  • 二種の四正懃:性正懃、共正懃;
  • 三十七品中の四正懃・八正道を正と呼ぶ理由
  • 四如意足の説明
  • 五根・五力の説明
  • 阿毘曇の七覚分
  • 八聖道分の説明
    1. 正語の説明
    2. 正業の説明
    3. 正命の説明
    4. 五種の邪命
    5. 戒分の阿毘曇的説明
  • 三十七品:
    1. 初禅地
    2. 未到地
    3. 第二禅
    4. 中間、第三、四禅
    5. 三無色定
    6. 有頂
    7. 欲界
膖脹、端政、求、審悉、竟*、畢*、終*、完*、了*、畢竟*、受*、勝*、師子、蚖蛇、逼害、雷電、霹靂、百八受*、心法*、心事*、心*、心数法、五蓋*:貪欲蓋、瞋恚蓋、睡眠蓋、掉悔蓋、疑蓋;七覚、無為法*、心不相応行、意識*、四正懃、性正懃*、共正懃*、於*、四如意足、善五衆、性念処、共念処、懃求、十六行/十六行相*、共相応、随心行、共心生、共心住、共心滅、七覚、七覚分*、慧知、有、相応因、二善分*、無漏二分、千難、動発、籌量、邪命、利養、異相、奇特、畏敬、称説、具有、未到地、中間、正行*

2.摩訶衍の三十七品
  • 四念処の摩訶衍的解釈
    1. 身念処
    2. 受念処
    3. 心念処
    4. 法念処
  • 五根・五力の摩訶衍的解釈
    1. 信根
    2. 精進根
    3. 念根
    4. 定根
    5. 慧根
  • 七覚分の摩訶衍的解釈
    1. 喜覚分
    2. 除覚分
    3. 捨覚分
  • 八聖道分の摩訶衍的解釈
    1. 正思惟
    2. 正語
    3. 正業:「中論」的説明
    4. 正命
  • 菩薩の三十七品総説
癰*、敗壊、行廁、悪露、周旋、往反、先際、後際、中際、戸*、形残、仮有、本業、依猗、循、作願、繋念在身、無生法忍*、五根、五力、刺、災変、敗壊、無、除却、摂護、等*、平等*、為、頭然、積聚、持重*、沮壊、七覚分、憶、念、求索、作法*、除覚分*/軽安覚支*、麁*、便、八聖道分、資生、活命



大智度論巻第二十(上)
釈初品中三三昧義第三十二
1.三三昧、四禅、四無量、四無色、乃至十一切処
【經】空三昧無相三昧無作三昧。四禪四無量心四無色定。八背捨八勝處九次第定十一切處
  • 三十七品に次いで、八種の法を説く理由
  • 八種の法の次第
空三昧、無相三昧、無作三昧、四禅、四無量心*、四無色定、八背捨*、八勝処*、九次第定、十一切処

2.三三昧と三解脱門
  • 観の二種:
    1. 解を得る観
    2. 実の観
  • 空ー>無相ー>無作:三種の智慧で観察する
  • 三種の智慧:何故三昧と称するのか?
    1. 三種の智慧が定中に住まらなければ、
      1. 邪疑に堕ちる
      2. 何も作すことができない
    2. 定中に住まれば
      1. 諸の煩悩を破ることができ、
      2. 諸法の実相を得ることができる
  • 三種の智慧:何故解脱門と呼ぶのか?
    1. 空、無相、無作は、
      1. 涅槃ではないが、
      2. 涅槃の因である
  • 空、無相、無作と十六行相
    1. 空三昧の二行:
      1. 無我
    2. 無相三昧の四行
    3. 無作三昧の二行
      1. 無常
    4. 五受衆の因を観る四行
    5. 五不受衆を観る四行
      1. 必到
  • 三解脱門/三三昧と有漏/無漏
  • 空義の二種
    1. 衆生の空
    2. 法の空
  • 三解脱門と摩訶衍
    1. 一法であるが、
    2. 行の因縁の故に三種有ると説く
  • 三解脱門の阿毘曇的解釈
  • 三解脱門の摩訶衍的解釈
    1. 三解脱門:諸法の実相を縁じる
    2. 三解脱門を以って、
      1. 世間を観れば、
      2. 世間は涅槃である
      3. 世間も涅槃も空、無相、無作であるが故に。
  • 度す可き者に応じて三種説く
    1. 見の多い者:空解脱門
    2. 愛の多い者:無作解脱門
    3. 愛、見の等しい者:無相解脱門
造色*、識種*、六種*、六大*、俯仰、屈申、立、去来、視瞻、言語、念念、妄見、骨鎖、機関、木人、洋金、野火、三昧*、定、心心数法、心不相応諸行、営従*、事理五法*、空、無我、五受衆*、五取蘊*、尽、滅、妙、出、無常、苦、集、因、縁、生、道、正、跡、必到、五不受衆、愛見、六因*、四縁*、四諦十六行相*(表)、九地、四禅*、未到地、禅中間、三無色、四無色定*、十一地、有頂地、繋、不繋、衆生空*、生空*、我空*、法空*、二空*、我法二空*、便是、性相*、性*、相*、数縁尽、三諦

3.四禅
  • 四禅の二種:
    1. 浄禅
    2. 無漏禅
  • 四禅の阿毘曇的解釈
  • 菩薩は、何故、
    1. 空法中に、
    2. 禅定を起すことができるのか?
  • 四禅の説明
心意識*、随心行*、心随転*、転随転*、随覚行、観相応、次第、次第縁、禅相、禅支

大智度論巻第二十(下)
釈初品中四無量義第三十三
1.四無量心
  • 四無量心とは?
    1. 慈とは?
    2. 悲とは?
    3. 喜とは?
    4. 捨とは?
  • 四禅中の四無量心とは?
    1. 四無量心
    2. 四無色定
    3. 八勝処
    4. 八背捨
    5. 九次第定
    6. 十一切処
  • 慈とは?
  • 三種の慈
    1. 衆生縁
    2. 法縁
    3. 無縁
  • 慈相応の心
    1. 無恚、無恨、無怨、無悩とは?
    2. 広、大、無量とは?
    3. 善く修めるとは?
  • 捨心とは?
  • 慈悲喜捨:楽苦喜不苦不楽
    1. 慈:楽
    2. 悲:苦
    3. 喜:喜
    4. 捨:不苦不楽
  • 楽と喜の差別
  • 慈悲喜捨の順序の意味
  • 慈の報:梵天上に生まれる?
  • 慈の五功徳
  • 四無量:生処の功徳?
四無量心、瞋覚、悩覚、知*、患厭、思*、五受根*:喜根、楽根、苦根、憂恨、捨根;憒濁、浄水珠、恚、恨、瞋、罵詈、劫奪、怨、悩、愛楽、子姪、知識、行処、在、諸欲*、五欲*、鑽火、軟草、乾牛屎、湿木、知識、以*、劫尽、明照、作法、化作、化度、斤両、渧数、空拳、羅網*、依止、法印*、歓暢*、爾許、上妙、阿育王*、違陀輸*、旃陀羅、多*、遍浄天

2.四無色定
  • 四無色定とは?
    1. 虚空処
    2. 識処
    3. 無所有処
    4. 非有想非無想処
  • 三種の四無色
    1. 有垢、
    2. 生得
    3. 行得
  • 三種の相
    1. 色相を過ぎ
    2. 有対相を滅し
    3. 異相を念じない
  • 四無色の阿毘曇的解釈
    1. 有漏無漏
    2. 有為無為等
  • 四無色の摩訶衍的解釈
    1. 諸法の実相を共にする
    2. 智慧の行である
三十一結*、色無色界三十一睡眠*、不隠没無記、癰瘡、毒刺、除却、異相、離生喜楽*、有対*、無対*、無教色*、無表色*、隠没、不隠没、相応因、有、心不相応諸行、事理五法*:色法、心法、心所法、心不相応行法、無為法;虚空、智縁尽、非智縁尽、一漏、二漏、漏*、三漏、三無為、見諦断*、思惟断*、不断*、三断*、見所断*、修所断*、非所断、信行、法行、忍断、二十八使*、無垢*、垢*、心相応*、心意識、随心行、身見、辺結、十結*:身見、辺見、邪見、見取、戒取、貪、瞋、癡、慢、疑;因縁、次第縁、四縁*:因縁、次第縁、縁縁、増上縁;滅受想、有縁、非縁、縁縁、増上縁、微塵、須臾



大智度論巻第二十一(上)
釈初品中八背捨義第三十四
1.八背捨
  • 八背捨とは?
  • 衆生の行:愛行、見行
    1. 愛が多い:
      1. 楽に著する
      2. 外の諸結使にの行に縛られる
    2. 見が多い:
      1. 身見等の行に著する
      2. 内の結使に縛られる
  • 浄背捨とは?
  • 背捨と勝処、一切処との関係
  • 背捨と九相、無色定との関係
  • 身証とは?
背捨*、八解脱*、八背捨*、八勝処*、四無色定*、十一切処*、滅受想定*、行、縛、愛行、見行、在、壊敗、故*、細*、漸、調柔*、及、埋著、八勝処、況*、十一切処、金精山、優摩伽華、婆羅捺衣*、婆羅痆斯国*、婆羅痆斯*、波羅奈斯*、不浄観、錯、珂、貝、瞻蔔花*、瞻蔔樹*、光曜、中間、三十六物*、小許、滅受想、無想定

2.八勝処
  • 八勝処とは?
  • 好、醜とは?
  • 二種の色:
    1. 婬欲を生じさせる=>浄=>好
    2. 瞋恚を生じさせる=>不浄=>醜
  • 二種の定:
    1. 内:身の不浄を見る
    2. 外:色の不浄を見る
  • 二種の不浄:
    1. 身中の三十六物等の不浄
    2. 内外の皮肉五蔵を除いた白骨
  • 勝の意味
  • 勝処と一切処との違い:
    1. 勝処:閻浮提の王の如し=一分
    2. 一切処:転輪聖王の如し=一切
調、中、放、挙出、塚間、勝、健人、奪*

3.十一切処、九次第定
  • 背捨・勝処・一切処と四無色定との関係
  • 背捨・勝処・一切処の有漏/無漏等
  • 九次第定とは?
行得、根本、九次第定

釈初品中九相義第三十五
1.九相、十想
【經】九相脹相壞相血塗相膿爛相青相噉相散相骨相燒相
  • 九相とは?
  • 九相と十想との関係
  • 九相:
    1. 取相の性
    2. 欲界の身を縁じる
    3. 色陰/想陰に摂める
    4. 身念処の少分
    5. 欲界/初禅・二禅・四禅に摂める
    6. 未離欲=欲界繋、離欲=色界繋
  • 九相、四念処、三十七品、涅槃、
    1. 九相:身念処の門を開く
    2. 身念処:三念処の門を開く
    3. 四念処:三十七品の門を開く
    4. 三十七品:涅槃の門を開く
  • 声聞の観身と菩薩の九相の違い
九相*、九想*、方*、辞訣、奄忽*、奄*、便、室家、驚慟、号哭、言説、爾、那、劫尽火、遺脱、如、懃修、祈請、欺誑、捍挌、恩愛*、有生*、生*、跳騰、哮吼、完具、智鑒、明利、唐、恣、放恣、益利、死屍、膖脹、韋嚢、厭畏、役御、空舎、好相、細腰、姝媚、姝*、媚*、長眼、直鼻、平額、高眉、好、屎嚢、裂壊、悪露、灯蛾、明色、塗漫、見、杖楚、瘀、青瘀、膿爛、好色、上服、華綵、綵、臭壊、塗染、仮借、挑、刳、掣、爴、残藉、壊敗、飄曝、久骨、膩、膏、屍林*、屍陀林*、尸陀林*、焚焼、灰燼、兵刃、有身、十想*、十想*、動転、食、脳涎、流下、咽、吐、安那般那*、細膚、繊指、修目、高眉、進止、坐起、行住、礼拜、俯仰、揚眉、頓睫、親近、按摩、軟声、美辞、随意、承旨、旨*、細滑、柔膚、軟肌、解、愛、残、披析、九十八使、摧砕、金剛三昧、四念処、三十七品、味*


大智度論巻第二十一(下)
釈初品中八念義第三十六之一
1.八  念
【經】念佛念法念僧念戒念捨念天念入出息念死
  • 八念と、その次第
    1. 念仏
    2. 念法
    3. 念僧
    4. 念捨
    5. 念戒
    6. 念天
    7. 念死
    8. 念安那般那
  • 念仏とは、――
    1. 仏の十号を念じる
      1. 多陀阿伽度(如来、如去)
      2. 阿羅訶(応供養)
      3. 三藐三仏陀(正遍知)
      4. 鞞闍遮羅那三般那(明行具足)
      5. 修伽陀(善逝)
      6. 路迦憊(世間解知)
      7. 阿耨多羅富楼沙曇藐婆羅提(無上調御師)
      8. 貰多提婆摩㝹舍喃(天人教師)
      9. 仏陀(覚知者)
      10. 婆伽婆(世尊)
    2. 一切の功徳は仏に在ると念じる
      1. 本生経
      2. 三十二相
    3. 法身の功徳を念じる
      1. 戒衆具足
      2. 定衆具足
      3. 慧衆具足
      4. 解脱衆具足
      5. 解脱知見衆具足
八念*、阿蘭若処*、空舎、塚間、底下、懎然、多陀阿伽度、阿羅訶、三藐三仏陀、婆伽婆*、十号*、衣毛、四双八輩、釈提桓因*、因陀羅*、阿修羅、伊舎那天*、婆楼那天*、十六行、安那般那、覚、為、鞞闍遮羅那三般那、修伽陀、路迦憊、阿耨多羅富楼沙曇藐婆羅提、貰多提婆摩㝹舍喃、仏陀*、仏*、婆伽婆*、転輪聖王*、摩訶三磨陀、憍曇氏*、瞿曇*、瞿曇仙*、梵天王、承接、阿那婆蹋多、婆伽多、安詳、末後、阿私陀*、足下千輻輪相、指合縵網、安平立、徳字、肉骨髻相、青珠山、上、白毫、跱、頗梨、四牙、上*、脣、梵声*、梵音*、閻浮檀金、三十二相*、戒衆、定衆、蘇油*、酥油*、阿頭摩、特牛、向*、清旦、施作*、慧衆、薩陀波崙*、薩陀波崙菩薩*、徹鑒、憂樓頻蠡迦葉*、優楼頻螺迦葉*、摩訶迦葉、舎利弗*、目揵連*、摩訶目犍連*、薩遮尼揵子*、尼犍子論師*、婆蹉首羅*、犢子部*、長爪、清朝、大雨処、雨龍、無礙解脱*、解脱衆、習、八解脱、時解脱、慧解脱、共解脱、見諦道、十六解脱、十結、思惟道、十八解脱、三思惟結、尽智、解脱知見衆、尽智、無生智、軟語*、苦教*、難陀、漚楼頻螺龍、法眼、七地、無量寿仏*、阿弥陀仏*



大智度論巻第二十二(上)
釈初品中八念義第三十六之余
1.法を念じる
  • 法を念じる:
    1. 行法の果報を念じる
    2. 外道の法と比較する
  • 時を待たず、
    1. 外道の法は、時節を待つが、
    2. 仏法は、因縁の具足するを待つ
  • 善処に将いて去る
    1. 将いられて去る者が無いのに、
    2. 何故、将いて善処に至らせられるのか?
    3. 諸法は、諸法を将いて去らせる
    4. 因縁和合に作は無いが、
    5. 果報は因縁に属するので自在でない
    6. 是れを去るという。
  • 仏法の印:三法印
    1. 一切の有為法は、無常である
    2. 一切の法は、無我である
    3. 即ち涅槃は寂滅である
  • 二種の法:
    1. 仏の所説の三蔵、十二部経、八万四千法聚
    2. 仏の所説の法義:持戒、禅定、智慧、八聖道等
  • 仏の所説:
    1. 四処(慧、諦、捨、滅)に住まり
    2. 四功徳(決定、解説、反問、捨置答)が荘厳する
    3. 二諦(第一義、世諦)が相違しない
    4. 美妙語、苦語の二語がある
    5. 善法に随いながら、善法に著さない
    6. 略説と広説がある
  • 法の義:
    1. 信、戒、捨、聞、定、慧等の道の為めの善法
    2. 三法印
閻浮阿羅漢、乾牛屎、棘、辦*、将*、和*、差、拷掠、刑戮、五蓋、大熱、冷然、清了、八聖道、時薬*、時衣*、時食*、持戒*、好染、法眼浄*、三十七無漏道法、無漏善五衆、留難、三法印*:諸行無常印、諸法無我印、涅槃寂静印;作法*、相続*、相似生*、破我品、神*、数論*、僧佉*、僧企耶*、三衰:老、病、死;屐、十二部経*:修多羅、祇夜、和伽羅那、優陀那、尼陀那、阿波陀那、伊帝曰多伽、闍陀伽、毘仏略、阿浮陀達磨、優波提舎;四処*:諦処、捨処、滅処、善処;四種答、功徳*、聴、遮、順従、違、苦悪、垢法、怨家、高、訶、久久、研求、高顕、竪、衣毛、流汗、気、戦懼、会衆、欲有、所聞、見、雷霆、与共*、智縁尽、無学*、無学道*、学、迦旃延尼子*、迦多衍尼子*

4.僧を念じる
  • 仏の弟子衆を念じる:
    1. 戒、定、慧、解脱、解脱知見衆が成就する
    2. 供養、恭敬、礼事を受けるに相応しい
    3. 世間の無上の福田である
  • 五衆:戒、定、慧、解脱、解脱知見衆
    1. 仏の五衆
    2. 弟子の五衆
  • 衆僧に布施して得る、大果報
    1. 薄拘羅比丘の例
    2. 沙門二十億の例
  • 僧は:
    1. 涅槃に趣く為の真の伴
    2. 結使の病を断じる為の瞻病人
  • 僧は:
    1. 無量の戒、定、慧等が具足するが故に、
    2. 其の徳は、測量することができない。
    3. 阿羅漢の沙弥の例
四双八輩、戒衆、禅定衆、智慧衆、解脱衆、解脱知見衆、礼事、宗敬、耕治、調柔、漑潅、豊渥、犁、四無量心、磨治、檀越*、信施、漑、薄拘羅、毘婆尸仏、呵梨勒、沙門*、二十億、給孤獨*、須達*、十八有学*:信行、法行、信解、見得、身証、家家、一種、中般涅槃、生般涅槃、行般涅槃、無行般涅槃、上流般涅槃;九無学*:退法、思法、護法、安住法、堪達法、不退法、不動法、辟支仏、仏;八忍八智*:苦法智、苦比智、集法智、集比智、滅法智、滅比智、道法智、道比智;三道*:見道、修道、無学道;信解脱、十五学人、一戒一見、瞻病人、信楽、沙弥*、沙弥尼*、執事*、請、請食*、僧物*、鬚髪*、皺、僂、僂歩、羸、欻然、痩黒、上尊*、耆年*、耆*、坐観、品量、呵罵、毀、教誨、教語、秀眉、負*、振掉、行止、白楊、入坐、少身、還年薬、非人、平量、傷*、嘴、測知、菴羅*、善人*、戒*、来*、方、来、厳容、多知、少聞、明闇、伊蘭、瞻蔔*、薩羅、摩訶迦葉、納衣、価直、麁弊、求索、畔際、僧数、諮問*、舎婆提*、舎衛国*、王舎城*、婆羅門姓、婆羅埵逝、数、摩訶憍曇弥、受用、某甲、不敢*、長鬼神将軍、阿泥盧陀、難提、迦翅弥羅、長夜、勇猛、軍、摧滅


大智度論巻第二十二(下)
釈初品中八念義第三十六之余

1.戒を念じる
  • 戒:三種の戒
    1. 有漏戒:
      1. 律儀戒
      2. 定共戒
    2. 無漏戒:
  • 禅定戒:二種
    1. 定共戒
    2. 無漏戒
  • 譬喩:
    1. 仏:医王
    2. 法:良薬
    3. 僧:瞻病人
    4. 戒:服薬の禁忌
  • 戒:
    1. 一切の善法の所住の処
    2. 一切の出家人の初門
    3. 一切の出家人の依仗
    4. 一切の出家人の涅槃に到る初門
  • 清浄戒:
    1. 智者に讃じられる戒
    2. 諸の瑕隙の無い戒
  • 戒と八聖道の関係
三種戒*、三種律儀*、律儀戒*、別解脱律儀*、定共戒*、静慮律儀*、無漏戒*、無漏律儀*、律儀*、枯朽、折減、禅定戒、瞻病人、禁忌、依仗*、瑕隙、五衆戒*、五篇*、四重戒*、四波羅夷法*、拘、囹圄、桎梏、赦、唐、八聖道、精懃、五受衆、駆策*、煖法、頂法、忍法

2.捨を念じる
  • 捨:三種の捨
    1. 財を施す
    2. 法を施す
    3. 諸の煩悩を捨てる
  • 財施:
    1. 一切の善法の根本
    2. 発心の初の因縁
    3. 譬喩:兄弟が財の因縁の故に悪心を起す
  • 法施:
    1. 道を得る因縁
    2. 財施に勝る
    3. 人に応じた法を説く
  • 煩悩を捨てる法:
    1. 微妙
    2. 難得
    3. 無上、無量
捨*、差*、擔、曠路、視瞻、悔心、同生、深水、投著、辞*、行、親友、終始、相、好密、蓋、飢渴、堅牢、貧窮、慳、凶衰、憂畏、慳惜、衣食、慳、室宅、丘、塚、墓、向、慳貪、擯棄、命気、慳人、福慧、堅要、死坑、恋惜、懊恨、涕泣、憂悔、好施、名聞、愛敬、衆、命終、市易、貧乏、悩患、三法印、依随、演作、除却、三結、九十八使

3.天を念じる
  • 天:四天王天、乃至他化自在天
  • 天を念じる理由
  • 五善法:天に生じる因縁
    1. 罪福を信じる
    2. 戒を受持する
    3. 善法を聞く
    4. 布施を修めて
    5. 智慧を学ぶ
  • 欲界天を念じる理由
  • 別種の四天:
    1. 名天
    2. 生天
    3. 浄天
    4. 生浄天
在、四種天、天*、須陀洹、家家、斯陀含、一種、阿那含、阿羅漢、五種阿那含、安那般那

4.死を念じる
  • 死:二種
    1. 自らの因縁で死ぬ
    2. 他の因縁で死ぬ
年壮、仮使、亦*、辞謝、請求、捍挌、危脆、活、偏袒、放逸*、旦、食時、一食頃

5.八念の次第
  • 何故、念法の前に念仏が在るのか?
演出、阿若憍陳如*、五比丘*、舎利弗、目揵連、摩訶迦葉、沙弥蘇摩、七衆、戒、十善道、淹、阿那律、金剛*



大智度論巻第二十三(上)
初品中十想釈論第三十七
1.無常想
【經】十想無常想苦想無我想食不淨想一切世間不可樂想死想不淨想斷想離欲想盡想
  • 行法を智、念、想と呼ぶ理由
  • 菩薩が無常想を行う理由
  • 無常想を具足するとは?
  • 無常が無いのに、何故苦諦四行中に無常を説くのか?
  • 無常想:聖道の別名
  • 無常想の有漏、無漏
十想*:無常想、苦想、無我想、食不浄想、死想、不浄想、断想、離想、尽想;増積、来処、去処、世間*、世界*、須弥、度脱、廓然、感傷、舎利弗、目揵連、須菩提、転輪聖王、忽然、転、険岸、苦四行、夫人*、宝女、十頭羅刹*、羅刹*、羅摩王*、乃*、随、牢、為、性相*、十二頭陀、掉、慢、有漏法*、無漏法*、五受衆、五根

2.苦想
  • 賢聖の人の有為の無漏法:苦か?
  • 身苦と心苦とは?
  • 苦受とは?
  • 道は苦か?
  • 五受衆は皆苦か?
有為無漏法*、有為*、畢陵伽婆蹉*、羅婆那跋提*、杖楚、五受衆*、作法、騎乗、住立、坐息、安臥、極*、作、視眴、屈伸、坐臥、起、行立、去来、四顛倒、憶、宮観、婇女、園苑、浴池、志*、獄火、焚、徒

3.無我想
  • 無我である理由
  • 我とは?
  • 無常、苦、無我の関係
計、珠、草薪、事業*、事*、業*、別異、動発、色法*、色心二法*、心不相応行、無心定*、心相応、随心行、心、妄、大岸、慢、計*

4.食厭想
  • 食が不浄である理由
  • 不浄国の譬喩:浄行婆羅門、老母より不浄餅を求めて食う
食厭想、酥、酪、膩*、脈*、爛涎、爛、糜、滓濁、墾植、耘除、蹂治、舂磨、洮汰、炊煮、功、作夫、一直*、宿昔*、弊食、宿債、糞除、浄潔法、事縁、乾食、白髄、飽食、癰瘡、差、言、謂、我、夫人、麺、拊、搥、吁嘔、為、可口*、将*、五欲*、五下分結、見道、修道、見諦道、無学道

5.世間不可楽想及び断、離、尽想
  • 悪事とは?
    1. 衆生の悪事:八苦等
    2. 土地の悪事:寒熱、飢渴等
  • 無常、苦、無我想と世間不可楽想との違い
  • 断想、離想、尽想の違い
廬観、八苦*:生苦、老苦、病苦、死苦、恩愛別離、怨憎同処、所求不得、五受衆苦;五受衆、横、杖楚、都、憍逸、直、弊敗、栄貴、讒賊、残害、親戚、善好、弊悪、貧賤、鄙陋、端政、憍高、下接、物、欺誑、諂飾、質直、共、調捉、引挽、陵易、柔濡、軽陵、踏蹴、遇、矯異、軽賎、数、可楽、衰、吉、退時、摧砕、爛壊、煖法、頂法、忍法、世間第一法



大智度論巻第二十三(下)
初品中十一智釈論第三十八
1.法智比智等の十一智
【經】十一智法智比智他心智世智苦智集智滅智道智盡智無生智如實智
  • 十一智:法智、比知、他心智、世智、苦智、集智、滅智、道智、尽智、無生智、如実智。
  • 十智:阿毘曇的解釈。
十一智*、十六行相*、無常苦空無我、因集生縁、滅止妙出、道正行達、二十二根、十六心*、八忍*、八智*、十七心、信解脱、見得、十八有学*、七地、無礙道、解脱道、不時解脱、時解脱、須尸摩、智*、慧*

2.有覚有観等の三三昧
【經】三三昧有覺有觀三昧。無覺有觀三昧。無覺無觀三昧
  • 三三昧:有覚有観三昧、無覚有観三昧、無覚無観三昧。
  • 三摩提、三昧:一切の禅定、摂心:正心の行処。
  • 蛇行:常に曲がる->竹筒に入れて真直ぐにする。
  • 覚、観:三昧を嬈乱する、三昧の賊、捨離することが難しい。
  • 覚、観の差別。
  • 三種の麁覚:欲覚、瞋覚、悩覚;
  • 三種の善覚:出要覚、無瞋覚、無悩覚;
  • 三種の細覚:親里覚、国土覚、不死覚;
  • 六種:三昧を妨げ、三種:三昧の門を開く。
三三昧、有覚有観三昧、無覚有観三昧、無覚無観三昧;摂心、三摩提、端、端直、未到地、中間、嬈乱、麁心、細心、欲覚、瞋覚、悩覚、親里覚、国土覚、不死覚、出要覚、無瞋覚、無悩覚、梵世、大梵天、光音、遍浄、広果

3.未知欲知等の三根
【經】三根未知欲知根知根知已根
  • 三根:未知欲知根、知根、知已根。
  • )未知欲知根:見諦道中の無漏の九根(信等五根、喜楽捨三根、意根)、知根:思惟道中の九根、知已根:無学道中の九根。
  • 何故九根のみを説いて、二十二根を説かない?
  • 三根を阿毘曇門を以って説く。
  • 菩薩:信根の力を以って精進根の力を受け、精進根の力を以って不退、不転であり、念根の力を以って不善法を入らせず、諸善法を摂し、定根の力を以って、心の散乱するのを摂し、慧根の力を以って仏の智慧の義味を少多得て壊さない。
  • 未知欲知根:菩薩は是の根を以って菩薩位に入る。知根:菩薩は是の根を以って道場に坐し、金剛三昧を得る。
  • 知已根:菩薩は是の根を以って阿耨多羅三藐三菩提を得る。
未知欲知根*、知根*、知已根*;三無漏根*:未知当知根、已知根、無知根;信行、法行、信解、見得、二十二根、利*



大智度論巻第二十四(上)
初品中十力釈論第三十九
1.十力総論
【經】舍利弗。菩薩摩訶薩欲遍知佛十力四無所畏四無礙智十八不共法大慈大悲。當習行般若波羅蜜
  • 菩薩が、三十七品等の菩薩法を具足することについて
  • 「応に具足すべし」と「当に習行すべし」との違い
  • 十力の略説
  • 仏の十力を般若波羅蜜という菩薩法中に何故説くのか?
  • 仏の無量の力中に、何故十力のみを説くのか?
  • 人を度す因縁としては、十力を説けば成辦する
  • 十力中の第一力:
    1. 是処不是処智力は、因縁果報を知る
    2. 此の第一力中に、他の九力を摂するが、衆生の為の故に九種を分別する
十力、四無所畏、十八不共法、大慈大悲*、慈悲*、習行、三十七品、三無漏根、恕、喻*、群生、鞭杖、杖楚、杖処、共相*、共相*、共因縁、醜陋、謗毀、心解脱、智慧解脱、誑惑、悪謗、辦、懈息、估客主、慰喩、慎、疲倦、疲厭、籌量、業障、報障、審諦


大智度論巻第二十四(下)
初品中十力釈論第三十九
1.是処不是処を知る智力
  • 是処/不是処とは何か?
無怨*、闕失、二十五有*、五逆*、五種黄門*、五種不能男*、三障、訖*、転輪聖王、夭喪、十二因縁、増触*、明触*、触*、善律儀、不善律儀*、悪律儀*、隠没無記、首羅*

2.業報を知る智力
  • 業報を知るとは何か?
無作業*、用*、三報*:現報、生報、後報;毘琉璃、薄拘羅、膳供、弗迦羅婆、自然戒、心生戒、口言戒、定共戒、駛疾、遮止、蔭覆、時頃、猛健

3.禅定解脱三昧の浄垢を分別する智力
  • 四禅と禅を佐助する道法との名、相、義分、次第、熏修、有漏、無漏、学、無学、浄、垢、味、不味、深、浅の分別を知る
名相*、次第、薫修*、薫修*、熏習*、八解脱、掉戯心、転治、没心、摂心、痩羸
4.衆生の根の上、下を知る智力
  • 根の上、下とは何か?
時解脱、不時解脱、略説、広説、軟語、苦語、鴦群梨摩羅*、央掘摩羅*、周梨槃陀迦*、周利槃特*、見諦所断

5.衆生の種種欲を知る智力
  • 欲とは何か?
    1. 信じる
    2. 喜ぶ
    3. 好む
    4. 楽しむ
孫陀羅難陀*、難陀*、提婆達*、提婆達多*、須弥刹多羅*、善星*、耶舎*、跋迦利、羅睺羅*、施跋羅、摩訶迦葉、隸跋多*、離婆多*、毘尼*、律*、舍利弗、阿難*、優婆離*、優波離*、榍

6.種種の性を知る智力
  • 性とは何か?
    1. 性:積習
    2. 相:性より生じる
    3. 欲:性に随順して働く
    4. 性:時として欲に随って成る
作行*、為*、爾所、滅智、心所法*、大善地法*、大煩悩地法*、大不善地法:、小煩悩地法*、不定地法*


7.一切の至処の道を知る智力
  • 至処(目的地)の道とは何か?
三聖道分、思、五別五智三昧、五聖分支三昧*、五智三昧*、禅五支*、身念処、毛竪経

8.宿命を知る智力
  • 宿命通/宿命明/宿命力の違い
  • 声聞人の宿命通/明との違い
宿命通、宿命明、宿命力、六神通*、三明*、第八無漏心、初夜、更

9.生死を知る智力
  • 天眼を用いて知る
  • 仏/凡夫人/声聞人の違い
小千世界、傍見、上下、阿尼廬豆、半頭、遍頭、随所、有覚有観三昧、無覚有観三昧、無覚無観三昧

10.漏尽を知る智力
  • 仏/凡夫人/声聞人の違い
法障*、無礙解脱*、九十八使*、一百九十六纏*、纏と使の違い*、苦法智、苦比智、道比智、九解脱道、九無間九解脱*

11.十力総説
  • 十力中の最勝の者は?
  • 十力:無礙解脱が根本/増上である
  • 十力を説く理由
  • 十力の功徳:智慧を増益するが故に
    1. 論議師を破ることができる
    2. 好んで法を説くことができる
    3. 随わない者を摧伏することができる
    4. 諸法中に自在を得ることができる
無礙解脱*、増上*、憍曇、沙門、縮没、至誠、安立*、師子吼*、四無所畏*、弊医、欺誑、苦困、若*



大智度論巻第二十五(上)
釈初品中四無畏義第四十
1.四無所畏の相
  • 四無所畏とは?
四無所畏

2.四無所畏の因縁
  • 四無所畏が説かれることになった因縁
将*、牛屎、稊稗、噏、水衣、杵、在、五熱、引致、蛍火虫、孫陀利*

3.四無所畏と十力
  • 四無所畏と十力との関係
体、十力、転輪聖王、七宝、沮壊、巧便、善巧方便*、巧智、顕発、四無礙智

4.四無所畏の解釈
  • 無畏の解釈
  • 仏が無所畏であると、何のように知るのか?
  • 所畏の法:
    1. 弊家に生まれる
    2. 弊処に生まれる
    3. 醜悪な肉身
    4. 威儀が無い
    5. 語が麁悪である
忌難、衣毛、豎、在*、将御、苦切*、苦切語*、駆遣、訾毀、護惜、菴跋咤、長爪*、長爪梵志*、薩遮祇尼揵、昆盧坻、憍陳如、優楼頻螺迦葉、結髪仙人、波斯尼示王*、波斯匿王*、頻婆娑羅王、優填王、旃陀波殊提王、弗迦羅婆梨王、梵摩達王、師仰、梵摩渝*、弗迦羅婆梨、鳩羅檀陀、四道、阿羅婆迦鞞沙迦、阿波羅羅、伊羅鉢多羅、鴦群梨摩羅、処坐、熊羆、擔、按、眴息之頃、阿修羅*、鞞摩質帝隷、釈提婆那民、弊家、弊生処、悪色、威儀、麁悪語、首陀羅、擔死人、酤酒、捕猟、兵伍、頂生王、快見王*、快目王*、乞眼婆羅門*、娑竭王*、摩訶提婆王*、安陀羅舎婆羅*、兜呿羅*、覩貨邏国*、修利、安息国*、大秦国*、迦毘羅婆*、迦毘羅衛*、身色、枯乾、羸痩、光潤、赤金山、進止、行歩、坐起、人儀、蹇吃、重語、調戯、迦陵毘伽*、迦陵頻伽*、辞義、分明、中傷、物、可愛、会、訖*、会*


大智度論巻第二十五(下)
釋初品中四無畏義第四十之餘


1.正遍知
  • 正遍知:一切の法を知るが故に顛倒せず、正見して邪見せず、余の過去の諸仏の如し。
  • 阿梨沙の住処
    • 微なる畏相すら現さないが故に、至誠に阿梨沙の住処に安立すと言う。
    • 漏:欲漏、有漏、無明漏;
    • 道を障える法:涅槃を障える一切の若しは善、不善、無記の法。
弊迦蘭那、僧佉、韋陀*、吠陀*、
十八大経*::
  四吠陀*:荷力吠陀、冶受吠陀、三摩吠陀、阿闥吠陀;
  六論*:式叉論、毘伽羅論、柯刺波論、竪底沙論、闡陀論、尼鹿多論;
  八論*:肩亡婆論、那邪毘薩多論、伊底呵婆論、僧佉論、課伽論、陀莵論、揵闥婆論、阿輸論。十四難
阿梨沙、
三漏:欲漏、有漏、無明漏;
七漏:見、護、難、用、忍、除、思惟に従いて断ずる漏;
報障、味禅、出世間五根、
六出性*:瞋恚心、憎嫉心、憂悩心、憎愛心、狐疑心、乱想心を除く;
七覚意、八聖道、三転十二行*、三転十二行相*

2.師子吼
  • 衆中に師子吼する。
  • 衆:沙門衆、婆羅門衆、刹利衆、天衆、四天王衆、三十三天衆、魔衆、梵衆の八衆;
  • 一切の仏の音声を聞く者。
  • 師子吼とは?
  • 仏の師子吼と師子が吼えるとの差別?
屏処*、方頰、方大、厚実、密斉、髦髪、光潤、膚肉、修脊、巨身、偃脊、頻申、扣、顕晨朝相、獐鹿、熊羆、久睡、行路、哮吼、四聖種、深濬、修目、無礙解脱、四正懃、頤、三十七品、十八不共法、三解脱門、
三示現*:如意足示現、占念示現、教訓示現;
明行具足、無漏法衆、三昧王、四無礙智、力開、依止、擾乱、梵音

3.梵輪を転じる
  • 梵輪の意味:仏の所説の清浄の故。
  • 輪を転ずる。
  • 仏の法輪と転輪聖王の宝輪との差別。
輪*、轂、輻、輞、榍、調適、右、四念処、五根五力、四如意足、四正懃、三解脱*、無漏戒、七覚意、正見、信心清浄*、信心*、正精進、四無畏、怖、十二因縁、節解、業、転輪聖王、豊溢、軍容、校飾、四摂法、摂取*、王法、主兵大臣、然灯*、然灯仏*、然灯如来*、定光如来*、宝華*、宝華仏*、殊勝*、梵*、四梵行心、波羅奈、阿若憍陳如、阿若*

4.無畏の性
  • 無畏の性とは?
  • 四無所畏中の次第。
  • 何故、十力、四無所畏の相を分別して説くのか?
  • 中論の偈。
十力、四無所畏、十八不共法、不可得空、違失、無

5.菩薩の十力、四無所畏
  • 菩薩の十力とは?
  • 菩薩の四無所畏とは?
菩薩十力、及*、恵行、無生法忍、菩薩四無所畏

6.四無礙智
  • 義とは?義無礙智とは?
  • 法とは?法無礙智とは?
  • 辞とは?辞無礙智とは?
  • 楽説とは?楽説無礙智とは?
四無礙智*、楽説、無滞、五受衆、之*、与*、開演、九地*、十智、九智

7.菩薩の四無礙智
  • 菩薩の四無礙智とは?
  • 菩薩の義無礙智とは?
  • 菩薩の法無礙智とは?
  • 菩薩の辞無礙智とは?
  • 菩薩の楽説無礙智とは?
故*、龍*、夜叉*、揵闥婆*、乾闥婆*、阿脩羅、阿修羅、迦楼羅*、金翅鳥*、摩睺羅伽*、入*、修妒路、祇夜、弊迦蘭陀、伽陀、優陀那、尼陀那、阿波陀那、一築多、闍陀、為頭離、頞浮陀達摩、優波提舎、四韋陀、六鴦伽、原夢、地動、豊倹、五星*、章、卜、工巧、明達、自高、発起



大智度論巻第二十六(上)
釈初品中十八不共法釈論第四十一
1.十八不共法
  • 十八不共法*:身無失、口無失、念無失、無異想、無不定心、無不知已捨、欲無減、精進無減、念無減、慧無減、解脱無減、解脱知見無減、一切身業随智慧行、一切口業随智慧行、一切意業随智慧行、智慧知過去世無礙、智慧知未来世無礙、智慧知現在世無礙。
  • 三十六法中より、十力、四無所畏、四無礙智を除いて、但だ十八法のみを不共の言うのは?
十八不共法、三十六法、不共、演暢、阿尼廬豆、四無所畏、賓徒羅叵羅埵逝*、賓頭廬頗羅堕*、舎利弗、四分別慧、四無礙智、目揵連、富楼那、阿難、迦旃延*、摩訶迦旃延*

2.身、口、念に失が無い
  • 仏は無量阿僧祇劫常に持戒、清浄の故に身業口業に失が無い。
  • 舎利弗:説戒日に内界、外界の事を知らなかった。
  • 舎利弗:高声大声の故に仏に駆遣された。
  • 舎利弗:等食法を知らなかった。
  • 四念処、禅定、心不散乱の故。
  • 欲愛法愛を断じ、諸法中に著心の無いが故。
  • 宿命通、明、力の三種の念の荘厳するが故。
  • 念根、力が無辺無尽の故。
  • 一切の意業を智慧に随って行うが故。
習*、説戒、僧*、内界*、外界*、現前僧伽*、駆遣、等食法*、不浄食*、食*、懅、匆匆

3.異想も、不定心も無い
  • 衆生を分別することが無い。
  • 除糞人の尼陀を化度する。
  • 火坑、毒飯で仏を殺害しようとした徳護居士の三毒を除く。
  • 一切衆生、及び諸法は本より、不生不滅の法に至るまで、常に清浄、涅槃の如し。
  • 不二入の法門を行ずるが故。
  • 波蕩する水には、面を見ることができない。
  • 風中の灯は、好く照らすことができない。
  • 阿羅漢は四諦中の疑は無いが、一切法中の処処に疑が有る。
客、尼陀*、徳護*、火坑、毒飯、提婆達多、富羅那*、富蘭那迦葉*、不二入法門*、入不二法門*、波蕩、未到地、滅尽定、四威儀*、欲界繋、梵世、四聖種、四念処、四正懃、四如意足、五根、五力、無諍三昧、願智、四無礙智、三堅固人、五種不可思議法*、楽、声、物*

4.知らずに捨てることが無い
  • 三種の受:苦受、楽受、不苦不楽受;
  • 仏は不苦不楽受中にも生時、住時、滅時を知る。
  • 念念中に生時、住時、滅時を知る。
三種受、為*、七覚、四無量心、没*、惛沈*、掉*、掉挙*、平等*、難陀、嵐鞞尼*、藍毘尼園*、漚楼頻螺林*、優楼頻螺聚落*、仙人住処鹿林*、鹿野苑*、娑羅林双樹、拘尸那竭羅*、憒鬧、雑語、飢虚、作法*、聖如意

5.欲、精進、念、慧、解脱、解脱知見の減退が無い
  • 欲の減退が無い
  • 精進の減退が無い
  • 念の減退が無い
  • 慧の減退が無い
  • 解脱の減退が無い
  • 解脱知見の減退が無い
僧伽梨*、鬱多羅僧*、安陀会*、三衣*:僧伽梨、鬱多羅僧、安陀会;紝、斐亹、現前*、欲、欲*、精進、襞、四襞、七覚、薩羅、須跋陀*、須跋陀羅*、乃往、林樹、窮逼、跨、距、欲、欲*、精進、方便*、襞、四襞、七覚、薩羅、須跋陀*、須跋陀羅*、末後*、乃往、林樹、窮逼、跨、距、酥油*、豊饒、灯炷、有為解脱、無為解脱、成辦、辦、固*、時解脱、不時解脱、慧解脱、倶解脱、不壊解脱、八解脱、不可思議解脱*、無礙解脱、五無学衆、摂*、尽智、無生智、五識*、八忍、五邪見*、五見*、知見*


大智度論巻第二十六(下)
釈初品中十八不共法釈論第四十一之餘
1.一切の身、口、意業は智慧に随って行われる
  • 一切の身、口、意業が智慧に随って行われる
  • 阿羅漢の身、口業が智慧に随って行われない:例
    1. 憍梵波提
    2. 摩頭波斯咤
    3. 畢陵伽婆蹉
  • 仏の身、口業が智慧に随って行われない:例
    1. 外道の衆中に説法して、信受する者が無い
    2. 大衆中に胸臆を現して、尼犍子に示す
    3. 大衆中に舌相、陰蔵相を現す
    4. 提婆達を罵る
    5. 比丘には聴されていない石鉢を用いる
    6. 外道の問難に黙然として答えず
    7. 処処に有ると説き、処処に無いと説く
  • 苦切の語二種、五種
    1. 狂愚の人とは?
    2. 狂人とは?
    3. 死人とは?
    4. 唾を嗽う人とは?
  • 比丘に聴された鉢
    1. 仏が比丘の用に聴さない八種の鉢とは
    2. 瓦と鉄の鉢を聴す理由
    3. 仏が石の鉢を用いる理由
    4. 比丘に石の鉢を聴さない理由
  • 十四難に答えない理由
  • 処処に有りと答え、処処に無しと答える理由
  • 身、口、意業の無失と、身、口、意業が智慧に随って行われるとの比較
憍梵波提*、摩頭波斯咤*、畢陵伽婆蹉、恒神、胸臆、尼犍子*、尼乾陀若提子*、尼犍子論師*、提婆達、鉢*、婆羅門三諦*、三諦*、難*、道跡、薩遮尼揵子*、銅鍱、信向、三種覆、苦切、狂愚、垢心、瞋罵、憐愍、軟語、善教、道検、要、須、麁教、乃、悪薬、綺語*、悪口*、妄語*、両舌*、転転、白衣*、初道、二道、使令、摂律儀*、摂律儀戒*、三聚浄戒*、四道*、羼提仙人、短、熱悶、慧命、三逆罪*、提婆達三逆*、阿闍貰王*、阿闍世*、矣*、八種鉢、浄施*、垢膩、乳哺、白香象*、香象*、侍者*、羅陀、弥喜迦、須那利、羅多、那伽、娑婆羅、応器*、四天王四山*、四王天*、四天王*、妨廃*、迦葉、直*、次後*、耆域*、耆婆*、深摩根羯簸衣、割截、僧伽梨、迦葉衣*、工*、既*、檀越、仰食、食噉、仏事*、馬麦、二十億耳、頻婆娑羅王、十四難*、四種答*、石女、黄門、修短、毀呰、長爪梵志、三不護業*、三不護*

2.過去、未来、現在世を知る通達、無礙の智慧
  • 仏は智慧で、過去、未来、現在世を知り、通達無礙
  • 過去、未来の法は無く、現在の法は住まらないのに、何故知るのか?
  • 過去は滅しても憶想を生じるが故に心心数法を生じる
  • 般若経には三世の一相、無相を説くが?
  • 仏の説法には二種有る:
    1. 諸法を分別して説く
    2. 畢竟空を説く
  • 仏の道には二種有る:
    1. 福徳の道
    2. 智慧の道
  • 迦旃延尼子の説く十八不共法
    1. 十力、四無所畏、大悲、三不共意止:数を重ねる
    2. 十八不共法中に声聞、辟支仏の分は無い
    3. 小乗三蔵中に無い
    4. 迦旃延尼子の十八不共法の内容
定有*、身七分、十八不共法、迦旃延尼子、三不共意止、釈子*、記別*、法聚*、敬重*、所尊*、安庠*、安詳*、求索*、九地、縁生*



大智度論巻第二十七(上)
釈初品中大慈大悲義第四十二
1.大慈、大悲
【經】大慈大悲。當習行般若波羅密
  • 大慈と大悲との差別。
  • 大慈大悲の大の意味。
  • 諸功徳中、大慈大悲のみ大と称する訳。
  • 尸毘王の本生。
  • 仏の大慈大悲等の功徳は、一切、迦旃延法中に分別するようにして、其の相を求めるべきでない。
  • 大慈悲は仏法の根本。
  • 大慈大悲は有漏?無漏?
  • 三種の慈悲:衆生縁、法縁、無縁。
大慈*、大悲*、習行*、四無量心*:慈無量心、悲無量心、喜無量心、捨無量心;将迎*、伎楽*、尸毘王、鴿*、称、波盪、乃、本生*、迦栴延、淤泥*、十智、十一智*

2.道慧、道種慧
【經】菩薩摩訶薩欲得道慧。當習行般若波羅蜜。菩薩摩訶薩欲以道慧具足道種慧。當習行般若波羅蜜
  • 道:涅槃に趣く一道。
  • 二道、乃至十道の例。
  • 何故菩薩は、一相無相に住して、世間道、出世間道を分別するのか?
  • 世間:虚誑の法、出世間:実の如く世間を知る。
道慧*、道種慧*、身念*、信行、法行、無礙道、解脱道、信解、得解、慧解脱、倶解脱、地獄、畜生*、鬼道、四聖種、四行道*、五無学衆*、五衆浄居天、五治道、五如法語、五非法語、六和合、六種阿羅漢、六地修道、修道*、六定、七地無漏*、七想定*、七浄、七善人、七財福、七法福、七助定、九地無漏道、九見断道、九阿羅漢道、十無学道

3.一切智、一切種智
【經】欲以道種慧具足一切智。當習行般若波羅蜜。欲以一切智具足一切種智。當習行般若波羅蜜
  • 一切智と一切種智との差別。
  • 一切法?十二入、名色、二法の門、乃至六法の門。
  • 仏が一切の衆生中、最も第一なる訳。
一切智、一切種智、因而、辦*、名色*、須曼*、蘇摩那華*、俱蘇摩*、牛頭栴檀、聖戒*、不壊解脱、薩婆若多*:薩婆、若、多;


大智度論巻第二十七(下)
釈初品中大慈大悲義第四十二
1.煩悩の習
【經】欲以一切種智斷煩惱習。當習行般若波羅蜜。舍利弗。菩薩摩訶薩應如是學般若波羅蜜。
  • 煩悩の習:煩悩ではない。
  • 脚に鎖を繋けられた人の例。
  • 乳母の衣の例。
  • 難陀の婬欲の習。
  • 舎利弗の瞋の習。
  • 摩訶迦葉の瞋の習。
  • 畢陵伽婆蹉の軽慢の習。
  • 摩頭婆和吒の跳戯の習。
  • 憍梵鉢提の牛業の習。
  • 火力が弱い:薪と灰炭の例。
  • 火力が強い:劫尽の火の例。
  • 仏の受けた五百種の悪口と、五百種の好語の例。
  • 旃遮婆羅門女の例。
  • 孫陀利の例。
  • 阿毘羅国の浜菱と、歓喜園の剣婆石の例。
  • 大天王の天食と毘蘭若国の馬麦の例。
  • 大国王の上饌と、薩羅聚落の空鉢の例。
  • 提婆達多と羅睺羅の例。
  • 阿闍貰と酔象の例。
  • 波斯匿王と化仏の例。
  • 閻浮檀金の不変の例。
  • 習と煩悩とは、同時の断つのか?
  • 方便力を以って人法を現す。
一切種智、煩悩*、習、習行、一切智、心、心数法、不相応諸行、業、金剛三昧、九十八使、難陀、請、覆罪、妄念、懈怠、住、摩訶迦葉、突吉羅*、畢陵伽婆蹉、摩頭婆和吒、跳戯、衣架、踔上、枰、閣、憍梵鉢提、齝、劫尽、旃遮婆羅門女、杅、慚色、悦色、孫陀利、悪声、阿羅毘国、蒺蔾*、歓喜園、夏安居、剣婆石、綩綖*、大天王、跽、毘蘭若国、馬麦、供奉、上饌、薩羅聚落、亦*、提婆達多、耆闍崛山*、羅睺羅、阿闍貰、縦、一時*、九十六種外道*、一時、舎婆提、波斯匿、閻浮檀金、毀辱、十力、無礙智、誅、定光仏、無生法忍、人法*、法性生身、変化、化*、化法*、化主*、鬱多羅、瞋五、中、下地結、上地煩悩

2.菩薩の位
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲上菩薩位。當學般若波羅蜜
  • 菩薩の位:無生法忍、般舟三昧、六波羅蜜の具足。
  • 菩薩の法位:阿鞞跋致。
  • 声聞の正位と菩薩の位。
  • 菩薩の位:発意、修行、大悲、方便の四法具足。
般舟般三昧*、般舟三昧*、法位*、無等等*、戯論、即位、即*、苦法忍、道比忍、四種善根、造作*、更*、金翅鳥、三障礙

3.阿鞞跋致の地
【經】欲過聲聞辟支佛地住阿鞞跋致地。當學般若波羅蜜
  • 声聞、辟支仏の地を過ぎる。
  • 声聞地を怖畏すべき理由。
  • 舎摩梨樹が一鴿の為に自ら枝を折った例。
  • 阿鞞跋致の地に住まる。
  • 菩薩の位と、阿鞞跋致の地。
法位*、以為*、舎摩梨*、舎摩利*、觚*、枝*、鴿*、圧折、沢神、樹神、任持、怨家、尼倶盧樹、阿鞞跋致*、無生忍法、震電、雷霆、傍*、傍生*、法性生身、偏党*



大智度論巻第二十八(上)
釈初品欲住六神通釈論第四十三
1.六神通に住する
【經】菩薩摩訶薩欲住六神通。當學般若波羅蜜
  • 五神通:菩薩の所得。
  • 六神通:仏の所得。
  • 二種の漏尽通力:漏と習とに約す。
  • 漏尽の菩薩が復た生まれる理由。
  • 神通の次第は?
  • 初夜:如意通、宿命明;
  • 中夜:天耳通、天眼明;
  • 後夜:知他心智通、漏尽明;
六神通、五通*、漏、習、復生*、受生*、愛、有、米*、時沢*、法性生身、実際、自*、次第*、趠、転易、修念、一切入、背捨、勝処、柔伏、己身、酥、膠、蝋、消、石汁*、敗、為、誑、降化、禅経、辞*、宿命明、天眼明、漏尽明、出四城門*、四門出遊*、四禅、摂*

2.衆生の意の趣向する所を知る
【經】欲知一切眾生意所趣向。當學般若波羅蜜
  • 衆生の意の趣向する所を知ると、知他心智通との差別。
  • 無常:邪見と真諦との差別。
  • 厭を生ずる:波梨国四十比丘の例。
趣向*、無礙解脱、猶若、置答、十四事、波梨国、十二浄行、厭行、五恒伽河*、藍牟那、薩羅由、阿脂羅婆提、摩醯、屠割剥刺、啼哭、鞞浮羅大山*、毘富羅山*

3.声聞、辟支仏の智慧に勝る
【經】菩薩摩訶薩欲勝一切聲聞辟支佛智慧。當學般若波羅蜜
  • 声聞の智慧とは。
  • 声聞の智慧と、菩薩摩訶薩の智慧とは、等一無異。
  • 声聞:無方便、無大誓荘厳、無大慈大悲、一切種智を求めて一切法を知ろうとしない。
  • 辟支仏の智慧。
  • 阿羅漢、辟支仏:諸仏に貴重されない。菩薩:諸仏に貴重される。
  • 迦陵頻伽が殻の中で鳴くの喩え。
  • 明網経の例:普華菩薩は舍利弗の為に、法性を説く。
  • 毘摩羅詰経(維摩経)の例。
涅槃*、来還、七処善*:色等、色等の集、滅、道、味、患、離;七諦*:愛味諦、過患対、出離諦、法性諦、勝解諦、聖諦、非聖諦;五受衆、三解脱門、四念処、法智、比智、他心智、世智、苦智、集智、滅智、道智、不浄智、無常智、苦智、無我智、尽智、無生智、苦法智忍、空空三昧、無相無相三昧、無作無作三昧、般若波羅蜜義品、宝頂経、転輪聖王、便*、在、紹胄、諸禅、智慧、力、実際、漸漸、迦羅頻伽、㲉、滅尽定、于*、於*、如、毘摩羅詰経*、維摩詰*、毘摩羅詰*、維摩詰所説経*、堪任


大智度論巻第二十八(下)
釈初品欲住六神通釈論第四十三

1.陀羅尼門と三昧門
【經】欲得諸陀羅尼門諸三昧門。當學般若波羅蜜
  • 門:陀羅尼を得る方便の諸法
  • 声聞の三昧
  • 摩訶衍の三昧
  • 三昧の門
  • 陀羅尼の門
陀羅尼、三三昧、解脱門、所*、作意*、念*、意*、憶念*、周梨槃陀迦、革屣、聞持陀隣尼、神咒*、忘*、随煩悩*、念念*、入音声陀羅尼、阿、羅、波、遮、那、阿提*、阿耨波奈*、三昧、一切三世無礙明、三三昧、五支三昧*、五支定*、五智三昧*、禅定、禅、定、三昧、十地、四聖種、繋*、義*、首楞厳三昧、虚空際無所著解脱、見一切仏、一切如来解脱、修観師子頻申、焔山、無礙光、不忘一切法、声如雷音、能娯楽一切衆生、功徳法不可思議一縁中楽、知一切音声語言、集一切福富楽果報、出高、出高一切陀羅尼王、展転*、初夜、後夜、懃修、欲界繋、未到地、煖法、頂法、忍法、世間第一法、金剛三昧、摂心*、五蓋、心相応法、心不相応法、聞持陀羅尼、坏瓶、致問*、慇懃*、持*

釈布施随喜心過上第四十四
1.随喜心
【經】一切求聲聞辟支佛人布施時。欲以隨喜心過其上者。當學般若波羅蜜。一切求聲聞辟支佛人持戒時。欲以隨喜心過其上者。當學般若波羅蜜。一切求聲聞辟支佛人三昧智慧解脫解脫知見。欲以隨喜心過其上者。當學般若波羅蜜
  • 菩薩の布施は随喜心を以って、声聞、辟支仏の上を過ぎる。
随喜*、三昧智慧解脱解脱知見、建*、三種戒:律儀戒、禅戒、無漏戒;三慧*:聞慧*、思慧*、修慧*;有為解脱、無為解脱、助道法、聖道法



大智度論巻第二十九(上)
初品中布施随喜心過上釈論第四十四
1.声聞、辟支仏を求める人の禅定、解脱、三昧の上を過ぎる
【經】一切求聲聞辟支佛人諸禪定解脫三昧。欲以隨喜心過其上者。當學般若波羅蜜
  • 声聞、辟支仏を求める人の:
    1. 諸の禅定、解脱、三昧を随喜して、
    2. 其の上を過ぎようと思う
六事、悉*、頂際禅、願智、無諍三昧

初品中迴向釈論第四十五

1.菩薩摩訶薩の少施、少忍、少進、少禅、少智
【經】菩薩摩訶薩行少施少戒少忍少進少禪少智。欲以方便力迴向故而得無量無邊功德者。當學般若波羅蜜
  • 少施、少戒、少忍、少進、少禅、少智を行いながら:
    1. 方便力を用いて、廻向するが故に、
    2. 無量、無辺の功徳を得る
似*、本生*、訶梨勒*、二十億耳、須蔓*、須蔓耳*、以*、用*、如*、法性*、実際*、十戒、十七金剛三昧

1.菩薩摩訶薩の檀、尸羅、羼提、毘梨耶、禅波羅蜜
【經】菩薩摩訶薩欲行檀波羅蜜尸羅波羅蜜羼提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪波羅蜜。當學般若波羅蜜
  • 菩薩摩訶薩が:
    1. 檀、乃至禅波羅蜜を行おうとすれば、
    2. 般若波羅蜜を学ばねばならない
結*



大智度論巻第二十九(下)
釈初品迴向釈論第四十五
1.三十二相、八十随形好を具足する
【經】菩薩摩訶薩欲使世世身體與佛相似。欲具足三十二相八十隨形好。當學般若波羅蜜
  • 何故、菩薩に三十二相等が有るのか?
  • 仏で無くても有る:――
  • 難陀の因縁、弥勒菩薩の師跋婆犁には三相がある。
  • 菩薩は初発心より阿耨多羅三藐三菩提に至るまで五通と仏に相似の身体を得る。
  • 文殊尸利の因縁。
  • 菩薩と仏の違い:有限と無限。
  • 相好を得るのに所得の無い般若波羅蜜を学ぶとは?
  • 二種の三十二相;
  • 足下安立相等の因縁。
  • 無相の仏法の中に何故三十二相を説くのか?:
  • 世諦、第一義諦;
  • 福の道、智慧の道;
  • 生身、法身;
  • 衆生を成就する二種の因縁:福徳の因縁、智慧の因縁;
  • 一切の衆生中の最勝を顕すため。
  • 阿私陀仙人は菩薩の相を占う。
  • 三十二相より多ければ乱雑、少ければ威徳を欠く。
  • 衆生相、吾我相を断つ仏が何故三十二相を具えるか?
  • 身の荘厳と心の荘厳。
三十二相、八十随形好、迦旃延尼子阿毘曇毘婆沙、端政*、浄潔*、色相、厳身、難陀*、弥勒*、白衣、跋婆犁、眉間白毛相、舌覆面相、陰蔵相、首楞厳教、文殊尸利*、十住地*、十地*:乾慧地、性地、八人地、見地、薄地、離欲地、已作地、辟支仏地、菩薩地、仏地;十地*:歓喜地、無垢地、明地、焔地、難勝地、現前地、遠行地、不動地、善慧地、法雲地;遍満*、可*、度*、化度*、亦*、無生法忍、法性生身、七住地、色力等五事:命、色、力、楽、膳;手足輪相、足下安立相、長指相、足跟満相、不与取、手足縵網相、手足柔軟相、足趺髙相、一一孔一毛生相、毛上向相、妙踹相、平立手過膝相、方身相、四摂法*:布施、愛語、利行、同事;、伊泥延*、尼拘盧陀*、金色相、大光相、肌皮細軟相、上身如師子相、腋下満相、肩円相、身体直広相、七処満相、方頰車相、四十歯相、歯斉相、歯密相、白牙無喩相、舌広薄相、味中最上味相、梵声相、眼睫紺青相、眼睫如牛王相、肉髻相、生身*、法身*、十六行、空無相無作印、如法性実際、白氎、讖記*、阿私陀*、比知*、明徹、浄潔、最為殊勝*、周遍、珠璣、端厳、畢竟、法相*、取相、信楽*、饒益、三福*:布施、持戒、善心;

6.鳩摩羅伽の地を得て、諸仏を離れない
【經】欲生菩薩家。欲得鳩摩羅伽地。欲得不離諸佛。當學般若波羅蜜
  • 菩薩の家:――
  • 衆生中に大悲心を発す、諸の悪心に随わず一切の衆生を度脱する。
  • 諸法の実相の不生不滅を知り無生法忍を得る;
  • 二種の菩薩の家:――
  • 退転の家と不退転の家。
  • 名字の家と実の家。
  • 雑の家と浄の家。
  • 信堅固の家と不堅固の家。
  • 鳩摩羅伽地:初発心より阿耨多羅三摩役三菩提に至るまで常に婬欲を断って菩薩道を行う、世世に童男のままで出家して道を行い世間の愛欲を受けない、文殊尸利の如き法の王子、嬰児にしてすでに無生法忍を得て十地に至るまで諸悪事を離れる。
  • 何故諸仏を離れないのか?
  • 嬰児が母と離れないのと同じ。
  • 何故声聞辟支仏を離れないとは説かないのか?
  • 菩薩の大心は仏と同じで、声聞辟支仏には教導できない。
  • 念仏三昧とは?
鳩摩羅伽*、地*、恭敬*、錠光仏*、童男*、所生*、蜈蚣*、習欲*



大智度論巻第三十(上)
釈初品中善根供養義第四十六
1.諸仏を、意のままに供養する
【經】欲以諸善根供養諸佛恭敬尊重讚歎隨意成就者。當學般若波羅蜜。
  • 菩薩は諸仏に値うに供養の具が無ければ悦ばない。
  • 諸の善根の義:財供養、法供養;
  • 供養。
  • 尊重。
  • 恭敬。
  • 讃歎。
  • 随意成就。
  • 福徳は心に従う。
  • 阿育王は嬰児のとき仏に土を奉げて閻浮提の王となる。
  • 随意供養。
  • 法供養:――
  • 六波羅蜜を行う。
  • 一地乃至十地の法を行う。
  • 無生法忍を得て自他の煩悩を除く。
  • 神通力で衆生を度す。
為*、不悦*、須摩提*、然灯仏*、薩陀波崙*、礼貺、遇見、君長*、肆力*、供養*、迎逆、侍送、旋繞、曲躬*、合手、住、勧進*、畏難、推*、美、求*、便*、求索*、持用*、阿育王*、所宜*、上衣、被辱、生薄、就送*、就*、国土*、灯炷、阿惟越致*

2.衆生の飲食、衣服等を満たす
【經】欲滿一切眾生所願衣服飲食臥具塗香車乘房舍床榻燈燭等。當學般若波羅蜜
  • 菩薩の業二種:諸仏を供養する、衆生を度脱する;
  • 諸仏を供養し、福徳を得て衆生の所願を満たす。
  • 菩薩は一切の衆生の願いを満たす。
  • 願い:可得の願、不可得の願;
  • 可得の願:世間、出世間;
  • 願の上中下:今世の楽、後世の楽、涅槃の楽;
  • 願を満たす三種:凡夫は因縁が有る、声聞辟支仏は因縁が無いが利益が少い、菩薩摩訶薩は檀波羅蜜を行う;
  • 頻頭居士は神通力で衆生に飲食、衣服等を与え、後に王を説いて阿鞞跋致に住せしむ。
  • 仏は衆生の願いを満たす?
  • 菩薩が十地に住して首楞厳三昧に入る。
  • 仏身二種:真身、化身;
  • 仏真身の説法。
  • 仏も飢渇、寒熱の苦を救えない:衣食の願いを満たすことは苦を離れさせない、衆生は自らそれを得ることができない;
  • 一切:名の一切、実の一切;
  • 舎利弗の弟子の羅頻周は乞食に精進しても食を食えない。
  • 薄福の衆生は罪が甚だしいので仏でさえ救えない。
  • 飲食二種::粗、細;また百味の食。
  • 飲二種:草木酒、草木漿;
  • 衣服二種:衆生より生ずる、草木より生ずる;
  • 臥具。
  • 塗香。
  • 乗。
  • 房舎。
  • 灯燭。
  • 諸物。
  • 衆生の願いを満たすのに、般若波羅蜜を学べとは。
所親*、財帛、籌量、方、鑽木、致*、四梵行、天褥、琦妙、頻頭居士、頻婆娑羅*、恣*、給使*、四食*:段食、触食、思食、識食;首楞厳三昧*、炤、一時之頃*、毘摩羅詰経、斉限、羅頻周、意解*、頞、揣食、五事利益:命、色、力、楽、辯;蒲桃、漿、石蜜*、安石榴、梨那、波盧沙果、修陀甘露味、摩頭摩陀婆、食浄*:火浄食、刀浄食、爪浄食、蔫乾浄食、鳥啄浄食;綿、絹、毛、毳、皮、韋、布、氎、床、榻、被、辱、幃、帳、擣*、脂*、膏*、蘇油*、慈念*、塗香*、患*、沈水*、一切衆生*、非一切衆生*、弾指之頃*

3.衆生を、六波羅蜜に立たせる
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲使如恒河沙等世界眾生。立於檀波羅蜜。立於尸羅羼提毘梨耶禪般若波羅蜜。當學般若波羅蜜
  • 利三種:今世の利、後世の利、畢竟の利;
  • 楽三種:今世の楽、後世の楽、出世間の楽。
  • 世間の六波羅蜜、出世間の六波羅蜜。
  • 荘厳三種:衣服七宝等、福徳、道法;
  • 菩薩は三種を具足して衆生を荘厳するために、先に功徳の果報を説き、次に功徳の因縁を説く。
  • 衆生を六波羅蜜に住める。
  • 恒河沙の如き世界の衆生とは。
  • 衆生:五衆、十八界、十二入、六種、十二因縁等に仮に衆生と説く。
  • 衆生:動者、静者;また色無色、無足二足等、世間出世間等、等々;
  • 欲界の衆生の上中下:六欲天、人中尊貴、人中卑賤;
  • 不善三品:地獄、畜生、餓鬼;
  • 欲界の衆生十種:三悪道、人、六天;
  • 地獄三種:熱地獄、寒地獄、黒闇地獄;
  • 畜生三種:空行、水行、陸行、また昼行、夜行、昼夜行;
  • 鬼二種:弊鬼、餓鬼;
  • 六欲天の中間の天:持瓔珞天、戯忘天、心恚天、鳥足天、楽見天等;
  • 阿修羅道とは、
    1. 欲界は五道か、六道か?
    2. 何故、阿修羅道を加えたのか?
阿修羅*、減*、小*、甄陀羅*、乾沓婆*、鳩槃荼*、夜叉*、羅刹*、浮陀*、修羅*、時*、傍*


大智度論巻第三十(下)
初品中善根供養義第四十六之餘


1.衆生を、六波羅蜜に立たせる
  1. 檀波羅蜜に立たせる
    • 菩薩は諸の衆生の前に於いて慳貪を毀呰し、布施を讃歎する。
    • 三楽を開く:天上、人中、涅槃の楽を開く。
    • 布施を好む人:名声と称誉とが流布する、八方の人に信敬され、愛敬しない人は無い、大衆の中で畏るべき難儀が無い、死時には後悔する事が無い。
    • 布施:慳結を破る、瞋悩を滅除して嫉妬心息む、憍慢を除く、疑網が自ら裂ける、邪見を除いて無明を滅する、諸煩悩が破れて涅槃の門が開く。
    • 六波羅蜜は即ち仏道であり、檀波羅蜜を初門として余行は皆悉く随従する。
  2. 尸羅波羅蜜に立たせる
    1. 菩薩は諸の衆生の前に於いて持戒を讃歎する。
    2. 持戒:――
    3. 三悪趣、人中の下賎を抜く。
    4. 天人の尊敬を得る。
    5. 仏道に至る。
    6. 一切の衆生の衆楽を出す根本。
    7. 大蔵、大守護、荘厳、大船、大乗、良薬、善知識。
    8. 諸行に利益して成就する。
    9. 智の梯。
    10. 諸結を驚怖する。
    11. 一切の諸徳の根本。
    12. 出家の要。
    13. 浄戒を修める者は所願が意のままである。
  3. 羼提波羅蜜に立たせる
    1. 菩薩は諸の衆生の前に於いて忍辱を讃歎する。
    2. 忍:――
    3. 出家の力。
    4. 守護、大鎧、良薬。
    5. 善く生死の嶮道に勝る。
    6. 大蔵、大舟、砥石;
    7. 忍二種:衆生忍、法忍;
  4. 毘梨耶波羅蜜に立たせる
    1. 菩薩は諸の衆生に懈怠を誡め精進を教える。
    2. 最初に檀波羅蜜を行い、次に尸羅、羼提、禅、般若波羅蜜を行う、これが精進波羅蜜である。
  5. 禅波羅蜜に立たせる
    1. 菩薩は諸の衆生に禅定の得の妙楽を讃歎する。
    2. 小楽を捨てて大楽を得る。
    3. 禅定は実智の初門:灯は密室に在って始めてその明かりが用を為すが如く、智慧も禅定に在って始めてその用を為す。
    4. 禅定により神通力を得る。
  6. 般若波羅蜜に立たせる
    1. 菩薩は諸の衆生に、智慧を学ぶべし、と教える。
    2. 一切の有為法中に智慧は最上。
    3. 諸宝の中に智慧の宝は最大。
    4. 一切の利器の中で智慧の刀は最利。
    5. 智慧の力で、六波羅蜜を具足し、仏道を得て、一切智を成就する。
毀呰、所須*、告求*、醜陋、便身、[石*從][石*瞿]、瑩明、揩、非人*、持*、罵辱*、踰*、念念*、饒益*、承事*、爾*、微塵*

2.仏の福田中に殖えた善根を尽きさせない
【經】欲殖一善根於佛福田中。至得阿耨多羅三藐三菩提不盡者。當學般若波羅蜜
  • 三善根:無貪善根、無瞋善根、無癡善根;一切の諸善法は三善根より生じて増長する。
  • 善根と善根の因縁;供養の具:花香、灯明、礼敬等;法の供養:誦経、持戒、禅定、智慧等;。因中に果を説く。
  • 仏田:第一の福田、無量の果報を収穫、清浄;
  • 有為法:念念に生滅、相続して断絶しない、果報は失われない。
  • 三解脱門:空解脱門、無相解脱門、無作解脱門。
  • この一善根を仏の福田に殖えて、阿耨多羅三藐三菩提に至るまで尽きない。
善根*、綖、良美、鹹土、溝港、垣墻

初品中諸仏称讃其命釈論第四十七
1.十方の諸仏に、名を称讃される
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲令十方諸佛稱讚其名。當學般若波羅蜜
  • 仏法の二門:第一義門、世俗法門;
  • 仏に讃歎される菩薩:畢竟して阿鞞跋致、阿耨多羅三藐三菩提;
  • 仏の以外の人は、貪欲瞋恚愚癡に心を覆われているので、如実に讃歎できない。
  • 仏は衆生を憐愍して大悲心で一切を引導するが故に善人を分別して讃える。
  • 未だ無生忍を得ていなくとも、大慈悲が有り、衆生の為に内外の所有、貴ぶ所を悉く施与する者を讃歎する。
仮名*、実過*、薩陀波崙*

2.一発意して、十方の世界に至る
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲一發意至十方如恒河沙等世界。當學般若波羅蜜
  • 身に通変化力を得て、十方の恒河沙等の身と作り、十方の恒河沙等の世界に一時に到る。
  • 五事不思議:衆生の多少、業の果報、坐禅人の力、諸龍の力、諸仏の力;
  • 菩薩は深い禅定に入って不可思議の神通を生じるが故に、一念の中に悉く十方の諸仏の世界に到る。
四種神通、劫寿

3.一音を発して、十方の世界に声を聞かせる
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲發一音使十方如恒河沙等世界聞聲。當學般若波羅蜜
  • 六神通を得て、梵声の相を増長する。
  • 仏の音声:――
  • 密中の音声、不密の音声;
  • 不密の音声は仏の辺に至ってようやく聞こえる。
  • 三種の仏菩薩の音声:――
  • 先世に種えた善声の因縁の故に咽喉中に微妙な四大を得る。
  • 神通力を以って出す音声。
  • 十方の虚空に遍満する仏の音声。
密*、其所*、諸仏六十種極遠無量音声*、六十四梵音*

4.仏世界を断じさせない
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲使諸佛世界不斷者。當學般若波羅蜜
  • 菩薩は国国相い次いで、衆生をして発心作仏せしむ。
  • 菩薩は、衆生の中で仏道を讃歎し、衆生に阿耨多羅三藐三菩提の心を発させ、六波羅蜜を行わせ、諸の世界にて各各仏と作らせる。
  • 菩薩は、疾かに智慧を集め、具足して仏と作り、無量の衆生を度し、涅槃に入り、時に菩薩の為に受記する。
  • 有仏の世界を貴んで、無仏の世界を賎しむ。
有益*、不然*、称*、利益*、国祚、致問*



大智度論巻第三十一(上)
釋初品中十八空義第四十八
1.十八空
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩。欲住內空外空內外空空空大空第一義空有為空無為空畢竟空無始空散空性空自相空諸法空不可得空無法空有法空無法有法空。當學般若波羅蜜
  • 内空:内法が空;内法:眼耳鼻舌身意。
  • 外空:外法が空;外法:色声香味触法。
  • 内外空:内外十二入が空。
  • 何故十八空か?
  • 般若空と十八空。
十八空*:内空、外空、内外空、空空、大空、第一義空、有為空、無為空、畢竟空、無始空、散空、性空、自相空、諸法空、不可得空、無法空、有法空、無法有法空;内法、眼法、色法、三結、四流、五蓋

2.内空、外空、内外空
  • 内空、外空、内外空に住まる:四顛倒を破る為、四念処の十二観を修める。
  • 内法:内心相応の想衆、行衆。
  • 外法:外心相応の想衆、行衆、及び心不相応諸行、及び無為法。
  • 法念処:身受心、及び想衆行衆を総じて観る。
  • 空:空三昧が身受心法に縁じ、故に我我所が不可得。
十二種観、三十六種不浄、九孔、三受*:苦受、楽受、捨受;外入、内受*、念*、心意*、等観*、屐*

3.空空、大空、第一義空
  • 衆生空:小乗の弟子の鈍根故に。
  • 法空:大乗の弟子の利根の故に。
  • 衆生空=声聞:内空:自身の無我無我所。
  • 外空:他身の無我無我所。
  • 法空=大乗:内法中に内法の相無く、外法中に外法の相無し。
  • 空を以って、内空、外空、内外空を破る。
  • 空:空三昧で五衆の空を観、八聖道を得て、諸の煩悩を断ち有余涅槃に入る。
  • 空空:先世の業の因縁で身命の尽きる説き、八聖道を放捨しようとして空空三昧を生じる。
  • 空:五受衆を破る。空空:空を破る。
  • 声聞法:大空=法空。
  • 摩訶衍:大空=十方相の空。
  • 方空を以って東方を破らなければ、則ち東方の心に随い、心が随って已まざれば慈心滅して邪心生ず。
  • 第一義=諸法実相=空、不受、不著の故に。
  • 著を破るために、涅槃空を説く。
方*、三無為*:虚空無為、択滅無為、非択滅無為;微細*、械*、名*

4.有為空、無為空、畢竟空
  • 有為:因縁和合の生、五衆、十二入、十八界等。
  • 有為の相:生、滅、住、異。
  • 無為の相:不生、不滅、不住、不異。
  • 無為法に相が有れば、則ち有為法。
  • 有為、無為の法は相待するが故に合せて説く。
  • 畢竟空:有為空、無為空を以って諸法を破り、遺余を無からしむ。
  • 本より已来、定んで実に不空なる者の有ること無し。
  • 七日喩経:三千大千世界の一切が燃え尽きて灰炭無し。
  • 愛多い者:無作解脱門を説く。
  • 見多い者:直ちに畢竟空を説く。
心意識*、相応*、不相応*、始*、冥初*、法住*、法相*、相待*、熾然*、光音天*、将*、復*、須涅多羅*、四梵行*、四行、有為無漏法*


大智度論巻第三十一(下)
釈初品中十八空義第四十八之餘
1.無始空、散空
  • 世間の衆生、及び法には始が無い。
  • 無始は実である?破れない?
  • 何故に無始を破る?
  • 散とは、別離の相をいう。
為*、毘富羅山*、籌*、辺*、語言*、諦*、生老住無常、羅陀、台殿、閭里、宮舎、踏壊

2.性空、自相空
  • 諸法の性は常に空であるが、業の相続の故に不空に似る。
  • 性空と畢竟空の差別:――
  • 性空は多く菩薩の所行;
  • 畢竟空は多く諸仏の所行。
  • 総性、別性:――
  • 総性:無常、苦、空、無我等;
  • 別性:地の堅相、火の熱相、水の湿相、風の動相等;
  • 一切法の二種の相、総相と別相は、倶に空である。
  • 性と相の差別。
仮*、業*、性*、積習*、造色*、熱*、割截、染衣、周羅*、三奇杖、智*、慧*、発懃*、摂心*、法体*

3.諸法空、不可得空
  • 一切法:五衆、十二入、十八界等は空である。
  • 一切法の相:有相、知相、識相、縁相、増上相、因相、果相、総相、別相、依相;
  • 相は定まらないが故に相であるはずがない。
  • 五衆、十二入、十八界の中には我法、常法は得られない。
  • 諸の因縁の中に方を求めても得られない。
  • 不可得:智力が少い?実に無い?
  • 行者は不可得空を得れば、三毒、四流、四縛、五蓋、六愛、七使、八邪、九結、十悪の諸の弊悪垢結等を得ない。
入*、縁*、増上*、纏裹、焼煮、非智縁滅*、非*、囲、先尼梵志*、強論梵志、無所有*、四流*:欲流、有流、見流、無明流;、四縛*:欲愛身縛、瞋恚身縛、戒盗身縛、我見身縛;五蓋*:貪欲蓋、瞋恚蓋、惛眠蓋、掉挙悪作蓋、疑蓋;六愛*色愛、声愛、香愛、味愛、触愛、法愛;七使、八邪*:邪見、邪思惟、邪語、邪業、邪命、邪方便、邪念、邪定;九結、五無学衆:戒、定、慧、解脱、解脱知見;六捨法*:色捨、声捨、香捨、味捨、触捨、法捨;十無学法*:無学正見、無学正思惟、無学正語、無学正業、無学正命、無学正精進、無学正念、無学正定、無学正解脱、無学正智;

4.無法空、有法空、無法有法空
  • 無法空:法がすでに滅して無い。
  • 有法空:因縁和合の生の故に有法が無い。
  • 無法有法空:無法、有法の相は得られない。
  • 有法空:一切法の生時、住時を破る。
  • 無法空:一切法の滅時を破る。有法無法空:生滅を一時に倶に破る。
  • 無法空:過去未来の法空。
  • 有法空:現在の法、及び無為法の空。
  • 無法:無為法、生住滅無いが故に。
  • 有法:有為法、生住滅有るが故に。
有法*、無法*



大智度論巻第三十二(上)
釈初品中の四縁義第四十九
1.【經】因緣、次第縁、縁縁、増上縁
【經】菩薩摩訶薩。欲知諸法因緣次第緣緣緣增上緣。當學般若波羅蜜
  • 因縁:相応因、共生因、自種因、遍因、報因;
  • 次第縁:阿羅漢の心心数法を除く諸余の心心数法;
  • 縁縁:一切法;
  • 増上縁:一切法;
  • 四縁の自相、共相。
  • 相応因:互いに相応する心心数法;
  • 共生因:互いに助け合う心心数法;
  • 自種因:善因善果、悪因悪果、無記因、無記果;
  • 遍因:一切の垢法;
  • 報因:行業の因縁;
  • 次第縁:次第に相続する心心数法;
  • 縁縁:色等の六塵;
  • 無障:諸法は生じる時相い障礙しない;
  • 菩薩は般若波羅蜜を行じて四縁を観察し、而も心が著さない。
  • 阿毘曇の四縁の義は初学には実を得るが如きも、深くも止めて邪見に入る。
因縁*、次第縁*、縁縁*、増上縁*、四縁*:因緣、等無間縁、所縁縁、増上縁;四縁*:因緣、次第縁、縁縁、増上縁;六因*:能作因、相応因、共生因、自種因、遍因、報因;六因*:能作因、俱有因、同類因、相応因、遍行因、異熟因;因縁*、四大縁*、縁縁*、増上縁*、無障因*、共生因*、自種因*、相応因*、遍因*、報因*、能作因*、俱有因*、同類因*、相応因*、遍行因*、異熟因*、所属*、所依*、共生*、親友*、知識*、佐助*、成済*、無間*、障礙*、報生、不隠没無記*、隠没無記*、有覆無記*、無覆無記*、所因*、生*

2.【經】諸法の如、法性、実際
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲知一切諸法如法性實際。當學般若波羅蜜。舍利弗。菩薩摩訶薩應如是住般若波羅蜜
  • 諸法の如、二種:各各相、実相;各各相:一切の別相;
  • 法性、二種:無著心で諸法を分別すること、無量の法即ち諸法の実相;
  • 実際:法性を実証と為すが故に際と為す。阿羅漢の住する実際。
  • 如、法性、実際は皆諸法の実相の異名。
  • 声聞法中には少しだけ、如、法性、実際を説く。
  • 如:三世に平等であるもの。
  • 諸法の実相中には三世は等一無異。
  • 過去の如、未来の如、現在の如、如来の如は一如、無異。
  • 法性:法:涅槃の不可壊不可戯論、性:本分の種;
  • 一切の総相別相は皆法性に帰って一相となる。
  • 諸法を智慧で分別推求しおわり、如の中に到って自性に入り、如の本末が生じて、諸の戯論が滅する。
  • 実際:実:法性;際:入、処。
  • 一一法に九種有り:体が有る。各各に法が有る。各各に力が有る。各自の因が有る。各自の縁が有る。各自の果が有る。各自の性が有る。各自の限礙が有る。各各に開通の方便が有る;
  • 下の如:法の各各に体、法が具足して有ると知る。
  • 中の如:九法は終に変異し滅尽に帰すと知る。
  • 上の如:法の非有非無、非生非滅を知り、諸の観法が滅して究竟じて清浄となる。
  • 法性に入る:実証は無明と合するが故に不清浄となり、無明等を除却することにより真性を得る;
  • 諸法の実相中に常楽我淨の有ること無しと知り、また諸の観法を捨てるに、一切の観法滅して諸法は実に涅槃の如く、不生不滅であるとし、如の本末が生じる。
  • 如は実に常住する。
  • 法性:無量無辺にして心心数法の量る所に非ず。
  • 真際:妙がここに極まる。
如*、法性*、実際*、如*、実際*、法性*、不可破*、無過失*、方*、差品*、法位*、法位*、開示*、事*、用*、相*、作用*、生法*、法*、性*、大冶*、金剛*、金剛地*、漸漸*、犢子、周慞、嗚呼、力*、体*、開通*、常住*、不動*、転異*、邪曲*、発引*、所至、羅漢*、懸*、妙*、真際*

3.四大に於いて自在である
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲數知三千大千世界中大地諸山微塵。當學般若波羅蜜。菩薩摩訶薩欲析一毛為百分。欲以一分毛盡舉三千大千世界中大海江河池泉諸水而不擾水性者。當學般若波羅蜜。三千大千世界中諸火一時皆然。譬如劫盡燒時。菩薩摩訶薩欲一吹令滅者。當學般若波羅蜜。三千大千世界中諸大風起。欲吹破三千大千世界及諸須彌山如摧腐草。菩薩摩訶薩欲以一指障其風力令不起者。當學般若波羅蜜
  • 六度等の功徳を讃歎せず、何故、この大力を讃歎する?
  • 二種の衆生:善法を楽しむ、善法の果報を楽しむ。
  • 心力は大であり、般若波羅蜜を行うが故に大地を散じて微塵と為す。
四大*、名*、悉*、一石、塵*、羅睺阿修羅王、増広*、形質*、禅定*、護世天主、水渧、渧渧、衆生数*、非衆生数*、数*、相(あい)*


大智度論巻第三十二(下)
釈初品中の四縁義第四十九

1.一結跏趺坐して、三千世界中の虚空に遍満する
【經】菩薩摩訶薩欲一結加趺坐遍滿三千大千世界中虛空者。當學般若波羅蜜
  • 神通力の中に於いて巧みに方便するが故に一が多と為り、多が一と為り、小が大と為り、大が小と為る。
  • 諸の鬼神、龍王の衆生を悩乱するのを遮るための故に坐して虚空に満ち、衆生を安穏にする。
兵仗、難陀婆難陀龍王兄弟*

2.一毛を以って、三千世界中の諸須弥山王を擲つ
【經】復次菩薩摩訶薩。欲以一毛舉三千大千世界中諸須彌山王。擲過他方無量阿僧祇諸佛世界不擾眾生者。當學般若波羅蜜
  • 何故須弥山を挙げて擲つのか?
  • 必ずしも挙げた者が有るわけではなく、菩薩の力はこれを挙げることができると明すのみ。
平整*、平治*

3.一食を以って、十方の諸仏及び僧を供養する
【經】欲以一食供養十方各如恒河沙等諸佛及僧。當學般若波羅蜜。欲以一衣華香瓔珞末香塗香燒香燈燭幢幡華蓋等。供養諸佛及僧。當學般若波羅蜜
  • 何のようにして一食を以って諸仏を供養するのか?
  • 供養の功徳は心に在り、事に在るのではない。
  • 諸仏は一切智有るが故に皆が見、皆が受けるが、僧には一切智が無い、何のように見て、何のように受けるのか?
  • 僧が見ることなく、知ることがなくとも、その供養の施者は福を得る。

4.十方の衆生に悉く戒、三昧、智慧等を具足させる
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲使十方各如恒河沙等世界中眾生。悉具於戒三昧智慧解脫解脫知見。令得須陀洹果斯陀含果阿那含果阿羅漢果。乃至令得無餘涅槃。當學般若波羅蜜
  • 二種の須陀洹果:三結等を断じて無為果を得る、信行法行の者が道比智の中に住して須陀洹果の証を得る。
  • 須陀洹とは、
  • 斯陀含とは、
  • 阿那含とは。
  • 九種阿羅漢:退法、不退法、死法、護法、住法、勝進法、不壊法、慧解脱、倶解脱。
五衆、須陀洹*、三結、八十八結*、八十八使見惑*、見惑*、信行、法行、道比智、須陀洹、般那、息忌、伽弥、斯陀含*、阿那、阿那含*、来生*、阿那伽弥*、中陰*、九種阿羅漢*、九無学*、願智、無諍三昧

5.般若波羅蜜を行じて、布施の功徳を分別する
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜布施時應作如是分別。如是布施得大果報。如是布施得生剎利大姓婆羅門大姓居士大家。如是布施得生四天王天處三十三天夜摩天兜率陀天化樂天他化自在天。因是布施得入初禪二禪三禪四禪無邊空處無邊識處無所有處非有想非無想處。因是布施能生八聖道分。因是布施能得須陀洹道乃至佛道。當學般若波羅蜜
  • 菩薩摩訶薩は諸法の実相は無取無捨無所破壊と知り、不可得の般若波羅蜜を行い、大悲心を以って福行を修める。
  • 福行の初門は先ず布施を行う。
  • 舎利弗が仏に一鉢の飯を捧げると、仏はそれを狗に迴施した。
  • 大福は心に従って生じ、田に在るのではない。
  • 良田は福を多く得るとはいえ、心には及ばない。
  • 億耳阿羅漢は昔、一華を仏塔に施して、九十一劫人天の楽を受け、余の福徳力で阿羅漢を得た。
  • 阿輸迦法は小児の時、土を仏に施して後に閻浮提の王となり、八万の塔を起てて最後に道を得た。
  • 何故布施すると、刹利の家に生まれて乃至仏を得るのか?
  • 布施して婆羅門に生まれる因縁、刹利に生まれる因縁、居士に生まれる因縁、四天王天に生まれる因縁、三十三天に生まれる因縁、夜摩天に生まれる因縁、兜率陀天に生まれる因縁、化楽天に生まれる因縁、他化自在天に生まれる因縁、初禅乃至非有想非無想天に生まれる因縁、須陀洹果乃至仏道を得る因縁。
刹利*、居士*、四姓*:婆羅門、刹帝利、吠奢、首陀羅;億耳、二十億耳、阿輸迦王、四天王処、志願*、是処*、梵世天、広果天、悪厭*、憒鬧*、閑静*、好楽*

6.布施する時、檀乃至般若波羅蜜を具足する
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜布施時。以慧方便力故能具足檀波羅蜜尸羅波羅蜜羼提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪波羅蜜般若波羅蜜。舍利弗白佛言。世尊。菩薩摩訶薩云何布施時以慧方便力故。具足檀波羅蜜乃至般若波羅蜜。佛告舍利弗。施人受人財物不可得故。能具足檀波羅蜜。罪不罪不可得故。具足尸羅波羅蜜。心不動故具足羼提波羅蜜。身心精進不懈息故。具足毘梨耶波羅蜜。不亂不味故。具足禪波羅蜜。知一切法不可得故。具足般若波羅蜜
  • 慧の方便力とは、三事の不可得。
  • 二種の不可得:得る不可得、得ない不可得。
  • 慧の方便力:――
  • 布施する時、諸の煩悩を壊る;
  • 一切の衆生に大悲心を起して布施する;
  • 過去、未来に無量の修める所の福徳の布施を阿耨多羅三藐三菩提に迴向する;
  • 一切の十方三世の諸仏、及び弟子の所有の功徳を憶念し、随喜して布施し、阿耨多羅三藐三菩提に迴向する。
慧*、方便*、方便力*、慧方便*

7.過去、未来、現在の諸仏の功徳を得る
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲得過去未來現在諸佛功德者。當學般若波羅蜜
  • 三世の仏の功徳を得るのではなく、三世の仏の功徳のように減少する所の無いものを得る。
  • 仏の功徳は、皆等しく多少が無い。
  • 諸仏の世界は種種であり浄も不浄も有る。
  • 釈迦文仏には、更に阿弥陀仏の国の如き清浄の世界が有る。
  • 阿弥陀仏にも、また釈迦文仏の如く厳浄、不厳浄の世界が有る。
岠峨*、施作*、安居*、自恣*、施作、廁溷、懃求、拯跋



大智度論巻第三十三(上)
釈初品中到彼岸義第五十
1.有為、無為の彼岸に到る
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲到有為無為法彼岸者。當學般若波羅蜜
  • 彼岸:有為法と無為法を尽く知る

2.諸法の如、法相、無生の際を知る
【經】菩薩摩訶薩欲知過去未來現在諸法如諸法法相無生際者。當學般若波羅蜜
  • 三世は、皆如である。
  • 法相とは法性であり、無生際とは実際である。
  • 過去、未来、現在の如は皆同じ。
  • 三世は一相であり、無相である、これを無生の相という。
如*、法性*、実際*、法相*、非一非異*、一異*、究竟*

3.諸仏に給侍して、内眷属と為り、大眷属、菩薩眷属を得る
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲在一切聲聞辟支佛前。欲給侍諸佛。欲為諸佛內眷屬。欲得大眷屬。欲得菩薩眷屬。欲得淨報大施。當學般若波羅蜜
  • 菩薩は初めて意を発して已来、常に一切の声聞、辟支仏の前に在る。
  • 菩薩は乃ち畜生の中に生まれるに至るまで、衆生に尊重される。
  • 阿羅漢、辟支仏に有る無漏の利益は少し。
  • 内眷属。
  • 大眷属。
  • 浄報施福。
給侍*、給使*、推崇、宗事、興顕、羅漢*、四事供養、供養*、文殊師利*、車匿*、優陀耶*、迦留陀夷*、戯笑*、瞿毘耶*、瞿夷*、耶輸陀*、耶輸陀羅*、弥喜、羅陀、密跡力士、舎利弗、目揵連、摩訶迦葉*、須菩提、迦栴延、富楼那*、富楼那弥多羅尼子*、阿尼廬豆*、阿[少/兔]楼駄*、弥勒、颰陀婆羅*、賢護菩薩*、法性生*、法性生身*、随世間*、信施*、真際*、実際*

4.慳貪、破戒、瞋恚、懈怠、散乱、愚癡の心を起さない
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲不起慳心破戒心瞋恚心懈怠心亂心癡心者。當學般若波羅蜜
  • 慳貪
  • 破戒
  • 瞋恚
  • 懈怠
  • 散乱
  • 愚癡
障蔽*、見*、苦器*、悩*、刑戮*、志願*、勝事*、鑚火、善知*、世間近事*

5.衆生を布施、持戒、修定、勧導の福処に立たせる
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲使一切眾生立於布施福處持戒福處修定福處勸導福處。欲令眾生立於財福法福處。當學般若波羅蜜
  • 布施の福処:財施、法施
  • 持戒の福処:不殺戒等
  • 修定の福処:慈
  • 勧導の福処:教化、勧導
福処*、不隠没無記、能作縁、得修、行修、身証、慧証、思*、訶罵、伴党、貴勝*、巻要*、遠行来、曠路、韋羅摩菩薩*、荘飾*、須帝隷拏菩薩*、須大拏菩薩*、薩婆達多*、尸毘王*、須弥陀比丘尼、同学*、迦那伽牟尼仏*、施婆羅門、末利夫人*、須菩提、波斯尼示王、迦栴延、尸婆、栴陀波周陀王、鬱伽陀居士、賈客*、卒伽陀、四無量、勧導、引致、勧化、遍吉菩薩*、普賢菩薩*


大智度論巻第三十三(下)
釈初品中到彼岸義第五十
1.五眼とは
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲得五眼者。當學般若波羅蜜
  • 五眼:肉眼、天眼、慧眼、仏眼。

2.諸仏を見、諸仏の法を聞き、諸仏の心を知る
【經】菩薩摩訶薩。欲以天眼見十方如恒河沙等世界中諸佛。欲以天耳聞十方諸佛所說法。欲知諸佛心。當學般若波羅蜜
  • 天眼の見る所は三千大千世界を過ぎず。
  • 般若波羅蜜の力を以っての故に、十方恒河沙等の世界を見る。
  • 般舟三昧との違い。
  • 般若波羅蜜は無礙の相であり、麁細、深浅、聖愚は都て差別無く、仏心の如と菩薩心の如とは、一如であり無異である。
不隠没無記*、無覆無記*

3.諸仏の法を聞いて、忘れない
【經】欲聞十方諸佛所說法。聞已乃至阿耨多羅三藐三菩提不忘者。當學般若波羅蜜
  • 菩薩は聞持陀羅尼の力を以っての故に、憶念して忘れず。
  • 般若波羅蜜の器は大であるが故に、諸仏の法を受持して忘れない。
聞持陀羅尼、弥満

釋初品中見一切佛世界義第五十一之一
1.過去、未来、現在の諸仏の世界を見る
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲見過去未來諸佛世界。及見現在十方諸佛世界。當學般若波羅蜜
  • 十方の仏を見ると、十方の世界を見る。
  • 見過去未来三昧、不滅際三昧。
聴*、眼智明覚

2.諸仏の法を、尽く誦して、受持する
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲聞十方諸佛所說十二部經修多羅.祇夜.受記經.伽陀.優陀那.因緣經.阿波陀那.如是語經.本生經.廣經.未曾有經.論議經。諸聲聞等聞與不聞盡欲誦受持者。當學般若波羅蜜
  • 十二部経:修多羅、祇夜、受記経、伽陀、優陀那、因縁経、阿波陀那、如是語経、本生経、広経、未曽有経、論議経;
十二部経*:修多羅*、祇夜*、受記*、伽陀*、優陀那*、尼陀那*、阿波陀那*、如是語*、本生*、広経*、未曽有*、論議*;踹、髀、齊、経行*、毘舎佉堂、長阿波陀那経、大阿波陀那、億耳阿波陀那、二十億阿波陀那、欲阿波陀那、菩薩阿波陀那、許*、一目多迦*、目多迦*、疲倦、減省、駕乗、疲極、鞞婆尸仏、悪罵、禿輩、好人*、孤負*、言信、黄白痿熱、罥*、行処*、非人*、有*、扶持*、優波提舎*、像法*、正像末*、一乗世界、無*、久久*



大智度論巻第三十四(上)
釋初品中見一切佛世界義第五十一之餘
1.十方現在の諸仏の所説の法を聞き、信持、自行して、他人に説く
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩十方如恒河沙等世界中諸佛所說法。已說今說當說。聞已欲一切信持自行亦為人說者。當學般若波羅蜜
  • 十二部経は仏の法であり、声聞の聞かない所に及ぶ。
信持*、信受*、受持*

2.十方過去未来の諸仏の所説の法を聞き、自利し、利他する
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩過去諸佛說已。未來諸佛當說。欲聞聞已自利亦利他人。當學般若波羅蜜
  • 何のようにして、過去、未来の諸仏の所説を聞く?

3.十方の諸世界の闇処を、光明を持して、普く照らす
【經】十方如恒河沙等諸世界中間闇處日月所不照。欲持光明普照者。當學般若波羅蜜
  • 菩薩は何業の因縁の故に、身光を得たのか?
普*、次後*、降神*、少光、大光、光音、戸嚮*、火一切入*

4.仏法僧の名無き世界の衆生に正見を得させ、三宝の音を聞かせる
【經】十方如恒河沙等世界中無有佛名法名僧名。欲使一切眾生皆得正見聞三寶音者。當學般若波羅蜜
  • 菩薩は、先に三宝の無い処に塔を起て、その業の因縁を以って、身に力を得て成就し、仏法僧の無い処に於いて、三宝を讃歎して、衆生を正見に入れる。

5.十方の盲、聾、狂、裸、飢渴の衆生に視、聴、念、衣、食を得させる
【經】菩薩摩訶薩欲令十方如恒河沙等世界中眾生。以我力故盲者得視聾者得聽狂者得念裸者得衣飢渴者得飽滿者。當學般若波羅蜜
  • 菩薩は無礙の般若波羅蜜を行じて、もしくは無礙解脱を得て仏に成り、もしくは法性生身の菩薩と作る。
法性生身*

6.十方の三悪趣に在る者に、人身を得させる
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩若欲令十方如恒沙等世界中眾生諸在三惡趣者。以我力故皆得人身者。當學般若波羅蜜
  • 菩薩は自らの力の因縁を以って、云何にして三悪道の衆生に皆人身を得しむるのか?
  • 菩薩の恩力の因縁の故に、得しむる。
  • 天上でなく、人身を得るとは?

7.十方の衆生を戒、三昧、智慧、解脱、解脱知見に立たせる
【經】欲令十方如恒河沙等世界中眾生。以我力故立於戒三昧智慧解脫解脫知見。令得須陀洹果乃至阿耨多羅三藐三菩提者。當學般若波羅蜜
  • 五衆、道果はすでに説かれた、何故また説くのか?

8.諸仏の威儀を学ぶ
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲學諸佛威儀者。當學般若波羅蜜
  • 諸仏の威儀?
四指*、指*

9.象王のように視観し、諸天衆に恭敬、囲繞されて菩提樹下に至る
【經】復次菩薩摩訶薩欲得如象王視觀者。當學般若波羅蜜。菩薩作是願。使我行時離地四指足不蹈地。我當共四天王天乃至阿迦尼吒天無量千萬億諸天眾圍繞恭敬至菩提樹下者。當學般若波羅蜜
  • 象王の如く観る?
  • 諸天が侍送して、刹利、婆羅門等の人は侍送しないのか?
阿迦尼吒*、専一*、搏撮*、壯勢*、尼陀阿波陀那*、尼陀*、阿波陀那、帰附*、常法*、見

10.菩提樹下に坐す時、諸天は座に天衣を敷く
【經】我當於菩提樹下坐。四天王天乃至阿迦尼吒天以天衣為座者。當學般若波羅蜜
  • 菩提樹の下に敷いたのは、草ではないか?
  • 声聞経は草、摩訶衍経は衆生の見る所に随う。
綩綖*、斤*、両*、銖*、一生、二生

11.阿耨多羅三藐三菩提を得た時、行住坐臥の処が金剛と為る
【經】我得阿耨多羅三藐三菩提時。行住坐臥處欲使悉為金剛者。當學般若波羅蜜
  • 何故、仏の四威儀の中に、地が悉く金剛となるのか?

12.出家した日に、即ち阿耨多羅三藐三菩提を成ずる
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩欲出家日即成阿耨多羅三藐三菩提。即是日轉法輪。轉法輪時無量阿僧祇眾生遠塵離垢。諸法中得法眼淨。無量阿僧祇眾生一切法不受故。諸漏心得解脫。無量阿僧祇眾生於阿耨多羅三藐三菩提得不退轉者。當學般若波羅蜜
  • 出家したその日に道を成じて法輪を転ずるとは?
為、大通恵*、大通慧*、須扇多、受化*、滅度*、厳浄*


大智度論巻第三十四(下)
釋初品中見一切佛世界義第五十一之餘
1.無量の声聞に、一説法して阿羅漢を得させる
【經】我得阿耨多羅三藐三菩提時。以無量阿僧祇聲聞為僧。我一說法時便於座上盡得阿羅漢者。當學般若波羅蜜
  • 諸仏は、各各声聞を以って僧と為し、限数が有る。
僧*、僧佉*

2.無量の菩薩に、一説法して阿鞞跋致を得させる
【經】我當以無量阿僧祇菩薩摩訶薩為僧。我一說法時無量阿僧祇菩薩皆得阿鞞跋致
  • ある仏は、初めて法輪を転ずる時、阿鞞跋致を得る人が無い。
次第坐*

3.無量の寿命を得て、光明を具足する
【經】欲得壽命無量光明具足者。當學般若波羅蜜
  • 諸仏は各寿命に長短がある。
  • 諸法の実相の智慧は真実不誑なるが故に長寿の因縁である。
  • 菩薩は般若波羅蜜と持戒の諸功徳と和合するが故に、無量の長寿を得る。
  • 菩薩は願って悪世に生まれる。
  • 阿難は心に、然灯仏等は好世に出世して寿命の極めて多きが故に仏事を具足するも、釈迦文仏は悪世に出世し寿命の極めて短きが故に仏事を具足できないのではないか?と思う。
鞞婆尸、拘楼餐陀、迦那伽牟尼、迦葉、隠蔵*、顕現*、婆伽梵、乃爾、不肯*、然*

釋初品中信持無三毒義第五十二
1.世界中に婬欲、瞋恚、愚癡無く、三毒の名すら無し
【經】我成阿耨多羅三藐三菩提時。世界中無有婬欲瞋恚愚癡。亦無三毒之名。一切眾生成就如是智慧善施善戒善定善梵行善不嬈眾生者。當學般若波羅蜜
  • ある仏の世界は、純ら諸欲の人であり、この衆生の為の故に三毒無しと願う。

2.般涅槃の後、法の滅尽無く、滅尽の名すら無し
【經】使我般涅槃後法無滅盡。亦無滅盡之名。當學般若波羅蜜
  • 仏ですら滅度するのに、法が滅尽しないとは?
  • 諸法の実相は仏法であり、この実相は不生不滅、不断不常であり、涅槃の相の如きであるが故に、滅尽無し。

3.世界中の衆生、我が名を聞いて、阿耨多羅三藐三菩提を得る
【經】我得阿耨多羅三藐三菩提時。十方如恒河沙等世界中眾生聞我名者。必得阿耨多羅三藐三菩提。欲得如是等功德者。當學般若波羅蜜
  • 二種の仏:法性生身の仏、衆生の優劣に随って現化する仏。
  • 法性生身の仏を説くが故に、乃至名を聞いて度を得ると説く。
  • 衆生に随って身を現す仏の故に、仏と共に住しても、業の因縁に随って、地獄に堕ちる者が有ると説く。
  • 法性生身の仏:事の済わざる無く、願の満たさざる無し。
  • 釈迦文仏の本誓:悪世に出でて、道法を以って衆生を度脱する。
  • 提婆達は鉄の模を作り、それを焼いて千輻輪相を足下に作ろうとした。
  • 名を聞く:道を得る因縁であり、道を得ることではない。
  • 般若波羅蜜:諸仏の母、般舟三昧:諸仏の父。
  • 三昧:乱心を摂持して、智慧を助けて成らせるが、諸法の実相を観ない。般若波羅蜜:諸法を観て、実相を分別する、功徳大。
  • 般若波羅蜜:種種の画彩を摂持する膠。
  • 五波羅蜜:般若を離れては波羅蜜と名づけず。
値*、倶迦利、訶多釈子、喜見薬、用心*、咎*、指示*、須達長者、詣*、仏所*、貰夷羅、鶏泥耶、淳熟*、癰*、白氎*、氎*、薩陀波崙、功*、般舟三昧、中用*、坏瓶、盛水、熟瓶



大智度論巻第三十五(上)
釈報応第二
1.四天王が歓喜して、四鉢を奉上する
【經】佛告舍利弗。若菩薩摩訶薩行般若波羅蜜能作是功德。是時四天王皆大歡喜意念言。我等當以四缽奉上菩薩。如前天王奉先佛缽
  • 菩薩が般若波羅蜜を行じて、これ等の功徳を作すならば、四天王は、皆歓喜して、四鉢を奉る。
  • 般若波羅蜜の二種の果:仏と成って衆生を度す;世間の果報を受けて転輪聖王、梵天、帝釈と作る。
  • 菩薩が六波羅蜜を増益する時、諸天世人は何の因縁の故に喜ぶ?
  • 魚子、菴羅樹の華、発心の菩薩の三事:因時多く、成果少し。
遍*、辦*、成就*、躬*、偏*、胤流*、揣食*

2.三十三天等が、転法輪を請う
【經】三十三天乃至他化自在天。亦皆歡喜意念言。我等當給侍供養菩薩。減損阿修羅種增益諸天眾。三千大千世界四天王天乃至阿迦尼吒天。皆大歡喜意念言。我等當請是菩薩轉法輪
  • 三十三天、乃至他化自在天:菩薩に給侍、供養する。
  • 菩薩に転法輪を請ず。

3.諸善男子、善女人が歓喜して、菩薩の父母等に作る
【經】舍利弗。是菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。增益六波羅蜜時。諸善男子善女人各各歡喜意念言。我等當為是人作父母妻子親族知識
  • 善男子、善女人と説いて、善の二根、無根の者を説かない?
  • 善の相:悪罵を忍ぶ。
  • 菩薩は先世に国王太子と為り、閻浮提の人の貧窮を見て、如意宝珠を龍宮に求める。
  • 須摩提菩薩は、然灯仏を見て、須羅娑女より五茎の花を買う為の故に、女に世世妻たることを許す。
  • 妙光菩薩は、喜見婬女の園の中の蓮花に生まれた喜徳女を世世に妻とする。
黶子、邪曲、勉済、稠林、助天、可中*、五種邪語*:妄語、悪口、不時語、悪心語、不利益語;尟少*、習近*、過度*、欲求、迎逆、前延、須摩提、須羅娑、要*、畜*、忠直、六十四能*、六十四書*、莫*、勿*、憂悔、山藪、淨居、戯楽、勧助、正士、奉事*、心志*、摂治、不可思議経、六宝、宝女、七宝*、来応*

4.四天王等は、菩薩に婬欲を離れさせようとする
【經】爾時四天王乃至阿迦尼吒天。皆大歡喜各自念言。我等當作方便令是菩薩離於婬欲。從初發意常作童真。莫使與色欲共會。若受五欲障生梵天。何況阿耨多羅三藐三菩提。以是故舍利弗。菩薩摩訶薩斷婬欲出家者。應得阿耨多羅三藐三菩提。非不斷欲
  • 世間の中に五欲第一、五欲の中に触第一。
  • 諸天は何のようにして、菩薩に婬欲を離れしむる?
  • 寧ろ利刀で身体を割截するも、女人と共に会する莫れ。
童真*、童真*、妓直、悪露、涕唾、流涎、塗漫、穢厭、妒忌、割截

5.菩薩には、父母等が有らねばならないのか?
【經】舍利弗白佛言。世尊。菩薩摩訶薩要當有父母妻子親族知識耶。佛告舍利弗。或有菩薩有父母妻子親族知識。或有菩薩從初發意斷婬欲。修童真行。乃至得阿耨多羅三藐三菩提不犯色欲。或有菩薩方便力故受五欲已。出家得阿耨多羅三藐三菩提
  • 三種の菩薩:――
  • 父母、妻子、親族、知識が有る;
  • 初発意より婬欲を断って童真行を修め、阿耨多羅三藐三菩提に至るまで、色欲を犯さず;
  • 方便力の故に五欲を受け、出家して阿耨多羅三藐三菩提を得る。

6.菩薩は、欲に染まることなく、五欲を毀訾する
【經】譬如幻師若幻弟子。善知幻法幻作五欲。於中共相娛樂於汝意云何。是人於此五欲頗實受不。舍利弗言。不也世尊。佛告舍利弗。菩薩摩訶薩以方便力故化作五欲。於中受樂成就眾生。亦復如是。是菩薩摩訶薩不染於欲。種種因緣毀訾五欲。欲為熾然。欲為穢惡。欲為毀壞。欲為如怨。是故舍利弗。當知菩薩為眾生故受五欲
  • 幻の譬喩を用いて、夢、化等を用いない?
毀訾*、熾盛、穢悪、毀壊*、可以*

7.菩薩摩訶薩は、何のように般若波羅蜜を行じるのか?
【經】舍利弗白佛言。菩薩摩訶薩云何應行般若波羅蜜。佛告舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。不見菩薩。不見菩薩字。不見般若波羅蜜。亦不見我行般若波羅蜜。亦不見我不行般若波羅蜜。何以故。菩薩菩薩字性空。空中無色無受想行識。離色亦無空。離受想行識亦無空。空即是色色即是空。空即是受想行識。受想行識即是空。
  • 般若波羅蜜を行う時:菩薩を見ず;菩薩の字を見ず;般若波羅蜜を見ず;われ般若を行うとも見ず、われ行わずとも見ず。
  • 空中:無色;無受想行識。
  • 色を離れてまた空無く;受想行識を離れてまた空無し。
  • 空は即ちこれ色、色は即ちこれ空;空は即ちこれ受想行識、受想行識は即ちこれ空。
  • ただ名字有るが故に菩提と謂い;名字有るが故に菩薩と謂い;名字有るが故に空と謂う。
分別*、憶想*、麁色*


大智度論巻第三十五(下)
大智度論釋習相應品第三之一
1菩薩、仏、般若波羅蜜、色等には名字が有るだけだ
【經】佛告舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。應如是思惟。菩薩但有字。佛亦但有字。般若波羅蜜亦但有字。色但有字。受想行識亦但有字。舍利弗。如我但有字。一切我常不可得。眾生壽者命者生者養育眾數人作者使作者起者使起者受者使受者知者見者。是一切皆不可得。不可得空故。但以名字說。菩薩摩訶薩亦如是行般若波羅蜜。不見我不見眾生。乃至不見知者見者。所說名字亦不可見
  • 菩薩は般若波羅蜜を行じて、我、我所、菩薩、仏、般若波羅蜜、色及び受想行識は但だ名字有るのみと知り、衆生、寿者、命者、生者、養育、衆数、人、作者、使作者、起者、使起者、受者、使受者、知者、見者を見ず。
我、衆生、寿者、命者、生者、養育、衆数、人、作者、使作者、起者、使起者、受者、使受者、見者、知者、者、況、五邪見*、五見*、官号、工能、智功

2.声聞、辟支仏の智慧の上を過ぎる
【經】菩薩摩訶薩作如是行般若波羅蜜。除佛智慧過一切聲聞辟支佛上。用不可得空故。所以者何。是菩薩摩訶薩諸名字法名字所著處亦不可得故。舍利弗。菩薩摩訶薩能如是行。為行般若波羅蜜。譬如滿閻浮提竹麻稻茅。諸比丘其數如是。智慧如舍利弗目連等。欲比菩薩行般若波羅蜜智慧。百分不及一。千分百千分乃至算數譬喻所不能及。何以故。菩薩摩訶薩用智慧度脫一切眾生故
  • 菩薩の智慧の勝れる理由:――
  • 大悲、般若波羅蜜;
  • 般舟三昧、方便;
  • 常に禅定に住する、能く法性に通達する;
  • 一切の衆生に代って苦を受ける、自ら一切の楽を捨てる;
  • 慈心に、怨無く恚無し、諸仏の功徳に至るまで、心著さず。
  • 譬喩の二種:物を仮りる、実の事。
以、楽*、仮*、現*、閻浮提*、富楼那、迦郗那、阿那律、揚化

3.菩薩の智慧を、三千世界を満たす舎利弗等と比較する
【經】舍利弗。置閻浮提滿中如舍利弗目連等。若滿三千大千世界。如舍利弗目連等。復置是事。若滿十方如恒河沙等世界。如舍利弗目連等智慧。欲比菩薩行般若波羅蜜智慧。百分不及一。千分百千分乃至算數譬喻所不能及
絶健、少衆、金剛珠、福祚*

4.一日般若を修する智慧は、一切の二乗の上を過ぎる
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜一日修智慧。出過一切聲聞辟支佛上

5.仏菩薩の智慧と二乗の智慧は、実に差別が無いのか?
【經】舍利弗白佛言。世尊。聲聞所有智慧。若須陀洹斯陀含阿那含阿羅漢辟支佛智慧佛智慧。是諸眾智無有差別。不相違背無生性空。若法不相違背無生性空。是法無有別異。云何世尊言。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜一日修智慧。出過聲聞辟支佛上
  • 須陀洹、斯陀含、阿那含、阿羅漢、辟支仏、諸仏の智慧の体性は、無生、性空で、皆同一不異。
  • 菩薩は、智慧の力で衆生を度す。
  • 愚癡と智慧とは般若波羅蜜の大海に入れば、一味一名となる。
体性、隨心*、因縁和合*、天子*

6.般若を行じて得る智慧は、一切の衆生を度する為
【經】佛告舍利弗。於汝意云何。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜一日修智慧。心念我行道慧益一切眾生。當以一切種智知一切法度一切眾生。諸聲聞辟支佛智慧為有是事不。舍利弗言。不也世尊
  • 四種論:必定論、分別論、反問論、置論。
  • 仏は、反問論を以って答えられた。
四種答*:随問答、分別答、反問答、置答;四答*、四記*、無畏太子、尼健子*、語*、矣*、還*、正実*、薩婆若

7.阿耨多羅三藐三菩提を得て、一切の衆生を度す
【經】舍利弗。於汝意云何。諸聲聞辟支佛頗有是念我等當得阿耨多羅三藐三菩提度一切眾生令得無餘涅槃不。舍利弗言。不也世尊。佛告舍利弗。以是因緣故。當知諸聲聞辟支佛智慧。欲比菩薩摩訶薩智慧。百分不及一。乃至算數譬喻所不能及
  • 菩薩は、阿耨多羅三藐三菩提を得て、一切の衆生を度し、無余涅槃を得させようと念ずる。

8.二乗は、一切の衆生を度することを念じない
【經】舍利弗。於汝意云何。諸聲聞辟支佛頗有是念。我行六波羅蜜成就眾生莊嚴世界具佛十力四無所畏四無礙智十八不共法度脫無量阿僧祇眾生令得涅槃不。舍利弗言。不也世尊
  • 菩薩は、六波羅蜜を行じて、衆生を成就し、世界を荘厳して、仏の十力、四無所畏、四無礙智、十八不共法を具え、無量阿僧祇の衆生を度脱して涅槃を得させようと念ずる。

9.声聞、辟支仏の智慧を、蛍火虫の力に譬える
【經】佛告舍利弗。菩薩摩訶薩能作是念。我當行六波羅蜜乃至十八不共法。成阿耨多羅三藐三菩提。度脫無量阿僧祇眾生令得涅槃。譬如螢火虫。不作是念。我力能照一閻浮提普令大明。諸阿羅漢辟支佛亦如是。不作是念。我等行六波羅蜜乃至十八不共法。得阿耨多羅三藐三菩提。度脫無量阿僧祇眾生令得涅槃

10.菩薩の智慧を、日の光明に譬える
【經】舍利弗。譬如日出時光明遍照閻浮提無不蒙明者。菩薩摩訶薩亦如是。行六波羅蜜乃至十八不共法。得阿耨多羅三藐三菩提。度脫無量阿僧祇眾生令得涅槃
日天子*、懈息、得所*



大智度論巻第三十六(上)
大智度論釋習相應品第三之餘
1.声聞、辟支仏地を過ぎて、仏道を浄める
【經】舍利弗白佛言。云何菩薩摩訶薩過聲聞辟支佛地。住阿鞞跋致地淨佛道
【經】佛告舍利弗。菩薩摩訶薩從初發意行六波羅蜜。住空無相無作法。能過一切聲聞辟支佛地。住阿毘跋致地淨佛道
  • 舎利弗の問い:何のように、菩薩摩訶薩は、声聞辟支仏の地を過ぎて、阿鞞跋致地に住して、仏道を浄めるのか?
  • 無作の法に住し、一切の声聞、辟支仏の地を過ぎて、阿鞞跋致地に住し、仏道を浄める。
  • 声聞、辟支仏:方便の力が無いが故に、三解脱門に入ると直ちに涅槃を取る。
  • 菩薩:方便の力があるが故に、三解脱門に住まって涅槃を見、慈悲心を以っての故に、心を転じて還た起たせる。
阿鞞跋致*、阿毘跋致*、阿惟越致*、拄*

2.声聞、辟支仏の為めに、福田と作る
【經】舍利弗白佛言。菩薩摩訶薩住何等地能為諸聲聞辟支佛作福田
【經】佛告舍利弗。菩薩摩訶薩從初發意行六波羅蜜。乃至坐道場。於其中間常為諸聲聞辟支佛作福田
【經】何以故。以有菩薩摩訶薩因緣故。世間諸善法生
  • 菩薩は、諸の声聞、辟支仏の為に福田と作る。
  • 菩薩の因縁有るが故に、世間の諸の善法が生ずる。

3.諸の善法は、菩薩の因縁の故に世に現れる
【經】何等是善法。所謂十善道五戒八分成就齋。四禪四無量心四無色定。四念處四正勤四如意足五根五力七覺分八聖道分。盡現於世。以菩薩因緣故。六波羅蜜十八空佛十力四無所畏四無礙智十八不共法大慈大悲一切種智。盡現於世。以菩薩因緣故。有剎利大姓婆羅門大姓居士大家四天王天乃至非有想非無想天。皆現於世。以菩薩因緣故。有須陀洹斯陀含阿那含阿羅漢辟支佛佛。皆現於世
【經】舍利弗白佛言。菩薩摩訶薩淨畢施福不。佛言。不也。何以故。本以淨畢故
【經】舍利弗。菩薩摩訶薩為大施主施何等施諸善法。何等善法。十善道五戒乃至十八不共法一切種智。以是施與
  • 菩薩の因縁に由り生ずる善法:十善道、五戒、八戒斎、四禅、四無量心、四無色定、四念処、四正勤、四如意足、五根、五力、七覚分、八聖道分;
  • 菩薩の因縁の故に世に現れる:六波羅蜜、十八空、十力、四無所畏、四無礙智、十八不共法、大慈大悲、一切種智;
  • 刹利大姓、婆羅門大姓、居士大家、四天王天乃至非有想非無想天;
  • 須陀洹、斯陀含、阿那含、阿羅漢、辟支仏、仏。
  • 菩薩は浄め畢って福を施すか?
種類法、菩薩法

4.般若波羅蜜と習応し、般若波羅蜜と相応する
【經】舍利弗白佛言。世尊。菩薩摩訶薩云何習應般若波羅蜜。與般若波羅蜜相應
【經】佛告舍利弗。菩薩摩訶薩習應色空。是名與般若波羅蜜相應。習應受想行識空。是名與般若波羅蜜相應。復次舍利弗。菩薩摩訶薩習應眼空。是名與般若波羅蜜相應。‥‥習應一切諸法空若有為若無為空。是名與般若波羅蜜相應
  • 菩薩は、何のように般若波羅蜜を習応し、般若波羅蜜と相応するのか?
  • 色の空、受想行識の空、眼の空、耳鼻舌身心の空、色の空、声香味触法の空、眼界、色界、眼識界の空乃至意界、法界、法識界の空を習応して、般若波羅蜜と相応する。
  • 苦、集、滅、道の空、無明乃至老死の空、一切諸法の有為法の空、無為法の空を習応して、般若波羅蜜と相応する。
  • 眼に因り、色を縁じて眼識を生じ、三事和合の故に触を生じ、この触は即時に三衆の受想行を共に生ず。
  • 四種の想:小想、大想、無量想、無所有想。
  • 行衆:一切の有為法;
  • 身行(出入息)、口行(覚、観)、意行(受、想);
  • 十二因縁中の三行(福行、罪行、無動行);
  • 識衆:内外の六入和合の故に六覚(眼識乃至意識)を生じ、それを識という。
  • 二種の意:念念に滅する意、次第に相続する意。
  • 五衆は四念処中に広く説いた:身念処(色衆)、受念処(受衆)、心念処(識衆)、法念処(想衆、行衆)。
  • 五衆ではなく、色衆、識衆が有るのみ。
  • 五衆等の諸法は、皆空である。
  • 習:般若波羅蜜に随って行観を修習し、不息不休。
  • 相応:函の蓋が大小相称うが如し。
無作業、無作色、受色、不受色、隠没無記*、不隠没無記*、大秦、玷*、微色、細色、身見*、四流、五受根*:苦受、楽受、憂受、喜受、捨受;見苦所断、思惟所断、意行*、意*、識*、意識*、神*、心*、心法*、四念処、木楔、命*、死*、受用*、智縁滅、色法*、非色法*、無色法*、市陌、廬館、片、札、微、遊塵、和合*、小劫、大劫、金剛、廓然


大智度論巻第三十六(下)
釈習相応品第三之余

1.性空等の七空に習応する
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩習應性空。是名與般若波羅蜜相應。如是舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜習應七空。所謂性空自相空諸法空不可得空無法空有法空無法有法空。是名與般若波羅蜜相應
【經】佛告舍利弗。菩薩摩訶薩習應七空時。不見色若相應若不相應。不見受想行識若相應若不相應。不見色若生相若滅相。不見受想行識若生相若滅相不見色若垢相若淨相。不見受想行識若垢相若淨相
【經】不見色與受合。不見受與想合。不見想與行合。不見行與識合。何以故。無有法與法合者。其性空故
【經】舍利弗。色空中無有色受想行識。空中無有識
【經】舍利弗。色空故無惱壞相。受空故無受相。想空故無知相。行空故無作相。識空故無覺相
【經】何以故。舍利弗。非色異空非空異色。色即是空空即是色。受想行識亦如是
【經】舍利弗。是諸法空相不生不滅不垢不淨不增不減。是空法非過去非未來非現在。是故空中無色無受想行識。無眼耳鼻舌身意。無色聲香味觸法。無眼界。乃至無意識界。無無明亦無無明盡。乃至無老死亦無老死盡。無苦集滅道。亦無智亦無得。無須陀洹無須陀洹果。無斯陀含。無斯陀含果。無阿那含無阿那含果。無阿羅漢無阿羅漢果。無辟支佛無辟支佛道。無佛亦無佛道。舍利弗。菩薩摩訶薩如是習應。是名與般若波羅蜜相應
  • 菩薩摩訶薩が、
    1. 性空等の七空に習応すれば、
    2. 般若波羅蜜と相応することになる
  • 七空:性空、自相空、諸法空、不可得空、無法空、有法空、無法有法空
  • 七空と十八空との差異
  • 菩薩摩訶薩が、
    1. 七空に習応すれば、
    2. 色等に相応、不相応を見ない
    3. 色等に生相、滅相を見ない
    4. 色等に垢相、浄相を見ない
  • 色等の空中に、
    1. 色等は無く
    2. 色等の相も無く
    3. 悩乱、破壊等の相も無い
  • 色等は空に異ならず、空は色に異らない
  • 色等は即ち空であり、空は即ち色である
  • 諸法の空相は、
    1. 不生不滅であり
    2. 不垢不浄であり
    3. 不増不減である
  • 諸法の空相中には、
    1. 色等は無く、十二入、十八界も無く
    2. 無明、乃至老死も無く、
    3. 無明、乃至老死の尽きることも無く、
    4. 苦集滅道も無く、智も得も無く、
    5. 須陀洹も須陀洹果も、乃至阿羅漢も阿羅漢果も無く
    6. 辟支仏も辟支仏道も、仏も仏道も無い
    7. 是れが般若波羅蜜と相応するということである
触*、八智

2.般若等に相応するか、しないかを見ない
【經】舍利弗。是菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。不見般若波羅蜜若相應若不相應。不見檀波羅蜜尸波羅蜜羼提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪波羅蜜若相應若不相應。亦不見色若相應若不相應。不見受想行識若相應若不相應。不見眼乃至意色乃至法眼色識界乃至意法識界若相應若不相應。不見四念處乃至八聖道分佛十力乃至一切種智若相應若不相應。如是舍利弗。當知菩薩摩訶薩與般若波羅蜜相應
  • 菩薩は、
    1. 諸法の実相を得て、
    2. 般若波羅蜜に入ると、
    3. 般若波羅蜜の定相に相応するとも、相応しないとも見ない。
仏樹*、菩提樹*、勲労、功賞

3.空は、空と合しない
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。空不與空合。無相不與無相合。無作不與無作合。何以故。空無相無作無有合與不合。舍利弗。菩薩摩訶薩如是習應。是名與般若波羅蜜相應
  • 般若波羅蜜の相を、重ねて説くのは何故か?
駛馬、駑馬

4.色等の諸法は合、不合を作さない
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。入諸法自相空。入已色不作合不作不合。受想行識不作合不作不合。色不與前際合。何以故。不見前際故。色不與後際合。何以故。不見後際故。色不與現在合。何以故。不見現在故。受想行識亦如是
  • 菩薩摩訶薩は、般若波羅蜜を行じる時、
    1. 諸法の自相空に入るので、
    2. 色等は、合や不合を作さない
    3. 色等は、前際、後際、現在と合することもない
  • 合とは、不合とは、
泥揣*

5.前際は現在と、現在は後際と合しない
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。前際不與後際合。後際不與前際合。現在不與前際後際合。前際後際亦不與現在合。三際名空故。舍利弗。菩薩摩訶薩如是習應者。是名與般若波羅蜜相應
  • 菩薩摩訶薩は、般若波羅蜜を行じる時、
    1. 前際は後際と合せず、
    2. 後際は前際と合せず、
    3. 現在は前際、後際と合せず、
    4. 前際、後際は現在と合しない。
    5. 三際は、皆空だからである。
泥揣*



大智度論巻第三十七(上)
釈習相応品第三之余
1.過去世等と薩婆若と合せず
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。薩婆若不與過去世合。何以故。過去世不可見。何況薩婆若與過去世合。薩婆若不與未來世合。何以故。未來世不可見。何況薩婆若與未來世合。薩婆若不與現在世合。何以故。現在世不可見。何況薩婆若與現在世合。舍利弗。菩薩摩訶薩如是習應。是名與般若波羅蜜相應
  • 過去世は虚妄、薩婆若は実法。
  • 過去世は生滅相、薩婆若は非生滅相。
  • 過去世、及び法は求覓して得られない。
薩婆若*、一切智*、一切種智*、道種智*、求覓、不便、処所、蘇、帰趣

2.色等と薩婆若と合せず
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。色不與薩婆若合。色不可見故。受想行識亦如是。眼不與薩婆若合。眼不可見故。耳鼻舌身意亦如是。色不與薩婆若合。色不可見故。聲香味觸法亦如是。舍利弗。菩薩摩訶薩如是習應名與般若波羅蜜相應
  • ただ五衆、十二入のみを説き、十八界、十二因縁を説かないのは何故か?

3.檀波羅蜜等と薩婆若と合せず
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。檀波羅蜜不與薩婆若合。檀波羅蜜不可見故。乃至般若波羅蜜亦如是。四念處不與薩婆若合。四念處不可見故。乃至八聖道分亦如是
  • 五衆等は世間法であり、薩婆若と合しないとしても、六波羅蜜が合しないのは何故か?
  • 世間の六波羅蜜、出世間の六波羅蜜。

4.仏の十力等と薩婆若と合せず
【經】佛十力乃至十八不共法不與薩婆若合。佛十力乃至十八不共法不可見故。舍利弗。菩薩摩訶薩如是習應。是名與般若波羅蜜相應
  • 十力、乃至十八不共法は妙法といえども、薩婆若の為の故に行ず。
  • 十力等の三種:――
  • 菩薩の所行;
  • 仏の所得を菩薩が憶想分別して求める;
  • 仏の心の所得。

5.仏等と薩婆若と合せず
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。佛不與薩婆若合。薩婆若不與佛合。菩提不與薩婆若合。薩婆若不與菩提合
【經】何以故。佛即是薩婆若。薩婆若即是佛。菩提即是薩婆若。薩婆若即是菩提。舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。如是習應。是名與般若波羅蜜相應。
  • 菩薩及び菩薩法が薩婆若と合しないかも知れないが、仏及び菩提が合しないのは何故か?
  • 仏は人、薩婆若は法、人は仮名、法は因縁。

6.色等の有無等を習わず
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。不習色有不習色無。受想行識亦如是。不習色有常不習色無常。受想行識亦如是。不習色苦不習色樂。受想行識亦如是。不習色我不習色非我。受想行識亦如是。不習色寂滅不習色非寂滅。受想行識亦如是。不習色空不習色非空。受想行識亦如是。不習色有相不習色無相。受想行識亦如是。不習色有作不習色無作。受想行識亦如是。‥‥
  • もし菩薩が、五衆は非有、非無と観ずれば、ここに於いても著せず、この時、般若波羅蜜と相応する。
  • 我見多ければ有に著し、邪見多ければ無に著す等。
集*、集諦*

7.六波羅蜜等の為に般若波羅蜜を行ぜず
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩不為般若波羅蜜故行般若波羅蜜。不為檀波羅蜜尸羅波羅蜜羼提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪波羅蜜故行般若波羅蜜。不為阿鞞跋致地故行般若波羅蜜。不為成就眾生故行般若波羅蜜。不為淨佛世界故行般若波羅蜜。‥‥
  • 菩薩は仏法の為でなければ、何法の為に般若波羅蜜を行ずるのか?

8.神通の為に般若波羅蜜を行ぜず
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。不為如意神通故行般若波羅蜜。不為天耳故。不為他心智故。不為宿命智故。不為天眼故。不為漏盡神通故。行般若波羅蜜。何以故。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。尚不見般若波羅蜜。何況見菩薩神通。舍利弗。菩薩摩訶薩如是行。是名與般若波羅蜜相應
  • 菩薩は功徳の果報、五神通を得て、広く衆生を利益する。

9.五通を念ぜず
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。不作是念。我以如意神通飛到東方。供養恭敬如恒河沙等諸佛。南西北方四維上下亦如是。‥‥
  • 五神通の功用を説く。

10.般若波羅蜜の五功徳
【經】舍利弗。菩薩摩訶薩能如是行般若波羅蜜。惡魔不能得其便。世間眾事所欲隨意。十方各如恒河沙等諸佛。皆悉擁護是菩薩。令不墮聲聞辟支佛地。四天王天乃至阿迦尼吒天。皆亦擁護是菩薩不令有礙。是菩薩所有重罪現世輕受。何以故。是菩薩摩訶薩用普慈加眾生故。舍利弗。是菩薩摩訶薩如是行。是名與般若波羅蜜相應
  • 般若波羅蜜を行ずる五功徳:――
  • 悪魔もその便を得ず;
  • 世間の衆事は欲する所意に随う;
  • 諸仏はこの菩薩を擁護して声聞、辟支仏に堕せしめず;
  • 四天王天等はこの菩薩を擁護して礙を有らしめず;
  • 所有の重罪も現世に軽く受く。
  • 普き慈を用いて、衆生に加うる故。
資生、治生、諧偶、種蒔、曠路、作井、安立、客舎、理事、勧進、気分、賞念


大智度論巻第三十七(下)
釈習相応品第三之余
1.常に、諸仏に値って離れない
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。疾得諸陀羅尼門諸三昧門。在所生處常值諸佛。乃至得阿耨多羅三藐三菩提。初不離見佛。舍利弗。菩薩摩訶薩如是習應。是名與般若波羅蜜相應
  • 疾かに得る。
  • 所生の処に常に諸仏に値う。
  • 二種の相応:心の相応、菩薩行に相応する。
毘婆尸仏*、毀呰

2.合と不合(法と法)
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。不作是念。有法與法若合若不合。若等若不等。何以故。是菩薩摩訶薩不見是法與餘法若合若不合若等若不等。舍利弗。菩薩摩訶薩如是習應。是名與般若波羅蜜相應
  • 一切法は、法と法と合しない。
  • 二指が相近づくが故に合と名づけるが、更に合法は無い。

3.法性を得る
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。不作是念。我當疾得法性若不得。何以故。法性非得相故。舍利弗。菩薩摩訶薩如是習應。是名與般若波羅蜜相應
  • 法性:諸法の実相、心中の無明と諸の結使を除き、清浄の実観を以って、諸法の本性を得る。
  • 衆生の性:邪観を以っての故に縛、正観を以っての故に解。

4.法性を出す
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。不見有法出法性者。如是習應。是名與般若波羅蜜相應
  • 無明等の諸の煩悩が一切法中に入るが故に、諸法は自生を失い、自性を失うが故に皆邪曲、不正である。
粟散

5.法性に入る
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。不作是念。法性分別諸法。如是習應。是名與般若波羅蜜相應
  • 法性に著する為の故に法性を貴び、是の因縁を以って諸の結使を生ずる。
  • 諸法:実に法性に随えば善、随わなければ不善と知る。
婆蹉*

6.法性を得る法
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。不作是念。是法能得法性若不得。何以故。是菩薩不見用是法能得法性若不得。舍利弗。菩薩摩訶薩如是習應。是名與般若波羅蜜相應
  • 法性を得る法:八聖道分を行じて諸法の実相を得る。
  • 涅槃:法性を得ると名づける。

7.合と不合(法性と空)
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。法性不與空合。空不與法性合。如是習應。是名與般若波羅蜜相應
  • 菩薩は法性は空であると観ず、空は法性であると観ないが、空を行じて法性を得、法性に縁じて空を得る。
  • 空と法性とは異らない。

8.合と不合(眼等と空)
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。眼界不與空合。空不與眼界合。色界不與空合。空不與色界合。眼識界不與空合。空不與眼識界合。乃至意界不與空合。空不與意界合。法界不與空合。空不與法界合。意識界不與空合。空不與意識界合。是故舍利弗。是空相應名為第一相應
  • 眼は有であり、空は無であるが故に合しない。
  • 空:眼空、非眼空を分別しない。
  • 空の生ずるのは、眼の因縁に従らない。
  • 是の二法は本より、自ら空。

9.仏土を浄めて、衆生を成就する
【經】舍利弗。空行菩薩摩訶薩不墮聲聞辟支佛地。能淨佛土成就眾生。疾得阿耨多羅三藐三菩提。‥‥
  • 二種の空相:但空、不可得空。
  • 但空:声聞辟支仏地に堕ちる。
  • 不可得空:空も亦た不可得、堕ちる処が無い。
  • 二種の空:――
  • 無方便空=二地に堕す;
  • 有方便空=堕す処が無く、直ちに阿耨多羅三藐三菩提に至る。
  • 深悲心が有って空に入れば堕ちず、大悲心が無ければ堕ちる。
  • 仏世界を浄め、衆生を成就する:衆生が善法を行う因縁を以っての故に、仏土は清浄である。
  • 不殺生を以っての故に寿命長く、不劫不盗を以っての故に仏土豊楽、意の随に物は至る。
  • 衆生が善法を行う、則ち仏土の荘厳。



大智度論巻第三十八(上)
釈往生品第四之上
1.菩薩の三種の来処
【經】舍利弗白佛言。世尊菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。能如是習相應者。從何處終來生此間。從此間終當生何處。佛告舍利弗。是菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。能如是習相應者。或從他方佛國來生此間。或從兜率天上來生此間。或從人道中來生此間。‥‥
  • 仏法中の二諦:世諦、第一義諦。
  • 衆生は無い:名字の相を知らない者、初めて習行する者、著する者、他の意を知らない者の為;
  • 衆生は有る:名字の相を知る者、久しく習行する者、著さない者、他の意を知る者の為;
牛足、摩偸婆尸他*、跳躑

2.菩薩の三種の利鈍
【經】舍利弗。汝所問菩薩摩訶薩與般若波羅蜜相應。從此間終當生何處者。舍利弗。此菩薩摩訶薩從一佛國至一佛國。常值諸佛終不離佛。‥‥
  • 般若波羅蜜中に空法を説く:新発意の者は空中に相を取って空法に著し、生死の業の因縁中に疑を生ずる。
  • 有生有死の法:可見であり、可知である。肉眼では見えないが、天眼では了了に見える。
  • 此の身を捨てて、後の身に至る:人が一房を出て一房に入るが如し。
  • 人の死生:去来する者は無いが、煩悩が尽きないが故に、身情意が相続して、更に身情意を生ずる。身情意が業を造ると、後世には至らないが、是の因縁で更に後世の果報を得る。
  • 聖人が今の現在の事を説けば実に信ずべきであるが故に、後世の事を説いても亦た皆信ずべきである。
  • 仏法中に諸法は畢竟じて空であるが、亦た断滅しない。
  • 生死は相続するが、亦た常でもない。
  • 無量阿僧祇劫の業の因縁は過去の事であっても、果報を生じ、而も滅しない。
  • 死生の相が実に有るならば、何故諸法は畢竟空であると言うのか?諸法中に愛著、邪見、顛倒するを除く為の故に畢竟空であると説くが、後世を破る為の故に説くのではない。
  • 罪業の因縁を遮するが為の故に種種の往生を説く。
  • 仏法:有に著さず、無に著さず、有無に著さず、非有非無に著さず、不著にも亦た著さない。譬えば、刀で空を斫っても終に傷つける所の無いように、衆生の為の故に縁に随って法を説くが、自ら著する所は無い。
  • 中論偈:一切諸法実 一切法虚妄 諸法実亦虚 非実亦非虚;涅槃際為真 世間際亦真 涅槃世無別 小異不可得;
  • 劫の定義:芥子劫、石劫。
牝牡、不善法、比智、三善根*、三無漏根*、跋陀劫*、賢劫*、溢滿、畳衣、迦尸*


大智度論巻第三十八(下)
釈往生品第四之上
1.方便力を以って、人中の大姓に生ず
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。入初禪乃至第四禪。入慈心乃至捨。入空處乃至非有想非無想處。以方便力故不隨禪生。還生欲界若剎利大姓婆羅門大姓居士大家。成就眾生故
  • 方便力を以っての故に、禅に随って生ぜず、欲界の刹利等の大姓に生じて衆生を成就する。
  • 二種の菩薩:業に随って生ず、法性身を得る。
  • 是の菩薩は業因縁生の身である。何故ならば、方便力の故に禅に随わずに生まれるからである。

2.方便力を以って、六欲天に生ず
【經】舍利弗。復有菩薩摩訶薩。入初禪乃至第四禪。入慈心乃至捨。入空處乃至非有想非無想處。以方便力故不隨禪生。或生四天王天處。或生三十三天夜摩天兜率陀天化樂天地化自在天。於是中成就眾生。亦淨佛世界常值諸佛
  • 化度し難い他化自在天等に生まれるのは何故か?
  • 諸天の著心は大であるが、菩薩の方便力も亦た大である。
須浮摩

3.方便力を以って、梵天処に生ず
【經】復次舍利弗。有菩薩摩訶薩。行般若波羅蜜。以方便力入初禪。此間命終生梵天處作大梵天王。從梵天處遊一佛國至一佛國。在所有諸佛得阿耨多羅三藐三菩提。未轉法輪者勸請令轉
  • 禅に随って生まれても、禅味に著せず。
  • 仏道を念じて本願を憶し、慈心に入る。
  • 念仏三昧の時と、禅とが和合する、故に方便と名づける。
  • 梵天王の法は常に諸仏を勧請して法輪を転ぜしむる。
散天

4.方便力を以って、有仏の処に生ず
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。三生補處行般若波羅蜜。以方便力入初禪乃至第四禪。入慈心乃至捨。入空處乃至非有想非無想處。修四念處乃至八聖道分。入空三昧無相無作三昧不隨禪生。生有佛處修梵行。若生兜率天上。隨其壽終具足善根不失正念。與無數百千億萬諸天圍繞恭敬。來生此間得阿耨多羅三藐三菩提
  • 十住の地に在っても猶お修行すべし。
  • 法身の菩薩は、種種に身を変化して衆生を度し、或は時に人法を行じて、飢渇寒熱老病憎愛瞋喜讃歎呵罵等、諸の重罪を除いて皆行う。
  • 釈迦文仏は爾の時迦葉仏の弟と作り、鬱多羅と名づけて婆羅門の王師為り、兄の先に成仏するに当り、鬱多羅は五百の弟子を化導せんが為、方便を以って兄を呵罵した。
  • 兜率天は結使薄く、心柔軟利根なるが故に常に菩薩の住処となる。
薄拘盧*、薄拘羅*、訶梨勒*、阿毘三仏*

5.神通を以って、一仏国より一仏国に至る
【經】復次舍利弗。有菩薩摩訶薩。得六神通不生欲界色界無色界。從一佛國至一佛國。供養恭敬尊重讚歎諸佛。舍利弗。有菩薩摩訶薩。遊戲神通從一佛國至一佛國。所至到處無有聲聞辟支佛乘。乃至無二乘之名。舍利弗。有菩薩摩訶薩。遊戲神通從一佛國至一佛國。所至到處其壽無量。舍利弗。有菩薩摩訶薩。遊戲神通從一佛國至一佛國。所至到處有無佛法僧處讚佛法僧功德。諸眾生等以聞佛名法名僧名故。於此命終生諸佛前
  • 二種の菩薩:生身の菩薩、法身の菩薩。
  • 法身の菩薩:結使を断じて六神通を得る。
  • 生身の菩薩:結使を断ぜず、或は欲を離れて五神通を得る。
  • 二種の菩薩:慈悲心が有って多く衆生の為にする、多く諸仏の功徳を集める。

6.所生の処に随って、衆生を利益す
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。初發意時得初禪乃至第四禪。得四無量心。得四無色定。修四念處乃至十八不共法。是菩薩不生欲界色界無色界中。常生有益眾生之處
  • 欲界、色界、無色界中に生ぜず、常に衆生を利益すること有る処に生ず。

7.羊、馬、神通に乗る三種の菩薩
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。初發意時行六波羅蜜。上菩薩位得阿毘跋致地。舍利弗。有菩薩摩訶薩。初發心時便得阿耨多羅三藐三菩提轉法輪。與無量阿僧祇眾生作益厚已入無餘涅槃。是佛般涅槃後餘法。若住一劫若減一劫。舍利弗。有菩薩摩訶薩。初發意時與般若波羅蜜相應。與無數百千億菩薩。從一佛國至一佛國。為淨佛世界故
  • 三種の菩薩:羊に乗る者、馬に乗る者、神通に乗る者。
減劫*



大智度論巻第三十九(上)
釈往生品第四之中
1.四禅、四無量心、四無色定に遊戯する
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。行般若波羅蜜時。得四禪四無量心四無色定。遊戲其中入初禪。從初禪起入滅盡定。從滅盡定起乃至入四禪。從四禪起入滅盡定。從滅盡定起入虛空處。從虛空處起入滅盡定。從滅盡定起乃至入非有想非無想處。從非有想非無想處起入滅盡定。知是舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。以方便力故入超越定
  • 六牙の白象が毒箭を被って猶お怨賊を憐愍するような慈悲心は阿羅漢には無い。
槃馬

2.四念処乃至十八不共法を修め、証を取らない
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。行般若波羅蜜時。修四念處乃至十八不共法。不取須陀洹果斯陀含果阿那含果阿羅漢果辟支佛道。以方便力為度眾生故。起八聖道分。以是八道令得須陀洹果乃至辟支佛道。‥‥
  • 声聞、辟支仏の果及び智は皆菩薩の法忍である。但だ諸の道果の名字を受けないだけであり、果及び智は皆無生法忍中に入る。

3.賢劫中の菩薩
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。住六波羅蜜淨兜率天道。當知是賢劫中菩薩
  • 是の菩薩は、業を修めた因縁で、兜率天上に生まれると、千の菩薩会の中に入り、次第に仏と作る。是の相が賢劫中の菩薩である。

4.未だ四諦を証しないが、一生補処の菩薩である
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。修四禪乃至十八不共法未證四諦。當知是菩薩一生補處
  • 是の菩薩は兜率天上に生まれながら、欲を離れて四禅等を得る。
  • 若し証を取れば、辟支仏に成るが、仏に成ろうと欲するが故に証しない。

5.無量無数劫の修行で、阿耨多羅三藐三菩提を得る
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。無量阿僧祇劫修行。得阿耨多羅三藐三菩提
  • 鈍根で善根に悪を雑えた。

6.常に精進して衆生を利益し、無益の事を説かない
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。住六波羅蜜。常懃精進利益眾生。不說無益之事
  • 利益する者は皆仏法であり、利益しなければ種種の好語と雖も仏法とはいえない。譬えば種種の好薬も病を破れなければ薬といえず、泥土等も病を癒すことができれば、薬といえる。

7.一仏国より一仏国に至って、三悪道を断つ
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。行六波羅蜜。常懃精進利益眾生。從一佛國至一佛國。斷眾生三惡道
  • 是の菩薩は六神通に住して、十方の世界に至り、上中下の三種の不善道を断つ。

8.檀を以って首と為し、一切の衆生を安楽にする
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。住六波羅蜜以檀為首。安樂一切眾生。須飲食與飲食。衣服臥具瓔珞花香房舍燈燭。隨其所須皆給與之
  • 二種の菩薩:衆生に苦を離れさせる;衆生に楽を与える。
  • 二種の菩薩:三悪道の衆生を憐愍する;人を憐愍する。

9.身を仏に変じ、地獄、畜生、餓鬼の中に法を説く
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。行般若波羅蜜時。變身如佛。為地獄中眾生說法。為畜生餓鬼中眾生說法
  • 有る衆生は仏身を見て度を得る。
  • 地獄の衆生は度を得ることはないが、度を得る因縁を種えることはある。
  • 畜生道の二種:道を得る者;道を得ない者。
鬼子母*、鬼子母神*、訶利底*

10.十方の浄妙国土を観採し、自ら殊勝世界を起す
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。行六波羅蜜時。變身如佛遍至十方如恒河沙等諸佛世界。為眾生說法。亦供養諸佛及淨佛世界。聞諸佛說法。觀採十方淨妙國土相。而已自起殊勝世界。其中菩薩摩訶薩皆是一生補處

11.身、口の清浄を学んで、衆人に愛敬される
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。行六波羅蜜時。成就三十二相諸根淨利。諸根淨利故眾人愛敬。以愛敬故漸以三乘法而度脫之。如是舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。應學身清淨口清淨

12.諸根清浄にして自ら高ぶらず、他を見下さない
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。行六波羅蜜時得諸根淨。以是淨根而不自高亦不下他

13.阿鞞跋致地に至るまで、終に悪道に堕ちない
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。從初發心住檀波羅蜜尸羅波羅蜜。乃至阿鞞跋致地。終不墮惡道
  • 未到地乃至中間地の菩薩は尋、伺が有り、悪道を畏れるが故に願を作す。
未到地*、中間地*

14.阿鞞跋致地に至るまで、常に十善行を捨てない
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。從初發心乃至阿鞞跋致地。常不捨十善行
  • 何のように尸羅波羅蜜を行じて、阿鞞跋致地に至るかを知らないので、『常に、十善を行う』と説く。

15.転輪聖王と作って、衆生を十善道に安立する
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。住檀波羅蜜尸羅波羅蜜中。作轉輪聖王安立眾生。於十善道亦以財物布施眾生‥‥

16.常に法を以って自ら照らし、人を照らす
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。常為眾生以法照明亦以自照。乃至阿耨多羅三藐三菩提終不離照明。舍利弗。是菩薩摩訶薩於佛法中已得尊重。舍利弗。以是故菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。身口意不淨不令妄起
  • 是の菩薩は諸の経を読誦、憶念し、諸の法を思惟、分別し、以って仏道を求め、是の智慧の光明を以って自ら利益し、衆生をも利益する。
譏刺


大智度論巻第三十九(下)
釈往生品第四之中
1.菩薩の身、口、意業の不浄
【經】舍利弗白佛言。世尊。云何菩薩身業不淨口業不淨意業不淨
  • 身口意の罪:――
  • 声聞:身の三不善道、口の四不善道、意の三不善道;
  • 菩薩:身、口、意の相を取る。

2.菩薩の身、口、意の罪
【經】佛告舍利弗。若菩薩摩訶薩作是念。是身是口是意如是取相作緣。舍利弗。是名菩薩身口意罪。舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。不得身不得口不得意。舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。若得身得口得意。用是得身口意故。能生慳心犯戒心瞋心懈怠心亂心癡心。當知是菩薩行六波羅蜜時。不能除身口意麤業
  • 菩薩の身口意の罪:身、口、意の相を取って縁を作す。
  • 業の麁細:――
  • 声聞:身、口の不善業を麁と名づけ、意の不善業を細と名づける;
  • 瞋恚、邪見等諸の結使を麁罪と名づけ、愛慢等の結使を細罪と名づける;
  • 三悪覚の欲覚、瞋覚、悩覚を麁と名づけ、親里覚、国土覚、不死覚を細と名づけ、但だ善覚を微細と名づける;
  • 大乗:是れ等は皆尽く麁である。
欲覚、瞋覚、悩覚、親里覚、国土覚、不死覚

3.身、口、意の麁業を除く
【經】舍利弗白佛言。世尊。菩薩摩訶薩云何除身口意麤業。佛告舍利弗。若菩薩摩訶薩不得身不得口不得意。如是菩薩摩訶薩能除身口意麤業。復次舍利弗。菩薩摩訶薩從初發意行十善道。不生聲聞心不生辟支佛心。如是菩薩摩訶薩能除身口意麤業
  • 身、口、意の麁業を除く:身を得ず、口を得ず、意を得ない。
  • 菩薩の清浄:――
  • 身、口、意の麁業の罪を除く:
  • 初発意より畢竟空中、一切法不可得に住して、常に十善道を行って声聞辟支仏の心を起さず、不取相の心を以って一切の諸の善根を皆阿耨多羅三藐三菩提に迴向する。

4.仏道を浄めて六波羅蜜を行う
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。行般若波羅蜜淨佛道時。行檀波羅蜜尸羅波羅蜜羼提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪波羅蜜。是名菩薩摩訶薩除身口意麤業。舍利弗白佛言。世尊。何等是菩薩摩訶薩佛道。佛告舍利弗。佛道者。若菩薩摩訶薩不得身不得口不得意。不得檀波羅蜜。乃至不得般若波羅蜜。不得聲聞辟支佛。不得菩薩不得佛。舍利弗。是名菩薩摩訶薩佛道。所謂一切諸法不可得故
  • 菩薩摩訶薩の仏道:身口意を得ず、六波羅蜜を得ず、諸賢聖、菩薩、仏を得ない。

5.六波羅蜜を行う時、能く壊る者が無い
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。行六波羅蜜時無能壞者。舍利弗白佛言。世尊。云何菩薩摩訶薩行六波羅蜜時無能壞者。佛告舍利弗。若菩薩摩訶薩行六波羅蜜時。不念有色乃至識。不念有眼乃至意。不念有色乃至法。不念有眼界乃至法界。不念有四念處乃至八聖道分。不念有檀波羅蜜乃至般若波羅蜜。不念有十力乃至十八不共法。不念有須陀洹果乃至阿羅漢果。不念有辟支佛乃至阿耨多羅三藐三菩提。舍利弗。菩薩摩訶薩如是行增益六波羅蜜無能壞者
  • 六波羅蜜を行う時、能く壊る者が無い:
  • 菩薩は般若波羅蜜を行う時、色乃至識が有ると念ぜず、眼乃至意、色乃至法、眼界乃至法界、四念処乃至八聖道分、檀波羅蜜乃至般若波羅蜜、十力乃至十八不共法、須陀洹果乃至阿羅漢果、辟支仏乃至阿耨多羅三藐三菩提が有ると念じない。

6.般若波羅蜜中に住して智慧を具足す
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。住般若波羅蜜中具足智慧。以是智慧常不墮惡道。不生弊惡人中。不作貧窮人。所受身體不為人天阿修羅所憎惡
  • 菩薩摩訶薩は般若波羅蜜中に住して智慧を具足し、常に悪道に堕ちず、所受の身体は人天阿修羅に憎悪されない。

7.菩薩摩訶薩の智慧
【經】舍利弗白佛言。世尊。何等是菩薩摩訶薩智慧。佛告舍利弗。菩薩摩訶薩用是智慧成就見十方如恒河沙等諸佛。聽法見僧亦見嚴淨佛土。菩薩摩訶薩以是智慧不作佛想。不作菩薩想。不作聲聞辟支佛想。不作我想。不作佛國想。用是智慧行檀波羅蜜亦不得檀波羅蜜。乃至行般若波羅蜜亦不得般若波羅蜜。行四念處亦不得四念處。乃至行十八不共法亦不得十八不共法。舍利弗。是名菩薩摩訶薩智慧。用是智慧能具足一切法。亦不得一切法
  • 菩薩摩訶薩は是の智慧を用って十方恒河沙等の諸仏を見、法を聴き、僧を見、亦た厳浄の仏土を見るを成就する。
  • 是の智慧を以って、仏想を作さず、菩薩想、声聞辟支仏想、我想、仏国想を作さない。
  • 是の智慧を用って、檀波羅蜜を行って亦た檀波羅蜜を得ず、乃至般若波羅蜜を行って亦た般若波羅蜜を得ず、四念処、乃至十八不共法を行って、四念処等を得ない。

8.菩薩摩訶薩の肉眼浄
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。行般若波羅蜜時。淨於五眼肉眼天眼慧眼法眼佛眼。舍利弗白佛言。世尊。云何菩薩摩訶薩肉眼淨。佛告舍利弗。有菩薩肉眼見百由旬。有菩薩肉眼見二百由旬。有菩薩肉眼見一閻浮提。有菩薩肉眼見二天下三天下四天下。有菩薩肉眼見小千世界。有菩薩肉眼見中千世界。有菩薩肉眼見三千大千世界。舍利弗。是為菩薩摩訶薩肉眼淨
  • 肉眼浄:菩薩は六波羅蜜を諸の垢法を除くが故に眼に清浄を得る。
  • 肉眼は業の因縁の故に清浄となり、天眼は禅、及び業の因縁の故に清浄となり、余の三眼は無量の智慧を修める福徳の因縁の故に清浄となる。
  • 肉眼:可見の色を見る。

9.菩薩摩訶薩の天眼浄
【經】舍利弗白佛言。世尊。云何菩薩摩訶薩天眼淨。佛告舍利弗。菩薩摩訶薩天眼見一切四天王天所見。見三十三天夜摩天兜率陀天化樂天他化自在天所見。見梵天王所見乃至阿迦尼吒天所見。菩薩天眼所見者。四天王天乃至阿迦尼吒天所不知不見。舍利弗。是菩薩摩訶薩天眼。見十方如恒河沙等諸佛世界中眾生死此生彼。舍利弗。是為菩薩摩訶薩天眼淨
  • 菩薩摩訶薩は一切の諸天の見る所を見る。
  • 十方恒河沙等の如き諸仏世界中の衆生の此に生まれ彼に死ぬを見る。

10.菩薩摩訶薩の慧眼浄
【經】舍利弗白佛言。世尊。云何菩薩摩訶薩慧眼淨。佛告舍利弗。慧眼菩薩不作是念。有法若有為若無為若世間若出世間若有漏若無漏。是慧眼菩薩無法不見無法不聞無法不知無法不識。舍利弗。是為菩薩摩訶薩慧眼淨
  • 慧眼の菩薩:有る法の有為無為、世間出世間、有漏無漏を見ないので、見ない法は無く、聞かない法は無く、知らない法は無く、識らない法は無い。
  • 肉眼乃至慧眼は成仏の時変じて仏眼と名づける。
聖自在神通



大智度論巻第四十(上)
釈往生品第四之下
1.菩薩摩訶薩の法眼浄
【經】舍利弗白言。世尊。云何菩薩摩訶薩法眼淨。佛告舍利弗。菩薩摩訶薩以法眼知是人隨信行。是人隨法行。是人無相行。是人行空解脫門。是人行無相解脫門。是人行無作解脫門得五根。得五根故得無間三昧。得無間三昧故得解脫智。得解脫智故斷三結。有眾見疑齋戒取。是人名為須陀洹。‥‥
  • 何にして衆生に実法を得させようか?と思うが故に法眼を求める。
  • 一切の聖道を五根(信、精進、戒、定、慧)と名づける。聖道は五根で成り立つが故に。
  • 有衆見(我見)を説けば、一切の見結を説くことになる。有衆見は六十二見の根本。
  • 菩薩の法眼二種:声聞辟支仏の方便の得道の門を知る。菩薩の方便の行道の門を知る;
  • 法眼:先に因を知り、後に果を知る。
  • 衆生を成就する二種:先に自らの功徳を成就して後に衆生を度する者=弥勒、先に衆生を成就して後に自らの功徳を成す者=釈迦文菩薩;
  • 刪若婆羅門:乳糜を見て今日成仏する者の応に食すべきを知る。
随信行*、随法行*、無相行、無間三昧、
十八有学*:随信行、随法行、信解、見至、身証、家家、一間、預流向、預流果、一来向、一来果、不還向、不還果、中般、生般、有行般、無行般、上流般;
十五心、
八根:信根、精進根、念根、定根、慧根、未知当知根、已知根、具知根;
三無漏根*:未知当知根、已知根、具知根;
有衆見=我見、斎戒取=戒禁取、
十結*:見結、疑結、戒道結、欲染結、瞋恚結、色染結、無色染結、無明結、慢結、掉結;
又は有身見、辺執見、邪見、見取、戒禁取、貪、瞋、慢、無明、疑;
四種受記、浄仏世界、刪若

2.菩薩摩訶薩の仏眼浄
【經】舍利弗。白佛言。世尊。云何菩薩摩訶薩佛眼淨。佛告舍利弗。有菩薩摩訶薩。求佛道心次第入如金剛三昧。得一切種智。爾時成就十力四無所畏四無礙智十八不共法大慈大悲。‥‥
  • 仏眼浄:一切種を用いて一切法中に見ない法が無く、聞かない法が無く、知らない法が無く、識らない法が無い。
  • 仏眼:謂わゆる一切種智、十力、四無所畏、四無礙智、乃至大慈大悲等の諸の功徳をいう。
  • 諸の功徳は慧眼に相応するが故に通じて眼と名づける。
  • 慈悲心三種:衆生縁慈悲、法縁慈悲、無縁慈悲;
  • 天眼で見て慧眼で見ない、慧眼で見て法眼で見ない等。
三種慈悲:衆生縁、法縁、無縁;

3.菩薩摩訶薩の神通波羅蜜
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩。行般若波羅蜜時。修神通波羅蜜。以是神通波羅蜜受種種如意事。能動大地。變一身為無數身。無數身還為一身。隱顯自在。山壁樹木皆過無礙如行空中。履水如地凌虛如鳥。出沒地中如出入水。身出煙炎如大火聚。身中出水如雪山水流。日月大德威力難當而能摩捫。乃至梵天身得自在亦不著是如意神通。‥‥
  • 菩薩の宝:三悪道を破る菩薩、三善門を開く菩薩、五眼を生ずる菩薩、神通波羅蜜を修行する菩薩等。
  • 地を動かす神通:空相を多く取り、地相を少く取る等。
  • 菩薩は神通を用いても、それに著すことはない。


大智度論巻第四十(下)
釈往生品第四之下
1.檀等の六波羅蜜に住して、薩婆若の道を浄める
【經】舍利弗。有菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。住檀波羅蜜淨薩婆若道畢竟空。不生慳心故。‥‥
  • 諸の菩薩は初発意にして般若波羅蜜を行じ、次第に他の功徳、謂わゆる檀波羅蜜等を行ずる。
  • 観空、不生慳心の二事を用いるが故に薩婆若の道が開ける。
  • 忍辱、慈悲、方便が深いが故に、仏世界を浄める。
  • 六波羅蜜を具足するが故に久しからずして一切種智を得る。

2.十方の諸仏菩薩、一切の声聞等に念ぜられる
【經】復次舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。一切眾生中生等心。一切眾生中生等心已。得一切諸法等。得一切諸法等已。立一切眾生於諸法等中。是菩薩摩訶薩現世為十方諸佛所念。亦為一切菩薩一切聲聞辟支佛所念。
  • 大慈悲の故に、初めて一切衆生を度せんと心を発すが故に、諸仏の等心を学んで、衆生を観るが故に、一切法の自性は空であるが故に、是の如き等の因縁の故に、一切衆生の中に等心を生じ、是の等心を得已って、一切諸法の等を得る。
  • 一切法の等:衆生等、法等;
  • 衆生等:四生の衆生を慈愍して一心に利益することを欲する;法等:四念処、四正懃等の四法を観て身を見ない。
  • 衆生等:衆生は皆無常老病死に没すると念ずる;
  • 法等:信等の五根、五神通を行じて一心に是の衆生を度すことを欲する。

3.三百の比丘、六万の欲天子は受記する
【經】說是般若波羅蜜品時。三百比丘從坐起以所著衣上佛。發阿耨多羅三藐三菩提心。佛爾時微笑種種色光從口中出。‥‥
  • 三百の比丘が身に着けた衣を仏に捧げたことについて、尸羅波羅蜜を破って、檀波羅蜜を作したのか?
  • 仏は何故、微笑されたのか?

釈歎度品第五
1.諸の阿羅漢は菩薩摩訶薩を讃歎する
【經】爾時慧命舍利弗。慧命目犍連。慧命須菩提。慧命摩訶迦葉。如是等諸多知識比丘。及諸菩薩摩訶薩。諸優婆塞優婆夷。從坐起合掌白佛言。世尊。摩訶波羅蜜是菩薩摩訶薩般若波羅蜜。尊波羅蜜第一波羅蜜勝波羅蜜妙波羅蜜無上波羅蜜無等波羅蜜無等等波羅蜜如虛空波羅蜜。是菩薩摩訶薩般若波羅蜜。
  • 何故舎利弗、目連、須菩提、摩訶迦葉の四比丘のみ、名を説いたのか?
  • 阿羅漢が般若波羅蜜を讃歎する:大波羅蜜、尊波羅蜜、第一波羅蜜、勝波羅蜜、妙波羅蜜等の意味。
  • 三世の諸仏中、何故釈迦文仏を別して説くのか?
  • 菩薩に因って飲食等、及び諸の宝物が有る。

釈舌相品第六
1.再度、舌相を出す
【經】爾時世尊出舌相。遍覆三千大千世界。從其舌相出無數無量色。光明普照十方如恒河沙等諸佛世界。‥‥
  • 何故、再度舌相を出すのか?
  • 舎利弗は智慧第一なのに、何故須菩提に説くを命じられたのか?
  • 二因縁の故に:好んで無諍定を行い常に衆生に慈悲を懐き、広く度すことはないが、常に菩薩を助けて菩薩事を仏に問うた;好んで深く空法を行じた。



大智度論巻第四十一(上)
釈三仮品第七
1.法、受、名字の三種の仮名
【經】爾時佛告慧命須菩提。汝當教諸菩薩摩訶薩般若波羅蜜。如諸菩薩摩訶薩所應成就般若波羅蜜。即時諸菩薩摩訶薩及聲聞大弟子諸天等作是念。慧命須菩提。自以智慧力。當為諸菩薩摩訶薩說般若波羅蜜耶。為是佛力。‥‥
  • 仏は須菩提に命じて、諸の菩薩摩訶薩に般若波羅蜜を教えさせる。
  • 何の法を菩薩というのか?
  • 般若波羅蜜は名字有るのみ、菩薩、菩薩の字も亦た名字有るのみ。
  • 一切の声聞、辟支仏は無力だが、菩薩に般若波羅蜜を説くことができる。
  • 三種の仮の施設:名、受、法;
  • 二種の法:名字、名字の義;例火=名字、焼、照=火の義。
  • 三種の波羅聶提:法波羅聶提、受波羅聶提、名字波羅聶提;
敢、施設、畏、敬難、驚疑、伝語人、玄遠、浅近、斛、大明、然可、述成、以、波羅聶提*、仮名*

2.色等の名字に常無常、苦楽、垢浄等を見ない
【經】復次須菩提。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。不見色名字是常。不見受想行識名字是常。不見色名字無常。不見受想行識名字無常。不見色名字樂。不見色名字苦。不見色名字我。不見色名字無我。不見色名字空。不見色名字無相。不見色名字無作。不見色名字寂滅。不見色名字垢。不見色名字淨。不見色名字生。不見色名字滅。不見色名字內。不見色名字外。不見色名字中間住。‥‥
  • 菩薩摩訶薩は色の名字は常であると見ない、無常であると見ない、‥‥。
  • 菩薩摩訶薩は般若波羅蜜を行じて、名字は仮の施設であると知るが故に、色に著せず、受想行識に著せず、‥‥檀波羅蜜乃至般若波羅蜜に著せず、‥‥六波羅蜜を饒益して諸の仏国を浄める。
  • 一切の心心数法は不可見、不可得の故に、心に怖れず、没せず、悔やまず。
  • 意、及び意界は不可得、不可見の故に、驚かず、畏れず、怖れず。
菩薩義*、義*、見、若、時頃


大智度論巻第四十一(下)
釈勧学品第八
1.般若波羅蜜を学ぶべし
【經】爾時須菩提白佛言。世尊。菩薩摩訶薩欲具足檀波羅蜜。當學般若波羅蜜。欲具足尸羅波羅蜜羼提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪波羅蜜般若波羅蜜。當學般若波羅蜜。‥‥
  • 重ねて般若波羅蜜を学べと説くのは?
  • 五衆を知る?
  • 受生の結使?楽受は貪欲を生ず、苦受は瞋恚を生ず、不苦不楽受は愚癡を生ず。
四縛*、縛*、四結*、結*、四顛倒、十使*、五利使五鈍使*、十結*

2.菩薩の頂に堕ちる
【經】欲得具足如是善根常不墮惡趣。欲得不生卑賤之家。欲得不住聲聞辟支佛地中。欲得不墮菩薩頂者。當學般若波羅蜜。‥‥
  • 不貪善根を行ずる:愛等の結使薄れ、深く禅定に入る;
  • 不瞋善根を行ずる:瞋等の結使薄れ、深く慈悲に入る;不癡善根を行ずる:無明等の結使薄れ、深く般若に入る。
  • 菩薩の頂に堕す?
  • 菩薩の生?、菩薩の熟?菩薩の位?
菩薩頂、方便*、累、柔順忍*、無生忍*、三忍*、三種忍法*、煖忍中間、熟瓶、生瓶、爛壊

3.内空中に外空を見ない
【經】舍利弗問須菩提。云何名菩薩摩訶薩無生。須菩提言菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。內空中不見外空。外空中不見內空。外空中不見內外空。內外空中不見外空。內外空中不見空空。空空中不見內外空。空空中不見大空。大空中不見空空。‥‥
  • 内空中に外空を見ない!とは?
  • 菩提心?無等等心?大心?
  • 心相が常に浄い?
  • 仏の口より生ずる?
  • 取財分?取法分?
  • 身に証を得る?
  • 無諍三昧?
  • 三乗は同じく般若波羅蜜を学ぶべき?
無心相、与等、無事、深固、覆蔽、功夫、黙然*、四信



大智度論巻第四十二(上)
釈集散品第九
1.諸法の集、散を得ない
【經】爾時慧命須菩提白佛言。世尊。我不覺不得是菩薩行般若波羅蜜。當為誰說般若波羅蜜。世尊。我不得一切諸法集散。若我為菩薩作字言菩薩。或當有悔。世尊。是字不住亦不不住。何以故。是字無所有故。以是故是字不住亦不不住。世尊。我不得色集散乃至識集散。若不可得云何當作名字。世尊。以是因緣故。是字不住亦不不住。何以故。是名字無所有故。‥‥
  • 四種の愛:欲愛、有愛、非有愛、法愛;
  • 衆生は無始以来得られない!般若波羅蜜を行ずるが故に得られないのではない!
  • 心に悔いる:妄語戒を破る等。
  • 集相、散相:来処が無いが故に集を得られず、去処が無いが故に散を得られない。等。
  • 名字は法中に住するも、法が空であるが故に、名字も亦た住処が無い。
  • 車の名の譬喩。
  • 菩薩の名字は一、五衆は五。
  • 名字と因縁との和合が無ければ、則ち世俗語言の衆事が都て滅し、世諦が無いが故に第一義諦も亦た無い。
  • 離二種:身の離、心の離。
  • 離二種:諸法が名字を離れる、諸法が自相を離れる。
  • 寂滅二種:善相を淳くして悪事を寂滅する、涅槃の如き寂滅の相を以って世間の諸法も亦た是の如しと観る。
  • 不生二種:未来の無為法、一切法は実に生相が無い。
  • 三種の滅:智縁滅、非智縁滅、無常滅。
  • 不示:一切の諸観滅し、語言の道断じて、法の示すべき無し。
集、散、遣、欲愛*、有愛*、非有愛*、法愛*、愛*、運致、聚集、在、輞、輻、轂、輪、十譬喩、淳、智縁滅*、非智縁滅*、無常滅*、択滅*、三種滅*:択滅、非択滅、無常滅;可、戸牖

2.諸法の名字は説くべからず
【經】世尊。諸法因緣和合假名施設。所謂菩薩是名字於五受陰中不可說。十二入十八界乃至十八不共法中不可說。於和合法中亦不可說。世尊。譬如夢於諸法中不可說。響影焰化於諸法中亦不可說。譬如名虛空。亦無法中可說。世尊。如地水火風名。亦無法中可說。戒三昧智慧解脫解脫知見名。亦無法中可說。如須陀洹名字。乃至阿羅漢辟支佛名字。亦無法中可說。如佛名法名。亦無法中可說。‥‥
  • 法の中に菩薩と説かれるものは無い。
  • 菩薩は五衆でなく、五衆は菩薩ではない。
  • 五衆を離れて菩薩は無く、菩薩を離れて五衆は無い。

3.諸法の中に住すべからず
【經】復次世尊。菩薩摩訶薩欲行般若波羅蜜。色中不應住。受想行識中不應住。眼耳鼻舌身意中不應住。色聲香味觸法中不應住。眼識乃至意識中不應住。眼觸乃至意觸中不應住。眼觸因緣生受乃至意觸因緣生受中不應住。地種水火風空識種中不應住。無明乃至老死中不應住。‥‥
  • 色と、色相は空である。
  • 色が空ならば、色といわない。空を離れた色も亦た無い等。
  • 般若波羅蜜の種種の名字:観、修、相応、合、入、習、住等。
  • 行:聴聞、読誦、書写、正憶念、説、思惟、籌量、分別、修習等、乃至阿耨多羅三藐三菩提。
漸学、可


大智度論巻第四十二(下)
釈集散品第九
1.字門中、神通中に住すべからず
【經】復次世尊。菩薩摩訶薩欲行般若波羅蜜。文字中不應住。一字門二字門。如是種種字門中不應住。何以故。諸字諸字相空故亦如上說‥‥
  • 二種の菩薩:禅定を習う=神通、学読する=文字。
  • 一字の門、二字の門、三字の門等。
  • 阿字:菩薩は一字を聞いて諸法の実相に入る。
  • 神通、文字の二字は空である。
字門*、悉曇四十二字門*、浮、闍藍、波尼藍、阿字*、頭佉、阿尼吒、阿*、聖行、文字陀羅尼

2.色等の無常、苦、空、無我に住すべからず
【經】復次世尊。菩薩摩訶薩欲行般若波羅蜜。色是無常不應住。受想行識是無常不應住。何以故。無常無常相空。世尊。無常空不名無常。離空亦無無常。無常即是空空即是無常。世尊。以是因緣故。菩薩摩訶薩欲行般若波羅蜜。色是無常不應住。受想行識是無常不應住。色是苦不應住。受想行識是苦不應住。色是無我不應住。受想行識是無我不應住。色是空不應住。受想行識是空不應住。色是寂滅不應住。受想行識是寂滅不應住。色是離不應住。受想行識是離不應住亦如上說‥‥
  • 色等の無常、苦、空、無我に住すべからず。
  • 如相、法性、法相、法位、実際中に住すべからず。
  • 一切の陀羅尼門、三昧門に住すべからず。
  • 方便が無いのに、吾我心を以って色乃至三昧門中に住すべからず。
  • 摩訶迦葉は頭陀第一ながら、菩薩の伎楽を聞いては、坐処に自ら安ずることができない。
如、法性、法相、法位、実際、陀羅尼*、行、受、不受、十八空*、聖行、頭陀*、似、随嵐

3.先尼梵志
【經】先尼梵志於一切智中終不生信。云何為信信般若波羅蜜。分別解知稱量思惟。不以相法不以無相法。如是先尼梵志不取相住信行中。用性空智入諸法相。不受色不受受想行識。何以故。諸法自相空故。不可得受。
  • 先尼梵志は、般若波羅蜜中に信解して、諸法の相を取らない。
先尼、刪若婆、乳糜、舅、耆年*、智徳、長老*、不蘭迦葉、長夜、如去*、如来*、我慢、鬢髪、取*、爾、我即是如去、推求



大智度論巻第四十三(上)
釈集散品第九下
1.一切法の無所有、不可得
【經】復次世尊。菩薩摩訶薩欲行般若波羅蜜應如是思惟。何者是般若波羅蜜。何以故。名般若波羅蜜。是誰般若波羅蜜。若菩薩摩訶薩行般若波羅蜜。如是念。若法無所有不可得是般若波羅蜜。‥‥
  • 何者が般若波羅蜜?何故に般若波羅蜜という?誰の般若波羅蜜?
  • 何等の法が、無所有、不可得?
  • 心清浄、身清浄、相清浄を得る。
  • 般若波羅蜜:二辺を離れれて、中道を得る。
  • 般若波羅蜜:最も殊勝の智慧:畢竟清浄、無所著の故に、一切の衆生を饒益するが故に。
  • 世諦の故に、般若波羅蜜は菩薩に属す。
無所有*、無為法*、如、法性、法相、法住、法位、実際、薩婆若、作、中道*、求覓、故、窮尽、到辺、匹、巧便、虚、出、法性生身、胞胎

釈行相品第十
1.無方便の菩薩
【經】爾時須菩提白佛言。世尊。若菩薩摩訶薩無方便。欲行般若波羅蜜。若行色為行相。若行受想行識為行相。‥‥
  • 無方便にして般若波羅蜜を行ずる:色、乃至般若波羅蜜を行じて行相を為す。
  • 般若波羅蜜を行ぜんと欲すれば、色乃至識の寂滅を行ぜず。
  • 何故ならば:色は空であって、色に非ず。色を離れて空はなく、空を離れて色は無い。色は即ち是れ空、空は即ち是れ色の故に。
  • 無相門を以って、諸法を破す。
  • 相に著する非道を離れる。
行相*、念*、是処、理、少許、辺、邪、麁、愛見*、弗沙仏*、底沙仏*


大智度論巻第四十三(下)
釈行相品第十
1.三昧を離れない!
【經】舍利弗言。但不離是三昧。令菩薩摩訶薩疾得阿耨多羅三藐三菩提。更有諸餘三昧。須菩提。語舍利弗言。更有諸餘三昧。菩薩摩訶薩行是三昧。疾得阿耨多羅三藐三菩提。舍利弗言。何等三昧。菩薩摩訶薩行是疾得阿耨多羅三藐三菩提。須菩提言。諸菩薩摩訶薩有三昧名首楞嚴。行是三昧令菩薩摩訶薩。疾得阿耨多羅三藐三菩提。有名寶印三昧。師子遊戲三昧。‥‥
  • 首楞厳三昧等の百八三昧は疾かに阿耨多羅三藐三菩提を得る。
  • 般若波羅蜜は、諸の三昧と異ならず、諸の三昧は般若波羅蜜と異ならない等。
  • 般若波羅蜜、三昧、菩薩には所有が無い。
  • 須菩提:無諍三昧を行じて第一。
首楞厳三昧*、無諍三昧、陀羅尼門

2.般若波羅蜜は得られない!
【經】舍利弗白佛言。世尊。菩薩摩訶薩如是學為學般若波羅蜜耶。佛告舍利弗。菩薩摩訶薩如是學為學般若波羅蜜。是法不可得故。乃至學檀波羅蜜。是法亦不可得故。‥‥
  • 般若波羅蜜、乃至一切法は得られない。
  • 畢竟じて浄い:不出、不生、無得、無作等。
  • 諸法に所有無しと、是のように有り、是のように所有が無い。是の事を知らないのを無明という。
  • 愚人は月を指し示す指を看て、示す人の意を得ない。



大智度論巻第四十四(上)
釈幻人無作品第十一
1.幻人
【經】爾時慧命須菩提白佛言。世尊。若當有人問言。幻人學般若波羅蜜當得薩婆若不。幻人學禪波羅蜜毘梨耶波羅蜜羼提波羅蜜尸羅波羅蜜檀波羅蜜。學四念處乃至十八不共法及一切種智。得薩婆若不。我當云何答‥‥
  • 幻人は般若波羅蜜を学んで、薩婆若を得るか?
  • 幻人は色、乃至諸仏と異なるか?
五受陰、五受衆、生業、楽説門、
十二因縁*:無明、行、識、名色、六処、触、受、相、取、有、生、老死;
≪十二因縁*の考察≫

2.方便と善知識
【經】須菩提白佛言。世尊。新發大乘意菩薩聞說般若波羅蜜。將無驚怖畏。佛告須菩提。若新發大乘意菩薩。於般若波羅蜜無方便。亦不得善知識。是菩薩或驚或怖或畏。須菩提白佛言。世尊。何等是方便。菩薩行是方便不驚不畏不怖。佛告須菩提。有菩薩摩訶薩。行般若波羅蜜應薩婆若心。觀色無常相是亦不可得。觀受想行識無常相是亦不可得。須菩提。是名菩薩摩訶薩行般若波羅蜜中方便。‥‥
  • 方便が無く、善知識を得なければ、般若波羅蜜の不可得を聞いて驚、怖、畏する。
  • 方便:薩婆若相応の心で色の相の不可得を観て、般若波羅蜜を行ずる。
  • 善知識:色の無常の不可得等を説き、是の善根を持して、声聞、辟支仏の道に向わず、但だ一切智のみに向わせる。
将、惟

3.無方便と悪知識
【經】須菩提白佛言。世尊。云何菩薩摩訶薩行般若波羅蜜無方便。隨惡知識聞說是般若波羅蜜驚怖畏。佛告須菩提。菩薩摩訶薩離一切智心。修般若波羅蜜。得是般若波羅蜜。念是般若波羅蜜。禪波羅蜜毘梨耶波羅蜜羼提波羅蜜尸羅波羅蜜檀波羅蜜。皆得皆念。‥‥
  • 無方便:薩婆若を離れた心で、般若波羅蜜を修め、般若波羅蜜の相を取り、般若波羅蜜を念ずる。
  • 薩婆若を離れた心で、色の空等を観て、諸法の空中に所得を有す。
  • 悪知識:六波羅蜜を離れさせる。小乗に向わせる。阿耨多羅三藐三菩提を求めさせない。
  • 是のような魔の事、魔の罪を説かない。
用、為、教詔、和尚*、阿闍梨*、豫、能、転、親近


大智度論巻第四十四(下)
釈句義品第十二
1.菩薩の句義
【經】爾時須菩提白佛言。世尊。云何為菩薩句義。佛告須菩提。無句義是菩薩句義。何以故。阿耨多羅三藐三菩提中。無有義處亦無我。以是故無句義是菩薩句義。須菩提。譬如鳥飛虛空無有足跡。菩薩句義無所有亦如是。‥‥
  • 無句義:菩薩の句義。
  • 多くの譬喩を以って無句義を釈す。
  • 仮名:実が無い。
句義*、句*、義*、処所、所有、阿迦尼吒天、数、謂、所在、波陀*、楽著、端政、厳飾、光栄、求覓、五衆戒

2.一切法と無礙相
【經】須菩提白佛言。世尊。何等是一切法。云何一切法中無礙相應學應知。佛告須菩提。一切法者。善法不善法記法無記法世間法出世間法有漏法無漏法有為法無為法共法不共法。須菩提。是名為一切法。菩薩摩訶薩是一切法無礙相中應學應知。‥‥
  • 一切法:善法と不善法、記法と無記法、世間法と出世間法、有漏法と無漏法、有為法と無為法、共法と不共法。
  • 善法、不善法等を釈す。
  • 一切の法が不二の相である:心が動じないが故に。
  • 菩薩は無礙の法中に住して動じない:不二入の法門を以って、一切法に入るので動じない。
福処、敬事、六種、威儀心、工巧心、変化心、虚空、非数縁滅、三明、有為解脱、無為解脱、如、不二入法門



大智度論巻第四十五(上)
釈摩訶薩品第十三
1.摩訶薩:畢定衆の上首の故に
【經】爾時須菩提白佛言。世尊。何以故。名為摩訶薩。佛告須菩提。是菩薩於畢定眾中為上首。是故名為摩訶薩。須菩提白佛言。世尊。何等為畢定眾。是菩薩摩訶薩而為上首。佛告須菩提。畢定眾者。性地人八人。須陀洹斯陀含阿那含阿羅漢辟支佛。初發心菩薩乃至阿鞞跋致地菩薩。須菩提。是為畢定眾。菩薩為上首。菩薩摩訶薩於是中生大心。不可壞如金剛。當為畢定眾作上首。須菩提白佛言。世尊。何等是菩薩摩訶薩生大心不可壞如金剛。‥‥
  • 摩訶薩:畢定衆中の上首。
  • 畢定衆:性地、八人、須陀洹乃至阿羅漢、辟支仏、初発心乃至阿鞞跋致の菩薩。
  • 大心:金剛の如く壊すべからず。
  • 大心:所得が無い。
  • 金剛心:一切の衆生に代って無量百千億劫の地獄の苦を受ける。
  • 大快心:貪瞋癡三心を生じない。
  • 利益安楽心:一切の衆生を救済して捨てない。
  • 法を欲し、法を喜び、法を楽しむ。
  • 衆生の三分:正定:必ず涅槃に入る、邪定:必ず悪趣に入る、不定:正邪定まらず。
畢定衆*、正定聚*、三聚*:正定聚、邪定聚、不定聚;性地*、八人*、大心*、十五心、頃揺、瞋罵、謗毀、閉繋、斫刺、割截、乞索、厭足、罵詈、斸鑿、毀壊、虧損

釈断見品第十四
1.摩訶薩:断見の故に
【經】爾時慧命舍利弗白佛言。世尊。我亦欲說所以為摩訶薩。佛告舍利弗。便說。舍利弗言。我見眾生見壽見命見生見養育見眾數見人見作見使作見起見使起見受見使受見知者見見者見斷見常見有見無見陰見入見界見諦見因緣見四念處見乃至十八不共法見佛道見成就眾生見淨佛世界見佛見轉法輪見。為斷如是諸見故而為說法。是名摩訶薩。‥‥
  • 我見、乃至仏見、転法輪見:是の諸の見を断ずる為の故に、其の法を説く。
  • 無方便の菩薩:色に見を生ずる。何を以っての故に、色に所得有りと思うが故に。乃至転法輪。
  • 方便力:諸の見を断ずるが而も其の法を説く。何を以っての故に、法に所得無しと思うが故に。
  • 目連は舍利弗の擲げたる帯を挙げられない。
  • 三種の見:衆生見、邪見、法見。
  • 無方便:色を観て定相を求め、色に一切の相を取って、色見を生ずる。
用、方便、懸殊、信楽、又、聴

2.摩訶薩:阿耨多羅三藐三菩提心の故に
【經】爾時須菩提白佛言。世尊。我亦欲說所以為摩訶薩。佛言。便說。須菩提言。世尊。是阿耨多羅三藐三菩提心無等等心。不共聲聞辟支佛心。何以故。是一切智心無漏不繫故。是一切智心無漏不繫中亦不著。以是因緣故名摩訶薩。‥‥
  • 阿耨多羅三藐三菩提心、無等等心:声聞辟支仏と共にせざる心。
  • 一切智の心は、無漏不繋なるが故に、是の一切智の心は無漏不繋中にも亦た著せず。
  • 凡夫人の心も亦た無漏不繋である。何を以っての故に、心は常に性として空なるが故に。
阿耨多羅三藐三菩提心*、無等等心*、菩提心*、阿耨多羅三藐三菩提*、称貴、美、尊貴、然可


大智度論巻第四十五(下)
釈大荘厳品第十五
1.六波羅蜜を以って、大いに荘厳する
【經】爾時富樓那彌多羅尼子白佛言。世尊。我亦樂說所以為摩訶薩。佛言。便說。富樓那彌多羅尼子言。是菩薩大莊嚴。是菩薩發趣大乘。是菩薩乘於大乘。以是故是菩薩名摩訶薩。舍利弗語富樓那言。云何名菩薩摩訶薩大莊嚴。富樓那語舍利弗。菩薩摩訶薩不分別為爾所人故住檀波羅蜜行檀波羅蜜。為一切眾生故。住檀波羅蜜行檀波羅蜜不為爾所人故住尸羅波羅蜜。行尸羅波羅蜜。羼提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪波羅蜜般若波羅蜜。為一切眾生故。住般若波羅蜜行般若波羅蜜。‥‥
  • 菩薩摩訶薩が大いに荘厳するとは?
  • 六波羅蜜は各各、六波羅蜜を生ずる。
富楼那弥多羅尼子、爾所、応、薩婆若心、用、法師*、聴許、乃、字*、名*、衆情、牽引、親厚、遠行、器仗、魔入、趣、道徳

2.無量心を以って、大乗に発趣する
【經】慧命舍利弗問富樓那彌多羅尼子云何菩薩摩訶薩發趣大乘。富樓那語舍利弗。菩薩摩訶薩行六波羅蜜時。離諸欲離諸惡不善法。有覺有觀離生喜樂入初禪。乃至入第四禪中。以慈廣大無二無量無怨無恨無惱心行遍滿。一方二三四方四維上下遍一切世間。悲喜捨心亦如是。是菩薩入禪時起時。諸禪無量心及支。共一切眾生迴向薩婆若。是名菩薩摩訶薩禪波羅蜜發趣大乘。是菩薩摩訶薩住禪無量心作是念。我當得一切種智。為斷一切眾生煩惱故當說法。是名菩薩摩訶薩行禪波羅蜜時檀波羅蜜。‥‥
  • 大乗に発趣するとは?
  • 禅に入り、慈の広大を以って、無二無量無怨無恨無悩の心行が四方に遍満し、一切世間に遍満する。悲喜捨も亦た是の如し。
  • 四無量心が六波羅蜜を生ずる。
有覚有観、離生喜楽、一切種*、乃、四無量等、信行性、法行性、信行、法行



大智度論巻第四十六(上)
釈乗乗品第十六
1.大乗に乗ずる
【經】爾時慧命舍利弗問富樓那。云何名菩薩摩訶薩乘於大乘。富樓那答舍利弗言。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。乘檀波羅蜜亦不得檀波羅蜜。亦不得菩薩亦不得受者。用無所得故。是名菩薩摩訶薩乘檀波羅蜜。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。乘尸羅波羅蜜羼提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪波羅蜜。乘般若波羅蜜。亦不得般若波羅蜜。亦不得菩薩。用無所得故。是為菩薩摩訶薩乘於般若波羅蜜。如是舍利弗。是為菩薩摩訶薩乘於大乘。‥‥
  • 六波羅蜜に乗じて、一仏国より一仏国に至り、衆生を教化して仏世界を浄める。
得、一切智、一切種智、直、趣

釈無縛無脱品第十七
1.大いに荘厳する
【經】爾時須菩提白佛言。世尊。菩薩摩訶薩大莊嚴。何等是大莊嚴。何等菩薩能大莊嚴。佛語須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍大莊嚴。所謂檀波羅蜜。乃至般若波羅蜜莊嚴。四念處莊嚴。乃至八聖道分內空莊嚴。乃至無法有法空十力。乃至十八不共法及一切種智莊嚴。變身如佛莊嚴。光明遍照三千大千世界。亦照東方如恒河沙等世界。南西北方四維上下亦復如是。三千大千世界六種振動。亦動東方如恒河沙等諸世界。南西北方四維上下亦復如是。‥‥
  • 菩薩摩訶薩は摩訶衍、即ち六波羅蜜を以って大荘厳する。
搗香、沢香、香*、工幻師、若、四衢道、著、等

2.縛無く脱無き衆生を教化する
【經】爾時須菩提。白佛言。世尊。如我從佛所聞義。菩薩摩訶薩無大莊嚴為大莊嚴。諸法自相空故。所謂色色相空。受想行識識相空。眼眼相空。乃至意意相空。色色相空。乃至法法相空。眼識眼識相空。乃至意識意識相空。眼觸眼觸相空。乃至意觸意觸相空。眼觸因緣生受受相空。乃至意觸因緣生受受相空。世尊。檀波羅蜜檀波羅蜜相空。乃至般若波羅蜜般若波羅蜜相空。內空內空空相空。乃至無法有法空無法有法空相空。四念處四念處相空。乃至十八不共法十八不共法相空。菩薩菩薩相空。世尊。以是因緣故。當知菩薩摩訶薩無大莊嚴為大莊嚴。‥‥
  • 菩薩は大荘厳を大荘厳としない。
  • 五衆は縛も無く、脱も無い。
  • 菩薩、六波羅蜜、一切種智、仏等は皆縛も無く、脱も無い。
  • 縛も無く脱も無い六波羅蜜を行う。
作法、作、起法、不作、嚮、適、所能作、所作、亦


大智度論巻第四十六(下)
釈摩訶衍品第十八
1.【經】六波羅蜜と十八空
【經】爾時須菩提。白佛言世尊。何等是菩薩摩訶薩摩訶衍。云何當知。菩薩摩訶薩發趣大乘。是乘發何處是乘至何處。當住何處誰當乘是乘出者。佛告須菩提。汝問何等是菩薩摩訶薩摩訶衍。須菩提。六波羅蜜是菩薩摩訶薩摩訶衍。何等六。檀波羅蜜尸羅波羅蜜羼提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪波羅蜜般若波羅蜜。‥‥
  • 六波羅蜜は菩薩摩訶薩の摩訶衍である。
  • 六波羅蜜:檀波羅蜜、尸羅波羅蜜、羼提波羅蜜、毘梨耶波羅蜜、禅波羅蜜、般若波羅蜜;
  • 十八空は摩訶衍である。
  • 十八空:内空、外空、内外空、空空、大空、第一義空、有為空、無為空、畢竟空、無始空、散空、性空、自相空、諸法空、不可得空、無法空、有法空、無法有法空;
十八空

2.【論】摩訶衍と般若波羅蜜
  • 般若波羅蜜と摩訶衍:一義、但だ名字が異なる。
営従、謙、駛馬

3.【論】六波羅蜜と摩訶衍
  • 般若波羅蜜を説けば、則ち六波羅蜜を説き、六波羅蜜を説けば、則ち一切の善法を説く。
  • 檀波羅蜜の五種の相:薩婆若に相応する心を用って!内外の物を捨て!是の福を一切の衆生と共にし!阿耨多羅三藐三菩提に迴向する!無所得を用いるが故に!
  • 殺の三事:初に鞭打、斫刺し、中に殺し、後に皮を剥いで食噉、歓喜する。
  • 二種の戒:律儀戒、十善戒。
  • 十善:総相の戒。六波羅蜜:総相の善法。
拷掠、依附、十善、斫刺、戒律、旧戒、復

4.【論】十八空と般若波羅蜜、四空
  • 十八空:内空、外空、内外空、空空、大空、第一義空、有為空、無為空、畢竟空、無始空、散空、性空、自相空、諸法空、不可得空、無法空、有法空、無法有法空。
  • 若し此の十八空を習わなければ、常滅の二辺に堕ちる。
  • 四空:法法相空、無法無法相空、自法自法相空、他法他法相空。



大智度論巻第四十七(上)
釈摩訶衍品之余
1.【經】百八三昧
【經】復次須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍。所謂名首楞嚴三昧。寶印三昧。師子遊戲三昧。妙月三昧。月幢相三昧。出諸法三昧。觀頂三昧。畢法性三昧。畢幢相三昧。金剛三昧。‥‥云何名首楞嚴三昧。知諸三昧行處。是名首楞嚴三昧。云何名寶印三昧。住是三昧能印諸三昧。是名寶印三昧。‥‥
  • 首楞厳三昧、宝印三昧、師子遊戯三昧、妙月三昧、月幢相三昧、出諸法三昧、観頂三昧、畢法性三昧、畢幢相三昧、金剛三昧。
  • 入法印三昧、三昧王安立三昧、放光三昧、力進三昧、高出三昧、必入辯才三昧、釈名字三昧、観方三昧、陀羅尼印三昧、無誑三昧。
  • 摂諸法海三昧、遍覆虚空三昧、金剛輪三昧、断宝三昧、能照三昧、不求三昧、無住三昧、無心三昧、浄灯三昧、無辺明三昧。
  • 能作明三昧、普照明三昧、堅浄諸三昧三昧、無垢明三昧、歓喜三昧、電光三昧、無尽三昧、威徳三昧、離尽三昧、不動三昧。
  • 不退三昧、日灯三昧、月浄三昧、浄明三昧、能作明三昧、作行三昧、知相三昧、如金剛三昧、心住三昧、普明三昧。
  • 安立三昧、宝聚三昧、妙法印三昧、法等三昧、断喜三昧、到法頂三昧、能散三昧、分別諸法句三昧、字等相三昧、離字三昧。
  • 断縁三昧、不壊三昧、無種相三昧、無処行三昧、離蒙昧三昧、無去三昧、不変異三昧、度縁三昧、集諸功徳三昧、住無心三昧。
  • 妙浄華三昧、覚意三昧、無量辯三昧、無等等三昧、度諸法三昧、分別諸法三昧、散疑三昧、無住処三昧、一荘厳三昧、生行三昧。
  • 一行三昧、不一行三昧、妙行三昧、達一切有底散三昧、入名語三昧、離音声字語三昧、然炬三昧、浄相三昧、破相三昧、一切種妙足三昧。
  • 不喜苦楽三昧、無尽相三昧、陀羅尼三昧、摂諸邪正相三昧、滅憎愛三昧、逆順三昧、浄光三昧、堅固三昧、満月浄光三昧、大荘厳三昧。
  • 能照一切世三昧、三昧等三昧、摂一切有諍無諍三昧、不楽一切住処三昧、如住定三昧、壊身衰三昧、壊語如虚空三昧、離著虚空不染三昧。
三昧、即、怖懾、畏難、翳障、闇蔽、坦然、畏懼、火一切入、循、方

2.【論】百八三昧
  • 首楞厳三昧、宝印三昧、師子遊戯三昧、妙月三昧、月幢相三昧、出諸法三昧、観頂三昧、畢法性三昧、畢幢相三昧、金剛三昧。
  • 入法印三昧、三昧王安立三昧、放光三昧、力進三昧、高出三昧、必入辯才三昧、釈名字三昧、観方三昧、陀羅尼印三昧、無誑三昧。


大智度論巻第四十七(下)
釈摩訶衍品之余
1.【論】百八三昧
  • 摂諸法海三昧、遍覆虚空三昧、金剛輪三昧、断宝三昧、能照三昧、不求三昧、無住三昧、無心三昧、浄灯三昧、無辺明三昧。
  • 能作明三昧、普照明三昧、堅浄諸三昧三昧、無垢明三昧、歓喜三昧、電光三昧、無尽三昧、威徳三昧、離尽三昧、不動三昧。
  • 不退三昧、日灯三昧、月浄三昧、浄明三昧、能作明三昧、作行三昧、知相三昧、如金剛三昧、心住三昧、普明三昧。
  • 安立三昧、宝聚三昧、妙法印三昧、法等三昧、断喜三昧、到法頂三昧、能散三昧、分別諸法句三昧、字等相三昧、離字三昧。
  • 断縁三昧、不壊三昧、無種相三昧、無処行三昧、離蒙昧三昧、無去三昧、不変異三昧、度縁三昧、集諸功徳三昧、住無心三昧。
  • 妙浄華三昧、覚意三昧、無量辯三昧、無等等三昧、度諸法三昧、分別諸法三昧、散疑三昧、無住処三昧、一荘厳三昧、生行三昧。
  • 一行三昧、不一行三昧、妙行三昧、達一切有底散三昧、入名語三昧、離音声字語三昧、然炬三昧、浄相三昧、破相三昧、一切種妙足三昧。
  • 不喜苦楽三昧、無尽相三昧、陀羅尼三昧、摂諸邪正相三昧、滅憎愛三昧、逆順三昧、浄光三昧、堅固三昧、満月浄光三昧、大荘厳三昧。
  • 能照一切世三昧、三昧等三昧、摂一切有諍無諍三昧、不楽一切住処三昧、如住定三昧、壊身衰三昧、壊語如虚空三昧、離著虚空不染三昧。
金剛輪、浄治、遣、照了、顕了、所可、掣電、滞礙、呵詈、曚昧、敷開、石汁*、無等等*、阿娑摩娑摩*、行、三聚、三種世間*、
七処:項、齗、歯、唇、舌、咽、胸;



大智度論巻第四十八(上)
釈四念処品第十九
1.【經】四念処:内身を観る
【經】四念処:内身を観る
  • 十二種の観:内身、外身、内外身、内受、外受、内外受、内心、外心、内外心、内法、外法、内外法。
  • 内身中に行住坐臥を観る。
  • 内身中に出入息を観る。
  • 内身中に四大を観る。屠牛師、牛を四分するの譬喩。
  • 内身中に不浄を観る。倉中に雑穀を盛るの譬喩。
  • 死人を観て、内身を念ず。
循、視瞻、僧伽梨、旋師、周匝、胞、陰、[月*冊]、明眼、烏、鴟、鵰、鷲、爴裂、瑣、膞骨、髀骨、脊骨、髑髏

2.【論】四念処:九問九答
  • 問1:但だ十二種の観のみ説くのは?
  • 問2:内、外、内外の意味?
  • 問3:四念処の四法各各に内、外、内外を観るのは?
  • 問4:身を巡って観るとは?
  • 問5:身を観て覚を生じないのは?
  • 問6:四念処のみ何故一心と言うのか?
  • 問7:但だ貪を除く、但だ憂を除くと言うのは?
  • 問8:無常、苦、空、無我等を言わず、但だ不浄を観ると言うのは?
  • 問9:身の四威儀を念ずるのは?
九受入、九不受入、癰、瘡、行廁、鞭杖、繋閉、罵詈、毀呰、万端、巧便、知識*、善知識*、鑽燧、尋繹、安詳

3.【論】数息観と不浄観
  • 数息観で身を安詳とし、後に不浄観を行う。
安那波那、随逐、況、周匝、反覆、敗壊、悪露、親里、青瘀、膖脹、行来、妖蠱、淫者、可以、野干、会当、澆浸、鴿

4.【論】四聖行と四念処
  • 四聖行:不浄観、無常観、非我観、苦観。
  • 身念処:不浄を観る。
  • 受念処:無常を観る。
  • 心念処:苦を観る。
  • 法念処:無我を観る。
  • 四聖行は四顛倒を破る。
  • 四聖行と四聖諦。
  • 煖法の意味。
  • 頂法の意味。
  • 忍法、世間第一法:菩薩法中の柔順法忍。
  • 須陀洹、乃至阿羅漢、辟支仏道は菩薩法中の無生法忍。
四聖行:不浄観、無常観、非我観、苦観;
劫、愧、了、羞愧、煖法、柔順法忍、無生法忍

5.【論】四念処と四正勤、四如意足、三十七品
  • 四正勤、四如意足は四念処中に在る。
  • 慧が多い:四念処、精進が多い:四正勤、定が多い:四如意足。
  • 智慧がは、念に随うが故に四念処という。
  • 四念処の実体は智慧。
  • 四如意足:四定:欲定、精進定、心定、思惟定。
  • 五根、五力、八聖道、七覚支。
欲定、精進定、心定、思惟定、四定、辦、且


大智度論巻第四十八(下)
釈四念処品第十九
1.身念処、四正勤、四如意分
【經】復次須菩提。菩薩摩訶薩見是棄死人骨在地歲久其色如鴿。腐朽爛壞與土共合。自念。我身如是法如是相未脫此法。‥‥
  • 身念処:内身、外身、内外身を巡って観察する。
  • 四正勤:未生の悪を生じさせない等。
  • 四如意分:欲、心、精進、思惟の定の断行成就して、如意分を修める。
四正勤、修満、四如意分、四如意足

2.五根、五力、七覚分、八聖道分
【經】復次須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍。所謂五根。何等五。信根精進根念根定根慧根。是名菩薩摩訶薩摩訶衍。以不可得故。‥‥
  • 五根:信根、精進根等。
  • 五力:信力、精進力等。
  • 七覚分:念覚分、択法覚分等。
  • 八聖道分:正見、正思惟等。
五根、五力、七覚分、八聖道分

3.三三昧、十一智、三根
【經】復次須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍。所謂三三昧。何等三。空無相無作三昧。空三昧名諸法自相空。是為空解脫門。‥‥
  • 三三昧:空、無相、無作三昧。
  • 十一智:苦智、集智、滅智、道智、尽智、無生智、法智、比智、世智、他心智、如実智。
  • 三根:未知欲知根、知根、知者根。
三三昧、十一智、三根

4.三三昧、十念、四禅乃至九次第定
【經】復次須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍。所謂三三昧。何等三。有覺有觀三昧。無覺有觀三昧。無覺無觀三昧。云何名有覺有觀三昧。離諸欲離惡不善法。有覺有觀離生喜樂入初禪。是名有覺有觀三昧。‥‥
  • 三三昧:有覚有観三昧、無覚有観三昧、無覚無観三昧。
  • 十念:念仏、念法、念僧、念戒、念捨、念天、念滅、念出入息、念身、念死。
三三昧、
十念*:念仏、念法、念僧、念戒、念施、念天、念休息、念安般、念身非常、念死;
四禅、四無量心、四無色定、八背捨、九次第定

5.十力、四無所畏、四無礙智、十八不共法
【經】復次須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍。所謂佛十力。何等十。佛如實知一切法是處不是處相。一力也。‥‥
  • 仏の十力:如実に一切法の是処不是処の相を知る等。
  • 四無所畏:我れは是れ一切正智の人なり等。
  • 四無礙智:義無礙智、法無礙智、辞無礙智、楽説無礙智。
  • 十八不共法:諸仏の身に失無し等。
十力、四無所畏、四無礙智、十八不共法

6.【經】四十二字入門
【經】復次須菩提。菩薩摩訶薩摩訶衍。所謂字等語等諸字入門。何等為字等語等諸字入門。阿字門一切法初不生故。羅字門一切法離垢故。波字門一切法第一義故。遮字門一切法終不可得故。諸法不終不生故。‥‥
  • 阿、羅、波、遮、那、邏、陀、婆、沙、和、多、夜、吒、迦、娑、磨、伽、他、闍、簸、駄、賒、呿、叉、哆、若、拖、婆、車、魔、火、蹉、伽、咃、拏、頗、歌、醝、遮、咤、荼。
諸字入門、阿、羅*、囉*、波*、跛*、遮*、左*、那*、曩*、邏*、陀*、娜*、婆*、麼*、荼*、拏*、沙*、灑*、和*、嚩*、多*、夜*、野*、吒*、咤*、迦*、娑*、磨*、摩*、伽*、誐*、他*、闍*、惹*、簸*、駄*、馱*、賒*、捨*、呿*、佉*、叉*、乞灑*、哆*、若*、拖*、拕*、婆*、車*、磋*、魔*、摩*、火*、蹉*、嗟*、伽*、咃*、咤*、拏*、頗*、歌*、尸迦*、醝*、遮*、咤*、吒*、荼*

7.【經】諸字門二十功徳
【經】所謂阿字義。若菩薩摩訶薩是諸字門印阿字印。若聞若受若誦若讀若持若為他說。如是知當得二十功德。何等二十。得強識念。得慚愧。得堅固心。得經旨趣。得智慧。得樂說無礙。易得諸陀羅尼門。得無疑悔心。得聞善不喜聞惡不怒。得不高不下住心得無增減。得善巧知眾生語。得巧分別五眾十二入十八界十二因緣四緣四諦。‥‥
  • 字門の二十功徳:強い識念、慚愧、堅固心、経旨趣、智慧、楽説無礙、諸陀羅尼門、無疑悔心等。

8.【論】四十二字門
  • 四十二字門の解説。
  • 四十二字門:文字陀羅尼、諸の陀羅尼の門。
阿提、阿耨波陀、羅闍、波羅木陀、遮梨夜、那、邏求、陀摩、婆陀、荼闍他、沙、和波他、多夜、夜他跋、吒婆、迦羅迦、薩婆、魔迦羅、伽陀、多陀阿伽陀、四句、如去、闍提、闍羅、湿波、駄摩、賒多、呿伽、叉耶、阿利迦哆度求那、若那、阿他、婆伽、伽車提、阿湿麼、火夜、末蹉羅、伽那、他那、拏、頗羅、歌大、醝、遮羅地、吒羅、波荼

9.【論】文字陀羅尼の二十功徳
  • 二十功徳の解説。
  • 日、月、歳、節の解説。



大智度論巻第四十九(上)
釈発趣品第二十
1.【經】十地を説く
【經】佛告須菩提。汝問云何菩薩摩訶薩大乘發趣。若菩薩摩訶薩行六波羅蜜時。從一地至一地。是名菩薩摩訶薩大乘發趣。須菩提白佛言。世尊。云何菩薩摩訶薩從一地至一地。佛言。菩薩摩訶薩知一切法無來去相亦無有法。若來若去若至若不至諸法相不滅故。菩薩摩訶薩於諸地不念不思惟。而修治地業亦不見地。何等菩薩摩訶薩治地業。菩薩摩訶薩住初地時行十事。一者深心堅固。是不可得故。二者於一切眾生中等心。眾生不可得故。三者布施。與人受人不可得故。四者親近善知識亦不自高。五者求法。一切法不可得故。‥‥
  • 大乗に発趣する:六波羅蜜を行ずる時、一地より一地に至る。
  • 初地:深心堅固等十事。
  • 二地:戒清浄等の八法。
  • 三地:学問して無厭足等の五法を行う。
  • 四地:阿蘭若住処等の十法を捨てず。
  • 五地:白衣に親しむ等十二法を遠離する。
  • 六地:六波羅蜜を具足する。声聞辟支仏の意を作さず等の六法を遠離する。
  • 七地:我等の二十法に著せず。空等の二十法を具足する。
  • 八地:衆生心に順入する等の五法を具足する。上下の諸根を知る等の五法を具足する。
  • 九地:無辺の世界中に度すべき分を受く等の十二法を具足する。
  • 十地:仏と同じ。
諮受、阿練若住処*、阿蘭若処*、頭陀、穢悪、慳惜、談処、自大、自用、所索、満具、衆数

2.【經】須菩提、初地の十事を問う
【經】爾時慧命須菩提白佛言。世尊。云何菩薩摩訶薩深心治地業。佛言。菩薩摩訶薩應薩婆若心集諸善根。是名菩薩摩訶薩深心治地業。‥‥
  • 深心を問う。
  • 等心を問う。
  • 布施を問う。
  • 善知識に親近するを問う。
  • 法を求めるを問う。
  • 出家を問う。
  • 仏身を愛楽するを問う。
  • 法を演出して教えるを問う。
  • 憍慢を破るを問う。
  • 実語を問う。
薩婆若、修妒路、優婆提舎

3.【論】初地の十事を釈す
  • 大乗に発趣するを釈す。
  • 大乗の地なることを釈す。
  • 乾慧地等、歓喜地等の二種の地。
  • 初地の深心:摩訶迦葉の例、耶舎長者子の例、薩陀波崙品の例。
  • 等心:深心を得て一切の衆生に心を等しうする。
  • 捨心:二種の捨:財を捨てる、結を捨てる。
  • 法を求める:三種の法:涅槃等の最上の法、八聖道等の涅槃を求める法、八万四千の法聚等の一切の善語実語で八聖道を助ける法。釈迦文仏の例。薩陀波崙の例。釈迦文菩薩の例。金堅王の例。
  • 出家:衆生の為の故に家を捨て清浄戒を持ち仏道を求めて、尸羅波羅蜜の因縁を具足する。
  • 仏道の二種の正見:世間の正見、出世間の正見。
  • 仏身を愛楽する。
  • 法を演出して教える。
  • 妙義好語。
  • 憍慢を破る:出家乞食は憍慢を破る法。
  • 実語:善の本、生天の因縁、人の信受する所。
十地、但菩薩地、共地、乾慧地、仏地、歓喜地、離垢地、有光地、増曜地、難勝地、現在地、深入地、不動地、善根地、法雲地、摩訶迦葉、耶舎*、宝屣、曇無竭菩薩*、閉在、幽闇、微隙、踊躍、欣悦、独、金堅王、灯炷、投巌、為、宣暢、復、覆没、卑鄙、下賎、下意、在


大智度論巻第四十九(下)
釈発趣品第二十
1.【經】二地乃至六地を釈す
【經】云何菩薩戒清淨。若菩薩摩訶薩不念聲聞辟支佛心及諸破戒障佛道法。是名戒清淨。云何菩薩知恩報恩。若菩薩摩訶薩行菩薩道。乃至小恩尚不忘。何況多。是名知恩報恩。‥‥
  • 二地中には、常に八法を念ずる。
  • 三地中には、五法を行ずる。
  • 四地中には、十法を捨てる。
  • 五地中には、十二法を遠離する。
  • 六地中には、六法を具足して、六法を遠離する。
諮受、厭、阿蘭若住処、頭陀、穢悪、不作*、自用

2.【論】二地乃至六地を釈す
  • 二地中:恩を知る:穀、地、雨の譬喩。熊の恩の譬喩。
  • 二地中:大悲心:人に代わって苦を受ける。
  • 二地中:師を信じて恭敬諮受する:悪師:弊嚢中の宝の譬喩、薩陀波崙の例、
  • 六波羅蜜:国土、物資、種子、勤修求辦して事として成らざる無しの譬喩。
  • 四地中:頭陀の功徳を捨てない:頭陀とは無生法忍である。
  • 五地中:白衣に親しむ:浮くを知らない人が、溺れた人を救う譬喩。
  • 五地中:比丘尼を遠離する:菩薩は等心にして、何故に遠離するのか?
  • 五地中:無益の談説:王法の事、賊の事、大海山林薬草宝物、諸方の国土。
摂*、由*、前行、恐*、理*、代理*、綆、宗重、敬伏、薩陀波崙、比数、修*、求*、辦*、漸進*、餚膳、請呼、十二頭陀、順忍、無生法忍、汚穢、尚*、猶*、功夫、供養、慳嫉、打斫、讒謗、自大、七種憍慢*、憍*、慢*、憍慢*、七慢*



大智度論巻第五十(上)
釈発趣品第二十
1.【經】七地乃至十地を説く
【經】云何菩薩不著我。畢竟無我故。云何菩薩不著眾生。不著壽命。不著眾數乃至知者見者。是諸法畢竟不可得故。云何菩薩不著斷見。無有法斷。諸法畢竟不生故。‥‥
  • 七地中に著すべきでない二十法:我、衆生、寿命、乃至知者、見者、断常見等。
  • 七地中に具足すべき二十法:空、無相、無作、三分清浄等。
  • 八地中に具足すべき五法:衆生心に順入する、神通を遊戯する等。
  • 八地中に具足すべき五法:上下根を知る、仏世界を浄める等。
  • 九地中に具足すべき十二法:無量の世界の度す所の分を受ける等。
衆数、数*無、因見、名色、依止*、所応*、不可見、報生三昧

2.【論】七地乃至八地を釈す
  • 七地を釈す。
  • 因見とは?
  • 八地を釈す。
  • 神通を遊戯するとは?
  • 仏国を見る例:世自在王仏が宝積比丘に十方の清浄世界を示す。
  • 仏世界を浄める:自ら身を浄める、衆生の心を浄める。
  • 衆生の応ずる所の善根に随って身を受けるとは?
更*、善根福徳、無礙莊嚴、順観、動発、深念、飛到、世自在王仏*、法積比丘、不取心相、役、役用、行得、報得

3.【論】九地乃至十地を釈す
  • 九地を釈す。
  • 度す所の分を受ける:無量阿僧祇世界の六道中の衆生を受ける。
  • 処胎成就:白象に乗って母胎に入る等。
  • 生成就:母の右脅より生まれる等。
  • 姓成就:七仏の初の三仏は憍陳如の姓、次の三仏は迦葉の姓、釈迦文仏は憍曇の姓。
  • 諸仏の姓:菩薩が初めより深心堅固。
  • 出家成就:車匿の牽く馬に乗って城を踰える等。
  • 仏樹:菩薩の七宝で仏樹で莊嚴する:六波羅蜜、六神通、四如意足、浄慧、妙行、四摂法、方便。
  • 善功徳成満具足:自利利他が深大。
雑、摂取、然灯、所感、叉手、俟待、名声、四生、化生*、七仏、憍陳如*、迦葉、憍曇、姓地、瞿毘耶、居士宝、齎持、奉迎、将出、車匿、浄飯王*、貴重、凡細、菩薩七宝、闇蔽、瞋悩



大智度論巻第五十(下)
釈出到品第二十一
1.【經】三界中より出て薩婆若中に住するを説く
【經】佛告須菩提。汝所問是乘何處出至何處住者。佛言。是乘從三界中出。至薩婆若中住。以不二法故。何以故。摩訶衍薩婆若是二法。共不合不散無色無形無對一相所謂無相。‥‥
  • 是の乗は何処より出て、何処に至って住まるのか?
  • 三界中より出て、薩婆若に至って住まる!
  • 摩訶衍と薩婆若の二法は一相、謂わゆる無相だからである!
  • 無相の法をして、三界中より出させようとする!

2.【論】三界中より出て薩婆若中に住するを釈す
  • 是の乗は仏の法か、菩薩の法か?
  • 是の乗は、菩薩の法である。
  • 是の功徳は清浄であるが故に変じて、仏の法と為る!
  • 一相とは、謂わゆる無相である!
  • 凡夫を引導する為の故に、一相と言う!
  • 狂人は、実際等の法をして三界中より出さしめ、仏道に至ろうとする。
  • 此の人は無相の法をして、出さしめようとしている。
展転*

3.【經】大乗の住処無きことを説く
【經】須菩提。汝所問是乘何處住者。須菩提。是大乘無住處。何以故。一切法無住相故。是乘若住不住法住。‥‥
  • 是の乗は、何処に住まるのか?
  • 是の大乗には、住処が無い!

4.【論】大乗の住処無きことを釈す
  • 前には是の乗は薩婆若に到ると説き、今は是の乗には住処が無いと言うのは?
  • 一切の法には、住処が無い。
  • 不住とは、自相中に住まらない。
  • 不住でないとは、異相中にも住まらない。

5.【經】一切法の不可得なることを説く
【經】須菩提。汝所問誰當乘是乘出者。無有人乘是乘出者。何以故。是乘及出者所用法及出時。是一切法皆無所有。若一切法無所有。用何等法當出。‥‥
  • 是の乗には、誰が乗るのか?
  • 是の乗には、誰も乗らない!
  • 一切の法には所有が無いのに、何法を用いて出るのか?
  • 我、乃至知者、見者は得られない!
  • 六波羅蜜、乃至仏等、一切の法は得られない!
  • 畢竟じて浄らかであるが故に。

6.【論】一切法の不可得なることを釈す
  • 出るとは、仏道の辺に出る。
  • 是の乗を以って、薩婆若を成就する。
  • 乗とは、六波羅蜜。
  • 用いる法とは、慈悲、方便等。
  • 出る者は、菩薩。
  • 此の三法は、皆空である。
  • 一切の法は空であり、畢竟清浄であるが故に得られない。
本末*



大智度論巻第五十一(上)
釈勝出品第二十二
1.【經】一切の世間を勝出する
【經】慧命須菩提白佛言。世尊。摩訶衍摩訶衍者。勝出一切世間及諸天人阿修羅。世尊。是摩訶衍與虛空等。如虛空受無量無邊阿僧祇眾生。摩訶衍亦如是。受無量無邊阿僧祇眾生。
  • 摩訶衍の摩訶衍たる所以は、一切の世間、及び諸の天、人、阿修羅を勝出するからである。
  • 三世は、等しく摩訶衍である。
  • 摩訶衍は、六波羅蜜である。
  • 摩訶衍は、一切の陀羅尼門、三昧門である。
  • 摩訶衍は、内空、乃至無法有法空である。
  • 摩訶衍は、四念処、乃至十八不共法である。
  • 三界は虚妄、憶想分別和合名字等の法有るのみ。
  • 六波羅蜜、乃至十八不共法は無法、非法であるが故に、摩訶衍は一切の世間、及び諸の天、人、阿修羅を勝出する。
者*、勝出、諦*、性人、八人

2.【論】一切の世間を勝出する
  • 虚空は一切の国土を含受するが如く、摩訶衍は諸仏、諸弟子を含受する。
  • 虚空に入、出、住相の無いが如く、摩訶衍は三世の相が無い。
  • 若し三界が定実、常、不虚妄ならば、摩訶衍は三界を摧破して勝出できない。
  • 何故天、人、阿修羅のみを勝出するのか?
  • 三善道すら尚お勝出す、況んや三悪道をや。
  • 龍が、何故悪道なのか?
逃遁、寇賊、

釈含受品第二十三
1.【經】摩訶衍は虚空に等しい
【經】佛告須菩提汝所言衍與空等。如是如是。須菩提。摩訶衍與空等。須菩提。如虛空無東方無南方西方北方四維上下。須菩提。摩訶衍亦如是。無東方無南方西方北方四維上下。
  • 摩訶衍は、空と等しい。
  • 虚空が、東西南北、四維上下、長短方円、青黄赤白黒、過去未来現在、増減垢浄、生住異滅、善不善記無記、見聞知識が無いように、摩訶衍にも亦た無い。
  • 虚空が、不可知、不可識、不可見、不可断、不可証、不可修であるように、摩訶衍も亦た同じである。
  • 虚空が、染相離相無く、欲界、色界、無色界に繋らないように、摩訶衍も亦た同じである。
  • 虚空が、十地、四果、四果、声聞地乃至仏地が無いように、摩訶衍も亦た同じである。
  • 虚空が、非色非無色非可見非不可見非有対非無対非合非散、非常非無常非楽非苦非我非無我、非空非不空非相非無相非作非無作、非寂滅非不寂滅非離非不離、非闇非明、非可得非不可得、非可説非不可説であるように、摩訶衍も亦た同じである。
衍*

2.【論】摩訶衍は虚空に等しい
  • 須菩提が、摩訶衍を虚空のようだと讃ずると、仏は即座に広述して、其の事を完成された。
  • 布施、持戒等の有為法、色法を何故、虚空に等しいと言うのか?
  • 六波羅蜜には二種あり、世間と出世間である。
  • 世間は有為法、色法であり、虚空と同じではない。
  • 出世間は如、法性、実際の智慧と和合するが故に、虚空に似る。

3.【經】無量無辺阿僧祇の衆生を受ける
【經】須菩提。如汝所言。如虛空受無量無邊阿僧祇眾生。摩訶衍亦受無量無邊阿僧祇眾生。如是如是。須菩提。眾生無所有故。當知虛空無所有。虛空無所有故。當知摩訶衍亦無所有。以是因緣故摩訶衍受無量無邊阿僧祇眾生。何以故是眾生虛空摩訶衍。是法皆不可得故。
  • 虚空が、無量無辺阿僧祇の衆生を受けるように、摩訶衍も亦た無量、無辺、阿僧祇の衆生を受ける。



大智度論巻第五十一(下)

釈含受品第二十三

1.【論】無量無辺阿僧祇の衆生を受ける
  • 虚空は無所有の故に、能く一切の物、衆生を受ける。
  • 心心数法も形質が無い、虚空と何が異なるのか?
  • 虚空は自相無く、色相を待って虚空と説く。
  • 虚空は無相なるが故に、その法は得られない。
  • 常に虚空の相は有り、色に因るが故に相が現われる?
  • 何故、虚空を以って喩えるのか?
  • 虚空は無いのに、何故能く無量の衆生を受けるのか?
  • 摩訶衍が無いが故に、一切の法も亦た無い。
  • 無数、阿僧祇とは?
  • 無量とは?
  • 無辺とは?
虚空、受*、形質*、形色*、作法*、所相*、阿僧祇、阿*、繋、実際

2.【經】摩訶衍には来処、去処、住処が無い
【經】須菩提。汝所言是摩訶衍。不見來處不見去處不見住處。如是如是。須菩提。是摩訶衍不見來處不見去處不見住處。
  • 須菩提の言うとおり、摩訶衍は来処、去処、住処が無い。
  • 色、受想行識にも来処、去処、住処が無い。
  • 色の法、色の如、色の性、色の相も、亦た同じ。
  • 一切法、法の法、法の如、法の性、法の相も、亦た同じ。

3.【論】摩訶衍には来処、去処、住処が無い
  • 一切の法の相は、動かない。
  • 一切の仏法中に、我、衆生が無いが故に、去者来者が無い。
  • 三世に来相去相を求めて、得られないが故に、去者来者が無い。
比知*

4.【經】摩訶衍に前際、後際、中際は無い
【經】須菩提。汝所言是摩訶衍。前際不可得後際不可得中際不可得。是衍名三世等。以是故說名摩訶衍。如是如是。須菩提。是摩訶衍前際不可得後際不可得中際不可得。是衍名三世等。以是故說名摩訶衍。
  • 摩訶衍は前際、後際、中際を得られない。
  • 摩訶衍を三世の等といい、是の故に是の衍を摩訶衍という。
  • 過、未、現在世は過、未、現在世という空。
  • 三世、三世の等は、三世、三世の等という空。
  • 摩訶衍、菩薩は、摩訶衍、菩薩という空。
  • 等中に、六波羅蜜、四念処、乃至十八不共法は得られない。
  • 等中には、等も亦た得られない。
  • 菩薩摩訶薩は般若波羅蜜に住し、三世の等相を学んで、一切種智を具足する。
前際*、後際*、中際*、三際*、等*

5.【論】摩訶衍に前際、後際、中際は無い
  • 三世の等とは、等とは空である。
  • 摩訶衍、菩薩は、摩訶衍、菩薩自ら空である。
  • 三世の等は、空相であり、所有が無い。
  • 菩薩の三世平等を、衍(船)に喩える。
  • 等、不等は相待するが故に、等、不等の法は無い。
  • 仏は、非因縁、不具足因縁を捨て、具足の因縁を説かれた。謂わゆる六波羅蜜である。
  • 三世の菩薩は、是の乗(六波羅蜜)を学んで、具足して仏道を成じ得た。



大智度論巻第五十二(上)
釈会宗品第二十四
1.【經】摩訶衍と般若波羅蜜と無二、無別
【經】爾時慧命富樓那彌多羅尼子白